ピンクな気分。U
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#801 [のの子]
そんな言葉もう言えないけど、
大丈夫だから
そんな気持ちで叩いてくる聡美の手を捕まえる。
あぁダメだって‥
そう頭で考えるのに俺の手は彼女の手を離さない。
温かくて、柔らかい
愛しい気持ちが溢れ出す。
彼女の潤んだ目を見ると、今すぐ抱きしめてめちゃくちゃにしてやりたくなる。
‥うわ‥ヤバいなぁ
「聡美ちゃん、みんな見てるよ?」
俺は意地悪そうに笑うと、聡美もハッとして周りを見る。
:10/06/06 18:59
:SH06A3
:85VqXOdo
#802 [のの子]
「うわわっすみませんっ!ごめんなさいっ!」
聡美は慌てて俺から離れると桃ちゃんの影に隠れるように小さくなる。
「なんか懐かしい光景を見た気が‥俺だけ?」
「私もそんな気がしました。」
博也達の声に耳を真っ赤にする聡美を見つめていると、視界に彰が入った。
『バーカ』
口パクでそう言ってベッと舌を出す姿が昔の懐かしい光景を蘇らせる。
:10/06/06 19:03
:SH06A3
:85VqXOdo
#803 [のの子]
そういえば聡美と別れる事を決める前に、こんなやりとりしたっけ‥
そんな事ふっと考える。
『うるせーっ』
俺は笑って返す。
あの時とはなにもかも違うけど、
俺と、彰と、聡美は
まだ一緒にいる。
一緒に笑っている。
それはすごい幸せな事だと思った。
.
:10/06/07 00:52
:SH06A3
:n/VTElJI
#804 [のの子]
聡美Side
「俺ん家先祖代々継いでる寺で、親戚もお坊さんばっかだし霊感ついちゃってさ〜。」
「旬は霊感強くてねぇ。そのせいで小さい頃は今よりもーっとピリピリしてたんだよ?」
あははっと笑う旬君に私も苦笑いする。
「あっでも本当大丈夫だからね。俺もおじさんのとこで修業して使い分けられるからさ♪普段全く霊感0だしっ♪」
修業?
「修業って‥?」
私が遠慮気味に聞くと、
「あぁっ!言うの忘れてたよ。今うちに修業しに来てる子がいるんだ。」
.
:10/06/07 09:35
:SH06A3
:n/VTElJI
#805 [のの子]
「えっそうなの?」
「そうそう、旬に似て霊感強い子でね‥」
いや、だから修業ってなんの‥‥?
「あの修業‥って
「あっあれあれ!おじさんの寺だよ!」
旬君が満面の笑みで助手席から振り返る。
‥‥‥‥だから修業って
「じゃせっかくだし家に寄ってってよ。」
えぇーっ!!
.
:10/06/07 09:38
:SH06A3
:n/VTElJI
#806 [のの子]
「だから、修業って‥なんですか?」
ガックリと肩を落としてつぶやく。
「聡美ちゃん大丈夫?」
竜二君がクスクス笑いながら私の顔を覗き込んできた。
「‥たぶん大丈夫かな。ただ旬君が霊感あるなんて知らなかったから驚いてるだけ。」
「最初は俺も驚いたよ。でもあいつわざと怖がらせたりしないから平気。」
そっか、と話しているうちに和彦さんのお家に着いた。
お家っていうかお寺‥
.
:10/06/07 13:02
:SH06A3
:n/VTElJI
#807 [のの子]
でも緑に囲まれて大きな本堂に青い空はとてもきれいで、車を降りてから少し見入ってしまう。
「大きくて‥キレイ。」
私がポツリと呟くと、和彦さんは嬉しそうに笑っていた。
「じゃせっかくだ
「クソガキーッ!どこ行きやがったぁ!!」
ニッコリ笑った和彦さんが固まる。
「‥‥あの馬鹿〜っ。」
ため息をつく和彦さんの後ろの方から男の子が見えた。
:10/06/07 13:07
:SH06A3
:n/VTElJI
#808 [のの子]
「ハルッ!静かにしなさい!今皆さんが
「あっ旬君っ!旬くーんっ!!」
ハルと呼ばれた男の子は私達に気づくと満面の笑みで走って来る。
ガバッ!
