ピンクな気分。U
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#751 [のの子]
「あっフクと竜二君もおはよ。待たせちゃってごめんね?」
っ‥
聡美は前と変わらない表情で俺に笑顔を向ける。
「大丈夫だよ。」
「うん、文句言ってんの旬だけだから。」
騒いでいる旬と彰を見て聡美はまた笑った。
「ってか行こっか。博也とはまたこの後合流するし。」
博也は地元駅がバーベキューへ行く通り道だから途中から合流する事になっている。
:10/05/29 20:38
:SH06A3
:R/ocBIJk
#752 [のの子]
「そうだよ〜、今度は私達が遅刻しちゃうよぉ?ほらっ行きますよ〜♪」
フクと桃ちゃんが荷物を持って改札へ向かって歩きだすと、それにつられてみんな歩きだそうとする。
「よしっじゃしゅっぱーつ!♪」
旬が周りを気にせずなかなかの大きな声を出す。
「‥小学生か。」
「ぷっ‥」
ボソッと呟くと笑い声が聞こえて振り向く。
「あっごめんね、聞こえちゃった‥」
そう言って笑った聡美は俺を見つめる。
「久しぶりだね。」
「‥うん、補習の日に会ったのが最後だっけ?」
「そうそう。」
.
:10/05/29 20:49
:SH06A3
:R/ocBIJk
#753 [のの子]
明るく笑う聡美を蒸し暑さも忘れるぐらい見つめてしまう。
‥会いたかった。
声が聞きたかった。
その笑顔をずっと見たかったよ。
そんな言葉がこぼれ出ないよう唇を噛む。
「あっ竜二く
「聡美っ」
.
:10/05/29 20:54
:SH06A3
:R/ocBIJk
#754 [のの子]
聡美が俺に何か話そうとした時、彰が聡美を呼んだせいで話はそこで終わってしまった。
「彰君どうかした?」
キョトンとする聡美の横に彰が立つ。
「どうかした?じゃねーし。ほらっ荷物。」
大きめのメッセンジャーバッグを背負っている彰がまた別のバッグが聡美に差し出す。
「あっごめんっ!持ってもらってたんだったぁ‥彰君ありがとね。」
苦笑いしながら荷物を受け取る聡美。
「平気。ってか行くぞ。」
彰は俺をチラッと見つめて歩きだす。
.
:10/05/29 21:09
:SH06A3
:R/ocBIJk
#755 [のの子]
「あっ待ってよぉ!竜二君、私達も行こう?」
聡美は慌てて彰の後を追い掛けようと俺の横を通り過ぎる。
なんで‥?
なんで俺じゃなくて
彰を見つめて
その後を追い掛けるの?
スッ‥
っ!
無意識に聡美の手を掴もうとして固まる。
.
:10/05/29 21:15
:SH06A3
:R/ocBIJk
#756 [のの子]
彰と聡美の後ろ姿を見て、俺は掴もうとした手を下ろす。
「‥っ‥‥‥‥」
下ろした手にグッと力が入る。
なにやってんだ俺‥聡美を止めてどうすんだよ。
「竜二君、大丈夫?」
ハッとして振り返ると鈴が気まずそうな顔をして立っていた。
「まだいたのか‥」
俺は苦笑いしながら痒くもない首をかく。
.
:10/05/30 20:47
:SH06A3
:SB0tBs8Y
#757 [のの子]
「この前までは幸せそうにしてたのに‥今は辛い立場に立っちゃったんだね。」
「辛い?何が?」
みんなを追い掛けるよう鈴と二人で歩きだす。
「元カノさん、彰君にとられちゃいそうだよ?」
「俺はもう別れたんだし二人が付き合おうと関係ないよ。ってかお前こそいいの?」
二人して真っ直ぐ前を見て聡美と彰を見つめる。
.
:10/05/30 20:53
:SH06A3
:SB0tBs8Y
#758 [のの子]
「私と彰君は友達だから。‥でも私ね、彰君の幸せを1番に望んでる。彰君が幸せになれるなら――」
鈴は俺を横目で見つめて笑う。
「竜二君の今の気持ちが変わらないよう協力してあげるよ?」
俺は眉間にシワを寄せて鈴を睨む。
俺の気が変わってあの二人の邪魔をしないようにするって事か..
「‥大きなお世話だよ。」
変わらない。
二人の幸せを願う気持ちは
鈴よりも遥かに大きい。
.
