ピンクな気分。U
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#601 [のの子]
「カッコつけてもシスコンに変わりないぞー。」
「シスコンで何が悪いの?」
亮さんのヤジを見下すかのようにまこ姉はふんっと私を抱きしめる。
「こぉーっんな可愛い妹がいたらアンタらもシスコンになるのよ。」
ベーッと舌を出すまこ姉に呆れた顔の亮さん。
「俺は妹じゃなくて良かったかも‥さとちゃん俺と付き合っ
「ぶっ飛ばすよ?」
.
:10/03/16 22:25
:SH06A3
:kDXCdGG.
#602 [のの子]
私の手を握ってきた昇さんの胸倉を、まこ姉が絞めつける。
あはは‥いつものパターン。
それを見て周りの皆も笑い出す。
ここはスノードロップがいつも集まる錆び付いた公園。
いつも夜のこの公園には、笑い声がたえない。
.
:10/03/16 22:29
:SH06A3
:kDXCdGG.
#603 [のの子]
まこ姉がスノードロップっていう族?に入ったのを知ったのは調度一年前。
まこ姉は小さい頃から勉強もできたし美少女だったから、家族や周りから期待されてた。
でもまこ姉はそういうのを嫌がってて、その反抗からか習い事は【少林寺拳法】に【空手】、【剣道】っていう男勝りのものばっかり。
しかも上達が早くて男の子より強くなっちゃっうんだもん。すごい‥
.
:10/03/16 22:36
:SH06A3
:kDXCdGG.
#604 [のの子]
高校に入ってから習い事を辞めたまこ姉。
そしたら次は族に入ったって言うから驚いた。
心配する私に
『母さん達には秘密だよ?聡美にしか言わないんだからね。』
そう言って笑うまこ姉を私なんかが止める事なんてできなかった。
でも初めてまこ姉にここに連れてきてもらった時、
怖いイメージを持ってビクビクしてた私をみんなは笑って受け入れてくれた。
.
:10/03/16 22:43
:SH06A3
:kDXCdGG.
#605 [のの子]
みんな私より年上でお兄ちゃんみたいだった。
「さとちゃん、元気してた?」
私は声が出ないからただ頷く。
「こいつと話すと妊娠するからやめな〜。」
私は声が出ないのに笑う。
「さとちゃん、さとちゃん―‥‥」
私は声が出ないのに、みんな話しかけてくれる。
私をちゃんと見て、
話してくれる。
.
:10/03/16 22:49
:SH06A3
:kDXCdGG.
#606 [のの子]
すごいすごい
胸が温かくなる。
「あっそういえば私今度からバイトするんだ。」
「えっ聞いてないんだけどっ!」
私も初耳で驚く。
慌ててペンをとる。
『私も聞いてないよ!何のバイトするの?』
「えぇ〜‥カテキョ。」
カテキョ?
.
:10/03/16 22:52
:SH06A3
:kDXCdGG.
#607 [のの子]
「‥家庭教師だよ。」
首を傾げる私に亮さんが耳打ちする。
あぁっ家庭教師か!
「うわっなにそれぇ〜。とうとうお前ガリ勉ちゃんかよ!」
ガリ勉ちゃんって‥
「だって時給もいいし勉強教えんのとか楽じゃない?」
「まぁ真琴なら向いてんじゃね?誰かと違って‥」
亮さんがタバコを口に昇さんを横目で見る。
「そんな目で俺を見るなっ亮チンのバカチーン!」
.
:10/03/16 22:56
:SH06A3
:kDXCdGG.
#608 [のの子]
「‥アホだな。」
「+バカね。」
二人の冷たい言葉と視線に昇さんは拗ねて黙り込む。
‥まこ姉バイトするんだぁ
ツンツン
「ん?どうしたの聡美?」
『バイト頑張ってね』
ノートで顔を半分隠しながらまこ姉を見つめる。
「うん、ありがとう。」
.
:10/03/19 00:10
:SH06A3
:vmyLW.8k
#609 [のの子]
それから四日後、まこ姉の初バイトの日。
私はその日、久しぶりに学校に行ってた。
自主勉強をやってたからそんなに遅れはなかったけど、周りの目は相変わらずどこか冷たく違和感があった‥
「二ノ宮さぁん、久しぶりだね。」
同じクラスの田中さんが話しかけてきた。
私はニコッと笑う。
「声の調子はどう?」
彼女は可哀相な目で見つめる。
.
