ピンクな気分。U
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#401 [のの子]
 
「なぁ、真琴は彼氏いんの?」

「‥‥君に教える意味がわからない。」

「仲良くなろうとしてんだしいいじゃん。ってか俺の名前は彰っ。覚えろよ〜。」

「仲良くって‥なんで君と?ってかなんでいっつもいるの?」

コツンッ
真琴がシャーペンで俺のおでこをつつく。

「別に〜‥暇だから。」
.

⏰:09/12/15 21:00 📱:SH06A3 🆔:YutDo0aY


#402 [のの子]
 
突かれたおでこをさする。

「全くもう‥勉強の邪魔しないでよね。」

ムスッとしながら真琴はノートをめくる。

「あっ竜二君、ここ‥この前間違えた所解けてるよ。すごいじゃーん♪」

真琴が竜二の頭をクシャクシャに撫でる。

「ちょっガキ扱いすんなって言ってんだろ。」

‥ふ〜ん
.

⏰:09/12/15 21:28 📱:SH06A3 🆔:YutDo0aY


#403 [のの子]
 
「俺も勉強教えてもらおうかな‥」

ボソッと呟くと、真琴と目が合う。

ドキッ

♪〜♪〜

「あっごめんね。電話みたい‥」

真琴が携帯をとると部屋を出ていく。

パタンッ

ちぇっなんだよ。

「はぁ疲れる‥彰、お前あいつの事気になんの?」

真琴がいなくなった事を良いことに竜二がベッドに寝っ転がる。

「うーん‥興味はある。」.

⏰:09/12/15 23:13 📱:SH06A3 🆔:YutDo0aY


#404 [のの子]
 
「興味ねぇ‥あいつなんかあるよ。」

竜二が枕に顔を埋めながらボソボソ喋る。

「は?なんかってなんだよ。」

「あいつ二重人格。」

「二重人格っ?ぷっ‥上等じゃん。」

俺が笑うと竜二がかったるそうに俺を見つめる。

「俺‥女苦手。」

当時の竜二は何故か女を嫌っていた。

「でもお前にしては仲良くしてるね?」
.

⏰:09/12/16 17:07 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#405 [のの子]
 
「‥だからあいつ二重人格。」

さっきから二重人格ってなんなんだよ。

「どこが?俺には真面目でちょっと気が強い女にしか見えないけど。」

「この前彰が来なかった日あるじゃん?」

そういえばこの前祐輔の面倒みるので行けなかった日があった。

「あいつ携帯忘れてったから追いかけたんだけどさ、そしたらあいつ目つきが違ったんだよ。」

「目つき?」

「たぶんだけど、あいつ俺らと似てる。こっち側の人間だよ‥」

ガチャ

「あっコラー!」
.

⏰:09/12/16 17:21 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#406 [のの子]
 
「何寝てんの!ほらっ続きやるよ?」

真琴に尻を叩かれ竜二がゆっくり立ち上がる。

「まだ終わんねぇの?疲れた‥」

「もう少しやったら終わりだから。」

真琴が竜二の肩を掴んで無理矢理座らせる。

こっち側の人間って‥なんだし。

「真琴ってどこに住んでんの?」

「教えない。」

冷たいなぁ。
.

⏰:09/12/16 17:54 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#407 [のの子]
 
「俺お茶いれてくる。」

グラスを持って部屋を出ていく時、真琴が俺をチラッと見つめてきた。

ん‥?

「あれ、また彰来てたのか。」

「こんにちは。」

「あっお邪魔してまーす。」

キッチンに行くとリビングで隼人さんと彼女さんが二人でテレビを見ていた。

大学生の二人は竜二とは違って呑気に話している。

.

