黒猫の唄。
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#212 [あんず]
 

「痛い……。」


額を何かにぶつけ、
手で痛い所を押さえる。


痛さを堪えて
ぎゅっと瞑っていた
目を少し開くと、


目の前には、

茶色い髪の男の子が
立っていた。


 

⏰:09/11/25 00:22 📱:W61K 🆔:fWOlF0LQ


#213 [あんず]
 

その男の子は、
額を押さえている。

一緒だぁ、なんて
少し感動を覚えながら
ボーッとただその男の子を見つめていた。


「あっ、ごめん!!
おでこ痛い!?」


するとさっきまで
何も言わず立っていた男の子は、突然あたふたと動き始めたんだ。

 

⏰:09/11/25 00:29 📱:W61K 🆔:fWOlF0LQ


#214 [あんず]
 

そんな姿が面白くて、
私は思わず
口元が緩んでしまった。


「えへへっ
ユナ、大丈夫だよ!!」

そう言いながら、
男の子に額を見せる。

すると男の子は、
安心したかのように柔らかく微笑んだ。

 

⏰:09/11/25 00:32 📱:W61K 🆔:fWOlF0LQ


#215 [あんず]
 


凄く、凄く優しく。

そして凄く懐かしい。


そんな、彼の笑顔。

その笑顔につられて、
私まで微笑む。


なんだろう…
とても心が温かい。

 

⏰:09/11/28 07:41 📱:W61K 🆔:b99CU1No


#216 [あんず]
 

どうして懐かしいの?
そんな疑問が
頭に浮かんだ。

「この人と私は、
いつか会ったことが
あるのかな…」
なんて思い、記憶を
覚えてる限り辿る。


でも、この人との
記憶なんて、

1つもなかった。

 

⏰:09/11/29 17:30 📱:W61K 🆔:bLhx7oT.


#217 [あんず]
 

「あの…お兄ちゃん、
名前何て言うの?」

名前を聞いたら、
思い出せるかも知れない

そんな淡い期待を胸に、私は名前を尋ねた。


すると彼は
「僕の名前はヒロト!!
ヒロでいいよ。」
と、笑顔で答えたんだ。

 

⏰:09/11/29 18:58 📱:W61K 🆔:bLhx7oT.


#218 [あんず]
 

ヒロ…くん。

彼の名前を聞いた途端、
胸がドクンと高鳴った。

“ヒロト”と言う名前は
やっぱり記憶の中でどんなに探しても、見当たらなかった。

淡い期待も
あっさりと裏切られた。


けれど―――…。


 

⏰:09/11/30 18:40 📱:W61K 🆔:ACyroCOI


#219 [あんず]
 

なんでだろう、



彼の名前を聞くと…




愛しくて、
堪らないんだ。


 

⏰:09/11/30 18:41 📱:W61K 🆔:ACyroCOI


#220 [あんず]
 

とても、とても
幸せな気持ちになれる。
とても安心出来る。


不思議だね…。

私達、
今日会ったばかりなのに

なんだかずっと昔から、
一緒にいる気がする。


 

⏰:09/11/30 18:45 📱:W61K 🆔:ACyroCOI


#221 [あんず]
 



「ユナー、行くぞー。」

そんなことを考えてる途中に、遠くから私を呼ぶ声が聞こえた。
…お父さんだ。


もう時間なんだ、なんて寂しい気持ちを堪え、

「はーいっ!!」
と、私は大きく返事をして、彼に目を向けた。


 

⏰:09/11/30 18:53 📱:W61K 🆔:ACyroCOI


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