黒猫の唄。
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#40 [あんず]
 




「……………っ!!」

驚き過ぎて声が出なかったのか、私は口をパクパクしながらご主人様を見上げる。


ご主人様は目を見開く。



まさかこんな所で
ご主人様と鉢合わせになるなんて―――。

 

⏰:09/08/21 22:38 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#41 [あんず]
 




するとご主人様は私の肩をぐいっと掴んだ。

その手は震えていて、
力強くて、少し痛かった



「…………っっ、」


私はただ固まってるだけ。頭の中は大パニックだ。

 

⏰:09/08/21 22:41 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#42 [あんず]
 




肩を掴んでる手は、次第に強くなる。
少し痛いけど、それどころではなかった。

そしてゆっくりと、ご主人様は口を開いた。




「………リナ………?」

 

⏰:09/08/21 22:53 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#43 [あんず]
 




………リ…ナ?


なぜか聞き覚えのある名前だった。
どこか切なくて、懐かしい気持ちになる。




でも“リナ”って、
誰なの――――?

 

⏰:09/08/21 22:56 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#44 [あんず]
 




未だに声の出ない私を、ご主人様はじっと見つめる。


そしてご主人様は肩を掴んでる手を離し、頭を抱えて笑った。


「……な、訳ないよな。ごめんね、人違いだったよ。」



その笑顔はこの前見た笑顔と同じ、無理しているような笑顔だった。

 

⏰:09/08/21 23:01 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#45 [あんず]
 




私はただ顔を横に振る。


「あはは、そんな悲しそうな顔しないで。………で、君の名前はなんて言う?」


ご主人様は変わらない笑顔でそう言った。


「……私、は……。」

やっとの思いで絞り出した声は、あまりにも弱々しくて、小さかった。

 

⏰:09/08/21 23:05 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#46 [あんず]
 




なんて言ったらいいんだろう……。
リアって言っても、大丈夫かな………?


私は不安に感じながらも


「…リア、です。」


と呟いた。

 

⏰:09/08/21 23:07 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#47 [あんず]
 




「リア…?」


「あの…住む所がなくて……さ迷ってたら…ここにたどり着きました。」


あまりにも見え見えな嘘。猫だったから、嘘なんて考えたことなかった。

意外と嘘って、難しいんだな、と改めて感じた。

 

⏰:09/08/21 23:09 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#48 [あんず]
 




「……そうか、大変だったんだね。」


そう言ってご主人様は私の頭を優しく撫でた。
この感覚が大好きなのは、人間も猫も関係ないんだなぁ…。


「ごめんなさい…っ」

私は頭を下げ、その場から立ち去ろうとした。

なんか、このままいたら涙が溢れそうだから。
 

⏰:09/08/21 23:25 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#49 [あんず]
 




するとご主人様は私の腕を強く掴んだ。


「…君は昔の知人によく似ているんだ。なんだか放っておけない。」


その時のご主人様の表情は真剣で、その綺麗な目が私を動けなくした。

 

⏰:09/08/21 23:28 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#50 [あんず]


今日の更新は
これで終わります!!

用事があって、明日は更新出来ません(´;ω;`)
すみませんっ

更新頑張りますので、
これからも是非見て下さいね☆

感想、いっぱい
待ってます∩^ω^∩x

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

⏰:09/08/21 23:32 📱:W61K 🆔:u3ldLYt.


#51 [あんず]
>>49




初めて見た
ご主人様の表情。
胸がドキドキする。


「…でも………、」



鼓動が煩いくらいに聞こえてくる。

 

⏰:09/08/24 20:34 📱:W61K 🆔:BWBDQQJM


#52 [あんず]
 




するとご主人様は私を腕を掴んでいた手を離し、頭を抱えた。


「っ…突然、ごめんね。君があまりにも知り合いに似てたから、少し動揺しただけなんだ。…君がリナなわけないのに……。」


ポツリ、と呟くご主人様の姿は、表情は、とても悲しげだった。

 

⏰:09/08/31 12:57 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#53 [あんず]
 




そんなご主人様を見て、とても胸が締め付けられた。


返す言葉が見つからない



「…でも、本当に住む所がないのなら部屋ぐらい貸してあげるよ。遠慮することはない。」


そう言いながらご主人様は、いつもの優しい笑顔で私の頭を撫でた。

 

⏰:09/08/31 13:00 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#54 [あんず]
 




「よろしく、お願いします……。」


私はご主人様の優しさに甘えることにした。
やっぱり、ご主人様の側にいたいから。


「…じゃあ部屋に案内しよう。おいで。」


ご主人様は優しく私の手を取り、少しずつ歩き始めた。

 

⏰:09/08/31 13:03 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#55 [あんず]
 




階段を上がりたどり着いた部屋は、私でも入ったことのない部屋だった。


薔薇の香りのする、大きく綺麗な部屋。


「こんな綺麗な部屋…、いいんですか?」


私はご主人様を見上げながら、遠慮がちに呟いた

 

⏰:09/08/31 13:08 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#56 [あんず]
 




「いいんだよ。何年も使ってないから埃っぽいけど……。」


2階にこんな素敵な部屋があるなんて知らなかった……。
こんな綺麗な部屋を使わしてくれるなんて、やっぱりご主人様は優しいな……。

 

⏰:09/08/31 16:16 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#57 [あんず]
 




「本当に、ありがとうございます…!!」

私は深く頭を下げ、ご主人様に感謝の気持ちを伝えた。


「こちらこそ、強引に住ませてしまってごめんね。僕の名前はヒロ。よろしく。」


柔らかく微笑んでいるご主人様は、やっぱり綺麗だった。

 

⏰:09/08/31 17:11 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#58 [あんず]
 




