黒猫の唄。
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#80 [あんず]
私の荒い息が胸の鼓動と一緒に聞こえる。
私は1つ深呼吸をし、
女性を強く見つめた。
「……貴女は、
誰なの?」
:09/09/08 22:32
:W61K
:hsCTgE5I
#81 [あんず]
時間が止まったかのように、無言の時間が続く。
聞こえるのは、
私の胸の鼓動だけ。
するとその女性はゆっくりと振り返り、口を開いた。
:09/09/08 22:34
:W61K
:hsCTgE5I
#82 [あんず]
黒髪がふわりと揺れる。
その女性の顔を見て、
私は思わず目を見開いた
「…私のことは、貴女が1番わかるはずよ。」
:09/09/09 18:53
:W61K
:scXpa9Vo
#83 [あんず]
――私が、1番わかる?
その女性の悲しげな目が私の胸を締め付けた。
「…貴女は、大切なことを忘れてる。」
:09/09/09 22:19
:W61K
:scXpa9Vo
#84 [あんず]
「っ……!?」
大切なことを…
忘れてる…?
その女性はそう言い放ち、鮮やかな花々の中へ足を踏み入れる。
「ま、待って!!」
私は彼女の腕を掴もうと手を伸ばす。
:09/09/09 22:22
:W61K
:scXpa9Vo
#85 [あんず]
今日の更新は
ここまでにします!!
なんだか、私も
展開がわからなく
なってきましたが…(笑)
明日も精一杯、
更新頑張りますので
是非見て下さいねっ★
感想などなど、一言でも貰えると泣いて喜びますっ(´;ω;`)
感想待ってます!!
:09/09/09 22:26
:W61K
:scXpa9Vo
#86 [あんず]
:09/09/09 22:27
:W61K
:scXpa9Vo
#87 [あんず]
スッ……―――
私は彼女の腕を掴んだ。
…掴んだはずだった。
でもその女性は、一瞬吹いた風と共に、私の目の前から消えていった。
:09/09/21 17:09
:W61K
:Gs77xxoQ
#88 [あんず]
一瞬の出来事に、私はただ呆然とする。
「なんで……。」
私はまるで狐に化かされたような気分になり、その場に座り込んだ。
:09/09/21 18:57
:W61K
:Gs77xxoQ
#89 [あんず]
なにがどうなっているんだろう…?
私は不思議な感覚に囚われながら、その場に寝転がる。
色鮮やかな花々の香りが私を柔らかく包んだ。
:09/09/22 18:48
:W61K
:LNcKifZ6
#90 [あんず]
その香りのせいなのか、私は突然の睡魔に襲われた。
視界がだんだんとボヤけていく。
私は睡魔に勝てず、花の甘い香りを感じながらもう一度目を閉じた。
:09/09/22 18:51
:W61K
:LNcKifZ6
#91 [あんず]
――――――…。
目を開けると、淡いクリーム色の天井が目の前に広がった。
やっぱり、
夢だったんだ……なんて思いながら、私は重たい体を起こす。
寝ても覚めても、
姿は人間のようだ。
:09/09/22 18:57
:W61K
:LNcKifZ6
#92 [あんず]
私はベッドから下り、
ご主人様の所へ向かうため部屋を出る。
――…目が覚めても、頭から離れないあの女性の表情。
夢なんだから…、気にしなくてもいいよね。
:09/09/22 19:02
:W61K
:LNcKifZ6
#93 [あんず]
きっと…
気にしない方がいい。
今はご主人様のために、精一杯頑張らなきゃ!!