⏰:09/12/16 18:03 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#408 [のの子]
 
「竜二どう?」

隼人さんが振り返って笑う。

茶髪に爽やかな笑顔。

こりゃ兄弟揃ってモテるはずだわ‥

「もともと勉強できる方だし大丈夫そうですよ。」

「邪魔してないだろうな?」

「もちろん。竜二の邪魔しに来てるわけじゃないんで。」

「あぁ、真琴ちゃんだっけ?お前も男だねー。」

隼人さんと俺は二人でニヤリと笑う。

「真琴ちゃんて、竜ちゃんの家庭教師さん?」
.

⏰:09/12/16 18:09 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#409 [のの子]
 
「ん?そうだよ。男だと気に食わなかったらあいつボコッちゃうかもじゃん?だから綺麗な女の子にしたの。」

隼人さんがクスクス笑う。

「女の子なんだ‥どんな子なの?」

隼人さんの彼女、由紀さんが二階を見つめる。

「ん〜‥綺麗な子だよ。目力が強いかも。な?」

「そうっすね。可愛いよりキレイ系ですね。」

相変わらずニヤニヤ笑う俺達を余所に由紀さんは二階を見つめたまま。

「ふーん。心配だな‥」
.

⏰:09/12/16 18:23 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#410 [のの子]
 
「えっ?」

「ん?なんでもないよ♪彰君は〜‥真琴ちゃんだっけ?その人の事好きなんだ?」

「さぁ‥気になる存在ではありますけど。」

「周りにはいない大人の女だもんなぁ。」

隼人さんがテレビを見ながらクスクス笑う。

「大人?ふふっまだ高校生じゃない。」

由紀さんが妖しく笑いながらテレビに向かうのを俺は横目で見つめる。

‥やっぱなんか掴めないんだよなぁ。

由紀さんは隼人さんと付き合ってもうすぐで二年になる。

⏰:09/12/16 18:31 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#411 [のの子]
 
可愛らしい人で優しいし、天然で面白い所もあるけど‥なんか時々見せる妖しい笑顔がなぁ。

竜二も由紀さんが苦手なのか会っても挨拶程度しかしない。

まぁ竜二は女苦手だもんな〜‥

ガチャ
「あれ、帰んの?」

俺が竜二の部屋のドアを開けると真琴がバッグに荷物を入れていた。

「ちょっと用事思い出して‥」

「彼氏からの呼び出し?」

彼氏っ?
.

⏰:09/12/16 18:40 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#412 [のの子]
 
「はっ?違う。」

「でもメール見たら急に帰るってなったし。彼氏からの呼び出しでしょ。」

竜二が意地悪く笑う。

「彼氏いるんだ。」

俺が突っ立ったまま真琴を見つめる。

「だから〜っ彼氏なんていないから!私フリーなんで。」

「じゃ俺立候補しようかな。」
.

⏰:09/12/16 18:45 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#413 [のの子]
 
俺は笑いながら真琴に手を振る。

「‥‥やだ。君に惹かれる所ないもん。じゃ私帰るね。竜二君バイバイ。」

真琴は俺を無視して横を通り過ぎていく。



「ぷっ‥フラれてるし。」

笑うのを我慢してるのか竜二の肩が揺れる。

ちっくしょー‥

君って‥俺は『彰』だって言ってんだろうがっ。

「ちょっと待てよ!」
.

⏰:09/12/16 18:59 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#414 [のの子]
 
階段を下りていく真琴を呼び止める。

「なに?」

真琴は眉間にシワをよせムスッとしながら俺を見つめた。

リビングから隼人さん達が顔を出しているのが見えたけど、俺は真琴だけを見つめる。

「俺は彰だって言ってんだろ。君って呼ぶな!」


この時の俺は好きとか付き合うとかじゃなくて、ただ『俺』を見つめて知ってほしかった。

俺が『真琴』を見つめて、知りたいと思っているように‥

⏰:09/12/16 19:05 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#415 [のの子]
 
「彰やる〜♪」

隼人さんが茶化すように笑う。

真琴は俺をじっと見つめ、

「君は馬鹿だね。」

なっ!

