黒猫の唄。
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#60 [あんず]



2.彼の過去


⏰:09/08/31 20:28 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#61 [あんず]
 




パタン…。


私は静かに部屋のドアを閉め、そのままずるりと床に座り込む。


「……緊張した…。」

胸を締め付けるような緊張が一気に解け、力が抜ける。

 

⏰:09/08/31 20:42 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#62 [あんず]
 




トクン、トクンとまだ胸の音がする。

顔は相変わらず赤い。


「…どうしちゃったんだろう……。」


火照る頬を、冷たい手で触れる。
ひんやりとした手が気持ちいい。

 

⏰:09/08/31 21:10 📱:W61K 🆔:fH2tl95k


#63 [あんず]
 




私はため息を1つ吐いて、力の抜けた足で立ち上がった。



少し、部屋の中色々と探索してみよっかな。


そんな好奇心で、私はまずテーブルに向かった。

 

⏰:09/09/01 09:05 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#64 [あんず]
 




「可愛いテーブル…。」


そのテーブルは、洋風でお姫様の部屋にありそうなテーブル。

女の子の部屋みたい。


でもよく見れば、この部屋の家具全てが可愛くて、女の子らしかった。

 

⏰:09/09/01 09:13 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#65 [あんず]
 




ご主人様の趣味?なんて一瞬思った。

けど、ご主人様は男だし、何よりご主人様の部屋は女の子らしくなかった。


…もしかしたら、昔誰かがここに住んでいたのかもしれない。

 

⏰:09/09/01 13:25 📱:W61K 🆔:ayHIX6Uo


#66 [あんず]
 




一瞬頭に浮かぶ、
あのご主人様の顔、
      あの言葉。



―――――リナ?



 

⏰:09/09/04 21:56 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#67 [あんず]
 




あの時、ご主人様が言っていた「リナ」と呼ばれる人物。


一体誰なんだろう。
ご主人様と、どんな関係なんだろう。



心がモヤモヤして、少し苦しくなった。

 

⏰:09/09/04 22:07 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#68 [あんず]
 




そして…
何よりも気になるのが、


ご主人様が見せた、愛しそうな表情。


そして「リナ」と呼ばれた時に感じた、懐かしさ



あれは何なんだろう。
どこか懐かしくて、
    愛しかった。

 

⏰:09/09/04 22:11 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#69 [あんず]
 




不思議な気持ち。


でもどんなに記憶を辿っても、思い出せない。


もしかしたら思い違いなのかもしれない。


でもやっぱり、どこか懐かしい気持ちになる。

 

⏰:09/09/04 22:41 📱:W61K 🆔:KgInzZ1A


#70 [あんず]
 




このことを考えていると、頭が混乱してしまう。


……もう考えないようにしよう!!


これ以上頭が混乱するのを避け、真っ白なベッドに飛び込んだ。

 

⏰:09/09/05 20:51 📱:W61K 🆔:Foo0Nez2


#71 [あんず]
 




「ふかふか…。」


ベッドに埋まっていると、黒猫の時を思い出す。


ご主人様が買ってくれた、猫用のベッドもふかふかだったなぁ、なんて思い出し微笑む。


しばらくベッドの上に横たわり、目を閉じた。

 

⏰:09/09/05 21:05 📱:W61K 🆔:Foo0Nez2


#72 [ひい]
まってます(・ω・)/

⏰:09/09/08 18:19 📱:Premier3 🆔:bPvwwYqg


#73 [あんず]


>>42
ひい様


更新遅くなり
すみませんっ><

これから
更新しますので、
是非見て下さいっ*´ω`

コメント、
ありがとうございました∩^ω^∩x!

⏰:09/09/08 22:08 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#74 [あんず]
>>71




…なんだか、このまま眠ってしまいそう。


急に睡魔が襲ってきて、私の意識は朦朧としている。



……………眠たい。


そう思った時にはもう、私は夢の中だった。

 

⏰:09/09/08 22:15 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#75 [あんず]
 




―――――ヒロ!!




鮮やかな花畑の中で、
誰かがご主人様の名前を呼ぶ。


ご主人様を
呼んでいるのは、誰?

