らぶずっきゅん!!!!
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#51 [七瀬]
 
 
‥でも、
今となっては大後悔。


自分の力をガクンと
下げてしまったのも、

カズと同じ高校に
入っちゃったのも。


かわいいと思っていた制服も着てみるとたいしたことなかった。

もっと、オシャレな制服がある高校も今では当たり前になってきたしね。

⏰:09/08/10 17:04 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#52 [七瀬]
 
 
幼すぎたんだと思う。


小学生のとき、カズに
一目惚れしたのだって

制服で高校
選んじゃったのだって。


やっぱ、
あたしってバカ女。


後悔したって、
もう遅いことだらけ。
 

⏰:09/08/10 17:05 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#53 [七瀬]
 
 
ブーブーブーブー

この感じは‥


受信"カズ"

メールか。


携帯をスライドさせる。

先月買い替えたスライド式の新しい携帯は、まだ慣れない。
 

⏰:09/08/10 17:06 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#54 [七瀬]
 
 
"ちよー。さっきはごめん。なんか怒ってる?"

だってさ。


あたしがなんで
怒ってるのか

わかんないくせに
"ごめん"か‥。


あたしは、そのまま
ポケットに入れた。
 

⏰:09/08/10 17:06 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#55 [七瀬]
 
 
あたしは、
今でも子どもだと思う。


勝手に怒って、
勝手に帰って、

10年も、カズのこと
追い掛け回して。


うん、十分子どもだ。


でも、あたしは悪くない。

ぜったいぜったい
悪くない。

⏰:09/08/10 17:07 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#56 [七瀬]
 
 
だって、カズも
子どもだもん。


あたしの
気持ち知りながら

それを利用して、
もてあそんでる。


あたしとキスする。
えっちだってする。



彼女‥いるくせに。
 

⏰:09/08/10 17:08 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#57 [七瀬]
 
 
ブーブーブーブー

"千頼、どこいんの?"


多果子か‥。


"ごめん。サボる"

送信、っと。


またサボっちゃったけど、仕方ない。
 

⏰:09/08/10 17:09 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#58 [七瀬]
 
昼休みに
脱走してきたから

まだお昼過ぎ。


お弁当食べたし、
お金持ってきてないし、

家に帰るしかない、よね。


‥たいくつ。


やだなぁ。

ヒマだといらないことまで思い出しちゃう。

⏰:09/08/10 17:09 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#59 [七瀬]
 
 
‥あの時のこととか。


―――――――――
―――――
―――


「あたし、カズが好き」

中学三年生。


まだ肌寒い
春休みのときだった。
 

⏰:09/08/10 17:11 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#60 [七瀬]
 
あたしは、
カズに告白した。

いつものように、
カズの部屋で二人で
まったりしているときに。


あたしは、冗談抜きで
マジメに真剣に告った。



正直、自信もあった。

カズとは長い付き合いだし

カズもあたしのこと好きだろうと思ってた。

⏰:09/08/10 17:11 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#61 [七瀬]
 
今思うと、とんでもない
勘違いでうぬぼれだけど。




「‥ごめん。
 俺、彼女いるから」



返ってきたのは、
その一言だけ。
 
 

⏰:09/08/10 17:12 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#62 [七瀬]
 
なにを言われたのか
理解できない。

思考は完全に停止状態。

ショックと恥ずかしさが
入り交じって‥。




「‥そ、そっかあ」


あたしも、
これしか言えなかった。
 
 

⏰:09/08/10 17:15 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#63 [七瀬]
 
 
まぁ、あれから
3年の月日が流れて、

いろいろわかってきた
こともある。


例の彼女は、

カズがここに引っ越してくるまえに住んでたところの幼なじみらしい。


幼稚園児のとき、
"結婚しようねー"って、
約束したんだそう。
 

⏰:09/08/10 17:18 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#64 [七瀬]
 
ね、

カズも案外
子どもでしょ?

そんな初恋みたいな。

あたしとやってること
変わんない。


ううん。

向こうなんて、あたしが
カズを好きになるよりも、ずっとまえなんだから、


ぜんぜん適わない。

⏰:09/08/10 17:19 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#65 [七瀬]
 
 
ありえない。

ありえないありえない。

そんなたかが幼稚園時代のもろい口約束のくせに。


ほんとありえないよ。


あたしも
たかが一目惚れのくせに。


――こんなに
  好き、だなんて。
 

⏰:09/08/10 17:20 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#66 [七瀬]
 
 
 
それからだった。




あたしとカズの
今にまで続く、



"この関係"になって
しまったのは―――
 
 
 
 

⏰:09/08/10 17:23 📱:N703iD 🆔:KCNCkJKg


#67 [七瀬]
 
 
No.3 きゅん、ときどき    ずっきゅん
 
 

⏰:09/08/11 12:13 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#68 [七瀬]
 
 
 
「‥それさ、美化されすぎちゃったんじゃない?」


好物の照り焼きバーガーを大きな口で頬張りながら、多果子は言った。



「美化?」

破片しか残っていない
ポテトをちまちま食べながら答えた。
 

⏰:09/08/11 12:14 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#69 [七瀬]
 