「うぉっと‥ハル元気みたいじゃん。」
「うんっ!ってか旬君久しぶりじゃん!俺なんも予定入れないで待ってたのに思ってたより遅いから俺超ーっ暇でさ〜‥あっ怒ってる訳じゃないよ?だってこうやって会えたんだし!あれっ?旬君また髪の毛の色変えた?俺も早く染め―‥」
「いい加減にしなさいっ!」
和彦さんがハル君の腕を掴んで旬君から引き離す。
.
:10/06/07 13:16
:SH06A3
:n/VTElJI
#809 [のの子]
「ってぇ‥」
ムスッとしながらマシンガントークを止めたハル君。
ははっハル君て旬君が大好きなんだ‥
「すみませんね、こいつ旬来るといっつもこうで‥」
和彦さんは恥ずかしそうに頭をかく。
「俺ハルに好かれてんの♪」
旬君は逆に嬉しそうに笑っていた。
「ほらっ挨拶しろ。」
.
:10/06/07 13:19
:SH06A3
:n/VTElJI
#810 [のの子]
和彦さんに頭を叩かれ、ハル君はやっと旬君以外の私達に目を向けた。
「コホンッ‥えー皆さん初めまして、小竹春彦です。中三です。えーっと、ハルって呼んでください。」
簡単な自己紹介を終えるとハル君は気まずそうに頬をかく。
きっとさっき旬君に甘える姿を見られたのが恥ずかしくなったんだろうな‥
ハル君は肌が焼けて小麦肌に真っ黒な髪の毛は短くてさっぱり。さっきとは違ってキリッとした目には銀色のフレームの眼鏡をかけていた。
.
:10/06/08 23:50
:SH06A3
:Qfu8ZLHM
#811 [のの子]
「お坊さんにしては良い顔してるね♪」
桃が私に耳打ちしてきて私は頷く。
幼さの残る顔に大人っぽい雰囲気を持っていた。
「そういやハルさっきガキって言ってたけど‥」
「あぁっ!そうだっ親父っ!またあいついねーんだよ!」
ハルが和彦さんの肩を揺らす。
「あぁ〜またか‥」
和彦さんは揺れながら苦笑いする。
.
「」
:10/06/08 23:57
:SH06A3
:Qfu8ZLHM
#812 [のの子]
「困ったなぁ、千夏には‥」
千夏?
「‥先生、ぼくいるよ‥」
ビクッ!
小さな弱々しい声が私の足元から聞こえてきた事にビックリして目線をやると、そこにはいつの間にか男の子が私のショートパンツを掴んでいた。
「ひっ‥いつの間に?」
私の方をチラッと見ると、男の子はまた真っ直ぐ和彦さんの方を見つめた。
「おや、本当だ。そこにいたのか。皆が驚いてるからこっちにおいで。」
.
:10/06/09 00:06
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#813 [のの子]
男の子はまた私を見つめると、すぐに和彦さんの元へ走って行った。
なっなんだったの?
「おじさんっこの子が今修業してる子?」
「あぁ、そうだよ。千夏って言うんだけど‥ほら、千夏も挨拶しなさい?」
「‥‥‥‥‥‥‥。」
頭を撫でられた千夏君は変わらずじっと和彦さんにくっついたまま‥
「よっ、俺旬って言うんだ♪おじさんの親戚で、こいつらは俺の友達!お前は?」
旬君が目線を合わすように屈む。
:10/06/09 00:20
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#814 [のの子]
千夏君が和彦さんをチラッと見つめると和彦さんは笑って頷く。
「‥‥‥ぼくは千夏。千の夏って書く。」
「へーっ。じゃ千夏は夏生まれか?」
旬君の問いに答えるように千夏君は頷いた。
「夏男か。カッコイイじゃ〜ん。ちなみに俺は秋生まれ。千夏は小学何年だ?」
「‥‥‥二年。」
.
