死に至る病
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#120 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
もしかしたら、僕の大好物のハンバーグが入ってたりして。

ここは王道に肉じゃがもありえる。

美味しい予想が浮かぶ。


しかし僕は同時に、なにか大切な事を忘れている気がしてならなかった。

⏰:09/08/07 22:40 📱:N03A 🆔:Nti4.WFk


#121 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「どーしたのぅ?」

僕がなかなか蓋を開けないので、直央が不安そうに言った。

「いや…、なんだったかな…」

「なにがっ?」

「何でもない。……うーん…」


思い出せない。

⏰:09/08/07 22:43 📱:N03A 🆔:Nti4.WFk


#122 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「おーいっ!」

僕が悩んでいると、直央が誰かに反応してぶんぶんと手を振った。

そっちを見る。

直央に気づいた男女は、こちらに向かって歩いてきた。

見慣れた顔。

天野湊(あまのみなと)と野村りこ(のむらりこ)だった。

⏰:09/08/08 13:41 📱:N03A 🆔:edlBdonc


#123 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
二人とも弁当箱を片手にしていた。

きっと食べる場所を探していたのだろう。


「よっす、直央ちゃんに渉。イイトコ陣取ったねー。あたしらいつもの場所が一年生に取られちゃってさ。困ってたんだ」

りこはポニーテールを揺らしながら言った。

彼女の白いワイシャツに木漏れ日が映って、ゆらゆらと泳いで揺れていた。

⏰:09/08/08 18:56 📱:N03A 🆔:edlBdonc


#124 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
りこは僕のいとこだ。

僕達が小さい頃から家族ぐるみで仲がとても良かった。

今でもしょっちゅう遊びにきたり泊まりをしたりする。

この間はキャンプに行った。

同い年ということもあり、一人っ子の僕にとって、りこは兄弟同然だった。

⏰:09/08/08 19:13 📱:N03A 🆔:edlBdonc


#125 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
小さい頃、男まさりのりこには散々喧嘩で負かされてた。

駆け足も速くて、テレビゲームも強くて、恥ずかしいがりこに憧れてた。

それがいつしか立場逆転、りこはある日突然女の子らしくなった。

理由は恋の病。

相手はりこの隣に立つ、天野湊だった。

⏰:09/08/08 19:14 📱:N03A 🆔:edlBdonc


#126 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
二人は小学校からずっと一緒で、幼なじみというやつだった。


りこは初恋だったんだろうな。

湊もそうかもしれない。

⏰:09/08/08 20:57 📱:N03A 🆔:edlBdonc


#127 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
今では恋人同士で、すごく仲がいい。

おしどりみたいに、いつも揃って行動している。

微笑ましいな。ほんと。

⏰:09/08/08 21:44 📱:N03A 🆔:edlBdonc


#128 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ほらほら、ボーッとしてないでもっと向こうに詰める詰める」

りこは僕の隣に座ると、ぞんざいに肩をぐいぐい押した。

ここで食べるつもりらしい。

「ごめんな、渉くん」

申し訳なさそうに、湊もりこの隣に座った。

⏰:09/08/08 22:39 📱:N03A 🆔:edlBdonc


#129 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
そうしおらしくされるとこっちが悪いことしてるみたいな気分だった。

君は悪くないぞ。


「あれ? あれあれあれ? もしかしてそれって愛妻弁当ってやつだったり?」

りこはにやにやしながら、直央と僕の弁当を箸で指した。

湊も興味深そうに、りこの肩ごしに弁当を見る。

⏰:09/08/08 22:41 📱:N03A 🆔:edlBdonc


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