:10/05/30 21:02
:SH06A3
:SB0tBs8Y
#759 [のの子]
聡美Side
「もしもし――」
「あははっなにそれ〜」
「お母さん〜――」
「あっすみません!」
ザワザワと人が多い駅で、さっきから何人かの人と肩がぶつかる。
うぅ、人多すぎ〜‥
「おい、大丈夫かよ。」
彰君が私の荷物をとる。
「えっいいよ、大丈夫だから!」
「お前の為じゃない‥お前とぶつかる人が可哀相だから。」
:10/06/02 14:49
:SH06A3
:rGrL0wZs
#760 [のの子]
ふんっと鼻で笑うと彰君はスタスタ歩きだす。
「失礼な!もうっ‥」
私もその後を追い掛ける。
前を桃達が歩いて、私達はそれを追うように後ろを歩く。
竜二君とは‥さっき話しただけ。
「彰君‥」
「ん?」
無意識に指が唇に触れる。
「さっき竜二君と話してた時、私普通にできてた?」
.
:10/06/02 15:08
:SH06A3
:rGrL0wZs
#761 [のの子]
竜二君が視界に入った時、また泣いちゃうんじゃないかって不安が生まれた。
でも、竜二君は普通にしてるし私もそうしなきゃって‥
でも話した時、唇が震えて話せなくなるんじゃないかって思った。
会えたのが嬉しくて
話せたのが嬉しくて‥
でもその倍ぐらい
寂しくて、悲しかった‥
.
:10/06/02 15:12
:SH06A3
:rGrL0wZs
#762 [のの子]
今も思い出すと唇が震えそう。
‥ポンポン
っ!
「できてた、できてた。」
彰君が私の頭をクシャクシャ撫でる。
ドキッ
「‥‥ありがと。」
私はなんでか安心して笑う。
:10/06/02 16:27
:SH06A3
:rGrL0wZs
#763 [のの子]
―――――――
「先輩、隣いいですか?」
ニコッと笑った鈴ちゃんが私の隣を指差す。
「うん、どうぞ。」
「聡美の隣は私、鈴ちゃんはそっちね。」
私の隣にさっと桃が座ると、前の席を指差す。
「‥‥どーも。」
鈴ちゃんがムスッとしながら私達の前に座った。
.
:10/06/02 16:41
:SH06A3
:rGrL0wZs
#764 [のの子]
「俺もこっちがいいー♪」
途中から合流した博也君が鈴ちゃんの隣に座る。
「ダメーッ♪ここは女の子だけなのぉ。」
桃が笑いながら手を振ると、ちぇっと言いながら博也君は席に戻って行く。
電車を乗り継いで二時間、向かい合う席の田舎らしい電車に乗った私達。
もう少しで到着駅に着こうとしていた。
.
:10/06/02 16:57
:SH06A3
:rGrL0wZs
#765 [のの子]
「先輩夏休み前に竜二君と別れたらしいですね〜。」
ギクッ
鈴ちゃんが目を細めて私を見つめる。
「実は色々ありまして‥」
「その割に彰君とは夏休み前より仲良くなってるよねぇ♪」
今度は桃が私の肩に寄り掛かりながら笑う。
「え〜っとねぇ‥彰君とも色々ありまして‥」
.
:10/06/02 17:02
:SH06A3
:rGrL0wZs
#766 [のの子]
私は二人を見つめて顔を引き攣らせながら笑う。
こっ恐い‥
「色々って?」
「私何も聞いてな〜い。」
ゔっ‥
二人から感じる黒いオーラを肌に感じて、汗が流れる。
「えっと‥何から話せば
「「最初からっ!」」
なっなんかこの二人気が合ってない?
.
:10/06/02 17:06
:SH06A3
:rGrL0wZs
#767 [のの子]
―――――
ガタン ガタンガタン
「――‥で、彰君とは仲良くなったっていうかなんというか‥」
「信じらんない‥そんな繋がりがあったなんて。」
桃は目をパチパチさせて私を見つめる。
「ごめんね、話さなくて‥彰君も関わってるからあんま話さない方がいいと思って‥」
私は二人に謝ると、
「ん、まぁしょうがないよ〜。」
桃は笑って私の肩を優しく叩く。
「‥‥先輩があの人の妹っ‥」
.
:10/06/03 11:01
:SH06A3
:q1wr3wj.