 

⏰:09/09/08 22:17 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#76 [あんず]
 




色とりどりの花の中で、柔らかくなびく黒髪。


綺麗な服を身に纏う
その女性の隣には、

大好きなご主人様。


優しく微笑む、
大好きなご主人様の姿。

 

⏰:09/09/08 22:21 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#77 [あんず]
 




ご主人様の隣にいる、
貴女は誰?


どうして、私はこの光景がとても懐かしく感じるの?



夢の中にまで、私を追い詰める謎。

再び懐かしさを感じる光景は、とても優しかった

 

⏰:09/09/08 22:24 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#78 [あんず]
 




私は勢いよく、その二人がいる所まで走る。


「…っご主人様!!」


呼んでいるのに、
ご主人様は気付かない。


ご主人様は、何故だか
遠ざかるばかりで。


手が、届かない。

 

⏰:09/09/08 22:27 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#79 [あんず]
 




どうして届かないの?


私はただ、
走って走って走って、
ひたすら走って…。



思いきり手を伸ばし、
ご主人様の隣にいる女性の腕を掴んだ。

 

⏰:09/09/08 22:30 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#80 [あんず]
 




私の荒い息が胸の鼓動と一緒に聞こえる。

私は1つ深呼吸をし、
女性を強く見つめた。




「……貴女は、
      誰なの?」

 

⏰:09/09/08 22:32 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#81 [あんず]
 




時間が止まったかのように、無言の時間が続く。


聞こえるのは、
私の胸の鼓動だけ。



するとその女性はゆっくりと振り返り、口を開いた。

 

⏰:09/09/08 22:34 📱:W61K 🆔:hsCTgE5I


#82 [あんず]
 




黒髪がふわりと揺れる。


その女性の顔を見て、
私は思わず目を見開いた



「…私のことは、貴女が1番わかるはずよ。」

 

⏰:09/09/09 18:53 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#83 [あんず]
 




――私が、1番わかる?


その女性の悲しげな目が私の胸を締め付けた。



「…貴女は、大切なことを忘れてる。」


 

⏰:09/09/09 22:19 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#84 [あんず]
 




「っ……!?」


大切なことを…
    忘れてる…?


その女性はそう言い放ち、鮮やかな花々の中へ足を踏み入れる。


「ま、待って!!」


私は彼女の腕を掴もうと手を伸ばす。


 

⏰:09/09/09 22:22 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#85 [あんず]


今日の更新は
ここまでにします!!

なんだか、私も
展開がわからなく
なってきましたが…(笑)
明日も精一杯、
更新頑張りますので
是非見て下さいねっ★


感想などなど、一言でも貰えると泣いて喜びますっ(´;ω;`)

感想待ってます!!

⏰:09/09/09 22:26 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#86 [あんず]



bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

↑↑感想板です∩^ω^∩

感想はこちらにどうぞ!

⏰:09/09/09 22:27 📱:W61K 🆔:scXpa9Vo


#87 [あんず]
 



スッ……―――


私は彼女の腕を掴んだ。
…掴んだはずだった。



でもその女性は、一瞬吹いた風と共に、私の目の前から消えていった。

 

⏰:09/09/21 17:09 📱:W61K 🆔:Gs77xxoQ


#88 [あんず]
 



一瞬の出来事に、私はただ呆然とする。


「なんで……。」


私はまるで狐に化かされたような気分になり、その場に座り込んだ。

 

⏰:09/09/21 18:57 📱:W61K 🆔:Gs77xxoQ


#89 [あんず]
 




なにがどうなっているんだろう…?

私は不思議な感覚に囚われながら、その場に寝転がる。


色鮮やかな花々の香りが私を柔らかく包んだ。

 

⏰:09/09/22 18:48 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#90 [あんず]
 




その香りのせいなのか、私は突然の睡魔に襲われた。

視界がだんだんとボヤけていく。



私は睡魔に勝てず、花の甘い香りを感じながらもう一度目を閉じた。

 

⏰:09/09/22 18:51 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#91 [あんず]
 



――――――…。


目を開けると、淡いクリーム色の天井が目の前に広がった。


やっぱり、
夢だったんだ……なんて思いながら、私は重たい体を起こす。


寝ても覚めても、
姿は人間のようだ。

 

⏰:09/09/22 18:57 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#92 [あんず]
 



私はベッドから下り、
ご主人様の所へ向かうため部屋を出る。


――…目が覚めても、頭から離れないあの女性の表情。


夢なんだから…、気にしなくてもいいよね。

 

⏰:09/09/22 19:02 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#93 [あんず]
 



きっと…
気にしない方がいい。

今はご主人様のために、精一杯頑張らなきゃ!!