「はぁっ‥君の名前ぐらい覚えてるよ。でも暇つぶしに来てる子をわざわざ名前で呼ぶ必要ないでしょ。」

暇つぶしって‥

俺がいつも暇つぶしで来てるって言ってるから?
.

⏰:09/12/16 19:10 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#416 [のの子]
 
えっ俺が悪いの?

「名前で呼ばれたければそれなりの努力をしなさい。」

バタン


黒い髪をなびかせて彼女は竜二ん家を出ていった。




「かっけー‥」

俺は笑いながら呟いた。

.

⏰:09/12/16 19:44 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#417 [のの子]
――――

「あの子気が強そうな感じだね。」

「だなぁ。確かにちょっとかっこよかったし‥ありゃ彰完全惚れちゃったな。」

隼人がコーヒーを飲みながら笑う。

「そうみたいだねぇ‥でもそれなら竜ちゃんは大丈夫そう♪」

「何が?」

「ん〜?竜ちゃんには変な虫がつかないって事。」

由紀が雑誌をめくりながら笑う。

⏰:09/12/16 23:57 📱:SH06A3 🆔:noR5E.6A


#418 [のの子]
 
「変な虫って失礼だろ。」

「だってあの子きっと竜ちゃんと気が合わないよ。竜ちゃんにはもっと相応しい人がいるもの。」

由紀がニコッと笑って隼人を見つめる。

またか‥

由紀は竜二を可愛がってるけど、時々執着心が見え隠れするのを隼人は前々から気づいていた。

「お前は竜二を可愛がりすぎなんだよ。」

隼人が由紀の頭をクシャクシャに撫でる。

「だって隼人の弟なんだから当たり前だよ。」
.

⏰:09/12/17 00:05 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#419 [のの子]
 
「言ってくれたら私家庭教師やってあげたのにな。」

「そんな事したら俺との時間がなくなっちゃうだろ?」

チュッ

隼人が由紀のおでこに唇をあて背中に手を回すと、由紀も首に手を絡ませた。

「そうだよね‥隼人との時間大切だもん。またお家来てもいい?」

「いいよ。」

抱き合いお互いの肩の上で幸せそうに笑う隼人とは余所に、由紀は2階を見つめていた。
.

⏰:09/12/17 00:11 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#420 [のの子]
――――――――

「ねぇ誰待ってるの?」

「一緒に探してあげよっかぁ?」

なんか‥‥違う‥‥

「彼女待ってるんで。」

ニッコリ笑うと女達は口を尖らせながら去って行った。

「まだかなぁ‥」

真琴の通う高校を見上げて俺は門に寄り掛かる。

有名な進学校って言うから真面目そうな奴らばっかかと思ったけど、チャラそうなのもいんじゃん。

さっきから声をかけてくるのもギャルっぽいのからぶりっ子ばっか。

‥なんかピンとこないんだよなぁ。
.

⏰:09/12/17 21:20 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#421 [のの子]
 
別にギャルとかぶりっ子も嫌いなタイプじゃないんだけどなぁ‥

う〜ん、と首をかしげる。

なんかこうやっぱスラッとしてて‥あぁそうそうっあの人みたく黒髪で

「‥またいる。」

真琴が呆れた顔で門に向かって歩いてきた。

「お帰り、真琴。」

そう真琴みたいのが今の俺の心にはピンッとくる。

「君は犬か。私は君のご主人様とか?」

「うーん‥いいねっ犬。鎖で繋いでっ♪」
.

⏰:09/12/17 21:27 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#422 [のの子]
 
わんっと犬の真似をすると真琴は笑ってくれた。

「君みたいな犬のご主人様はしつけが大変そう。」

「えぇっ‥俺いい子だよ?ちゃんと真琴に言われた通り勉強もしてるし。努力してるんだけどな〜。」

ここ最近真琴を待ち伏せして一緒に竜二ん家に行くのが日課になってる俺。

『それなりの努力をしなさい。』

この時の俺は真琴に名前を呼んでほしくて自分の事を知ってもらおうと色々話した。

最初は素っ気なかった真琴も最近はよく笑ってくれるようになった。
.