#768 [のの子]
鈴ちゃんは驚きをかくせないのか、口に手を当てる。
「鈴ちゃん、まこ姉の事知ってたの?」
私が首をかしげると、鈴ちゃんはハッとして私を見つめた。
「あっ‥えっと会った事はないんですけど‥彰君のあの噂から知ってて‥」
気まずそうに話す鈴ちゃんは手を握って力をいれる。
「あの人の妹だなんて‥ははっ確かに敵う訳ないや。」
?
.
:10/06/03 11:10
:SH06A3
:q1wr3wj.
#769 [のの子]
「まぁ逆に諦めつくっていうか‥」
鈴ちゃんは苦笑いしながら外を見つめる。
窓から見える景色はもう緑の木々とたんぼがチラッと見えるぐらい。
「‥私も言うの忘れてましたけど、彰君の事もう好きとかじゃなく友達なんで。」
「えっ!?」
「私の中でもうハッキリ友達って決めたんです。ですから先輩はご自由にして下さい。」
ご自由にって何が?
「えっいやいやでも
「はいはいっ鈴ちゃんがそう言ってんだからいいのっ♪ね?」
:10/06/03 11:16
:SH06A3
:q1wr3wj.
#770 [のの子]
桃が私の肩を掴む。
「えぇ〜‥まぁうん、わかりました。」
私が戸惑いながらも納得すると鈴ちゃんも桃も笑うから、つられて私まで笑ってしまった。
「竜二君とはぁ?どうなの?」
桃が持ってきたお菓子を食べながらポツリと呟く。
「そうですね、竜二君とは何かなかったんですか?」
何かか〜‥
「何も‥でも、まこ姉の事話そうか迷ってるんだ。」.
:10/06/03 11:24
:SH06A3
:q1wr3wj.
#771 [のの子]
まこ姉は竜二君の家庭教師だった。
彰君から話を聞いた限り、仲も悪くなかったみたい。
‥‥竜二君の心にも、傷としてまこ姉が残っているんじゃないのかな?
それに
「もしかしたら竜二君‥最初から私がまこ姉の妹だって気付いてたんじゃないかな?」
私は小さな声で呟く。
.
:10/06/03 22:11
:SH06A3
:q1wr3wj.
#772 [のの子]
「えっなんでぇ?」
そう言いながら桃は私にグミをくれた。私も素直に受け取るとグミを口にいれる。
「ん〜‥なんかそう思ったの。」
グレープ味のグミが口の中でちょっとずつ溶けていく。
「その可能性はありますね。」
鈴ちゃんがチョコボールを手にだしながらサラッと言ってきた。
.
:10/06/03 22:17
:SH06A3
:q1wr3wj.
#773 [のの子]
「えっだからなんでぇ?」
桃は首をかしげる。
「‥竜二君ね、私にこの事知られたくなかったみたいだった。」
だから私は彼が知られたくないって思うなら私は知らないままで良いって思った。
でも知ってしまった‥
全部を。
.
:10/06/03 22:23
:SH06A3
:q1wr3wj.
#774 [のの子]
「知られたくなかったのは、彰君がまた傷ついて+私まで傷つくと思ったから、とか。」
私が曖昧な推理を話すと、案外二人は納得してるのか何も言わずに頷く。
「それも有り得ますね。それか更になにか知られたくない事があるか‥ってでも本当は何も知らずに出会ったのかも知れないですけどね。」
私はただニコッと笑う。
‥更に知られたくない事があるならそれって何だろ?
.
:10/06/03 22:32
:SH06A3
:q1wr3wj.
#775 [のの子]
「でもさぁ、もし竜二君が知ってたとしたらどうなるの?別に良くなぁい?」
桃が不思議そうにしてグミを口に入れた。
「でも、竜二君私のせいで苦しんでたかも‥」
「それはないでしょ〜?だって二人付き合ってたじゃん。」
「‥でも桃さん、この人フラれてるんですよ?」
鈴ちゃんが呆れたように桃を見つめる。
.
:10/06/04 00:56
:SH06A3
:cxRl/CEw
#776 [のの子]
「でも付き合ってた、それが大事だと思うけどなぁ〜。」
私達は桃の言いたい事がわからずキョトンとする。
「だぁかぁらぁ、聡美が妹だって知ってても、彰君と聡美を近づけたら傷つくかもしれないってわかっていたとしてもぉっ!竜二君は聡美と付き合ったんでしょう?」
私はゆっくり頷く。
「それって、それほど聡美の事が好きだったんじゃない?」
ドキッ
.
