死に至る病
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#142 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
喜ぶりこに、湊は言った。
冷静な一言。
さすがのりこも、残念とばかりに腹の虫が泣きわめく腹を押さえた。
湊はりこのお目付け役だ。
ときたま暴走するりこを、さりげなくせいしたりフォローしたりする。
:09/08/09 20:02
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#143 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ふにゃっとしてるが、あなどってなめてかかると痛い目をみる。
勘も鋭く、彼に嘘はつけない。
僕はお目にかかったことはないが、本気で怒ると、ヤクザ顔負けの凄みがあるらしい。
…ちなみに怒らせたのはりこ。
普段りこに優しい湊を怒らせるなんて、なにしたか気になる。
:09/08/09 20:05
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#144 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央は重箱の蓋を開けた。
「いいんだよぅ。遠慮しないで、どんどん食べてね〜」
「そうだぞ、遠慮すんな」
中身を見たりこが、ふおっ、と奇妙な悲鳴をあげて目を丸くした。
:09/08/09 20:07
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#145 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
気持ちはわかる。
一段目の中身はまるまる桃ゼリー(しかも果肉たっぷり)だったのだから、その反応は仕方ないことだった。
「す、スゴいなぁ。一段目からデザートだなんて、さすがは爆食魔狩山直央だよ。桃がたくさん入ってて美味しそう〜」
「えっへん。ちなみに、渉ちゃんはアッサリが好きだから寒天で固めてあるんだぁ。ヘルシーだから女の子には嬉しいよねっ」
:09/08/09 20:08
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#146 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「渉はシアワセ者だよ、こんな美少女に、こんな美味しいもの作ってもらえるなんてさ」
「どんどん食べてねっ。そのかわり、最後まで食べてくれなきゃ怒るよぅ」
「はーい」
驚きつつも、りこは喜んで桃ゼリーを食べはじめた。
直央も一緒に食べながら、いかに桃ゼリーが素晴らしいかを語っていた。
:09/08/09 20:09
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#147 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
のほほんとした光景に、僕と湊は黙って見守っていた。
けれど僕は知っている。
これから待ち受ける、あの重箱の甘ったるい恐ろしさを知っている。
笑ってられるのも今のうち。
別腹がはち切れて、満腹死するまで食べるがよい。
りこめ、いつも僕にプロレス技をかける天罰だと思いたまえ。
:09/08/09 20:16
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#148 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ありゃりゃ…、もう桃ゼリー無くなっちゃったねぇ。ごめん直央ちゃん。つい美味しくて遠慮なしに食べちゃった」
りこは言った。
「大丈夫だよぅ〜。まだまだいっぱいい〜っぱい、あるから」
直央は重箱を解体していくと、そこには僕の予想していた光景があった。
:09/08/09 20:18
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#149 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
二段目は和菓子の詰め合わせ。
三段目はイチゴとクリームたっぷりのショートケーキ。
四段目はチョコケーキ。
五段目はモンブラン。
とどめは、湯がしただけのチョコかと思うくらいどろどろした、アイスココアだった。
:09/08/09 20:20
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#150 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「……あ、あはは、こりゃすごい…」
りこは唖然として、引きつった笑顔と渇いた笑い声を上げた。
もう満腹らしい。
りこがバトンタッチと僕にスプーンを渡したその時、彼女の肩を直央が鷲づかみにした。
彼女は恐る恐る振り返った。
:09/08/09 20:22
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#151 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「まだ残ってるよぅ? 最後まで食べてくれるよねっ?」
「な、直央ちゃん、ごめんけどあたしもうお腹いっぱいで、」
りこはそこまで言って、直央からどす黒いオーラがでているのに気づきあわてはじめた。
:09/08/09 20:28
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