⏰:09/12/17 21:34 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#423 [のの子]
 
ついでに最近は俺も真琴に勉強を教えてもらったりしてる。

もう暇つぶしで来てる俺じゃない。

「なぁ、まだ名前で呼んでくんないの?」

「そうだねぇ‥まだ努力が足りないんじゃない?」

真琴のクスクス笑う横顔を俺はムスッとしながら見つめる。

「俺の事遊んでるだろ?」

「‥‥‥さぁ。嫌なら辞めれば?」
.

⏰:09/12/17 21:40 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#424 [のの子]
 
「辞めない。」

「じゃ頑張って。」

真琴が笑うと、ムカつく気持ちもなんだか悪くない‥なんて思う俺。

♪〜♪〜♪

「あっごめん。もしもし、何?」

でたー‥謎の男。

真琴に度々かかってくる謎の男からの電話。

「今日?だから無理だって言ったじゃん。‥‥‥‥死ね。」

ピッ
.

⏰:09/12/17 21:52 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#425 [のの子]
 
‥まぁこの感じじゃ彼氏じゃねぇな。

「いっつも誰なの?」

「‥関係ないでしょ?」

「えぇ〜ご主人様の事知りたいなぁ。わん‥」

俺が大袈裟にシュンっとすると真琴が横目でチラッと見つめてきた。

「私男らしくない奴嫌いだな。」

うっ‥

「わかったよ。」
.

⏰:09/12/17 21:58 📱:SH06A3 🆔:Qh30UTts


#426 [のの子]
 
真琴はあんま自分の事を話さない。

こうやって一緒に竜二ん家に向かう事で知れたのは

真琴は女王様タイプ。

たぶん俺が真琴に惚れてるのもわかっててこいつは虐めてくんだから‥

かなり意地が悪く頑固。

「あっ今度俺お迎え来れないから。」

「えっなんで?」
.

⏰:09/12/18 22:09 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#427 [のの子]
 
「弟の面倒見なきゃなんだよね。」

「弟いんのっ?」

真琴のクリッとした黒い目が俺を見つめる。

ドキッ

「うん。まだチビだけど‥かなり歳離れてるよ〜。」

俺が苦笑いしながら写メを見せると真琴はじっと見つめる。

「可愛い‥君、お兄ちゃんなんだ。」

ふっと笑った真琴は今までで1番優しく、温かい笑顔で俺の頬も熱くなる。
.

⏰:09/12/18 22:15 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#428 [のの子]
 
「私も妹いるんだけどめちゃくちゃ可愛がってるんだぁ。」

「え?へっへぇ〜‥」

真琴が歩きながら初めて自分の話をしだした事に驚きながら平然を装う。

「下に妹とか弟がいるとさ、何でもしてあげたくならない?」

「ん〜まぁわかるかも。」

「だよねっ?!よくシスコンって言われるんだけど‥あの子は私にとって掛け替えのない子なの。」

真琴は何かを思い出すかのように空を見上げる。
.

⏰:09/12/18 22:22 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#429 [のの子]
 
「だってめちゃくちゃ可愛いんだもん。あっ先に言っとくけど君には紹介しないからね。」

真琴が俺に指をつきつける。

「俺は真琴だけだよ。」

「ふふっ本当君は私の犬だね。」


いじわるく笑う真琴は俺より先を歩く。

それについていく俺。

はぁっ本当犬みてぇ。

⏰:09/12/18 22:27 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#430 [のの子]
―――――
コンコン
「竜ちゃん。」

竜二は無表情のままドアの方を見る。

「なんでいるの?」

ドアにはニッコリ笑う由紀が立っていた。

「隼人がね、今日バイトだからお家で待っててって。」

「母さんは?」

竜二は由紀を睨む。

「また出かけちゃったよ。また竜ちゃん一人ぼっちだね。」
.