:10/06/09 00:27
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#815 [のの子]
「そっか。まだ二年か‥」
旬君は千夏君の頭を撫でる。
「大丈夫だよ。」
そう言う旬君の目はとっても優しかった。
――――――――
「じゃーねぇ!」
「何かあったら連絡しろよ〜?」
はーいっと私達も和彦さんの車を見送る。
.
:10/06/09 00:34
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#816 [のの子]
あの後本堂を案内してもらってから、私達は今日泊まる別荘に送ってもらった。
和彦さんのお寺から車で5分しか離れていなかったのがちょっと驚きだったけど‥
「木の家とか別荘っぽ〜い♪」
「うんっ、可愛いね♪」
初めてきた私達がはしゃぐのを余所に、旬君達はさっさと中に入っていく。
.
:10/06/09 10:58
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#817 [のの子]
「じゃ荷物置いたら早速始めよー。食材とか全部頼んでおいたから♪」
旬君はニコニコ笑って動き回る。
「あっじゃ私達食材切ったりするね。」
「おっじゃ女子チームは食材で、俺達は焼いてくわ。フクこれも持ってって〜。」
こうしてなんとか私達の目的、バーベキューが始まったのです。
.
:10/06/09 11:03
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#818 [のの子]
皆さんこんにちは

今回のバーベキューのお話なんですが、少し番外編に近いお話にしようと思います



千夏君達と触れ合うお話になると思うので、楽しみにしてください

これからもよろしくお願いします

.
:10/06/09 11:08
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#819 [のの子]
千夏Side
――――――――
「おいっ千夏、聞いてんのかよ?」
ハルに呼ばれてハッとする。慌てて見つめるとハルはぼくを睨んでいた。
ハルこわい‥
「また見えたのか?」
ぼくはハルを見つめたまま頷く。
「ったく‥しょうがねぇな。」
ハルはため息を着くとぼくを抱き上げる。
ハルは目つきが悪いから怒ってると思うと、こうやってぼくを抱っこしてくれる。
怒ってるんじゃなくて、心配してくれてるんだって最近わかった。
.
:10/06/09 11:18
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#820 [のの子]
「相変わらず軽〜‥ちゃんと飯食ってんのになぁ。」
ぼくは小学二年生にしては背が低くて、ちっちゃい方だから簡単に抱っこできるみたい。
ハルはぼくを抱っこしたまま部屋に向かう。
「ハル‥‥ぼく早く大きくなりたい‥」
「じゃ牛乳飲め。」
「‥牛乳‥嫌い‥」
嫌い。
牛乳よりも自分が嫌い。
アレが見えちゃう自分が怖いよ‥
.
:10/06/09 11:28
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#821 [のの子]
ハルに抱き抱えられてもぼくには後をついてくるアレが見える。
「ハル‥怖いよ‥」
「大丈夫。」
ハルは少し早歩きになって部屋に向かう。
「お守りは持ってるか?」
ぼくは頷く。
「じゃそれ握ってろ。」
バンッ
部屋に入るとすぐに戸を閉める。
.
:10/06/09 11:35
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#822 [のの子]
「ほら、もう大丈夫だろ?」
ぼくはお守りを握ったまま戸の向こうを見つめる。
何もいない。
「まだ修業中なんだからあんまあいつらに関わるな‥前にも痛いめに合った事あるんだろーが。」
ぼくは小さな体をギュッとする。
「ハル‥さっきの旬て人も僕達と同じ?」
「そうだよ。旬君も寺の息子だから同じだよ。」
.
