―‥ 殺したいほどに ※BL
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#291 [雪]
「海‥」
こちらに向いた顔をみつめる
目の奥が急に熱くなった
「‥変わりたいよ」
君に見合う人間になりたい
できるなら、女の子に生まれて
たくさんたくさん勉強したいよ‥
「ごめんね」
口元に指を伸ばす
生暖かい空気に触れる
:10/12/17 19:09
:D905i
:ic0DbgC.
#292 [雪]
「‥ごめんね」
こんな弟で‥ごめん
僕は社会に背くことしかできない
この世の"失敗作"だ
:10/12/17 19:11
:D905i
:ic0DbgC.
#293 [雪]
涙が零れて我に帰る
伸ばした指を引っ込める
‥明日が来るのが怖いよ
秒針の音に胸が痛む
いつか僕は、
粉々になって壊れてしまう気がした
:10/12/17 19:14
:D905i
:ic0DbgC.
#294 [雪]
――――‥
「いやー、助かる!」
アンティークチックなその店は
どこか懐かしい香りがした
独特の暖かい雰囲気で
どこから仕入れたのかわからないような
不思議な雑貨が並ぶ
服はどうやら女の子向けがメインのようだ
今までにない魅力を感じた
:10/12/17 20:26
:D905i
:ic0DbgC.
#295 [雪]
「冴島みたいなステキ男子が来れば
客も増えるかなぁーって」
小物をきれいに並べながら
いきなり冴島と呼ぶこの男は
なんとなくこの洗練された空間に
似つかわしくない気もする
「看板息子ってやつ?
ほら、そういうクールキャラって
女の子に人気だし、売上向上の予感♪」
こんなアホみたいなのが
こんなお洒落なものを好むのか‥
:10/12/17 20:33
:D905i
:ic0DbgC.
#296 [雪]
「他に‥スタッフ」
「あ?いないよ?君が初スタッフ」
は。
何もかもが唐突で
この人は俺をどうしてくれるんだ
呑気に鼻歌なんか唄ってるなや
:10/12/17 20:37
:D905i
:ic0DbgC.
#297 [雪]
「まだ始めたばっかでさぁ(笑)
やっと夢叶って、浮かれてんの」
眉を下げて呆れたように笑ってた
なぜかそれで
この人はいい人だと悟った
前髪でよく見えなかった目も
優しそうな雰囲気で
何より目尻にできたシワが
それを物語ってた
:10/12/17 20:41
:D905i
:ic0DbgC.
#298 [雪]
「へぇ‥店長いくつなんですか?」
「店長って、なんか格好良くなーい」
マスターがいいだの、オーナーがいいだの
何やかんやとぼやき、
ついでのように"三十路"と答えた
相応だなとも思うけど
もう少し若そうにも見える
:10/12/17 20:45
:D905i
:ic0DbgC.
#299 [雪]
「こうやって自分の店持って
マイペースに平凡に生きたかったわけ」
"あげる"と手渡されたのは
奇妙なあのストラップだった
「なんなんすか、コレ」
「お揃い♪スタッフの証」
どっかのアイドルみたいにウインクして
一服してくると姿を消した
‥変な奴に捕まった
:10/12/17 20:53
:D905i
:ic0DbgC.
#300 [雪]
「2階‥」
階段の前で立ち止まり、見上げた
なぜか秘密基地に行くような
そんなわくわく感に駆られ
一歩、また一歩と踏み出す
ミシっと小さく音がする
その音にまた、俺は盛り上がる
「お‥」
:10/12/17 21:17
:D905i
:ic0DbgC.
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