⏰:09/12/18 22:31 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#431 [のの子]
 
「うるさい。」

竜二はさっきまでつけていたウォークマンのイヤホンをまた耳につけようとすると

「可哀相な竜ちゃん‥」

っ!

由紀はベッドに座る竜二のひざ元に座り込む。

「いつも一人ぼっちな竜ちゃん。可哀相‥」

「うるさいって言ってるだろ。出てけよっ。」

「私がいなくなったらまた一人だよ?」

.

⏰:09/12/18 22:37 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#432 [のの子]
 
「っ‥これから彰と家庭教師がくんだから出てけよっ。」

「あぁ‥あの二人仲良いよね。彰君はあの子の事好きみたいだし、あの子もたぶんまんざらでもないんじゃない?」

由紀が竜二の膝にそっと触れる。

「結局竜ちゃん仲間外れじゃない。やっぱり一人ぼっ――
ダンッ

竜二がウォークマンを壁に投げつける。

「あーぁ‥壊れちゃった。」

由紀がクスクス笑い出す。
.

⏰:09/12/18 22:42 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#433 [のの子]
 
「‥なんなんだよ。いっつもいっつも‥うるせーんだよっ!」

竜二が髪をクシャッと掴む。

「私は本当の事言ってるんだよ?竜ちゃんはずーっと前から‥小さい頃から一人ぼっちだったでしょ?」

「うるさい‥やめろよ‥」

「お父さんとお母さんは仕事、お兄ちゃんは友達と遊びに行って塾にも行って‥竜ちゃんには何もなかったもんね。」

竜二が由紀を睨みつけると由紀は優しく笑う。
.

⏰:09/12/18 22:48 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#434 [のの子]
 
「その目好き‥」

由紀の手が竜二の頬に触れる。

「でも大丈夫だよ?竜ちゃんには私がいるもん。竜ちゃんの寂しさに初めて気づいてあげたのは誰?私だよね?」

由紀が妖しく笑いながら竜二の顔に近づいていく。

「竜ちゃんには私しかいないの‥忘れないで?」

二人の唇が重なったとき、

竜二の目から涙がこぼれた。

⏰:09/12/18 22:53 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#435 [のの子]
――――

「こんにちは。」

「こんにちは‥」
「お邪魔しまーす。」

竜二の家に着くと由紀さんが出迎えてくれた。

隼人さんがいなくても由紀さんはよく竜二ん家にいる。隼人さんを待ってるらしい。

「‥面倒臭いなぁ。」

真琴がボソッと呟く。

「何が?」

「‥わかんないの?」

真琴が俺を呆れた顔で見つめる。

「勉強教えんのがめんどいの?」

「バカ。」
.

⏰:09/12/18 23:00 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#436 [のの子]
 
「ひでぇ‥」

真琴は何が面倒臭いか話さないままサッサと先に階段を上っていく。

‥言わないのかよっ!

コンコン
「竜二君、入るよ?」

竜二からの返事はない。
真琴がまた小さなため息をつく。

ガチャ

「やっぱり‥」
.

⏰:09/12/18 23:27 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#437 [のの子]
 
うん、一目でわかる。

今日の竜二はご機嫌ななめ。

ウォークマンはぶっ壊れてるし、ノートも散らばっちゃって‥

ベッドの上で俯いたまま竜二は俺達を見ようともしない。

「今日ムリ。帰って‥」

イライラを我慢してる低い声で竜二が呟く。

久しぶりにご機嫌ななめだな。

「どうすんの?」
.

⏰:09/12/18 23:33 📱:SH06A3 🆔:XrF9oZgI


#438 [のの子]
 
久しぶりに近づくんじゃねぇオーラが漂ってるし‥

小さな声で真琴に聞くと真琴は面倒臭そーな顔で竜二を見つめたまま

「確かにこんなんじゃ勉強できないしね‥仕方がないなぁ。」

真琴はズカズカ竜二の部屋に入って行く。

えぇっ帰んじゃねぇの?