:10/06/09 11:40
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#823 [のの子]
「お前は旬君みたくなるんだ。霊感のONとOffを使い分けられるようにな‥だから修業サボんなよ?」
ハルがぼくの頭をクシャクシャ撫でると体温が伝わってきてホッとする。
あの人みたくなれたら、ぼくにも友達ができるかな‥
ハルに聞こうか迷ってやめた。
期待するのは疲れるから。
.
:10/06/09 14:50
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#824 [のの子]
――――――――
「ねぇ‥さっき言ってたの本当?」
『――本当だよ――』
「‥こんなに天気いいのに‥」
『――でも夜になれば変わるさ――』
「へぇ‥なんでわかるの?」
『――ずっと空を見てたらわかるようになった――』
「すごいね‥きっと嵐になるなんて誰も知らないよ‥君はすごいなぁ。」
.
:10/06/09 14:56
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#825 [のの子]
竜二Side
「あっこの肉焼けてるよ!」
「玉ねぎがぁ〜!目が痛い〜!」
「ってか焼きそばは?」
「焼きそばは最後だろ!」
「ちょっ聡美ちゃんその切り方危ないから!」
「えっ?大丈夫大丈夫♪」
「俺コーラ飲みた〜い。」
「そんな事言っても炭酸ないですよ!」
.
:10/06/09 21:30
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#826 [のの子]
少し遅れて始まったバーベキューはそれぞれ自由に動き回りながらも、みんな楽しんでいた。
「聡美ちゃん、そんな細かく無理に切らなくていいから。ね?」
さっきから俺は野菜を切る聡美の手つきが気になって仕方がない。
「ん〜‥でも細かくしないとっ!」
うわっ!!今指に当たってたっしょ‥!
「火が通りにくいでしょ?」
ニッコリ笑う聡美ちゃんの額に汗がにじむ。
頑張ってるのはわかるよ‥わかるんだけどっ
「じゃ俺と交代しよっ?聡美ちゃん休憩っね?」
.
:10/06/09 21:40
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#827 [のの子]
危なっかしくて見てられないっつーの!
「えぇ〜でも大丈夫っ。私女の子だし♪」
‥‥まさかの逆に気合いを入れてしまったパターン。
また野菜と向き合う聡美の手を慌ててとる。
「っ?なに?」
「もっもう野菜は十分じゃない?」
俺は聡美が切った野菜を指差す。
.
:10/06/09 21:49
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#828 [のの子]
「あれ、本当だ‥夢中で切ってたから気づかなかったや。」
包丁を手に置いたのを見て俺は小さく息を吐く。
「ってか早く食べなきゃ肉なくなっちゃうよ?男ばっかなんだし。」
「そうだねぇ、食べよ食べよ♪竜二君は食べた?」
聡美が俺に空の皿を渡してきた。
「俺もまだ‥」
そういやあんま食ってなかった。
「じゃ早くしないとっ!男の子なんだしたくさん食べなきゃ。」
聡美は自分の箸と皿を持ってニコッと笑う。
.
:10/06/09 21:55
:SH06A3
:mcZ2Ajo.
#829 [のの子]
「そうだね。」
俺もつられて笑う。
聡美とこうやって普通に話せるのが嬉しい。
でも聡美はもう全部を知っているはずで..
君は今、何を思って
俺を見つめて
笑っているんだろう?
俺は今、
君への愛を想ってる。
.
:10/06/10 10:52
:SH06A3
:8C1WWHb.
#830 [のの子]
♪〜♪〜♪〜
「あっ竜二君、携帯鳴ってるよ?」
バッグの上で俺の携帯が着信音を鳴らしていた。
「‥ありがとう。先行ってて。」
「うん。」
聡美がいなくなったのを確認して電話に出ると、俺もその場から裏庭の方へ向かう。
「なんですか?」
「竜ちゃん怒ってるの?せっかく勇気だして電話したのにな‥」
「電話してこないでください。友達いるんで切りますから。」
.