私は自分に思い聞かせ、軽快な足取りで階段を下りた。
:09/09/22 20:58
:W61K
:LNcKifZ6
#94 [あんず]
階段を下りると、すぐに目に映るご主人様の姿。
エプロンを付けて、キッチンで料理をしているご主人様はなんだか可愛くて。
頬が少し緩んだ。
:09/09/22 21:22
:W61K
:LNcKifZ6
#95 [あんず]
「…何を、作っているんですか?」
私は緩んだ頬を引き締めて、ご主人様を見上げた
「おぉ、びっくりした。今日の夕飯を作っているんだ。リアも食べるだろう?」
柔らかく微笑むご主人様の瞳は、本当に綺麗で、優しかった。
:09/09/23 13:43
:W61K
:nBpH.fFQ
#96 [あんず]
そんなご主人様の笑顔を見て、私もつられてはにかみがちに小さく頷いた。
するとご主人様は、
優しく私の頭を撫でてくれたんだ。
:09/09/27 23:22
:W61K
:rtofEr46
#97 [あんず]
ドキン、と胸が騒ぐ。
猫でも人間でも変わらない、人間になっても変わらないご主人様の手の温かさに、安心感を覚える。
ご主人様の手が好き。
優しくて、温かい…
ご主人様の手が大好き。
:09/09/27 23:27
:W61K
:rtofEr46
#98 [あんず]
「そういえば、リアの瞳はブルーなんだね。
凄く綺麗だ。」
ご主人様は突然私の目を覗きこみ、目を細めて笑う。
「本当…ですか?
嬉しいです……。」
ご主人様の顔が凄く近くて、私は少し顔を赤くしてしまった。
:09/09/27 23:35
:W61K
:rtofEr46
#99 [あんず]
そんな私とは裏腹に、
突然ご主人様は少し顔を曇らせた。
どこか悲しげな表情。
「……どうか、したんですか?」
私は心配になり、ご主人様の手を強く握り締めた
:09/09/27 23:40
:W61K
:rtofEr46
#100 [あんず]
「…少し、色んなことを思い出してしまったんだ。ごめんね、心配かけて。」
ご主人様はそう言いながら無理したような笑顔を私に見せる。
今にも泣きそうな表情。
「…ヒロ、さん。
無理して笑わなくてもいいですよ…?」
:09/09/27 23:44
:W61K
:rtofEr46
#101 [あんず]
そう言うと、ご主人様はまた目を細めて笑った。
「…ありがとう。」
「私で良ければ、何でも聞きます…。役に、立ちたいんです…!!」
私は強くご主人様を抱き締めた。
ご主人様の大きな背中に必死に手を回し、離れないように服をぎゅっと握りながら。
:09/09/27 23:47
:W61K
:rtofEr46
#102 [あんず]
すると背中に
優しい温かさを感じた。
…前を見ると、目を固く閉じながら私の肩に頭を乗せているご主人様。
背中に回された
ご主人様の手。
私はどんどんと鼓動が早くなっていった。
:09/09/27 23:51
:W61K
:rtofEr46
#103 [あんず]
「…君に見せたい人がいるんだ。」
ご主人様は目を閉じたまま、呟いた。
私は「はい」と言いながら、ご主人様を強く抱き締めた。
少し肩を震わせるご主人様は、今にも消えてしまいそうだったから。
:09/09/28 00:07
:W61K
:.BwwR9Ac
#104 [あんず]
するとご主人様は顔を上げ、私の手を引きながら寝室に向かった。
早いご主人様の足取りに、私は小走りで着いていった。
:09/09/28 00:09
:W61K
:.BwwR9Ac
#105 [あんず]
寝室に入り、
ご主人様は私をベッドに座らせた。
「ちょっと待ってて。」と言いながら、ゴソゴソと茶色のテーブルの引き出しから何かを取り出す。
それは1枚の紙。
―――…写真だった。
:09/09/28 00:11
:W61K
:.BwwR9Ac
#106 [あんず]
:09/09/28 00:13
:W61K
:.BwwR9Ac
#107 [あんず]
「写真…ですか?」
「あぁ、古くなってしまったが…。ほら、見てごらん。」
ご主人様から差し出された写真を受け取る。
:09/09/28 18:44
:W61K
:.BwwR9Ac