バシンッ
「何ボーッとしてんの。さっさと片付けるよ。」

「イッ‥はぁ?」

真琴が竜二の頭を勢いよく叩いた。

⏰:09/12/19 15:42 📱:SH06A3 🆔:0C3oGL3g


#439 [のの子]
 
「はぁ〜っ私汚い部屋嫌いなんだよねぇ‥君も手伝ってよ。」

真琴がムスッとしながら散らばったノートを集める。

「えっ‥あぁ、うん。」

俺も戸惑いながら壊れたウォークマンを拾う。

「ちょっ帰れって言ってんじゃんっ!さわん―
「竜ちゃん、大丈夫?」

由紀さんが心配そうに竜二の部屋をのぞいていた。

「真琴ちゃんだっけ?竜ちゃん一人になりみたいだし今日は帰ってあげて?私がいるから大丈夫だよ。」
.

⏰:09/12/19 16:55 📱:SH06A3 🆔:0C3oGL3g


#440 [のの子]
 
「それに勉強なんてできる状況じゃないし‥ね?」

黙って俯く竜二とは反対に由紀さんはニコニコ笑って真琴を見つめる。

「勉強?あぁこんな部屋じゃ勉強なんてできませんよねぇ。っというか別に勉強するために片付けてる訳じゃないですよ。」

真琴は集めたプリントを一枚一枚確認していて由紀さんを見ようとしない。

「私もそこにいる彼も、竜二君に勉強させるためにいるわけじゃありません。」

トントンッ

真琴は綺麗にプリントを揃える。
.

⏰:09/12/20 20:20 📱:SH06A3 🆔:pQ8YiUFM


#441 [のの子]
 
「彼は竜二君の親友で、私は家庭教師ですが今日の私はただの二ノ宮です。」

真琴がやっと由紀さんを見た。

「私達は竜二君を心配して、一人にさせたくないと思ってます。これはいけない事でしょうか?」


シ〜〜〜〜〜ン


「いけなくはないけど竜ちゃんは一人になりたいんだよ?無理矢理一緒にいるのは残酷だって思う‥」

由紀さんが悲しい顔をするのは竜二の気持ちを思ってなのか、真琴の考えを非難してるのか‥
俺にはわからなかった。

⏰:09/12/20 20:29 📱:SH06A3 🆔:pQ8YiUFM


#442 [のの子]
 
でも真琴にはどっちなのかわかってるのように真琴がニヤッと笑った。

「それならあなたもですね。無理矢理はよくないです。」

いつの間にか俺よりも前に竜二の部屋に入ってきていた由紀さんの肩がピクッと揺れた。

「うん‥じゃ仕方がないですね。私達も帰りま―」
ピタッ

立ち上がろうとした真琴のシャツを竜二が掴む。

「もういいよ。‥いていいよ。」

竜二が俯いたまま呟く。
.

⏰:09/12/20 20:40 📱:SH06A3 🆔:pQ8YiUFM


#443 [のの子]
 
「竜ちゃんっ?」

「‥彼の許しも貰えたんでやっぱ帰りません。お邪魔させていただきますね。」

真琴がニコッと意地悪く笑うと由紀さんもニコッと笑いながら部屋を出ていった。

バタンッ!

今度は由紀さんがご機嫌ななめになったみたいだけど‥

「私あの人苦手。」

真琴がため息をつきながらまた座り込む。
.

⏰:09/12/20 20:46 📱:SH06A3 🆔:pQ8YiUFM


#444 [のの子]
 
「俺もちょっと苦手。」

「俺は大っ嫌いだよ‥」

竜二がベッドに倒れ込む。

大っ嫌いって‥由紀さんとなんかあったのか?

俺も真琴の前に座る。


誰も話さないから俺も黙っていると



「ありがと‥」


小さな声がベッドから聞こえた。
.

