死に至る病
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#75 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
ちなみに妹の名前は鈴夏ちゃんという。

東京がらこちらへ帰省しているときに、何度か会ったことがある。


おっとりした、大和撫子系のきちんとした子だ。

黒髪黒目、日本系の整った顔立ちに長身と、ルックスは直央と正反対だった。

性格もすこし内気。

あまり似てない姉妹だった。

⏰:09/08/05 15:03 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#76 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
>>75
2行目に「東京がら〜…」とありますが、訂正します。

「東京から〜…」です。
誤字すみません。


また夜に更新します(^ω^)

⏰:09/08/05 15:12 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#77 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
「黒木さん、直央です」


直央は慣れた調子で言った。

門は重そうにゆっくりと開き、僕達を招き入れた。

僕達が門をくぐり玄関に近づくと、センサーが反応してひとりでに外灯が灯った。


直央の家はこの田舎には不釣り合いな立派な洋式豪邸で、ここいらでは有名だった。

⏰:09/08/05 18:52 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#78 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
見かけ倒しじゃなく、内装も家具もすごいし、たくさんのお手伝いさんがいる。

直央はあまり口に出したがらないが、お小遣いも平均を軽く上回っているらしい。


さすがご令嬢。

だから頻繁にファミレスで大食いしても、福沢諭吉を惜しみなくぽんぽんだせるわけなのだ。

…お金持ちって羨ましい。

⏰:09/08/05 18:53 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#79 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
直央は僕に借りていた制服を両手で差し出して言った。

「今日はとっても楽しかったよぅ。またファミレス行こうねぇ」

満天の笑顔がまぶしい。

僕は黙って制服を受け取り、すぐに羽織った。



重く長い沈黙。

ありがとうも言えなかった。

⏰:09/08/05 18:54 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#80 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
さすがに直央は困った顔をして、苦し気に小さく笑った。

「あと……、明日からも、これまでと同じように仲良しでいようね。渉ちゃんの気持ち、わたしすごく嬉しかったよぅ。これは本当、嘘なんかじゃないから…」

直央は言った。

いつもの軽い感じじゃなく、とてもしっかりしたもので驚いた。

誰にも頼らない、この意志だけは譲らない、そんな強い光をもった瞳でまっすぐ僕を見ている。


しっかりとそらさずに。

⏰:09/08/05 18:55 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#81 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
僕はそれが恐ろしかった。

一人じゃなにもできなくて、見守ってやらなきゃ危なっかしい直央が、いつの間にか僕を必要しなくなることを何より恐れていた。

だって僕は、直央に必要とされているからいまも親友であれるわけで、必要とされなくなれば、直央は僕から離れていくに違いない。

僕は、直央の特別ではないから。

ずっと、親友のままだから。

⏰:09/08/05 19:19 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#82 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
胸が痛んだ。


このまま握り潰してしまえたら楽なのに、と思った。

⏰:09/08/05 20:30 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#83 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
玄関の横にある勝手口から、メイド服姿の女性が出てきた。


黒木さんだった。

「直央お嬢様、お帰りなさいませ。そして渉さんこんばんは。お帰りが遅いのでお父様がご心配なさっておられますよ」

黒木さんは言った。

直央は冗談っぽく照れてみせた。

⏰:09/08/05 20:34 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


#84 [chimu◆Hi9o8eIXuA]
黒木さんは、切れ長のどこか冷たい目と無表情が印象的な女性だった。

年齢はまだ若い。

私語はつつしみ妥協を許さず仕事に徹底するメイドの鏡で、狩山家に信頼をおかれているという。

付け加え、仕事が終わるとすごく優しいお姉ちゃん。

直央いわく、そうらしい。

⏰:09/08/05 21:18 📱:N03A 🆔:/M/uXit.


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