「よろしく、お願いします。……ヒロ…さん。」


初めてご主人様の名前を呼ぶ。
なんだろう、とても恥ずかしい。


私は少し頬を赤らめながら、ご主人様の手を握った。

 

⏰:09/08/31 17:15 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#59 [あんず]
 




「あぁ、よろしくな。リア。」


いつもと変わらない声色で私の名前を呼ぶ。


強く、強く握り返してくれた温かい手が、
とても心地よかった。

 

⏰:09/08/31 17:17 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#60 [あんず]



2.彼の過去


⏰:09/08/31 20:28 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#61 [あんず]
 




パタン…。


私は静かに部屋のドアを閉め、そのままずるりと床に座り込む。


「……緊張した…。」

胸を締め付けるような緊張が一気に解け、力が抜ける。

 

⏰:09/08/31 20:42 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#62 [あんず]
 




トクン、トクンとまだ胸の音がする。

顔は相変わらず赤い。


「…どうしちゃったんだろう……。」


火照る頬を、冷たい手で触れる。
ひんやりとした手が気持ちいい。

 

⏰:09/08/31 21:10 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#63 [あんず]
 




私はため息を1つ吐いて、力の抜けた足で立ち上がった。



少し、部屋の中色々と探索してみよっかな。


そんな好奇心で、私はまずテーブルに向かった。

 

⏰:09/09/01 09:05 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#64 [あんず]
 




「可愛いテーブル…。」


そのテーブルは、洋風でお姫様の部屋にありそうなテーブル。

女の子の部屋みたい。


でもよく見れば、この部屋の家具全てが可愛くて、女の子らしかった。

 

⏰:09/09/01 09:13 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#65 [あんず]
 




ご主人様の趣味?なんて一瞬思った。

けど、ご主人様は男だし、何よりご主人様の部屋は女の子らしくなかった。


…もしかしたら、昔誰かがここに住んでいたのかもしれない。

 

⏰:09/09/01 13:25 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#66 [あんず]
 




一瞬頭に浮かぶ、
あのご主人様の顔、
      あの言葉。



―――――リナ?



 

⏰:09/09/04 21:56 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#67 [あんず]
 




あの時、ご主人様が言っていた「リナ」と呼ばれる人物。


一体誰なんだろう。
ご主人様と、どんな関係なんだろう。



心がモヤモヤして、少し苦しくなった。

 

⏰:09/09/04 22:07 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#68 [あんず]
 




そして…
何よりも気になるのが、


ご主人様が見せた、愛しそうな表情。


そして「リナ」と呼ばれた時に感じた、懐かしさ



あれは何なんだろう。
どこか懐かしくて、
    愛しかった。

 

⏰:09/09/04 22:11 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#69 [あんず]
 




不思議な気持ち。


でもどんなに記憶を辿っても、思い出せない。


もしかしたら思い違いなのかもしれない。


でもやっぱり、どこか懐かしい気持ちになる。

 

⏰:09/09/04 22:41 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#70 [あんず]
 




このことを考えていると、頭が混乱してしまう。


……もう考えないようにしよう!!


これ以上頭が混乱するのを避け、真っ白なベッドに飛び込んだ。

 

⏰:09/09/05 20:51 📱:W61K 🆔:Foo0Nez2


#71 [あんず]
 




「ふかふか…。」


ベッドに埋まっていると、黒猫の時を思い出す。


ご主人様が買ってくれた、猫用のベッドもふかふかだったなぁ、なんて思い出し微笑む。


しばらくベッドの上に横たわり、目を閉じた。

 

⏰:09/09/05 21:05 📱:W61K 🆔:Foo0Nez2


#72 [ひい]
まってます(・ω・)/

⏰:09/09/08 18:19 📱:Premier3 🆔:bPvwwYqg


#73 [あんず]


>>42
ひい様


更新遅くなり
すみませんっ><

これから
更新しますので、
是非見て下さいっ*´ω`

コメント、
ありがとうございました∩^ω^∩x!

⏰:09/09/08 22:08 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#74 [あんず]
>>71




…なんだか、このまま眠ってしまいそう。


急に睡魔が襲ってきて、私の意識は朦朧としている。



……………眠たい。


そう思った時にはもう、私は夢の中だった。

 

⏰:09/09/08 22:15 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#75 [あんず]
 




―――――ヒロ!!




鮮やかな花畑の中で、
誰かがご主人様の名前を呼ぶ。


ご主人様を
呼んでいるのは、誰?

 

⏰:09/09/08 22:17 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#76 [あんず]
 




色とりどりの花の中で、柔らかくなびく黒髪。


綺麗な服を身に纏う
その女性の隣には、

大好きなご主人様。


優しく微笑む、
大好きなご主人様の姿。

 

⏰:09/09/08 22:21 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#77 [あんず]
 




ご主人様の隣にいる、
貴女は誰?


どうして、私はこの光景がとても懐かしく感じるの?



夢の中にまで、私を追い詰める謎。

再び懐かしさを感じる光景は、とても優しかった

 

⏰:09/09/08 22:24 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#78 [あんず]
 




私は勢いよく、その二人がいる所まで走る。


「…っご主人様!!」


呼んでいるのに、
ご主人様は気付かない。


ご主人様は、何故だか
遠ざかるばかりで。


手が、届かない。

 

⏰:09/09/08 22:27 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#79 [あんず]
 




どうして届かないの?


私はただ、
走って走って走って、
ひたすら走って…。



思いきり手を伸ばし、
ご主人様の隣にいる女性の腕を掴んだ。

 

⏰:09/09/08 22:30 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#80 [あんず]
 




私の荒い息が胸の鼓動と一緒に聞こえる。

私は1つ深呼吸をし、
女性を強く見つめた。




「……貴女は、
      誰なの?」

 

⏰:09/09/08 22:32 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


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