:10/06/10 11:07
:SH06A3
:8C1WWHb.
#831 [のの子]
「そこに元カノもいるんでしょ?」
ピタッ
携帯を握ったまま固まる。
こいつっ‥
「私も元カノさんと会いたいなぁ。竜ちゃんを夢中にさせてる女‥どんな子なのかな?」
「アンタに関係ないだろ。」
「関係あるよ〜。だって私の方が竜ちゃんの事わかってるん
「っるさいんだよっ!昔っからアンタのそういう所が大っ嫌いなんだよ!」
俺はつい大きな声を出す。
.
:10/06/10 11:18
:SH06A3
:8C1WWHb.
#832 [のの子]
「っひどい‥」
震える声が聞こえてきても、俺の胸にある怒りは消えない。
「ひどい?はっ笑わせんな、その言葉はアンタにお似合いだろ?」
俺は携帯を握り締める。
「昔アンタが俺を使ったように、今度は俺がアンタを使ってやる‥利用させてもらうよ。」
「‥っなにそれ‥復讐のつもり?」
うっすらと泣き声にも聞こえる声に、俺は動揺する事なく冷静でいられた。
「‥別に復讐じゃないよ。【暇潰しの遊び】。だからさぁ、ただのゲームの駒がでしゃばってんじゃねぇよ?」
「っ‥り ピッ!
プーップーップーッ
.
:10/06/15 00:48
:SH06A3
:pCcc.LHc
#833 [のの子]
ざまぁみろ‥
切れた携帯を見つめる。
パキッ
っ!
「‥よっ。」
枝の折れる音に反応して振り返ると、気まずそうな顔付きで立つ彰がいた。
「‥‥よっ。って、いつからいたわけ?」
俺は携帯をパンツのポケットにしまう。
「あぁ‥なんか『うるせー』とか『大っ嫌いだー』とかぐらいから?」
彰は人差し指で頬を書きながら俺に近づく。
.
:10/06/15 10:01
:SH06A3
:pCcc.LHc
#834 [のの子]
ほとんど最初っからじゃんかよ。
「あっそ‥まぁ俺も色々あるんだよね。」
愛想のいい笑顔を彰に向ける。
「色々ってお前‥電話の相手、由紀さんじゃねぇの?」
「‥は?」
‥その女の名前を聞けば、愛想のいい笑顔も固まる。
「知ってた、お前と由紀さんの関係。けど、俺が知った時はもう‥なんつーか終わった後だったっつーかさ‥だから敢えて振り返すような事言わなかったんだ。」
:10/06/15 10:08
:SH06A3
:pCcc.LHc
#835 [のの子]
「お前、知ってたのか‥そっか‥」
複雑そうに歪む彰の顔を見て、俺はただそれしか言えなかった。
「なぁ、さっきの由紀さんなんだろ?昔っから嫌いだとか復讐だとか‥由紀さんしか思い浮かばねぇし。」
彰は俺を真っ直ぐに見つめる。
その瞳は、以前のモノとは違う強い眼差しだった。
あぁ、やっぱり‥
良かった 良かった..
お前もう、
大丈夫。
「‥だったらなんだよ?」.
:10/06/15 10:15
:SH06A3
:pCcc.LHc
#836 [のの子]
「別に良くね?それにお前がむきになるような事じゃないだろ。」
俺は優しく笑う。
「っ‥お前わかってんのかよっ!由紀さんは隼人さんの元カノで、お前に何したかっ!」
「わかってるよ、そんな事俺が1番わかってる。でもさ、その俺がいいって言ってるんだし大丈夫だよ。」
彰は信じられないとでもいう顔で俺を見つめると、俺の肩を掴んできた。
いっ‥てぇ。
「彰、肩痛いんだけど‥」
「あいつはっ‥聡美はどうなんだよ‥」
.
