死に至る病
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#106 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
女子高生は驚きつつ、勝ち誇ったように店長をみた。

「もしや、これが最後のスイーツですねぇ? もう材料がないとか…?」

「……」

店長はしぶる。

その通りだった。
これが最後の切り札。

もう材料が底をつき、負けじとスタッフ全員で悩みぬいた末の手段が巨大ケーキだったのだ。

⏰:09/08/06 00:35 📱:N03A 🆔:hRVRSZQ.


#107 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ただのショートケーキではない。

スポンジ間にはフルーツぎっしり、チョコたっぷり、さらにはこしあん、栗、ピーナッツ、クッキーまでつまっていたりする。

胃もたれ確定、胸焼けひっしの殺人スイーツだった。

しかし女子高生はペースを落とすどころか、凄まじい勢いで巨大ショートケーキをけずりはじめた。

みるみるうちに小さくなっていく巨大ケーキは頼りない。


そして、彼女は最後の一口を食べた…。

⏰:09/08/06 00:36 📱:N03A 🆔:hRVRSZQ.


#108 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「キミには負けましたな」

店長が言った。

女子高生は何も言わず、店長と握手した。

「おかげで私のプライドはズタズタなわけでして、ははは、本当に参った」

「…美味しかったですよぅ。どれも本当に美味しかった」

彼女は頭を下げた。

⏰:09/08/06 00:40 📱:N03A 🆔:hRVRSZQ.


#109 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「律儀ですな。お客様に失礼を働いたのは私ですのに。……ささやかながら、貴女にお土産をプレゼントさせてください」

そう言って、店長は一枚のカードを取り出した。

そこにはプレミアカード、と英語で表記されている。

このファミレスの有料プレミア会員にだけ与えられるものだと知っていた彼女は、驚きの声をあげた。

どうやら喜んでもらえたようだった。

⏰:09/08/06 00:40 📱:N03A 🆔:hRVRSZQ.


#110 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ありがとう」

「また、いつでもお越しになってください。そうだ、最後にぜひ貴女のお名前をおしえてはくれませんかな。私は堤です、貴女は?」

「わたしは狩山直央です」

「直央さんですか、いい名前ですな」

「…それじゃあ高山さん、また会いましょう」

店長は直央の姿が見えなくなるまで、小さな背中を見守っていた。

⏰:09/08/06 08:25 📱:N03A 🆔:hRVRSZQ.


#111 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
>>110
5行目に高山さんとありますが訂正します。

堤さんです(><)

⏰:09/08/06 09:15 📱:N03A 🆔:hRVRSZQ.


#112 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
夜更新します(*^_^*)

⏰:09/08/07 17:21 📱:N03A 🆔:Nti4.WFk


#113 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ぎらぎら照りつける太陽。

雲一つない青空に、忙しい蝉の合唱。

天気予報では雨だったぶん、なんだか得をした気分で嬉しかった。


「渉ちゃん、早く早くぅ」

午前の授業が終わったとたん、僕は直央に手を引かれて中庭にでた。

⏰:09/08/07 21:58 📱:N03A 🆔:Nti4.WFk


#114 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
彼女の片手には大きな鞄、そのなかには重箱の弁当が入っていた。

直央は昨日の約束を律儀に守ってきてくれたのだ。

きけば、この量を誰の助けも借りずたった一人で作り上げたのだという。

誇らしげに語る直央が愛しくて、僕は胸が幸せにあふれるのを感じた。

⏰:09/08/07 22:18 📱:N03A 🆔:Nti4.WFk


#115 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
芝生に踏み込むと、太陽の眩しさに僕は目を細めた。


中庭のベンチは人気スポットで、昼休みになると生徒が我先にと競争になる。

そのなかでも一番人気なのが、木陰の下にあるところだった。

涼しくて、風当たりもよくて、弁当の味も三割増しになる。

⏰:09/08/07 22:19 📱:N03A 🆔:Nti4.WFk


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