私は自分に思い聞かせ、軽快な足取りで階段を下りた。

 

⏰:09/09/22 20:58 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#94 [あんず]
 



階段を下りると、すぐに目に映るご主人様の姿。


エプロンを付けて、キッチンで料理をしているご主人様はなんだか可愛くて。


頬が少し緩んだ。

 

⏰:09/09/22 21:22 📱:W61K 🆔:LNcKifZ6


#95 [あんず]
 



「…何を、作っているんですか?」


私は緩んだ頬を引き締めて、ご主人様を見上げた


「おぉ、びっくりした。今日の夕飯を作っているんだ。リアも食べるだろう?」


柔らかく微笑むご主人様の瞳は、本当に綺麗で、優しかった。

 

⏰:09/09/23 13:43 📱:W61K 🆔:nBpH.fFQ


#96 [あんず]
 




そんなご主人様の笑顔を見て、私もつられてはにかみがちに小さく頷いた。


するとご主人様は、
優しく私の頭を撫でてくれたんだ。


 

⏰:09/09/27 23:22 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#97 [あんず]
 




ドキン、と胸が騒ぐ。

猫でも人間でも変わらない、人間になっても変わらないご主人様の手の温かさに、安心感を覚える。


ご主人様の手が好き。
優しくて、温かい…
ご主人様の手が大好き。

 

⏰:09/09/27 23:27 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#98 [あんず]
 




「そういえば、リアの瞳はブルーなんだね。
凄く綺麗だ。」


ご主人様は突然私の目を覗きこみ、目を細めて笑う。


「本当…ですか?
嬉しいです……。」


ご主人様の顔が凄く近くて、私は少し顔を赤くしてしまった。

 

⏰:09/09/27 23:35 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#99 [あんず]
 




そんな私とは裏腹に、
突然ご主人様は少し顔を曇らせた。

どこか悲しげな表情。


「……どうか、したんですか?」


私は心配になり、ご主人様の手を強く握り締めた

 

⏰:09/09/27 23:40 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#100 [あんず]
 




「…少し、色んなことを思い出してしまったんだ。ごめんね、心配かけて。」


ご主人様はそう言いながら無理したような笑顔を私に見せる。
今にも泣きそうな表情。


「…ヒロ、さん。
無理して笑わなくてもいいですよ…?」

 

⏰:09/09/27 23:44 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#101 [あんず]
 




そう言うと、ご主人様はまた目を細めて笑った。


「…ありがとう。」


「私で良ければ、何でも聞きます…。役に、立ちたいんです…!!」

私は強くご主人様を抱き締めた。

ご主人様の大きな背中に必死に手を回し、離れないように服をぎゅっと握りながら。

 

⏰:09/09/27 23:47 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#102 [あんず]
 




すると背中に
優しい温かさを感じた。

…前を見ると、目を固く閉じながら私の肩に頭を乗せているご主人様。


背中に回された
ご主人様の手。

私はどんどんと鼓動が早くなっていった。

 

⏰:09/09/27 23:51 📱:W61K 🆔:rtofEr46


#103 [あんず]
 




「…君に見せたい人がいるんだ。」

ご主人様は目を閉じたまま、呟いた。


私は「はい」と言いながら、ご主人様を強く抱き締めた。


少し肩を震わせるご主人様は、今にも消えてしまいそうだったから。

 

⏰:09/09/28 00:07 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#104 [あんず]
 



するとご主人様は顔を上げ、私の手を引きながら寝室に向かった。

早いご主人様の足取りに、私は小走りで着いていった。


 

⏰:09/09/28 00:09 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#105 [あんず]
 




寝室に入り、
ご主人様は私をベッドに座らせた。


「ちょっと待ってて。」と言いながら、ゴソゴソと茶色のテーブルの引き出しから何かを取り出す。


それは1枚の紙。
―――…写真だった。

 

⏰:09/09/28 00:11 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#106 [あんず]


今日の更新は
ここまでにします!!