#108 [あんず]
少し古いけど、とても綺麗なままの写真。
ご主人様がどれだけ大切にしてるかが、とても伝わってくる。
私は少し緊張しながら、その写真に目を通した。
:09/09/28 18:53
:W61K
:.BwwR9Ac
#109 [あんず]
その写真に
写っていたもの。
それは鮮やかな花畑の中で仲良さそうに肩を並べて微笑む、男女の姿。
色とりどりの花々に良く映える、蜂蜜色の髪と真っ黒な髪。
写された写真の光景を見て、私は目を見開いた。
:09/09/28 23:07
:W61K
:.BwwR9Ac
#110 [あんず]
鮮やかな花畑…。
花々の中でなびく黒髪。
綺麗な服を身に纏う女性
その隣には………。
:09/09/28 23:14
:W61K
:.BwwR9Ac
#111 [あんず]
柔らかい笑顔を浮かべながら女性の肩を抱き寄せている男性。
その笑顔は今も変わらず優しい笑顔で。
その女性の隣では、
私の大好きなご主人様が笑っていた。
:09/09/28 23:16
:W61K
:.BwwR9Ac
#112 [あんず]
まるで……
さっき夢で見た光景。
花畑の中に消えたあの女性が、花畑でご主人様と笑っている。
懐かしさを感じる、
あの光景が写真一杯に広がっている。
:09/09/28 23:19
:W61K
:.BwwR9Ac
#113 [あんず]
「…確かあれは…僕がまだ18歳の時だった。
18歳の、春。
僕は雨の中、彼女を見つけたんだ。」
ご主人様は写真の女性を指差しながらで昔話をするように話始めた。
その女性を見つめるご主人様の瞳は、とても愛しそうに見えた。
:09/09/28 23:23
:W61K
:.BwwR9Ac
#114 [あんず]
「彼女の名前は…リナ。綺麗なブルーの瞳が特徴的だった。」
この人が……“リナ”
夢に出てきたあの女性は、“リナ”だったんだ。
:09/09/28 23:26
:W61K
:.BwwR9Ac
#115 [あんず]
ドクン、ドクンとだんだん鼓動が激しくなる。
それと同時に、感じる頭の痛み。
突然の体の異変に、私は少し動揺した。
…突然、なに……?
「……リア?
どうかしたのか?」
:09/10/03 09:41
:W61K
:e3a9V542
#116 [あんず]
動揺している私に気付いたのか、ご主人様は心配そうに私の顔を覗き込む。
「……な、なんでもないです…。」
「…そうか?…具合悪くなったら、言ってね。」
ポンポン、とご主人様に頭を撫でられ、私はまた新たな異変に気が付いた。
:09/10/03 09:47
:W61K
:e3a9V542
#117 [あんず]
………なんで…………。
いつもは頭を撫でられると嬉しくて、堪らなかった。
でも今は、
切なくて、悲しくて
今にも涙が溢れそうだ。
:09/10/03 17:43
:W61K
:e3a9V542
#118 [あんず]
溢れそうな涙を必死にこらえて、私は笑顔を作る
「…はい、ありがとうございます。」
そう言うと、ご主人様は再び話始めた。
リナさんと一緒に住んでいたこと…危なっかしいリナさんから目が離せなかったこと……。
そしていつの間にか、
恋におちていたこと。
:09/10/03 17:49
:W61K
:e3a9V542
#119 [あんず]
話を聞いてる度に、どんどん大きくなる鼓動。
頭の痛み。
切なさや悲しさ。
「リナと結婚の約束だってしたんだ。…結婚して、子供も作ってさ。温かな家庭を作っていこう、って約束した。」
切なさの原因が、私がご主人様が好きだから、とかの嫉妬に近いものなら良かった。
でも違う。
この感情は嫉妬じゃない
:09/10/03 17:55
:W61K
:e3a9V542
#120 [あんず]
やっぱりいつも、どこかに懐かしさを感じる。
リナさんに対しての、妬み等の感情なんて全くなかった。
…懐かしくて、切なかった。
自分は何が懐かしいの?
何が切ないの?
…なにを、思い出しているの………?
:09/10/03 17:59
:W61K
:e3a9V542
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