:10/06/04 10:49
:SH06A3
:cxRl/CEw
#777 [のの子]
「私はそう思いたいなぁ♪」
桃は首をかしげながら私を見つめて笑う。
なるほど、っと鈴ちゃんも笑いながら頷く。
ドキ ドキ ドキッ
これはあくまで桃の考えで、本当かどうかはわからない。
なのに私の心臓はうるさいくらい跳びはねる。
「‥だったらいいなぁ。そしたら嬉しくてまた泣いちゃうよ‥」
.
:10/06/04 10:55
:SH06A3
:cxRl/CEw
#778 [のの子]
彰Side
ガタンガタン ガタン
「っつーかなんで男女別で座るかねぇ。しかもなんでこんな席遠いの?」
「女子は女子で話したい事とかあるんじゃない?桃に近づくなって言われたし‥」
博也の愚痴に複雑そうに笑うフク。
「まぁまぁ男は男でなんか話そうぜぇ♪なにげ俺達も会うの久しぶりなんだしー。」
旬がニコニコ笑いながら持ってきた水を飲む。
話かぁ‥得にない‥
いや、でも話すとしたらあの事について今話しといた方がいいのか?
「ってかじゃ〜僕はまず彰君の話を聞きたいなぁ♪」
っ!
博也が笑って俺を見てきた。
:10/06/04 11:10
:SH06A3
:cxRl/CEw
#779 [のの子]
「は?なんで俺なんだし。」
博也とは対照的に俺は不満げな顔をする。
「だって俺達と会ってない間に何か会ったでしょ〜‥聡美ちゃんと。」
ギクッ
「ブゥーーーーッ!!!!!」
‥‥‥‥‥
「ゴホッゴホッ‥うわぁ、ごめん彰‥」
.
:10/06/04 21:57
:SH06A3
:cxRl/CEw
#780 [のの子]
何故か旬の口から吹き出した水が思いっ切り顔にかかった俺‥
「‥テンメェーッふざけんなっ!なんで急に口から水が出んだよっ!」
「ごめんてぇ〜。水が変なとこ入っちゃって‥」
胸倉を掴むと、旬は苦笑いしながら俺の顔を拭く。
「っ旬〜‥
「どうしたのぉ?」
っ‥!
「うわっ彰君なんで濡れてんの?」
「あっ桃ちゃん達こそどうしたの〜?♪」
聡美達三人が俺達の席に集まってきた。
.
:10/06/05 11:07
:SH06A3
:I0Tk.MjA
#781 [のの子]
「もうすぐ降りる駅かなって話してて‥彰君大丈夫?」
聡美がはい、っとハンドタオルを渡してきた。
こいついつもハンカチ持ってんな。
「サンキュー‥」
それを受け取って顔やら服を拭く。
「旬君、降りる駅って次でしたっけ?」
「そうそうっ♪駅にはおじさんが車で迎え来てくれてるから。」
聡美達は通路を挟んだ隣の席に座る。
.
:10/06/05 11:11
:SH06A3
:I0Tk.MjA
#782 [のの子]
「楽しみだねぇ♪」
「うんっ!」
そんな会話をする聡美達を見て、やっぱり今あの事について話さない方がいいって思った。
空気を壊すかもしれないしな‥
タオルに顔を埋めながら考えてると、博也が俺の肩を叩く。
「‥んだよ?」
「また後でゆっくり聞かせてよ。」
博也がニヤリと笑うのを見て、俺はため息をついた。
.
:10/06/05 11:16
:SH06A3
:I0Tk.MjA
#783 [のの子]
竜二Side
「着いたぁーっ!」
旬が大きな声をだすと、人が少ないとはいえだいたいの人が振り返って俺達を見てきた。
「山ばっか!」
「やっぱ若い子いない‥」
「ちょっと空気が冷たく感じるねぇ。」
各々感想をぼやきながら、改札を出る。
「おーいっ!旬、こっちこっち〜。」
改札を出るとすぐに大きく手を振る男の人が見えた。
「あっおじさ〜ん♪」
.