:10/03/19 00:18
:SH06A3
:vmyLW.8k
#610 [のの子]
『まだ』
「えぇっまだ治んないんだ〜。大変だねぇ。」
私はまたニコッと笑う。
「‥いつも思ってたんだけどよく笑えるよね。私ならそんな時笑えないなぁ。」
‥‥へぇ。
「だって声出なきゃ今後の人生真っ暗じゃん?」
『そうかな?私は大丈夫だから。』
「ふーん‥まぁいいけど。」
.
:10/03/19 00:25
:SH06A3
:vmyLW.8k
#611 [のの子]
そう言って彼女は私から離れていった。
一体彼女は何が言いたかったのだろう。
私の人生もう終わりって言いたかったの?
可哀相な人って?
‥はぁっ‥嫌みな人。
でも、何も言わずに影でコソコソ言う人達よりマシなのかもしれない。
学校で私に声をかけてくる人はあまりいない。
私はいてもいなくても同じなんだ。
.
:10/03/19 00:32
:SH06A3
:vmyLW.8k
#612 [のの子]
相変わらず透明人間。
ってダメダメ!こんな事ばっかり考えてたら本当に、本当に声をなくしちゃう‥
喉に手をあてる。
私の声はまだここにある‥眠ってるだけなんだから。
.
:10/03/19 22:20
:SH06A3
:vmyLW.8k
#613 [のの子]
「ただいまぁ。」
っ!
「あっお帰り〜。バイトどうだった?」
お母さんの質問にまこ姉は制服のブレザーを脱ぎながら眉間にシワをよせる。
「あぁ‥なんか無愛想な男の子だった。でも勉強できなくはなさそうだったよ。」.
:10/03/19 22:25
:SH06A3
:vmyLW.8k
#614 [のの子]
へぇ〜、男の子なんだ。
「確か聡美と同い年だったっけ?」
「そうそう。」
同い年‥どこ中だろ?
「ってか初めての授業で友達連れて来たんだけど。しかもその子帰んないし、やりづらかった〜。」
はぁっとため息をつくとまこ姉は制服のまま私の隣に座る。
『その子も勉強教えてほしかったんじゃない?』
.
:10/03/19 22:29
:SH06A3
:vmyLW.8k
#615 [のの子]
ノートを見せるとまこ姉は
「お金くれるならいいけどタダはなぁ‥」
って腕を組んで笑った。
「あっそれより今日学校どうだった?」
『変わりないよ。』
「そっか。よしよし‥」
そういって私の頭を優しく撫でてくれた。
.
:10/03/19 22:35
:SH06A3
:vmyLW.8k
#616 [のの子]
それから二人でお菓子をポリポリ食べていると
「お母さーん‥って真琴帰ってたんだ。」
「ただいまぁ。」
桜姉が階段から下りてくると、私達の隣に座った。
「制服シワになるから着替えたら?ねぇお母さん、この前頼んだカメラ現像しといてくれたぁ?」
べぇっと舌を出すまこ姉を無視して桜姉がお菓子をひょいっと摘む。
「あぁあれ‥確かあと一枚余ってたからまだ出してないね。」
.
:10/03/19 22:43
:SH06A3
:vmyLW.8k
#617 [のの子]
「えぇっ!!」
「じゃあと一枚撮っちゃってね。」
はいっと手渡してきたのはインスタントカメラ。
「うわっそれ使ってる人久しぶりに見たっ!ぷっウケんだけどっ。」
まこ姉と二人で笑っていると桜姉はムスッとしてほっぺを膨らます。
「うっさいなぁ。デジカメ忘れちゃったのよ。ほらっ写真とるよっ!お母さん撮ってー。」
桜姉がギュッと体を寄せてきた。
.
:10/03/19 22:49
:SH06A3
:vmyLW.8k
#618 [のの子]
「はいはい‥撮るよ〜?」
三人笑って合図する。
ハイッチーズ‥
パシャッ
三人で写った写真は
この日撮ったのが最後になった。
.
:10/03/19 22:53
:SH06A3
:vmyLW.8k
#619 [のの子]
「真琴にキングリーの事言ったぁ?」
「まだ言ってない。」
昇さんと亮さんと三人でブランコに乗って揺らす。
キングリーってなんだろ?
