死に至る病
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#7 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕が玄関の戸締まりに向かう途中、電話のベルが鳴った。

そんな聞き慣れた音にさえ、僕はびくっと体を震わせた。


こんな時間に、誰だろう。恐る恐る受話器をとった。

⏰:09/07/21 18:32 📱:N03A 🆔:/.aCtCEE


#8 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「……もしもし。桐沢です」
「こんばんは。夜遅くにごめんなさい」


声の主を僕は知っていた。とたんに、緊張がとけた。



――だから、油断していた。

忍びよる足音に、気づけなかった。

⏰:09/07/21 18:33 📱:N03A 🆔:/.aCtCEE


#9 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「ビデオは、楽しかった?」


彼女は、愉快そうに言った。

僕は言葉を失い、受話器を手放して床に落としてしまった。


そして、背後に迫った気配に、ようやく気づいた。

⏰:09/07/21 18:36 📱:N03A 🆔:/.aCtCEE


#10 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「無用心だよ。玄関に鍵をしめないなんて、悪い人が入ってきちゃうかもしれないのに」

彼女は言った。

驚いて振りかえると、時はすでに遅く、……彼女は金槌を大きく振りかぶっていた。


そして、彼女はなんのためらいもなくそれを振り下ろした……。

⏰:09/07/21 18:37 📱:N03A 🆔:/.aCtCEE


#11 [chimu◆Hi9o8eIXuA]



1 退屈な午後


⏰:09/07/23 22:08 📱:N03A 🆔:U89gCFpA


#12 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
午後の授業は、ひどく眠い。寝まいと頑張っても、気づいたら机につっぷして寝てしまう。

もちろん、それを教師が見逃すはずもなく、出席簿で頭を叩き起されるのが日常茶飯事だった。


今日もまた、眠気に負けて居眠りをしてしまっていた。


「またですか……」

黒山先生は大きなため息をついて、出席簿を手にとった。

⏰:09/07/23 22:11 📱:N03A 🆔:U89gCFpA


#13 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
もう少しで出席簿の一撃を食らうところで、隣の席の狩山直央(かりやまなお)が僕の肩をつついて起こしてくれた。


「あら」

黒山先生は僕が起きたことに気づくと、少し残念そうにして、教卓へ戻っていった。

……その様子から、本当は気持ちいい一撃をおみまいしたかったんだろうな、と、僕ならずクラスメイトも思ったに違いない。

まさに危機一髪、危ないところだった。

⏰:09/07/23 22:20 📱:N03A 🆔:U89gCFpA


#14 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
何事もなかったみたいに授業が再開され、僕は閉じたままだった教科書とノートを広げた。

ノートいっぱいの数式の羅列に、一気に眠気とけだるさがぶり返す。

こんなものが将来なん何の役に立つのやら。


僕はでかいあくびをひとつして、また机につっぷした。

⏰:09/07/23 22:23 📱:N03A 🆔:U89gCFpA


#15 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
しかしすぐに、直央に頭をぽかっと叩かれた。

痛ぇ、と素直に口にでた。
そこそこ強く、地味にじんじんと痛かった。


直央は教科書で顔を隠しながら、小さな声で言った。

「渉ちゃんったら、何回頭を叩かれれば気がすむんだよぅ。
黒山先生だって、真剣に教えてくれてるんだから、真面目に授業受けなきゃ失礼だよぉ」

⏰:09/07/23 22:25 📱:N03A 🆔:U89gCFpA


#16 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
長い睫毛で包まれた大きく丸い瞳がぱっちり開いて、困ったように僕を見ていた。

しかし、口元はへの字で、しっかり怒っていた。


「真面目に受けてるって。ほら、教科書もノートも広げてるしさ」

僕は机の上の教科書をパラパラめくってみせる。

隅っこに描かれた半年かけた超大作のパラパラ漫画が、不器用な動きを見せていた。

⏰:09/07/23 22:34 📱:N03A 🆔:U89gCFpA


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