―‥ 殺したいほどに ※BL
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#364 [雪]
「お店やってまーす♪
クリスマス雑貨もありまーす♪
ペア物もありますよー♪」
一応店員の俺より
何十倍も使えるトナカイ改め結
寒すぎて口が開かねぇ‥
張り切る結をよそ目に俺は
首からぶら下げたボードに任せる
「"来てね(ハート)"」
‥学園祭じゃあるまいし
:10/12/24 09:39
:D905i
:pHbkbPM2
#365 [雪]
"冴島はコレ持って立ってろ!
世の中ギャップで何とかなるもんだ"
と、言われて渡されたわけだが
やたらと丸い可愛らしい文字の周りに
これでもかと言わんばかりのハートが
「海ー、顔怖いよー?
そんな顔してたらお客さん来ないよー」
「さみぃ」
:10/12/24 09:43
:D905i
:pHbkbPM2
#366 [雪]
「だから言ったでしょ
カイロを介の字貼りすると
温かいんだよってー」
なんでそんなにカイロを
背中の一部に集中させんだよって話
昼間とはいえ空気は冷たい
それをいいことにくっつくカップル
幸せそうで結構、結構
:10/12/24 09:46
:D905i
:pHbkbPM2
#367 [雪]
「みんな幸せそうだね」
目を細めて結が笑った
こいつは、他人の幸せも
自分のことのように素直に喜べる
同じように年を取ったはずなのに
こんなに真っ直ぐに育つとは‥
遠くに目をやる
行き交う人は、肩がぶつかろうが
鞄がぶつかろうが気にしてないようだ
それはみんなが心が広くて
受け入れてる証拠なのか
はたまた他人には無関心なだけなのか‥
:10/12/24 09:52
:D905i
:pHbkbPM2
#368 [雪]
「あ‥海、見て!」
袖口を下に引かれ気付く
一度結のほうを見て、その視線を追う
「泣いてる‥?」
視線の先にはひとりの男の子
まだ幼稚園生くらいの
背丈なんて行く人々の腰にも満たない
「迷子かな?」
顔をぐしゃぐしゃにして泣いていた
:10/12/26 19:58
:D905i
:iCiVA47U
#369 [雪]
「‥かなぁ」
道行く人は一度振り返りはするものの
迷子か可哀相だなどと言うだけで
誰も手を差し伸べようとはしない
やっぱり無関心なんだと、確信
「ちょっと、」
急にボードを手渡され
結はその少年の方へ駆け出した
:10/12/26 20:01
:D905i
:iCiVA47U
#370 [雪]
俺はただそれを見つめるばかり
俺も同じ。
落胆したこの冷え切った人々と同じ
本来人は
結みたいに、暖かかったはずなのに
胸の奥が苦しくなった
いつか人は人じゃなくなるんじゃないかと
不安になったりもした
:10/12/26 20:02
:D905i
:iCiVA47U
#371 [雪]
一生懸命助けを求める小さな体を
俺より一回りも小さい体が抱きしめた
包むようにして抱きかかえ
少しだけあやすように揺すって
「ママはー?」
暖かい笑顔を向ける
まるで本物の母親みたいに笑った
少年は大きく首を横に振ると
湧き上がったように涙をこぼした
:10/12/26 20:06
:D905i
:iCiVA47U
#372 [雪]
「じゃあ、ママ探そっか♪
飴舐める?何味がいい?」
普段の甘えたな結の姿はなくて
頼れるお兄ちゃんだった
不安にさせないように
声の速さをゆっくりにして
ずっと目尻にしわをよせたまま
子供ってほんと素直で
すぐに反応してくれるもんだ
少年はすぐに笑顔を見せた
:10/12/26 20:10
:D905i
:iCiVA47U
#373 [雪]
結は早速声をあげ母親探しをした
するとすぐさま人ごみの中から
子供みたいに今にも泣き出しそうな女性が
こちらに駆けつけた
"よかった、よかった"と
絞り出すような声で少年を抱きしめた
その様子に俺らは自然と笑顔になった
:10/12/26 20:14
:D905i
:iCiVA47U
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