明日も更新すると
思うので、ぜひ
見てください(*´∀`)


感想、どんどん
待ってます∩^ω^∩x

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

⏰:09/09/28 00:13 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#107 [あんず]
 




「写真…ですか?」


「あぁ、古くなってしまったが…。ほら、見てごらん。」


ご主人様から差し出された写真を受け取る。


 

⏰:09/09/28 18:44 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#108 [あんず]
 




少し古いけど、とても綺麗なままの写真。
ご主人様がどれだけ大切にしてるかが、とても伝わってくる。


私は少し緊張しながら、その写真に目を通した。


 

⏰:09/09/28 18:53 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#109 [あんず]
 




その写真に
写っていたもの。


それは鮮やかな花畑の中で仲良さそうに肩を並べて微笑む、男女の姿。


色とりどりの花々に良く映える、蜂蜜色の髪と真っ黒な髪。


写された写真の光景を見て、私は目を見開いた。

 

⏰:09/09/28 23:07 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#110 [あんず]
 




鮮やかな花畑…。
花々の中でなびく黒髪。
綺麗な服を身に纏う女性



その隣には………。



 

⏰:09/09/28 23:14 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#111 [あんず]
 




柔らかい笑顔を浮かべながら女性の肩を抱き寄せている男性。

その笑顔は今も変わらず優しい笑顔で。



その女性の隣では、
私の大好きなご主人様が笑っていた。


 

⏰:09/09/28 23:16 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#112 [あんず]
 




まるで……
さっき夢で見た光景。

花畑の中に消えたあの女性が、花畑でご主人様と笑っている。


懐かしさを感じる、
あの光景が写真一杯に広がっている。



 

⏰:09/09/28 23:19 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#113 [あんず]
 




「…確かあれは…僕がまだ18歳の時だった。
18歳の、春。
僕は雨の中、彼女を見つけたんだ。」


ご主人様は写真の女性を指差しながらで昔話をするように話始めた。


その女性を見つめるご主人様の瞳は、とても愛しそうに見えた。


 

⏰:09/09/28 23:23 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#114 [あんず]
 




「彼女の名前は…リナ。綺麗なブルーの瞳が特徴的だった。」


この人が……“リナ”
夢に出てきたあの女性は、“リナ”だったんだ。


 

⏰:09/09/28 23:26 📱:W61K 🆔:.BwwR9Ac


#115 [あんず]
 



ドクン、ドクンとだんだん鼓動が激しくなる。
それと同時に、感じる頭の痛み。


突然の体の異変に、私は少し動揺した。
…突然、なに……?


「……リア?
どうかしたのか?」

 

⏰:09/10/03 09:41 📱:W61K 🆔:e3a9V542


#116 [あんず]
 


動揺している私に気付いたのか、ご主人様は心配そうに私の顔を覗き込む。


「……な、なんでもないです…。」


「…そうか?…具合悪くなったら、言ってね。」


ポンポン、とご主人様に頭を撫でられ、私はまた新たな異変に気が付いた。

 

⏰:09/10/03 09:47 📱:W61K 🆔:e3a9V542


#117 [あんず]
 

………なんで…………。


いつもは頭を撫でられると嬉しくて、堪らなかった。

でも今は、


切なくて、悲しくて
今にも涙が溢れそうだ。

 

⏰:09/10/03 17:43 📱:W61K 🆔:e3a9V542


#118 [あんず]
 

溢れそうな涙を必死にこらえて、私は笑顔を作る


「…はい、ありがとうございます。」


そう言うと、ご主人様は再び話始めた。


リナさんと一緒に住んでいたこと…危なっかしいリナさんから目が離せなかったこと……。


そしていつの間にか、
恋におちていたこと。

 

⏰:09/10/03 17:49 📱:W61K 🆔:e3a9V542


#119 [あんず]
 


話を聞いてる度に、どんどん大きくなる鼓動。
頭の痛み。
切なさや悲しさ。



「リナと結婚の約束だってしたんだ。…結婚して、子供も作ってさ。温かな家庭を作っていこう、って約束した。」


切なさの原因が、私がご主人様が好きだから、とかの嫉妬に近いものなら良かった。


でも違う。
この感情は嫉妬じゃない

 

⏰:09/10/03 17:55 📱:W61K 🆔:e3a9V542


#120 [あんず]
 

やっぱりいつも、どこかに懐かしさを感じる。
リナさんに対しての、妬み等の感情なんて全くなかった。

…懐かしくて、切なかった。


自分は何が懐かしいの?
何が切ないの?



