死に至る病
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#67 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ほら、期待させる。
どうして。
そういうこというから、臆病者はつけあがるんだよ。
「どうせ、嘘なんだろ」
唇が重なる。
吐息が重なる。
もうすべてがどうでもいい。
:09/07/30 22:33
:N03A
:jOlV9rkE
#68 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
目を開けると、直央は我慢するようにかたくまぶたを閉じていた。
…馬鹿なやつ。
嫌なら早く、突き飛ばせばいいのに。
僕は直央の肩に手をやると、滑るように首に舌を這わせた。
上から聞こえる小さな吐息。
「 」
そして僕は、言ってはならない言葉を口にした。
:09/07/30 22:35
:N03A
:jOlV9rkE
#69 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
――その時だった。
「い…いやっ……!!」
思い切り、容赦なく、残酷な言葉をそえて直央は僕を突き飛ばした。
直央は泣いていた。
いや、違う。
そうじゃない。
僕が泣かせてしまったんだ。
:09/07/31 07:29
:N03A
:nWXaJZio
#70 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「直央、ごめん…」
自分が許せなかった。
直央が怯えていたのは分かっていたのに、どうして止めなかったんだろう。
直央はただ、いつもみたいにじゃれたかっただけなんだ。
夜空を一緒にみて、寒いから手を繋いでみただけ。
……それなのに僕はまた分かりきったことを繰り返して、直央の信頼を傷つけた。
:09/07/31 15:06
:N03A
:nWXaJZio
#71 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
涙が、こぼれた。
どうして泣いているのか、自分でも分からない。
「ごめんね……、本当にごめんね……渉ちゃん……」
直央は言った。
「何で直央が謝るんだよ…」
直央はずっと泣いていた。
鈴虫の鳴き声と交わって、…まるで音楽みたいだった。
:09/07/31 16:03
:N03A
:nWXaJZio
#72 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
心に突き刺さる泣き声。
この泣き声を、覚えていよう。
きっと、彼女の優しさが僕に向けられなくなるまで、また僕は裏切りを繰り返すから。
――『愛してる』。
貪欲に、なんどでも。またこの言葉を口にするのだろう。
:09/07/31 21:14
:N03A
:nWXaJZio
#73 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央の家に着いた。
家は高く太い柵に囲まれていて、門のところで顔を証明しないと入れない仕組みになっている。
見慣れられている僕はそれで許されるが、普通はそうでない。
門までお手伝いさんがやってきて、ボディーチェックをさせられる。
頭のてっぺんから爪先までくまなくきっちりとだ。
:09/08/05 09:42
:N03A
:/M/uXit.
#74 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
刃物なんかでようものなら、怖いお兄さんに袋叩きにされそう(これは僕の想像だけど)だ。
直央の父さんは結構有名なIT企業の社長で、犯罪を防ぐためにセキュリティには敏感なのだという。
直央はご令嬢なわけだから、なぜもっといい都会の高校に通わないのか不思議だったりする。
中学生の妹は東京のお嬢様学校に入学しているから、尚更だった。
…まあそこは複雑な家庭事情があるだろうし、僕がとやかく言うことではないのだけど、やはり気になる。
:09/08/05 15:02
:N03A
:/M/uXit.
#75 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ちなみに妹の名前は鈴夏ちゃんという。
東京がらこちらへ帰省しているときに、何度か会ったことがある。
おっとりした、大和撫子系のきちんとした子だ。
黒髪黒目、日本系の整った顔立ちに長身と、ルックスは直央と正反対だった。
性格もすこし内気。
あまり似てない姉妹だった。
:09/08/05 15:03
:N03A
:/M/uXit.
#76 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
>>752行目に「東京がら〜…」とありますが、訂正します。
「東京から〜…」です。
誤字すみません。
また夜に更新します(^ω^)
:09/08/05 15:12
:N03A
:/M/uXit.
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