:10/06/05 11:22
:SH06A3
:I0Tk.MjA
#784 [のの子]
旬とは違って眼鏡をかけたかしこそうなおじさんが笑って出迎える。
「久しぶりだなぁ。また体格良くなったんじゃないか?」
「まぁね。一応毎日筋トレしてるし。」
旬がヘヘッと笑いながら鍛えた腕を見せる。
「はははっすごいなぁ。みんなも元気にしてたみたいだねぇ。」
俺達も笑って頭を下げる。
「あっおじさん、この子達が電話で話した女の子っ!桃ちゃんに聡美ちゃんと鈴ちゃんねっ!」
「こっこんにちは!よろしくお願いしますっ。」
聡美達も慌てて頭を下げる。
:10/06/06 17:26
:SH06A3
:85VqXOdo
#785 [のの子]
「初めまして、小竹和彦と申します。いつも旬がお世話になっています。」
和彦さんはそういって頭を下げる。
「あっいえいえこちらこそお世話になっています!え〜っとなんだかすみません‥」
聡美が慌てて更に頭を深く下げた。
ぷっ‥なんで謝ってんだか。
「いえいえ、どうぞ楽しんで行ってくださいね。」
和彦さんは優しく笑った。
:10/06/06 17:32
:SH06A3
:85VqXOdo
#786 [のの子]
「まっ挨拶はこの辺にしてそろそろ行こうよ〜。俺かなりお腹減ってるし!」
旬がそんな二人を前に腹をさする。
「あぁそうだな。じゃみんな車に乗ってね〜。」
和彦さんは乗ってきたワゴン車の運転席にさっさと座る。
「は〜い。」
俺達も後ろに荷物を乗せると助手席に旬、後ろに俺達が座った。
.
:10/06/06 17:36
:SH06A3
:85VqXOdo
#787 [のの子]
ちなみに俺の隣は‥
「あっごめんね、足踏んじゃった‥」
「大丈夫だよ。」
申し訳なさそうに小さくなる聡美に俺は優しく笑った。
大きいワゴン車でもさすがに9人は厳しい。
無理矢理乗ったせいで車が揺れる度に肌と肌が触れ合う。
その度心臓が跳びはねた。
‥チクショー博也の奴。
俺が乗った後に博也が無理矢理聡美を乗せたのだ。
『俺酔いやすいから窓側がいい♪』
.
:10/06/06 17:44
:SH06A3
:85VqXOdo
#788 [のの子]
そう言って戸惑いながら聡美が乗ってきたのだ。
はぁ〜っ‥ムカつく。
ちなみに席の順番は
俺 聡美 桃 フク
が一番後ろのシート
博也 鈴 彰
真ん中のシート
和彦さん 旬
運転席
ってな感じ。
「車で15分ぐらいだから。」
和彦さんは笑って言ったが、その15分は俺にとっちゃ我慢の時間。
:10/06/06 17:50
:SH06A3
:85VqXOdo
#789 [のの子]
聡美と隣にいて、懐かしい彼女の匂いを嗅ぐだけで決意が揺らぐ。
固い決意も、彼女にしたらどうってこともないただの
「竜二君、大丈夫?」
「えっ?」
「眉間にシワ‥寄せてる。」
聡美が自分の眉間を指差す。
「ははっ、疲れたのかな。」
:10/06/06 17:55
:SH06A3
:85VqXOdo
#790 [のの子]
俺は眉間をさすりながら笑う。
車の中は賑やかでみんなそれぞれに話をしていた。
旬は和彦さんと、博也は鈴や彰と、フクと桃ちゃん..
聡美は、俺を見て話す。
「車に酔ったのかと思っちゃった。」
「博也と違って俺は酔いにくいから大丈夫だよ。聡美ちゃんこそ大丈夫なの?」
「私?私は大丈夫‥なはず。でも昨日あんま寝れなかったんだぁ。」
聡美はははっと頭をかく。
:10/06/06 18:00
:SH06A3
:85VqXOdo
#791 [のの子]
昨日‥
「たぶん興奮しちゃって寝れなかったんだと思うんだ‥子供だよねぇ。」
俺はそれに笑うも、内心昨日の事が気になった。
「あっ‥竜二君、実は私帰してもらったピアスの片方なくしちゃったんだ。」
聡美が声を小さくする。
「ピアス‥そうなんだ‥」
聡美がなくしたと思ってるピアスは本当は俺が持ってる、なんて言えない。
.