…なにを、思い出しているの………?

 

⏰:09/10/03 17:59 📱:W61K 🆔:e3a9V542


#121 [あんず]
 

ぼんやりとした昔の記憶
微かだけど、蘇ってきている記憶。



――――…春…
雨の中…――――。

結婚の約束…
温かな家庭を―――…。



ご主人様の思い出話が、頭の中で響く。

 

⏰:09/10/03 20:09 📱:W61K 🆔:e3a9V542


#122 [あんず]
 

ズキン、ズキン…
次第に強くなる頭の痛み


ふいに頭によぎる、
あの光景、あの言葉。


――私のことは、貴女が
 1番わかるはずよ。



 

⏰:09/10/04 18:48 📱:W61K 🆔:AIo9yaMM


#123 [あんず]


今日の更新は
ここまでです(*´ω`)

もうラスト間近
なんですが…
只今かなり詰まっております(´;ω;`)

グタグタな展開が
続いてますが、
見て下さってる方
いらっしゃるでしょうか……´`_

とりあえず、
最後まで精一杯
頑張りますので、
是非見て下さいね!!

⏰:09/10/04 22:36 📱:W61K 🆔:AIo9yaMM


#124 [あんず]


感想板です。

一言だけでも貰えると、泣いて喜びます(´;ω;`)←

待ってますっ∩^ω^∩x

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

⏰:09/10/04 22:38 📱:W61K 🆔:AIo9yaMM


#125 [あんず]
>>122


その言葉を思い出したと同時に、ご主人様は頭を抱えて小さく笑った

それは辛そうに。



「…でもその約束が果たされることはなかったんだ。…これからも、ずっと。」


ズキンッッ!!


これまでにないくらい強い、頭痛が私を襲った。

 

⏰:09/10/06 22:48 📱:W61K 🆔:5nc4YL4s


#126 [あんず]
 

鋭い痛みに顔が歪む。
目に涙を浮かべながら、私はチラッと隣にいるご主人様の表情を伺った。


「………………っ!!」


ご主人様の表情を見た途端、サーッと涙が引いていく気がした。
思わず、目を見開いてしまう。

 

⏰:09/10/06 22:56 📱:W61K 🆔:5nc4YL4s


#127 [あんず]
 

ポタ、ポタとベッドのシーツに一粒の雫が滲む。


ご主人様の頬には、涙が伝っている。

…ご主人様の目には、涙が光っている。



ご主人様が、
   泣いている。

 

⏰:09/10/06 23:01 📱:W61K 🆔:5nc4YL4s


#128 [あんず]
 

ご主人様は俯き、
声を震わせながら呟く。


「……リナは……
寒い真冬の日に、静かに眠ってしまった。

…僕を置いて、
逝ってしまったんだ。」



ご主人様を置いて…

寒い、真冬の日に………

リナさんは―――……。

 

⏰:09/10/06 23:07 📱:W61K 🆔:5nc4YL4s


#129 [あんず]
 


―――あ、れ……?


私の頭の中で、何かがパンッと弾けた気がする。


一気に頭の痛みが引き、開放感が心地よい。


でも心地よさと引き換えに、私は――――……。



全ての記憶を、
 思い出してしまった。

 

⏰:09/10/06 23:09 📱:W61K 🆔:5nc4YL4s


#130 [あんず]
 



「…いやぁぁぁあっ!!」




私は頭を抱え、震えながら床にうずくまった。


突然の恐怖感に襲われ、鼓動が激しくなる。


 

⏰:09/10/09 22:50 📱:W61K 🆔:Zzmpi0Cc


#131 [あんず]
 


嘘だ、嘘だ。

私の1番最初の姿は黒猫だ、猫の“リア”だったんだ。
記憶はそこまでしかないはずなんだ。


でも…何故私はその前の記憶も覚えているの?




何故……人間の“リナ”だった記憶を思い出してしまったの?