 
「そ。美化」

夕方のマクドは混んでないから、割りと好き。


「長いこと中原を追っかけてるから、いつのまにか
美化されちゃってんじゃない?」


でも、マクドのポテトは
あまり好きじゃない。

定番メニューだからか、
いつも頼んじゃうけど、塩辛いから嫌い。

⏰:09/08/11 12:16 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#70 [七瀬]
 
「ねぇ、千頼。
中原はいつまでも"カズ"のままじゃないんだよ?」

「‥」

わかってる、そんなの。


「千頼の好きな"カズ"はもういないんだよ」

「‥‥」

‥それは違う。

たとえ、昔のカズのままじゃなくても、あたしは、カズが好きだ。

⏰:09/08/11 12:18 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#71 [七瀬]
 
しょうがないじゃん。


わかってても、
昔のカズじゃなくても


カズを見ると心臓が勝手にどきどきするんだもん。


寝起きで機嫌悪いとことか子どもじみたとことか。

きゅん、って。


いやでも、なるんだもん。 

⏰:09/08/11 12:21 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#72 [七瀬]
 
 
「‥あのさ」

「んー?」

「こんなこと
 言いたくないけど」

「なによ」


「もうそろそろ、
 止めたら?」


むしゃむしゃと食べていた口が止まる。
 

⏰:09/08/11 12:23 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#73 [七瀬]
 
 
「‥今の千頼は、半分あきらめてるような、でもまだ固執してるような‥‥」

多果子は、ほんとうに
言いにくそうに言う。


「その‥なんていうか‥」

でも、的の中心を射たことを言う。


「‥前はもっと輝いてたってゆーか、全身で恋してます!って感じだった」
 

⏰:09/08/11 12:23 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#74 [七瀬]
 
冗談混じりに言ってくれるのは多果子の気遣いだってこと。

わかってる。


「好きな人に彼女がいようと、あきらめないで頑張る千頼すごいな、って思ったよ」


よーくわかってる。
 

⏰:09/08/11 12:24 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#75 [七瀬]
 
だけど


「‥‥でも、最近の千頼はただ意地になってるだけに見える、の‥」


人って、ほんとうのこと言われると

抗いたくなる。


それが
正しいことであっても。

自分のために言ってくれてることでも。

⏰:09/08/11 12:25 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#76 [七瀬]
 
 
「‥‥ね‥」

あたしってダメ人間。


「多果子はいいね」

友だちに
八つ当りするなんて。


「多果子は彼氏いるから、そんなこと言えるんだよ」 

⏰:09/08/11 12:26 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#77 [七瀬]
 
頭の中は意外と冷静。
でも、心臓は忙しい。


「あたしの気持ち、
 多果子にはわからない」


ダメダメダメ人間。

好きな人とケンカして、
友だちともケンカした。


原因はすべて自分。
 

⏰:09/08/11 12:27 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#78 [七瀬]
 
 
「千頼‥もっと頭よく冷やして考えな‥」

それだけ言うと、
多果子は立ち上がって

出ていった。



さっき、カズも同じ気持ちだったのかな。


‥取り残された気持ち。
 
 

⏰:09/08/11 12:28 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#79 [七瀬]
―――――――――
―――――
―――


プルルルル…

その夜、
電話がかかってきた。


「はい、もしもし」

ママに促され、受話器を取ったことを後悔した。


「もしもし、ちよ?」
 

⏰:09/08/11 12:29 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#80 [七瀬]
 
 
「‥‥」

ふだん、家にはまったく
かけてこないから驚いた。


「‥俺だけど」

携帯だと、あたしが出ないのが、わかっていたからだろう。


「"俺"って、どちらさまですか?」

わかってたけど、
意地悪してやった。

⏰:09/08/11 12:30 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#81 [七瀬]
 
 
「‥‥」

しばらくの沈黙のあと、


「ちよ、ごめんな」

カズが謝ってきた。


「‥なんで謝ってんの」

「えっ?」


「あたしが、なんで怒ってるかも知らないくせに」
 

⏰:09/08/11 12:30 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#82 [七瀬]
 
 
「だから謝ってんじゃん」

カズはずるい。


「なんで怒ってんのか、わかってやんなくてごめん」

――きゅん


「でも俺、千頼がなんで怒ってんのか知りたい。
ちよと、ずっとこのままなんて、やだから」

――きゅん、きゅん
 

⏰:09/08/11 12:31 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#83 [七瀬]
 
 
「頼む。
 教えてくれよ、ちよ‥」




カズは、どうしていつも

こんな一言で、あたしの心を打ち抜くんだろう。



――‥ずっきゅんって
 
 

⏰:09/08/11 12:34 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#84 [七瀬]
 
 
「あたしも、ごめんね‥」

素直にならなきゃ。


「あたしだって、カズと
一生このままなんてやだ」

ちゃんと言わなきゃ。


「‥‥」


「‥どした?千頼」
 

⏰:09/08/11 12:35 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#85 [七瀬]
 
 
―固執してる

―ただ意地になってるだけ


頭のなかを駆け巡る
ことばたち。


あー、
やっぱそろそろ潮時?



