死に至る病
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#177 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「意外です。とても仲がよさそうに見えたので、てっきりそうかと勘違いしてました」
「よく言われる」
「でも、本当に恋人にしか見えません。そうでなかったら手を繋いだり寄りかったりしませんよ」
「直央にとって、それがスキンシップだからね」
「…それを口実に、イチャつきたいだけじゃないですか」
:09/08/13 22:25
:N03A
:RJ.dOnTs
#178 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
口実。
痛いとこつくな、この子。
僕はちょっと笑って、その反面胸がちくちく痛むのを感じていた。
でもそれは僕だけじゃないはずだ。
直央もきっと同じだろう。
:09/08/13 22:28
:N03A
:RJ.dOnTs
#179 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
お互い必要だから、一緒にいる。
お互いが信じてる。
明日を一緒に迎えて、喜びを分かちあって、悲しみに涙を流しあう。
抱きしめたければ優しく抱きしめればいい。
キスしたければ何回でもすればいい。
:09/08/13 22:31
:N03A
:RJ.dOnTs
#180 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
きれいごとかもしれないけど、あたりまえだからしかたない。
これはあたりまえだった。
だけど他人はこのあたりまえをあたりまえと認めず、嫌う。
友達と恋人の境目にはなにもないと決めつけ、きっちりしたカテゴリーにおさめたがる。
真実にしたがる。
僕らにしてみれば、それは無粋でしかないことだった。
:09/08/13 22:32
:N03A
:RJ.dOnTs
#181 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
日差しで暖められたぬるい空気が、僕の眠気を誘う。
「あの人がすごくいい人だというのは、分かります」
早紀さんは今まで下げていた頭をす上げて、くっきりした声で言った。
彼女の声は透明で、頭の中にすっと入ってくる。
なんとなく、この子は嘘をつかないしつけないだろうなと思った。
:09/08/13 22:33
:N03A
:RJ.dOnTs
#182 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「うん。いいやつだよ。すっごくいいやつ。そのせいで傷つくことも多いからよく泣くんだけど、…幸せそうに泣くんだよな、あいつ。他人が傷つくくらいなら自分が傷つくほうがマシ、なんて考えてる。そんなやつ、なかなかいないよな。レアだよレア」
「……桐沢さん、好きでたまらないって感じですね」
「そうかな」
お待たせー、とりこと直央がトレイに紅茶を乗せて帰ってきた。
猫足の木製テーブルに白い陶磁器のカップが置かれる様子を、僕は夢の中のように見ていた。
:09/08/13 22:34
:N03A
:RJ.dOnTs
#183 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央がしずしずと、僕の横に正座でちょこんと座った。
僕の顔を覗き込む。
「眠い?」
直央が訊いた。
僕は頷いた。
すると彼女は正座のまま、自分のももをぽんぽんと叩いてみせた。
:09/08/13 22:35
:N03A
:RJ.dOnTs
#184 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「膝枕したげるよぅ〜」
りこが紅茶をふきだしかけて、口を押さえながら笑った。
つられて僕も笑った。
ほらほら早くぅ、と直央は頬っぺたを膨らませて急かした。
「いーじゃん、してもらいなよ膝枕ー。絶世の美少女の太もも撫でれるなんて生き天国じゃん。直央ちゃんがあんたになついてくれてる間がチャンスだよー。素直になんないと他の男に直央ちゃん持ってかれるよん」
りこは言った。
:09/08/13 22:36
:N03A
:RJ.dOnTs
#185 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ばーか、持っていかせねーよ」
なんて言ってみる。
直央はみるみるうちに真っ赤になり、ぽわーんんんとつぶやいて妄想をしだした。
と思いきや、あっという間に直央は僕の腕をひっつかみ(すごい力で)、横に引っ張った。
体勢を崩して倒れたさきには、直央の膝枕があった。
:09/08/13 22:37
:N03A
:RJ.dOnTs
#186 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ぽふ、と頭に柔らかい感触。
鼻の下を伸ばさずにはいられない、膝枕って男のロマンだよな。
直央は僕の頭を撫でながら、やーんいい匂いがするよぅと言って、猫みたいに頬をすりつけてきた。
「うっしっし、あたしらの前で公開イチャイチャしてくれちゃってさー。直央ちゃんもホンット渉が好きだねぇ。そんなオトコのどこがいーんだか」
「えへへ〜。好きだからしょうがないよぅ。それに、渉ちゃんにはわたししかいないもんね〜。バレンタインチョコはわたしにしかもらえないもんね」
:09/08/13 22:39
:N03A
:RJ.dOnTs
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