死に至る病
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#6 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
思いきり蛇口をひねる。
洗面器にあふれた、きんと冷たい水で顔を洗い、口をゆすいだ。
鏡にうつる僕は、情けないくらいひどくやつれていた。
まぶたが重い。
もう寝よう。
:09/07/21 18:30
:N03A
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#7 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕が玄関の戸締まりに向かう途中、電話のベルが鳴った。
そんな聞き慣れた音にさえ、僕はびくっと体を震わせた。
こんな時間に、誰だろう。恐る恐る受話器をとった。
:09/07/21 18:32
:N03A
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#8 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「……もしもし。桐沢です」
「こんばんは。夜遅くにごめんなさい」
声の主を僕は知っていた。とたんに、緊張がとけた。
――だから、油断していた。
忍びよる足音に、気づけなかった。
:09/07/21 18:33
:N03A
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#9 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ビデオは、楽しかった?」
彼女は、愉快そうに言った。
僕は言葉を失い、受話器を手放して床に落としてしまった。
そして、背後に迫った気配に、ようやく気づいた。
:09/07/21 18:36
:N03A
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#10 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「無用心だよ。玄関に鍵をしめないなんて、悪い人が入ってきちゃうかもしれないのに」
彼女は言った。
驚いて振りかえると、時はすでに遅く、……彼女は金槌を大きく振りかぶっていた。
そして、彼女はなんのためらいもなくそれを振り下ろした……。
:09/07/21 18:37
:N03A
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#11 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
:09/07/23 22:08
:N03A
:U89gCFpA
#12 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
午後の授業は、ひどく眠い。寝まいと頑張っても、気づいたら机につっぷして寝てしまう。
もちろん、それを教師が見逃すはずもなく、出席簿で頭を叩き起されるのが日常茶飯事だった。
今日もまた、眠気に負けて居眠りをしてしまっていた。
「またですか……」
黒山先生は大きなため息をついて、出席簿を手にとった。
:09/07/23 22:11
:N03A
:U89gCFpA
#13 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
もう少しで出席簿の一撃を食らうところで、隣の席の狩山直央(かりやまなお)が僕の肩をつついて起こしてくれた。
「あら」
黒山先生は僕が起きたことに気づくと、少し残念そうにして、教卓へ戻っていった。
……その様子から、本当は気持ちいい一撃をおみまいしたかったんだろうな、と、僕ならずクラスメイトも思ったに違いない。
まさに危機一髪、危ないところだった。
:09/07/23 22:20
:N03A
:U89gCFpA
#14 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
何事もなかったみたいに授業が再開され、僕は閉じたままだった教科書とノートを広げた。
ノートいっぱいの数式の羅列に、一気に眠気とけだるさがぶり返す。
こんなものが将来なん何の役に立つのやら。
僕はでかいあくびをひとつして、また机につっぷした。
:09/07/23 22:23
:N03A
:U89gCFpA
#15 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
しかしすぐに、直央に頭をぽかっと叩かれた。
痛ぇ、と素直に口にでた。
そこそこ強く、地味にじんじんと痛かった。
直央は教科書で顔を隠しながら、小さな声で言った。
「渉ちゃんったら、何回頭を叩かれれば気がすむんだよぅ。
黒山先生だって、真剣に教えてくれてるんだから、真面目に授業受けなきゃ失礼だよぉ」
:09/07/23 22:25
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