ピンクな気分。U
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#662 [のの子]
桜姉が真剣な顔付きで少し大きな声で話す。
「‥‥真琴がっ‥なんであの子が‥‥」
そう言うとお母さんはボロボロと目から涙を流す。
「ちょっなんなの?真琴に何かあったのっ?」
桜姉は靴を脱いでお母さんに駆け寄る。
私もお母さんの取り乱した姿に驚きながらもその後を追いかける。
桜姉がお母さんの背中をさすると、
「っ‥あっ‥あの子‥事故った、みたいで‥っ‥重体‥でっ‥びょ病院に‥急いで来てくれっ、て‥」
お母さんは手で顔を覆いながら、小さく震える声を搾り出した。
:10/05/12 22:47
:SH06A3
:fbiQYKBo
#663 [のの子]
――――――――――
「真琴っ真琴はっ?」
「落ち着いてくださいっ。今からお話しま
「大丈夫ですよねっ?あの子大丈夫なんですよね?」
「ですからっ今からお話しするので落ち着いてくださいっ!」
取り乱すお母さんの肩をお医者さんが掴む。
「‥おいで。」
仕事場からかけつけたお父さんがお母さんの手をとって横に座らせる。
:10/05/12 23:03
:SH06A3
:fbiQYKBo
#664 [のの子]
桜姉と私は体を寄せ合ってただ泣いていた。
「‥娘さんですが、乗用車にひかれたらしく運ばれてきた時点で既に意識不明の重体でした。身体の外傷は擦り傷と肋骨や腕の骨折と命に関わるほどのものではなかったです。‥ですが娘さんは臓器の破裂、そして頭を強く打っています。」
「‥先生、はっきり言ってください。」
お父さんがしっかりとお母さんの肩を掴む。
.
:10/05/13 10:57
:SH06A3
:tVY7tLZs
#665 [のの子]
一瞬間を置くように、お医者さんが息を吐く。
「‥残念ですが、我々の精一杯の力でも娘さんの命を助けることは厳しいかと‥」
っっ!
そんなっ‥それって
泣き崩れかかるお母さんを、うぅっと唸るように涙を流すお父さんはしっかりと抱きしめる。
桜姉は私の手をグッと握って小さな悲鳴に近い声をあげた。
.
:10/05/13 11:09
:SH06A3
:tVY7tLZs
#666 [のの子]
まこ姉が死んじゃう?
そんなのウソ。
信じないよ‥
信じられるわけない。
今日一緒に買い物して
プレゼントを買って
みんなでまこ姉の17歳の
誕生日を祝うんだから‥
まこ姉、どこにいるの?
.
:10/05/13 11:12
:SH06A3
:tVY7tLZs
#667 [のの子]
私は立ち上がるとまこ姉がいるはずの病室へ走る。
「ぁっ‥聡美っ!」
桜姉が私を呼んだけど、誰も止めようとはしなかった。
ガラガラッ
ピッ ピッ ピッ
‥‥っ‥まこ姉‥‥
.
:10/05/13 22:41
:SH06A3
:tVY7tLZs
#668 [のの子]
そこには見るだけで痛々しいほどの包帯と点滴、呼吸機をつけたまこ姉がいた。
「真琴っ!!」
私の後からお母さん達も病室に入ってきた。
「こんなに‥っ‥真琴‥」
まこ姉の手を握ってお母さんはシーツに顔を埋める。
「ッ‥クッ‥嫌だ‥死んじゃ嫌だよっ真琴っ‥」
桜姉は反対の手を握って、起きてと言うばかりにまこ姉の手を揺らす。
.
:10/05/13 22:52
:SH06A3
:tVY7tLZs
#669 [のの子]
いつも強く自分の道を真っ直ぐに生きてるまこ姉は、私の憧れだった。
でも今傷だらけのまこ姉を見て、人の命のはかなさと弱さを思い知る。
そして自分の無力さにも‥
皆がまこ姉に泣きながら声をかけてるのに、私はただ泣く事しかできない。
まこ姉に伝えたい事はたくさんあるのに。
まこ姉死なないで
私もそう言いたかった‥
.
:10/05/14 11:14
:SH06A3
:EuBew5nc
#670 [のの子]
「‥っ‥‥あっ真琴?真琴っ!わかるっ?真琴っ!」
私達が病室に入ってから2時間が過ぎた頃、まこ姉がうっすらと目を開けた。
後からお医者さんから聞いた話だと、少しだけでも意識を取り戻した事は奇跡に近いらしい。
「真琴っお母さん!わかる?」
まこ姉はゆっくり瞳だけ動かして私達一人一人の顔を見つめる。
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:10/05/14 11:18
:SH06A3
:EuBew5nc
#671 [のの子]
「真琴ここ病院だよ?わかるっ?」
その時私達はこのまままこ姉は助かるって思った。
でも、違うって事に私は一人早く気づく。
たぶんまこ姉自身が一番わかっていたんだと思う。
「真琴?なに?なんて言ってるの?」
まこ姉は唇を震わせながら口を微かに動かした。
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:10/05/14 11:22
:SH06A3
:EuBew5nc
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