「ちよ?千頼?」
 

⏰:09/08/11 12:36 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#86 [七瀬]
 
 
 
「‥好きぃ‥カズ‥」


そろそろ潮時。


だから、最後に悪あがき。


最後‥ほんとに最後だから

これで、ほんとうのほんとにラストだから


神様、許してください。
 

⏰:09/08/11 12:37 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#87 [七瀬]
 
 
 
「‥‥ちよ‥俺‥」




あたしの心臓に
ふたたび、ずっきゅん、はやってくるのか、


18歳の春になるのか‥。



わからない。
まさに、神のみぞ知る?
 

⏰:09/08/11 12:40 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#88 [七瀬]
―――――――――…

「あたし‥やっぱカズが好き」

「‥そっか」

「多果子‥ごめんね」


「いいよ、わたしはただ千頼に幸せになってほしいだけだから」

「ありがと‥」


「でも、よかったじゃん!おめでと‥千頼」
 

⏰:09/08/11 12:42 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#89 [七瀬]
 
 
「うん‥ありがとう」

そう。

あたしたちは
付き合うことになった。


「なに言ってんの、いまさら」

受話器越しに苦笑する多果子の声が聞こえる。


「‥だけどさぁ‥やっぱ照れるよ、こうやって改めると」

⏰:09/08/11 12:43 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#90 [七瀬]
 
「なに?のろけ?」

「‥えへへ‥‥」



ダメだ、あたし‥。


うれしいうれしい!
うれしすぎる。

嘘じゃないよね。
夢じゃないよね。


さっきのできごとが
頭のなかを巡る。
 

⏰:09/08/11 12:45 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#91 [七瀬]
――――――――
―――――
―――


「‥‥俺‥」



どきどきどきどき‥。


沈黙が
あたしを不安に包む。
 
 

⏰:09/08/11 12:45 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#92 [七瀬]
 
 
「付き合おっか」


「‥はっ?」


あたし‥‥耳‥おかしくなった?

「いや‥だから俺たち付き合う?」


いや、大丈夫だ、うん。
耳は正常‥ってことは


カズがおかしいのか〜。

⏰:09/08/11 12:49 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#93 [七瀬]
 
 
「ちよ?聞いてる?」

「え、うん!聞いてるよ」

「それなら‥いいけど」

また変な沈黙ができる


「あの‥」

「ん?」

「付き合う‥って、カズがあたしの彼女に‥あたしがカズの彼氏になる‥‥ってことだよね?」
 

⏰:09/08/11 13:10 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#94 [七瀬]
 
「‥いや‥反対。
ちよが俺の彼女に。俺がちよの彼氏になんの」

「‥あ‥そか‥ははは‥」

あたしは、
かーなりテンパってた。

「‥あの」

「まだなにか?」

どーーしても、確かめなきゃいけないことが、一つあった。

「カズ、東京に彼女いるんじゃないの?」

⏰:09/08/11 13:10 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#95 [七瀬]
 
 
すると、カズは


「ぷっ、はははは!」

笑いだした。


「なっ‥なに!?
なんで笑ってんのよ〜!?」


「だってー!ちよ、まだ信じてんだもん!」

「え?えっ?
 どういうこと!?」

⏰:09/08/11 13:11 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#96 [七瀬]
 
 
「そんな昔話忘れたよ。
ってか、それってもう10年以上まえの話じゃん。
ちよ、信じすぎ!」


な、

「なんだぁ〜」


「なに?もしかして千頼、ほんとに東京に彼女いると思ってた?」

カズは笑って言う。
気が抜けた。

⏰:09/08/11 13:14 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#97 [七瀬]
 
 
「‥っ‥カズぅ‥ぐず‥」

気が抜けたあたしは
泣いた。


「‥ごめんごめん。ちょっと冗談が過ぎたかな」

「‥ほん‥っと‥冗談きつすぎ‥」


‥そうだよ、バカっ!
 
 

⏰:09/08/11 13:15 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#98 [七瀬]
 
なんで、気付かなかったんだろう。


ずっと、ずっと

あなただけを
見てきたのに。


なんで、思い出さなかったんだろう。


あのときの

「‥俺、彼女いるから」

っていうカズの表情を。

⏰:09/08/11 13:16 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#99 [七瀬]
―――――――――
―――――
―――

「‥まぢかよ」

受話器越しに聞こえる
陽の声はなんだか険しい。

「ああ」

「和希、それまぢで言ってんのか?」

「さっきから、何度もそう言ってんじゃねーか‥」

そう言っても、陽は
まだぶつぶつなんか言っている。

⏰:09/08/11 13:16 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


#100 [七瀬]
 
「‥本気?」

「‥‥」

「お前、本気で葉山と付き合うのか?」

携帯を握る手が強くなる。


「‥ああ」



「止めとけ」


‥即答かよ。
 

⏰:09/08/11 13:17 📱:N703iD 🆔:ZycRR2Ck


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