「今回は真琴も参加してほしいんだけどなぁ。」
「久しぶりだしな。」
‥‥キング‥キング‥リー?
王様のリー???
???
「さとちゃん、キングリーってのは集会の事だよ。」
.
:10/03/21 21:06
:SH06A3
:Bt1lxJU2
#620 [のの子]
また亮さんが耳打ちしてくれた。
集会?そんなのあるんだ‥
『危なくない?』
「あぁ、大丈夫だよ。ただ他の族と話すだけだから。」
亮さんの優しい笑顔にほっと安心する。
「真琴今日もバイト?」
うん、と頷く。
.
:10/03/21 21:09
:SH06A3
:Bt1lxJU2
#621 [のの子]
現在の時刻、16時26分。
夜じゃない今の昇さん達は制服で、学校帰りの普通の不良っぽい高校生。
時々三人こうやってまこ姉を待ってたりする。
「キングリーの事話したかったのになぁ。もうすぐだし‥」
昇さんがうーん、と首を曲げる。
「あっさとちゃんメールしてみてよ〜。そしたらあいつ絶対来るし♪」
えっ!
「今回だけっね?」
昇さんが両手を合わせてお願いしてくる。
:10/03/21 21:19
:SH06A3
:Bt1lxJU2
#622 [のの子]
たぶん私がメールすればまこ姉はすぐ来てくれるだろうけど‥
『その後どうなっても知らないよ?』
「え?平気平気〜♪」
手をヒラヒラ揺らす昇さんを横に私はメールを打つ。
30分後、まこ姉は公園に来てくれた。
.
:10/03/24 19:44
:SH06A3
:m9iHNUa2
#623 [のの子]
「聡美連れてなにやってんの?」
まこ姉は昇さん達を呆れた目つきで睨む。
「真琴が最近つれないからさ、さとちゃんを勧誘してたの♪」
「はぁ?冗談よしてよ。」
三人用のブランコの前でまこ姉は立ったまま腕を組む。
「冗談はいいから本題に入ろうよ。」
亮さんがタバコの煙りを空に向かって吐く。
.
:10/03/24 19:50
:SH06A3
:m9iHNUa2
#624 [のの子]
「本題って何?」
「ん〜‥実は今度キングリーがあるんだよねぇ。で、お前も参加してねって話。」
まこ姉の眉間にシワがよる。
「嫌に決まってんじゃん。」
「ダメ〜。これは命令だからねぇ♪」
まこ姉とは反対に昇さんはニコニコ笑う。
「やだってば!私がそういうの好きじゃないの知ってるでしょ?」
.
:10/03/24 19:55
:SH06A3
:m9iHNUa2
#625 [のの子]
「だから命令してんじゃん。お前だってスノードロップの上に立つ存在ならそれなりの行動しろ。」
亮さんがまこ姉を見つめる。
想像以上の空気の重さに私はじっとその場で固まる。
「ムカつく言い方‥」
ふっと鼻で笑うまこ姉に、昇さんが立ち上がって目の前に立つ。
.
:10/03/25 01:12
:SH06A3
:t5AGYcKM
#626 [のの子]
「場所は前と同じ所‥バレないはずだよ。お前のもう一つの顔を汚す事はない。」
まこ姉は学校では普通の女子高生として過ごして、夜のスノードロップでは黒蝶の名前を持つ。
その二つの真逆の仮面を被る生活が、どこか私の心を満たしてくれる‥
前にそんな事を口にしていた事を思い出す。
「頼むよ、お前もスノードロップの仲間だろ?」
優しく笑う昇さんをじっと見つめるまこ姉。
「‥‥はぁ、総長に頼まれちゃ行くしかないか。」
.
:10/03/25 01:22
:SH06A3
:t5AGYcKM
#627 [のの子]
「おっ珍しく素直じゃ〜ん♪いつもこうなら可愛いのにね、真琴ちゃんっ♪」
昇さんがまこ姉の頭をクシャクシャ撫でる。
「ちょっ、もう!やめてよね。ぶっ飛ばすよ?」
「恐い事言わないのー。」
そんな事言いながらまこ姉はクスクス笑っていた。
やっぱ仲いいなぁ〜
私もニコニコして見つめる。
:10/03/25 20:08
:SH06A3
:t5AGYcKM
#628 [のの子]
「本当真琴にしては珍しく素直で恐いな。」
亮さんもタバコを手に笑う。
「なんか最近若い子達に影響されてるのかも。私も純粋で可愛らしくなってきたでしょ?」
首を傾げるまこ姉は確かに可愛い。
「いいなぁ♪俺も若いエキスがほしいよぉ〜。」
「ってか高校生がいう言葉じゃねぇだろ。」
『生徒さんの影響?』
私がノートを見せるとまこ姉はニヤッと笑う。
.
