死に至る病
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#140 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕は重箱をぽんぽんと叩いた。

早起きして弁当を作ってくれた直央のまごころだけもらっておくとしよう。

後はりこに任せた。


りこが怪訝そうにしていると、直央がにこにこしながら重箱の蓋に手をかけて言った。

⏰:09/08/09 20:00 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#141 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「甘いものが好きなら、りこちゃんも一緒に食べよぅ! たくさんあるし。それっぽっちのお弁当じゃ、お腹空いちゃうでしょ?」

直央の提案に、りこはきらきらと目を輝かせた。

「ホント〜? ありがたいねぇ! …いや実はさ、今日みたいに弁当のおかず少ないと、あたし午後の授業はお腹空いて集中できないんだよね〜!」

「…りこ、悪いって。直央ちゃんは渉くんに作ってきたんだよ」

⏰:09/08/09 20:01 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#142 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
喜ぶりこに、湊は言った。

冷静な一言。

さすがのりこも、残念とばかりに腹の虫が泣きわめく腹を押さえた。

湊はりこのお目付け役だ。

ときたま暴走するりこを、さりげなくせいしたりフォローしたりする。

⏰:09/08/09 20:02 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#143 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ふにゃっとしてるが、あなどってなめてかかると痛い目をみる。

勘も鋭く、彼に嘘はつけない。

僕はお目にかかったことはないが、本気で怒ると、ヤクザ顔負けの凄みがあるらしい。


…ちなみに怒らせたのはりこ。

普段りこに優しい湊を怒らせるなんて、なにしたか気になる。

⏰:09/08/09 20:05 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#144 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央は重箱の蓋を開けた。

「いいんだよぅ。遠慮しないで、どんどん食べてね〜」

「そうだぞ、遠慮すんな」


中身を見たりこが、ふおっ、と奇妙な悲鳴をあげて目を丸くした。

⏰:09/08/09 20:07 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#145 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
気持ちはわかる。

一段目の中身はまるまる桃ゼリー(しかも果肉たっぷり)だったのだから、その反応は仕方ないことだった。


「す、スゴいなぁ。一段目からデザートだなんて、さすがは爆食魔狩山直央だよ。桃がたくさん入ってて美味しそう〜」

「えっへん。ちなみに、渉ちゃんはアッサリが好きだから寒天で固めてあるんだぁ。ヘルシーだから女の子には嬉しいよねっ」

⏰:09/08/09 20:08 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#146 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「渉はシアワセ者だよ、こんな美少女に、こんな美味しいもの作ってもらえるなんてさ」

「どんどん食べてねっ。そのかわり、最後まで食べてくれなきゃ怒るよぅ」

「はーい」

驚きつつも、りこは喜んで桃ゼリーを食べはじめた。

直央も一緒に食べながら、いかに桃ゼリーが素晴らしいかを語っていた。

⏰:09/08/09 20:09 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#147 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
のほほんとした光景に、僕と湊は黙って見守っていた。

けれど僕は知っている。

これから待ち受ける、あの重箱の甘ったるい恐ろしさを知っている。

笑ってられるのも今のうち。

別腹がはち切れて、満腹死するまで食べるがよい。

りこめ、いつも僕にプロレス技をかける天罰だと思いたまえ。

⏰:09/08/09 20:16 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#148 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ありゃりゃ…、もう桃ゼリー無くなっちゃったねぇ。ごめん直央ちゃん。つい美味しくて遠慮なしに食べちゃった」

りこは言った。

「大丈夫だよぅ〜。まだまだいっぱいい〜っぱい、あるから」

直央は重箱を解体していくと、そこには僕の予想していた光景があった。

⏰:09/08/09 20:18 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


#149 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
二段目は和菓子の詰め合わせ。

三段目はイチゴとクリームたっぷりのショートケーキ。

四段目はチョコケーキ。

五段目はモンブラン。


とどめは、湯がしただけのチョコかと思うくらいどろどろした、アイスココアだった。

⏰:09/08/09 20:20 📱:N03A 🆔:0eHX26cc


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