:10/06/15 10:31
:SH06A3
:pCcc.LHc
#837 [のの子]
さっきまでとは違って彰は俺を睨む。
「お前が良くてもっ聡美はどうなんだよっ!あいつはまだお前の事好きなんだぞっ?」
彰の手で揺られる肩。
俺はそれを止める事もできずに固まる。
「お前がそんな事してたら‥あいつが傷つくんだよ‥俺も皆もっ!!それでもいいのかよっ?」
っ!
俺は彰から視線を外すように俯く。
彰も黙ると、俺達の耳にはバーベキューを楽しむ皆の声が聞こえてきた。
:10/06/15 10:38
:SH06A3
:pCcc.LHc
#838 [のの子]
「‥‥聡美はもう全部知ってるから。」
彰は俺の肩から手を離すと、小さな声でつぶやく。
「聡美は‥全部知ってなんだって?」
俺も自然と声が小さくなる。
「‥俺のせいじゃないって。償うなら、生きて真琴の分まで幸せになれってさ‥」
そっか‥聡美らしい言葉だな。
そんな事を思って俺はふっと笑う。
.
:10/06/15 15:18
:SH06A3
:pCcc.LHc
#839 [のの子]
「俺は‥これからちゃんと真琴の分も生きる。一応幸せになってやるつもり。」
彰もふっと優しく笑った。
「そっか‥良かった。」
俺の言葉に反応して彰が顔をあげる。
「色々‥心配かけて悪かった。旬達にも言うつもりだけど帰ってから話す。でもお前には、先に言っとこうと思って。」
俺はただ笑う。
「‥これがお前の思惑通りなら、この後はどうなる?お前は?」
.
:10/06/15 15:27
:SH06A3
:pCcc.LHc
#840 [のの子]
そう言って彰はじっと俺を見つめる。そんな彰を見つめながら、俺は何を言えばいいか考える。
彰、全てが俺の思惑通りに進んでなんかいない。
というか、お前が言うような思惑なんて最初からなかったのかもしれない。
これはただの俺の想いで、願いで、ワガママで‥
それに二人を巻き込んだだけなんだよ。
だから今、彰が言う思惑通りに進んでいるっていうなら、その先は‥
.
:10/06/16 08:57
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#841 [のの子]
「彰君?って竜二君もいる。こんなとこで何してるの?」
「っ!鈴‥」
ペットボトルを手に鈴が不思議そうに立っている。
彰は慌てて振り返って鈴を見つめる。
「お前こそ何してんだよっ?」
「飲み物なくなりそうだから冷蔵庫から持ってきたの。それより二人こそ何してんのよぉ?
「‥それは秘密だよ。俺達も戻ろっか?」
俺は笑って彰の背中を叩く。
「竜二っ‥まだ話の途中
「 彰、 ‥―――」
.
:10/06/16 09:06
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#842 [のの子]
彰Side
「――‥もう終わり。ね?」
そう小さく話すと、竜二は笑って俺の横を通り過ぎた。
グッ
握りしめた手に力が入る。
終わりって‥何がだよっ。
この話がかよ?
思惑がかよ?
お前がかよっ?
竜二‥お前はまた前みたく辛い事があっても平然と笑ってくのか?
「‥‥竜二っ、あの時気付いてやれなくてごめん。」.
.
:10/06/16 09:13
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#843 [のの子]
俺は竜二の背中に呟く。
鈴には聞こえなかったのか鈴も戻ろうと歩きだす中、
竜二は振り返らずに
そっと右手を上げて手を振った。
俺は悔しくて、悲しくて、自分にムカついて‥その手を見つめる事しかできない。
「あれ、鈴ちゃんと竜二君?何して‥あっ彰くーん!」
っ?
竜二と鈴の背中を見つめていると、向こうから聡美が走ってきた。
.