:10/03/25 20:15
:SH06A3
:t5AGYcKM
#629 [のの子]
「なんかあいつら面白いんだよね〜。でもちょっとめんどくさい所もあるんだけど‥」
何かを思い出してクスクス笑うまこ姉。
「からかって遊んでんな?」
「遊んでないしっ。なんか私には持ってないモノ持ってて‥ちょっとこの子を見てたいなーって思う。」
「うわぁっ年下なんてやめとけ〜。俺が許さん!」
昇さんがフンッとそっぽを向く。
.
:10/03/25 20:20
:SH06A3
:t5AGYcKM
#630 [のの子]
「別に興味深いって話でしょうが。ってか聡美、もう帰ろ。」
手招きするまこ姉に走って近づくと、まこ姉から知らない家の匂いがした。
甘い甘いお菓子みたいな匂い。
「じゃあね。」
「おう、キングリー忘れんなよ。」
「さとちゃんばいばーい♪」
昇さん達に手を振って公園を出る。
.
:10/03/25 20:25
:SH06A3
:t5AGYcKM
#631 [のの子]
ツンツン
「ん?なぁに?」
『生徒さんと仲良しなんだね。』
「あぁ、仲良しっていうか‥一人は一方的に好いてくれてて、もう一人は問題児なだけだよ。変な奴らでしょ?」
そう言いながら優しく笑うまこ姉。
『相変わらず友達はいつも来るの?』
「そうそう、なんか私の事気に入っちゃったみたい。」
気に入ったって‥まこ姉の事好きなのかな?
.
:10/03/25 20:30
:SH06A3
:t5AGYcKM
#632 [のの子]
『問題児は?』
「その子さぁ‥なんか嫌な奴がいてね、そいつのせいでグレちゃってると思うんだよね。」
嫌な奴?
「たぶん‥本当は優しい子なんだと思う。でもそこが弱さになっちゃってんだよ。聡美とちょっと似てるかもね。」
私と似てる‥?
『その人には誰か守ってくれる人はいないの?』
私にまこ姉達がいるように‥その人には誰かいないの?
「‥‥‥いない、かも。」.
:10/03/25 20:39
:SH06A3
:t5AGYcKM
#633 [のの子]
一人ぼっち。
そんな言葉が頭に浮かんだ。
私はまこ姉達がいてすごいすごい助けられてる。
なのにその人にはいないんだ‥
もし私も一人ぼっちだったら
「でも大丈夫だよ。その子にはいっつもくっついてくる友達と私がいるから。」
まこ姉が俯く私の頭を優しく撫でてくれた。
この手の温かさが、いつか彼にも届きますように‥‥
ひっそりと声のない言葉を呟いた。
:10/03/25 20:45
:SH06A3
:t5AGYcKM
#634 [のの子]
―――――――
ガチャ キィーー ‥パタン
あっ帰ってきた‥
もう時計の針が1時をさそうとしている。
もう家で起きてるのは私だけ。あとの皆は寝ちゃって時計の音しか聞こえない。
静かに階段を下りていくと、リビングに明かりがついていた。
.
:10/04/05 22:01
:SH06A3
:eteQEc9g
#635 [のの子]
ジャーッ
洗面所から勢いよく流れる水の音が聞こえる。
私はそのままソファーに座ってテレビをつける。音量を小さくしていると
「うわっっ!ビックリした〜‥起きてたんだ。」
顔を洗ったまこ姉が苦笑いしているのを見て私は笑いながら頷く。
「夜更かししちゃダメっしょー?お母さんに怒られるよ?」
お茶の入ったコップを手にまこ姉が隣に座る。
『大丈夫だよ。それより今日集会だったんでしょ?』
「それよりって‥ったく、そうだよ。超ー疲れた!」
:10/04/05 22:21
:SH06A3
:eteQEc9g
#636 [のの子]
『喧嘩とかじゃないよね?』
「違う違う、会議みたいなもんだよ。エリア内の各グループの情報を交換し合うの。」
『エリア?』
「一応エリアみたいなのがあるのよ。グループで占めてる場所によって分けられてても時には助け合いも必要だからね。」
へぇ〜‥
『他にどんな人達がいるの?』
「バカばっか。」
.
