死に至る病
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#361 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「わ、渉っ……?」

その時、声がした。


僕が女を抱きしめたまま振り向くと、茂みの外にりこがいた。

驚愕の表情を、僕は笑った。


遅れて、女達がうつろな瞳でりこを見た。

⏰:09/08/22 14:18 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#362 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕は構わず続けた。



「なにしてんの、あんた…」

泣き出しそうな声だった。


女が舌打ちをする。

⏰:09/08/22 14:19 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#363 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「あんた邪魔だよ。早くここから消えてくれない」

女がりこに言った。

りこは歯をくいしばり、涙声でしぼるように叫んだ。



「渉、おまえ、なんてことしてるんだよ! こんなとこで、こんな時に、こんな女達と、こんなくだらないことして、――早く止めろっ!」


僕には届かない。

⏰:09/08/22 14:20 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#364 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
しびれを切らした女のひとりがのそのそと服を着て、りこに向かっていった。


「あんた、うるさい」

女はけらけらと笑いながら、りこを突き飛ばそうと手を出したが、

「畜生!」

りこはそう叫ぶと、なんの容赦もなしに女の顔面を殴りとばした。

⏰:09/08/22 14:21 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#365 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
女は突然のことに大した悲鳴も上げず倒れこみ、鼻血の垂れる鼻を押さえた。



僕は抱いていた女から離れると、殴られた女の顔を覗き込んだ。

これはすごい。

⏰:09/08/22 14:22 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#366 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「おまえも同じ顔にしてやる。間違っても、二度と直央ちゃんに近づけない顔にな」

りこは僕の胸ぐらをつかみ、すごみながら言った。


それでも僕は動じなかった。

⏰:09/08/22 14:22 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#367 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「我慢して、大切にしてきた女に裏切られた気持ちが、男勝りな女に分かるか。おまえは、りこは――湊に好きなやつができたら冷静でいられるのか?」

りこは黙って拳を振り上げると、僕の右頬を殴った。


「この甘ったれ野郎が! 直央ちゃんにフラれでもしたか? いい気味だね、むしろおまえみたいなやつにねちねち好かれるくらいなら、他のやつを好きになれた直央ちゃんは幸運だ。渉、おまえに直央ちゃんは不釣り合いなんだよ、人間性がな!」

⏰:09/08/22 14:23 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#368 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「……」

「好きな女に好きな男がいたら素直に身ぃ引いて応援すりゃいいんだよ! それなのに、なんだよ、このザマはよ、だらしねぇ! 飼い主に首輪外された、盛りのついた犬かおまえは!」

「そうだよ。犬だ。」


いいように直央に飼い馴らされてた、犬なんだよ。

⏰:09/08/22 14:24 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#369 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
涙が出た。

止まらない。


こんなにも直央を愛してるのに、弱い僕はくだらない解釈しかできない。

⏰:09/08/22 14:24 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


#370 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕はりこに抱きつき、キスをした。

胸に手をやり、腰に手を回す。



もう一度、右頬に鈍い痛み。

股間まで蹴られた。


畜生、畜生と叫び涙を流しながら、りこは僕をきつく抱きしめた。

⏰:09/08/22 14:26 📱:N03A 🆔:SNme/9P6


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