⏰:09/12/20 20:51 📱:SH06A3 🆔:pQ8YiUFM


#445 [のの子]
―――――

「なぁなぁっこの前【黒蝶】現れたらしいぞっ。」

「へぇ久しぶりじゃん。最近全然噂ないからいなくなったのかと思った。」

「この前族同士のデカイ喧嘩あったじゃん?あの時見た奴がいてさ、かっこよかったってよ。」

「スノードロップだっけ?できてまだ全然だろ?‥どんどんデカくなってってんな。」

「もうこの辺はスノードロップが占めてるよ。【黒煙】に【黒蝶】‥その上に総長の【雷公】がいんだもんなぁ。」
.

⏰:09/12/20 21:15 📱:SH06A3 🆔:pQ8YiUFM


#446 [のの子]
 
「そういや今度この辺の族同士の集会あるらしいぜ。本当かわかんねぇけど‥」

「マジで?恐そぉ‥」

チッ‥うっせーな

「たぶんスノードロップも参加するはずだし、見に行く?」

気持ち良く寝ている俺の邪魔をする奴らを睨む。

「無理無理っ!見つかったらただじゃすまねぇだろっ。」

「うっせーんだよ‥」

俺に気づかずに笑うそいつらに俺は声をかけた。

⏰:09/12/21 00:21 📱:SH06A3 🆔:W0PfAZ5s


#447 [のの子]
 
「げっ彰起きてたのかよ。」

「お前らがうるさくて寝れないんだろっ。何が族の集会だよ。」

「彰も不良なら族の話とか興味あるんじゃねぇの?」

顔見知り程度のそいつらはニヤニヤ笑う。

うぜーな‥

「不良がこんな点数とれないっしょ?」

俺はニッコリ笑ってこの前のテストをポケットから出す。

「‥はっ?!82点てお前カンニングしたろっ!」

今までよりも遥かに良い点数に驚いてる。

「バーカ!カンニングなんかすっか!ってかどっか行けよ。」
.

⏰:09/12/22 21:03 📱:SH06A3 🆔:NifqdC0o


#448 [のの子]
 
真琴達と勉強するようになって竜二ももちろん俺の成績は自然と上がっていった。

最近の竜二も前みたく簡単にキレなくなったし、平和な毎日が続いてた。


「なぁ彰一緒に族の集まり見に行かねっ?」

「はぁっ?!嫌だ。俺興味ねぇもん。」

「えぇ〜っスノードロップ見れるかもなんだぞ?さすがにスノードロップぐらい知ってるだろ?」

スノードロップ

最近力をつけてきた族の一つ。
.

⏰:09/12/23 20:39 📱:SH06A3 🆔:6bYqDLU6


#449 [のの子]
 
総長も含めて若い奴らが集まったらしく、

総長の『雷公』
【スノー(雪)】っていうくせに黒服が正装で、唯一総長だけ金髪・白服が許される。そいつの金髪と喧嘩後がまるで雷が落ちたかのように人がぶっ倒れてる姿からこの名がついた。

副総長『黒煙』
総長の右腕でいつもタバコを吸っているらしい。喧嘩中もタバコを吸っていてそいつが動くと煙りが舞う姿から黒煙って呼ばれる。

『黒蝶』
族の中で唯一の女で滅多に現れないらしいが、喧嘩の腕は男に負けない。特徴の素早さが蝶が舞っている姿に似ているらしい。美人って噂があるけど本当だか‥

まぁ俺でもこれぐらい知ってる有名人がいる族って事。

⏰:09/12/23 20:52 📱:SH06A3 🆔:6bYqDLU6


#450 [のの子]
 
「見ても何も得ないし。」
「まぁ興味あったら行ってみろよ。確かかわかんねーけど今週らしいぞ。」

「はいはい。」

俺が欠伸をするとそいつらはつまらなそうに出ていった。

今週ねぇ‥



「それより真琴何してんのかな〜。」


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⏰:09/12/23 20:56 📱:SH06A3 🆔:6bYqDLU6


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