:10/04/05 22:28
:SH06A3
:eteQEc9g
#637 [のの子]
「喧嘩バカに格好つけバカ、仏頂面バカに短気バカ‥あとねー」
ムスッとしながらまこ姉が話しているのを私はクスクス笑いながら聞く。
「―‥本っ当に今回のキングリーは最悪だったの。バカばっかだしヒール履いてったのに走ったし、と思ったらあいつっ‥‥あぁーなんでもない。」
?
『なに?あいつって?』
「えっ?なんでもないっなんでもない。」
焦ったように笑いながらまこ姉。
.
:10/04/05 22:39
:SH06A3
:eteQEc9g
#638 [のの子]
「‥あぁ‥聡美はさ、将来の夢ある?」
急に話が変わってキョトンとする私。
「なんでもいいから、ある?」
夢か‥
『わかんないや。今の私ならただ皆に心配かけない強い人になりたい、かな?』
「こらっ弱気な事言わないの。」
『まこ姉は?』
.
:10/04/05 22:51
:SH06A3
:eteQEc9g
#639 [のの子]
「私はねぇ‥大好きな人のお嫁さんになって幸せにする事。私が幸せにしてあげたいなぁって。」
恥ずかしそうに話すまこ姉の横顔は、今まで見た事がない女の子の表情だった。
『意外!』
私は目をパチクリさせながらまこ姉を見つめた。
「だよね‥自分でもこの夢恥ずかしいもん。」
うぇっと舌を出して嫌そうな顔をする。
『でも素敵な夢だよ!』
「‥そう?」
うんっ!と勢いよく頷く。.
:10/04/05 22:59
:SH06A3
:eteQEc9g
#640 [のの子]
「きっとそんな事言ってくれるの聡美だけだよ〜。」
ガバッと抱き着いてきたまこ姉。
あはは、まこ姉可愛い♪
「‥よく結婚する人と出会った時ピンッとくるものがあるっていうけど‥まさかあの子とはなぁ‥はぁ〜〜。」
?
ボソボソと耳元で話していてよく聞き取れない。
トントン
「んー?」
私から離れたまこ姉のほっぺはうっすらピンク色に染まっていた。
:10/04/05 23:06
:SH06A3
:eteQEc9g
#641 [のの子]
なんか変‥
『やっぱり何かあったんでしょ?』
「えっないないっ!」
ジーッとまこ姉を見つめると、まこ姉は少しずつ目をそらす。
『ほらっ今目そらした!』
「コラコラッそれぐらいで人を疑うんじゃないの!」
笑いながらまこ姉は立ち上がると、お風呂に入ってくるっと言ってリビングからそそくさと出て行った。
‥逃げられた〜。
フンッと傍にあったクッションを抱きしめる。
「あれ、聡美か。」
.
:10/04/30 09:17
:SH06A3
:JQWBh9gs
#642 [のの子]
っっ!!
ビックリしてドアの方を見ると、そこにはお父さんが立っていた。
「てっきり真琴かと思ったんだけどなぁ‥ん?あぁ、真琴は風呂入ってんのか。」
欠伸をしながらお父さんは冷蔵庫からミネラルウォーターを出す。
「聡美も飲むか?」
私は首を横に降る。
お父さんはそうか、と言いながら小さなグラスに水を注ぐ。
「‥こんな時間に二人で内緒話か?」
優しく笑うお父さん。
.