 

⏰:09/10/09 22:53 📱:W61K 🆔:Zzmpi0Cc


#132 [あんず]
 


「リア!?どうかしたのか、どこか痛いのか!?」


うずくまり叫ぶの私を見て、ご主人様は慌てて駆け寄る。


そのご主人様の頬には、うっすらと涙の跡。

 

⏰:09/10/11 01:03 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#133 [あんず]
 

この涙の原因は、
全て、この私―――…。


「リア、リア!!」


目の前にいる彼は、
大好きなご主人様。
私を助けてくれた、
かけがえのない恩人。

そして昔の、愛しい恋人

世界でたった1人の、

心から愛した人。

 

⏰:09/10/11 01:13 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#134 [あんず]
 

ううん、
昔なんかじゃない。

今も愛しい恋人。
世界でたった1人の、
心から愛している人。

だから今も、
愛しくて堪らない。

抱き締めたくて、
堪らない。


 

⏰:09/10/11 01:16 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#135 [あんず]
 

私は堪えきれず、
彼を強く抱き締めた。


「…ヒロっ……。」

私の突然の行動にびっくりしたのか、ご主人様は大きく目を見開いた。


久しぶりに呼んだ、彼の名前。久しぶりに感じた、彼の体温。
懐かしくて、涙が溢れそうになった。


 

⏰:09/10/11 01:20 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#136 [あんず]
 

「…リ、ナ……?」


ご主人様はボーッとしながら、ポツリポツリと呟く。


そんなご主人様を見て、私は頷いて見せた。

嘘だろ、と言わんばかりに見開かれたご主人様の瞳からは、涙が溢れた。


 

⏰:09/10/11 01:28 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#137 [あんず]
 

背中に回された、
彼の大きな手。
強く抱き締められる温かさは、何一つ変わっていない。

昔の彼のまま。


「ずっと…、
会いたかった……っ
ずっと…………
待ってた…。」


震える声、肩。
強く私を抱き締める腕。
全てが愛しい。

 

⏰:09/10/11 01:33 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#138 [あんず]
 


「…………リナ、





おかえり。」


きっと私は、
この瞬間を待っていた。
ずっと、ずっと。

 

⏰:09/10/11 01:34 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#139 [あんず]
 

「うん…っ
遅くなってごめんね、



ただいま、ヒロ。」


ずっと会いたかった。
昔から、ずっと。

今でもこんなにも愛しい
今でも、ずっと。

 

⏰:09/10/11 15:59 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#140 [あんず]
 

私達はいつまでも強く抱き締め合った。
離れていた3年間の大きな穴を埋めるように。
確かめあうように。

時間も忘れて
ただただ抱き締め合った


時々聞こえる彼の鼻を啜る音すらも懐かしかった



 

⏰:09/10/11 16:14 📱:W61K 🆔:B72hfaK2


#141 [あんず]
 

「好き…っ
好きよ、ヒロ。
会いたくて、
堪らなかった。」


私は彼の肩に
顔を埋め、
愛の言葉を囁く。



彼はそんな私の頬を
温かい手で包み、
絶え間なく流れる
涙を拭ってくれた。


 

⏰:09/11/04 20:57 📱:W61K 🆔:jMTY8MgE


#142 [あんず]
 

「泣き虫。」


目を赤くしながら
そう言う彼。

「人のこと言えないよ」と言いたかったけど、

今は何も言わず、ただ彼を抱き締めていよう。


 

⏰:09/11/04 21:43 📱:W61K 🆔:jMTY8MgE


#143 [あんず]
 


少しでも、
少しでもいい。

彼の温もりを
感じていたいから。

少しでもいい、
彼の感覚を
頭に焼き付けたいから。



1秒でも長く、
彼の側にいたいから。

 

⏰:09/11/04 22:26 📱:W61K 🆔:jMTY8MgE


#144 [あんず]
 

ヒロ、ヒロ。

―――…ご主人様。




離れたくない。
出来ることなら、
ずっと側にいたい。

ずっと隣で、
貴方を見ていたい。


 

⏰:09/11/04 22:31 📱:W61K 🆔:jMTY8MgE


#145 [あんず]
 


でも…
それが無理なことくらい

その願いが
叶わないことくらい



私は
悲しいほど知っている。


 

⏰:09/11/04 22:34 📱:W61K 🆔:jMTY8MgE


#146 [あんず]
 

ヒロ、ヒロ。
ごめん、ごめんね。



私はきっと、


もう貴方と
一緒にいることは、

     許されない。

 

