ピンクな気分。U
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#56 [のの子]
俺の汚い手で汚すつもりもなかった。
ただ、竜二の色に染まっていくなら俺の手で汚してしまおう‥そんな考えが聡美を掴んだんだ。
「なんでっ‥こんなひどい事‥‥」
俺の目を見ない聡美。
「好きだから‥」
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:09/10/17 20:12
:SH06A3
:DD4V5KJo
#57 [のの子]
「‥‥えっ?」
聡美が俺の目を見つめた瞬間、聡美の目から涙がこぼれる。
ギシッ
竜二だろうか。階段をゆっくりと上って来る音が聞こえてきた。
それでもまだ見つめ合う俺達二人だけの時間は、もう終わる。
ギシッ
階段を上ってくる音はカウントダウン。
ギシッ
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:09/10/17 20:21
:SH06A3
:DD4V5KJo
#58 [のの子]
今日、本当に二人だけで会っていたらどうなっていたんだろう。
ふっと考える。
グイッ
これが最後だから‥
聡美の肩を引っ張り優しく抱きしめる。
「うそだよ。ごめん‥お前は竜二の彼女だ。」
「あきらくっ
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:09/10/17 20:24
:SH06A3
:DD4V5KJo
#59 [のの子]
ガチャッ
「お待たせ。」
竜二がケーキを持ってドアを開ける。
俺と聡美の距離はさっきまでと同じに戻っていた。
「ん〜‥何ケーキ?」
「今日はチーズケーキ。聡美チーズ大丈夫?」
「えっ‥あっうん、チーズケーキ大好き。」
そっか、と笑う竜二とは逆に聡美は目を伏せる。
バレたいのかよ、バカ‥
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:09/10/17 20:31
:SH06A3
:DD4V5KJo
#60 [のの子]
俺は平然を装うように聡美を無視した。
でも竜二が気づいてるのか気になって俺も自然と目を伏せた。
おばさんの手作りケーキを一口食べるとなんだか落ち着く。
やっぱ上手いなぁ‥
「なんかあった?」
「はっ‥何が?」
「二人‥なんか変だよ。」
竜二がチーズケーキを食べながら笑う。
その笑い方はまるで何もかもお見通しのような余裕さを感じた。
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:09/10/17 20:40
:SH06A3
:DD4V5KJo
#61 [のの子]
「別に何もないけど。」
俺はフォークの先を見つめて言う。
「そう。じゃ聡美は何かあった?」
「ぇっ‥」
聡美を見ないようにしていた俺もつい聡美に目がいく。
「何もないよ?それよりチーズケーキ美味しい。」
そう言って笑う聡美の目はいつも見たく笑えてない。
「‥‥ありがとう。母さん料理教室の先生なんだよ。」
「そうなんだ!すごぉい。」
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:09/10/17 20:48
:SH06A3
:DD4V5KJo
#62 [のの子]
竜二は笑いながらそんな事ないよ、と言うとケーキを口に運ぶ。
聡美も笑いながらケーキを食べる。
‥まるで仮面をかぶってるみたいだな。
今の二人を見てるとそうとしか見えなかった。
「俺さぁ‥」
この空間に耐えられなくなった。
聡美はピクッと肩を揺らすと俺をじっと見つめてきた。
竜二は目をふせたまま‥
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:09/10/21 14:22
:SH06A3
:.AlQ1Whc
#63 [のの子]
「用事思い出したから帰るわ。」
まだチーズケーキが半分も残っているのが名残惜しかったけど、もう無理。
ここから逃げ出したい。
二人を見ていると、自分のした事の罪の重さが伝わってくる。
‥恐かった。
二人を傷つけた事も、失う事も、恐くて見てられなかったんだ。
バッグを手に俺は竜二の部屋を出る。
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:09/10/21 14:28
:SH06A3
:.AlQ1Whc
#64 [のの子]
気持ちは焦るがゆっくり落ち着きながら階段を下りていく。
「あれっ彰君もう帰るの?」
キッチンにいたおばさんが顔をだしてきた。
「これから用事あって。久しぶりのおばさんのケーキ美味しかったですよ。」
そう笑うとおばさんもふふっと笑う。
「はいっこれ♪」
「なんすか、これ?」
おばさんがくれたのは小さな白い箱。
「チーズケーキ♪祐輔君の分もあるから家食べて?」.
:09/10/21 14:34
:SH06A3
:.AlQ1Whc
#65 [のの子]
「あぁ〜なんかすみません。」
「いいえ〜♪気をつけてね。」
おばさんに見送られながら俺は西岡家を出た。
「はぁ〜〜〜っ‥」
誰かん家の木でできた影に入ると壁に寄り掛かる。
あの重い空気。
あの仮面みたいな笑顔。
竜二‥感づいてる。
:09/10/21 14:38
:SH06A3
:.AlQ1Whc
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