:10/04/30 09:22
:SH06A3
:JQWBh9gs
#643 [のの子]
『内緒。』
「ははっそれも内緒か。」
『起こしちゃった?』
「いや、なんか目が覚めただけだよ。そういえば今日真琴と話してないなぁ‥いや、もう昨日か。そう思ったらついね。」
私はつい笑ってしまう。
『それだけで起きてきたんだ?』
「それだけなんて言うなよ。普段仕事ばかりの父さんにとっては大事な事なんだからさ。」
そう言って最後の一口の水を飲み終えるとお父さんはゆっくり立ち上がる。
「じゃ父さん寝るよ。肝心の真琴は長風呂みたいだしな。おやすみ。」
おやすみの代わりに私が手を振ると、お父さんも手を振ってリビングから出ていった。
:10/04/30 09:33
:SH06A3
:JQWBh9gs
#644 [のの子]
私ももう寝ようとテレビを消す。
【もう寝るね。おやすみ。あとお父さんが起きてきて、まこ姉と話せないの寂しがってたよ〜。笑】
クスクス笑いながらメモを置いて自分の部屋に向かう。
ベッドに入ると、案外すぐに夢の世界に入っていった。
.
:10/04/30 09:38
:SH06A3
:JQWBh9gs
#645 [のの子]
――――――――
「なんか最近真琴おかしくない?」
桜姉が私に耳打ちをしてきた。
「この前まで機嫌良く出かけてたのにさ、最近機嫌悪くない?」
テレビを見ているまこ姉を見ると、クッションを握りしめながらただボーッとしていた。
確かにそうかも‥
『元気ないね。』
「だよねっ!?真琴ってあんま自分の事話さないから心配で‥何か聞いてない?」
私が首を横に振ると桜姉も私も、っとため息をつく。.
:10/04/30 09:47
:SH06A3
:JQWBh9gs
#646 [のの子]
夏休みに入る前、まこ姉はバイトと言ってよく出かけるようになった。
たぶん全部がバイトな訳じゃないだろうけど‥
でも確かに機嫌良くて、いつもは歌わない鼻歌まで歌っちゃうぐらいなんだからかなりのご機嫌。
それを家族の私達は驚きながらも、笑いながら見ていた。
だってそれはまこ姉にとって嬉しい事や幸せな事があったって事だしね。
‥‥‥なのにそれが今は全く逆になっちゃったもんだからビックリ。
.
:10/04/30 09:53
:SH06A3
:JQWBh9gs
#647 [のの子]
元気もなければ機嫌も悪くなってくし‥
それに時々寂しそうにしているのが気にかかる。
「真琴の事だし聞いても教えてくれないんだろうね。」
桜姉がため息をつく。
本当にどうしたんだろう‥
私達の気持ちを余所に、あの日が一刻と近づいてきていた。
:10/04/30 20:53
:SH06A3
:JQWBh9gs
#648 [のの子]
――――――数日後
ツンツン
「なぁに〜?」
『まこ姉もうすぐ誕生日だね。』
「あぁっそういえばそうだね。もう17歳かぁ‥」
ふっと笑いながら瞳を伏せるまこ姉。
まこ姉の普通を装いながら時々見え隠れする寂しげな顔は、私までも悲しくする。
でも、だからこそ私は元気でいなくちゃ‥
『プレゼント何がいい?』
「ん〜いいよ。」
『ダメ!言ってくんなきゃ秘密バラすよ?』
「おやおや、プレゼントあげる為に脅すとは聡美もなかなか悪い子に育っちゃったねぇ。」
ニヤニヤ笑うまこ姉をムスッとしながら睨む。
「‥‥‥‥っもう、わかったわかった。」
.
:10/04/30 21:04
:SH06A3
:JQWBh9gs
#649 [のの子]
「って言っても急には出てこないしなぁ‥あっじゃぁさ、今度買い物行こうよ?その時選ぶから。ねっ?」
『うん。一緒に買い物久しぶりだしね。』
「だね。桜姉も来るかな?」
『じゃ私が伝えとく!』
「うん、ありがとね。」
まこ姉が笑いながら優しく頭を撫でてくれた。
.
:10/05/11 23:19
:SH06A3
:SDZ/VAsU
#650 [のの子]
――――――――
はぁ、今日も暑いなぁ‥
「あれ、二ノちゃん?」
っ!
ビックリして振り返ると同じクラスの花嶋さんが立っていた。
「ってアイス食べてるし。あっ買い物?」
アイスを食べながらスーパーの袋を持つ私に笑顔で話す花嶋さんの手にもスーパーの袋があった。
「あははっ私も。」
両手がふさがってるは私はただニコッと笑う。
夏休みに入ってから学校の子と会うのは初めてじゃなかったけど、話し掛けてきたのは花嶋さんが初めてだった。
:10/05/11 23:32
:SH06A3
:SDZ/VAsU
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