:10/06/16 09:21
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#844 [のの子]
聡美は竜二と鈴の横を通りすぎて、真っ直ぐ俺の所に走ってくる。
「‥‥聡美ちゃん?」
その時、竜二の声が聞こえた気がした。
「彰君っ、次っ!次彰君の番だよ!」
笑いながら俺の腕を掴む聡美に俺はビクッとする。
「なっちょっと待っはぁ?何が俺の番なんだしっ!」
とりあえず訳がわからないもんだから俺はその手を振り払う。
:10/06/16 09:34
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#845 [のの子]
「やっぱり忘れてる〜。次、彰君が仕事する番だって!私、旬君達に呼んできてって頼まれたんだよ。」
‥‥‥仕事?ってかそんなほっぺ膨らまさせて睨まれても可愛いだけ―――
「ってこんなの俺のキャラじゃないだろ!!っつか仕事ってなんだし!」
自分の心の声にツッコミながら、聡美の言う仕事も聞き捨てならない。
「買い出しだって。」
「はぁっ!?」
あいつら1番めんどくせーの回してきやがったな‥
.
:10/06/16 09:41
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#846 [のの子]
「彰君、大丈夫?」
遠い目をしてる俺に聡美は首をかしげる。
「ん?あぁ大丈夫。」
「本当に?」
「本当に。‥お前こそ大丈夫か?」
聡美の頭に手をやると驚いたのか聡美がビクッとする。
「わっ私?私なら大丈夫‥うん、平気。」
嫌がるかと思ったけど聡美はそのままじっとして俺を見つめながらいつものように笑う。
.
:10/06/16 13:51
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#847 [のの子]
さっきまでのイラつきは一体どこへ行ったんだろう。聡美がいると自然と心が和む。
ふっとさっきまで見つめていた先を見ると、竜二と鈴の姿はもうなかった。
危ねぇーっ。こんな所見られたら気まずかった‥
「ねぇ彰君‥」
「ん?」
「竜二君に話したの?」
.
:10/06/16 13:56
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#848 [のの子]
聡美は眉を下げて俺を見つめていた。
「‥一応。詳しくは話してないけど、お前に全部話した事は言ったよ。ダメだった?」
「ん、大丈夫‥」
聡美は首を振るとそのまま俯くと黙ってしまった。
‥‥困った。こんな凹まれてもなぁ..
「ごめん、聡美。お前自分で話したかったんだろ?勝手に俺言っちゃって‥」
「えっ違う違う。それは大丈夫っ。ただ‥ただね、竜二君は大丈夫かなって。」.
:10/06/16 14:02
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#849 [のの子]
「彰君と同じように竜二君も‥まこ姉の事で傷ついてるんじゃないかな?」
「あぁ‥まぁそれなりにあいつも当時色々あったからな。」
聡美は悲しそうな目でさっきまで竜二がいた所を見つめる。
やっぱまだ好きなのか‥
「まだ好きなら‥力にでもなってやれば?」
俺は嫌みにも聞こえる言葉を口にしてしまったと口元を抑える。
.
:10/06/16 14:09
:SH06A3
:SEUCZ6F6
#850 [のの子]
やっべ‥今のは聡美機嫌悪くなるかもな
そーっと聡美を見ると案の定俺をじっと見つめていた。
「やっ今のは悪い意味じゃなくって‥」
「私と竜二君てね、一ヶ月も付き合ってなかったの。私自身もっと長く感じてたんだけど‥呆気ないよね。」
聡美は苦笑いする。
「別れてから何がダメだったのかなとか、私嫌われたのかなってずーっと考えてた。私のあれがダメだったのかも、嫌われるような事したんだって思って‥」
俺は黙って聡美の話を聞く。
「でも竜二君に『友達だよ』って言われてからちょっと気持ちが軽くなったの。それは私の全てを嫌いになったとか、否定する訳じゃないって思えて‥」
.
:10/06/16 14:19
:SH06A3
:SEUCZ6F6
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