:10/06/06 18:05
:SH06A3
:85VqXOdo
#792 [のの子]
「せっかく返してくれたのにごめんね?」
「平気だよ。‥今朝さ、俺に言おうとしたのってその事?」
途中彰が俺達の間に入ったせいで終わってしまった時、聡美は俺に何か言おうとしていた。
昨日の事を、【あの事】について話そうとしたんじゃないのか?
「‥うん、そうだよ。」
聡美は眉を下げて困ったように笑ってみせた。
.
:10/06/06 18:09
:SH06A3
:85VqXOdo
#793 [のの子]
「‥そっか。」
俺はそれ以上何も聞かなかったし、聡美も言わなかった。
「あっそういえば和彦さん、ハル元気っすか?」
「元気だよ〜♪あいつももう中三だから生意気でしょうがないよ。反抗期なのかね?」
和彦さんがミラー越しに苦笑いする。
「ハルって息子さんですか?」
「そうそう、春彦っていうの。」
.
:10/06/06 18:19
:SH06A3
:85VqXOdo
#794 [のの子]
鈴が質問すると和彦さんはどこからか写真持ち出して後ろに回して来る。
「へぇ〜可愛い。これからまた格好良くなりそう‥」
鈴がクスッと笑うと博也が写真を奪う。
「ハル大人っぽいんだよね〜。もっとガキらしくすりゃ良いのにさぁ。」
ヒョイッ
「お前が大人っぽくないんだよ。」
俺は写真を取ると聡美に渡す。
.
:10/06/06 18:26
:SH06A3
:85VqXOdo
#795 [のの子]
「わぁ和彦さんに似て‥‥あれ?」
聡美が写真を手に固まる。
「どうしたの?」
「聡美ぃ?」
桃ちゃんも写真を覗き込む。
写真には制服を着たハルとピースすり和彦さんが写っているだけ。
「ここ‥」
聡美は写真をじっと見つめる。
.
:10/06/06 18:30
:SH06A3
:85VqXOdo
#796 [のの子]
「‥ん?‥あぁーっ!」
桃ちゃんが聡美から写真を奪い取る。
「えっなに?どうしたの?」
みんなが驚く中、聡美は顔を青ざめていく。
「かっ和彦さんてもしかして‥お寺の‥」
「あれ、聞いてないの?お寺の住職ですよ〜。」
陽気な声ので話す和彦さん。
「もっもしかして別荘って‥」
「それは大丈夫大丈夫。お寺より離れたとこだから。」
.
:10/06/06 18:34
:SH06A3
:85VqXOdo
#797 [のの子]
「あっ本当だ、言われて見れば和彦さんお坊さんの格好してる。」
「バックに写ってんの本堂だし。」
「ピースしてんのがやっぱ旬の親戚って感じだよね。」
みんな笑っている中聡美ちゃんの青ざめた表情は戻らない。
「言ってなかったっけ?俺ん家お寺なんだよねぇ♪」
そう言って旬まで笑っている。
:10/06/06 18:38
:SH06A3
:85VqXOdo
#798 [のの子]
「きっ聞いてない‥」
「聡美ちゃん大丈夫?」
潤目になった聡美に焦る。
「なんで竜二君教えてくんなかったのー?私そういうのダメってわかってたくせにー‥」
小さな声で聡美はボンボン俺の足を叩く。
「だから前に言ったじゃん、どうなっても知らないからねって〜‥」
.
:10/06/06 18:42
:SH06A3
:85VqXOdo
#799 [のの子]
「それにお寺に泊まる訳じゃないんだから平気だって。」
「うぅっでも〜‥なんか出たらどうしよぉ!」
聡美が真剣な目で俺を見つめるもんだから、つい俺は笑ってしまう。
「クスッ大丈夫だって。はいはい‥」
前みたく優しく頭を撫でる。
「竜二く
「もし幽霊でても旬いるから大丈夫だよ。」
.
:10/06/06 18:46
:SH06A3
:85VqXOdo
#800 [のの子]
「‥‥‥‥えっ?」
「あいつお寺の子だけあって霊感やらお祓いバッチリだから。ね?」
サーッとまた顔を青ざめた聡美を見て俺はまた笑う。
「意地悪ーっ!!」
今度は腕をボンボンと叩きはじめた聡美が可愛くて仕方がなかった。
前のように俺を見て
甘えてくる彼女が
愛しい。
‥大丈夫。
君は俺が守るから。
.
:10/06/06 18:50
:SH06A3
:85VqXOdo
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