⏰:09/11/08 00:12 📱:W61K 🆔:ebN.2vsw


#147 [あんず]
 

私は強く彼を
抱き締めていた腕を離す

未だに腕に残る、
彼の温もりを感じながら
ぶらん、と腕を
下に向けた。




「……リナ?」

 

⏰:09/11/08 09:35 📱:W61K 🆔:ebN.2vsw


#148 [あんず]
 

不思議そうに
彼は私を見つめる。
でも私は目を
合わせられなかった。

合わせたら、
再び彼の温かさを
求めてしまうから。


彼から、
離れる覚悟が
出来なくなるから。


 

⏰:09/11/08 17:49 📱:W61K 🆔:ebN.2vsw


#149 [あんず]
 

私は俯きながら、
ゆっくりと口を開く。


「ヒロ、これから言うことは全部本当のことだから…信じて、ね?」


そう言うと、
ヒロは「わかったよ」と優しく笑ってくれた。
表情はわからないけど、

声を聞けばわかるの。
彼の表情が。

 

⏰:09/11/08 17:55 📱:W61K 🆔:ebN.2vsw


#150 [あんず]
 

私はゆっくり、彼に今までのことを話した。


自分が黒猫の、“リア”だったこと。

泣いているご主人様を支えるために、人間になったこと。


リナに戻る前の、
全てを彼に話した。


彼は時々驚いた表情をしたけれど、それでも真剣に私の話を聞いてくれた


 

⏰:09/11/08 17:58 📱:W61K 🆔:ebN.2vsw


#151 [あんず]
 

「信じて、くれるの?」

信じて貰えないのは覚悟していたから、彼が本当に私の話を信じているのか不安だった。


でも彼は、
優しく目を細めながら

「リナの言うことを
信じない訳ないだろ?」

と、言ってくれたんだ。

 

⏰:09/11/11 21:45 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#152 [あんず]
 

そんな彼の一言に、
私は思わず
涙が溢れそうになった。

「離れたくない」
という気持ちが更に強くなっていってしまった。


その願いが、
叶わないのは痛いくらいわかっているけれど。

 

⏰:09/11/11 21:48 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#153 [あんず]
 

「ありがとう、ヒロ。
あともう1つ、信じて欲しい話があるの。」


「あぁ。」


優しく私の肩を抱きながら、微笑んでくれる彼が堪らなく愛しい。

このことを、本当は彼に話したくはなかった。

 

⏰:09/11/11 21:52 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#154 [あんず]
 


私達の別れを、
信じて欲しくない。

言いたくなんかない。


でも、信じて貰わなきゃいけないから。


彼のためには、
話さなきゃいけないから

 

⏰:09/11/11 21:55 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#155 [あんず]
 

私は1つ、
大きく深呼吸をして

彼を見つめる。


しっかり目を合わせ、
彼に微笑み掛けながら
ゆっくり口を開いた。


 

⏰:09/11/11 22:04 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#156 [あんず]
 


「ヒロ、私ね…





もうヒロと一緒に
いることは出来ない。」


 

⏰:09/11/11 22:45 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#157 [あんず]
 

そう私が告げた途端、
彼の表情が固まった。


「嘘だろ」と言わんばかりに見開かれた目。


嘘じゃない。
全ては紛れもない真実。

 

⏰:09/11/11 22:48 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#158 [あんず]
 

もう生きることは
出来ないから…。
許されないから…。




「なんで、」



 

⏰:09/11/11 22:52 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#159 [あんず]
 

彼がそう呟いた時、
私は再び俯いた。



目の奥が熱い。


あぁ、視界がぼやけて
何も見えないや。

 

⏰:09/11/11 22:54 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#160 [あんず]
 


ポタリ、と
床に雫が落ちた。


この涙が
嘘ではないと言う証拠。



この涙が…


 

⏰:09/11/11 22:55 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#161 [あんず]
 





別れの、合図。





 

⏰:09/11/11 22:56 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


#162 [あんず]


今日の更新は
ここまでになります。

いよいよ最終に
近付いてきました!!

見て下さる方、
いらっしゃいますのでしょうか…(´;ω;`)

もしいらっしゃれば、
一言でもいいので
感想待ってます∩^ω^∩x

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4514/

⏰:09/11/11 22:58 📱:W61K 🆔:5Iykkk0E


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