―‥ 殺したいほどに ※BL
最新 最初 🆕
#121 [雪]

時計の音が聞こえない‥。

ふらつく足で結は立ち上がり
焦点の合っていない俺を見つめた。

「海‥ッ、‥あり‥がと」

またあの無邪気な笑顔をこちらに向ける


俺にはこいつしかいない。
俺は一人じゃない‥。

力いっぱい結を抱きしめて
物心付いてから初めて、人前で泣いた。

⏰:09/12/05 15:00 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#122 [雪]

結は黙って
頭を優しくなでてくれた。

"ありがとう、海。
僕‥海の弟でよかった。
死にたくないって初めて思えた‥。"
そう言ってまた笑った。


人は独りじゃないって実感すると
こんなにもあったかくなって、
こんなにも甘えてしまうんだって
その日、
俺は俺をいつものように客観視して
あざ笑わずに、微笑んだ。

⏰:09/12/05 15:10 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#123 [雪]

「結が弟だって知って、
驚いたけど‥嬉しかった。」

同じ布団に潜る結を
緩く抱きしめた。

「‥ねぇ、海?」

「ん‥?」

暗がりでよくわかんなかったけど
なんとなく恥ずかしそうにしてる結

「‥ずっと一緒にいて?」

⏰:09/12/05 15:14 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#124 [雪]

その言葉のほんとの意味を
俺はわかっていた‥。

だけど、
その意味をわかっちゃいけない


「海‥、大好き‥。」

きっとそのままに受け入れたら
俺たちは辛い厳しい道を歩むから‥

今出たばかりの"芽"を
摘み取るのは簡単だろう‥。

⏰:09/12/05 15:18 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#125 [雪]


「ありがとう‥。」


たった一言そう言って
気づかないふりをした。



結は一番いけない相手だ。

結は男‥俺の弟‥。

⏰:09/12/05 15:20 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#126 [雪]

それから結は相変わらず
毎日弁当作ってくれて
帰れば出迎えてくれた。

寝る前に
"海、大好き"と言った。


俺は結とは常に
"弟"という線を引くことにしたんだ。

そんなある日‥

⏰:09/12/05 18:53 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#127 [雪]

珍しく
家の明かりがついていない。

「ただいま‥」

いつも犬みたいに
勢いよく吹っ飛んでくるのに‥
寝てんのか‥?

ソファーにも俺の部屋にも風呂場にも
結の姿はなかった。

「出かけてんのか‥。」

すると携帯が鳴った。

⏰:09/12/05 18:58 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#128 [雪]

『今日は帰りが少し遅くなります。
ごめんなさい。
夜ご飯は冷蔵庫に入ってるよ !
あっためて食べてね』

結からのメールだった。

何だか物寂しい‥
冷蔵庫の冷気にブルッと体を振るわせ
夕飯をレンジに突っ込んだ。

くるくる回るそれをぼーっと眺め
ついたため息。

⏰:09/12/05 19:01 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#129 [雪]

うまいはずの夕飯も
一人ではあまりうまく感じられなかった。


‥なんだか時間が長く感じる
ソファーに寝転んで
何をするわけでもなく、
ただただ結の帰りを待つ自分。


「結も、いつもこうして
待っててくれてたんかな‥」

久しぶりの独りは心細かった。

⏰:09/12/05 19:06 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


#130 [雪]

8時‥9時‥10時

なかなか帰ってこない。
俺は少し苛立ち始めていた



寂しすぎた、それ故のわがまま

「早く帰ってこいよ、ばか」

⏰:09/12/05 19:08 📱:D905i 🆔:DhlqH7iY


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194