ピンクな気分。U
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#851 [のの子]
 
「でもそしたら逆になんで私達は終わったんだろう、ってまた思うようになっちゃったの。」

「それはたぶん‥」

「うん‥まこ姉の事かなって私も思った。竜二君てさ‥たぶん私が妹だって最初から気付いてたよね?」

聡美は困ったように笑う。

「今思い出すとちょっとそれっぽい事とかあったし‥まぁそれでどうして別れに繋がったのかまではわかんないけどね。」

聡美はうーんと考えるかのように首をかしげる。

.

⏰:10/06/18 12:00 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#852 [のの子]
 
「もしかしたら私が妹って事に耐えられなかったのかもだし、私の事をただ単に好きじゃなくなったのかもしれない‥私がわかるのは竜二君は別れるって決めた事だけ。」

聡美は大きなため息をつく。

「なんだよ、デカイため息して‥」

「ん〜?なんかもう正直わっかんない。私ね、もう竜二君とは友達っ!て思ってるつもり。まぁできてるかわかんないけど‥」

確かにできてるか微妙‥
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⏰:10/06/18 17:07 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#853 [のの子]
 
「だからぁ、彰君に『まだ好きなら力になってやれよ』なんて言われたら困っちゃうの。」

「結局そう言われんの嫌って事か。」

俺がボソッと呟くと聡美が俺の肩にパンチしてきた。

「っなんだよ?」

「嫌なんて言ってないでしょう?ただ困っちゃうって言ったの。私はもう竜二君とは友達なんだもん‥好きならとか言われてもどうすればいいかわかんないっ。もちろん友達としてなら力になるよ?」
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⏰:10/06/18 17:16 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#854 [のの子]
 
「ふ〜ん‥友達ねぇ。」

俺は殴られた肩をさすりながら聡美を横目で見つめる。

「‥‥こんな事言う私は薄情かな?」

「友達として力になるのがなんで薄情なんだよ。」

「だって‥なんか‥」

聡美が俯いてるのを見て俺までため息をつく。

「えっと〜‥あるところに大好きな彼と付き合っていたのに突然フラれてずっと泣いてた女がいました。ですが彼にフラれて一週間ちょっとでその女は彼とは友達!と話しました。」
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⏰:10/06/18 17:28 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#855 [のの子]
 
突然話し出した俺に聡美は顔を上げる。

「さて、それを聞いてどう思うか?そりゃ人それぞれの意見があるでしょうが‥」

聡美はじっと俺を見つめる。

「俺は、頑張り屋で真っ直ぐな子だと思いましたとさ。ちゃんちゃん‥ぐらいの話しだろ。お前気にしすぎっ。」

聡美の頭をクシャクシャっと撫でると俺は歩きだす。

「っつーか俺買い出し行かねぇと旬達うるせぇし行くわ。お前ももう戻れよ?」
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⏰:10/06/18 17:38 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#856 [のの子]
 
「あっ待って。」

聡美も慌てて小走りで俺の横にくると

「コホンッ‥えっと悩んでいたその女の子はある男の子に励まされて嬉しくなりました。なので、」

コラコラ、適当に俺が作った話の続きを勝手に作るなよ。

クスクスと笑う聡美を不思議そうに見つめる。

「私も一緒に買い出しに行きまーすっ♪」

「はっ?」

元気に手をあげる聡美に呆れ顔で俺は笑った。
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⏰:10/06/18 17:50 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#857 [のの子]
聡美Side

「ちょっと聡美〜‥」

「わわっ何?どうしたの?」

桃に引っ張られ無理矢理座らさせる。

小声で話す桃は私を呆れた表情でため息をつく。

「どうしたの、はこっちのセリフでしょう?突然いなくなったと思ったら彰君と戻ってきてしかも二人だけで買い出し行くなんてぇ‥いいのぉ?」

「?‥何が?」

桃はもうっとほっぺを膨らます。

「りゅ・う・じ・く・んっ!彰君とばっかいて誤解されちゃうかもよぉ?」
.

⏰:10/06/18 20:31 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#858 [のの子]
 
「あははっ誤解も何も別になんもないもん。それに私竜二君とは友達だし?」

私はほっぺを人差し指でさすとえへっと首をかしげる。

「そうだけどぉ‥竜二君と復活するぞっとか思ってないわけぇ?」

復活‥そういえばよりを戻すとか深く考えた事なかったかも。

「思ってなかったんだ‥なんだぁ、じゃいいや。」

私の表情を見て桃は察知したのかストンッと私の横に座った。
.

⏰:10/06/18 20:39 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#859 [のの子]
 
「じゃいいやって‥あははっ‥」

苦笑いする私に桃は

「聡美なりに気持ちの整理はもうついてるって事なんでしょう?なら私がとやかく騒ぐ事もないし〜。」

「ん、まぁね‥なんか気使わせちゃったみたいでごめんね?ありがとっ♪」

そう言って私が笑うと、桃はチョンッとくっついてきた。

「桃?」

桃はニコッと笑って私に衝撃的な言葉を耳打ちしてきた。




「じゃぁさ、彰君とくっついちゃいなよ♪」


.

⏰:10/06/18 20:45 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#860 [のの子]
 
「‥‥‥えぇーーーっ!」


――――――――

「おいっ!聞いてんのかよ?」

「っ!えっあっごごごめんなさいっ!聞いてなかったです。」

彰君はムスッとして私を睨む。

「あはははっ‥暑くてボーッとしちゃっひゃ!!」

「目泳いでんだけど。なんかあったのか?」

急にほっぺを摘まれてつい私は彰君を見つめる。

ドキッ

「あっ‥‥」

ドキッてしちゃった‥

「‥お前変だぞ?」

彰君は私を相変わらず睨む。

⏰:10/06/18 20:57 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#861 [のの子]
 
『彰君とくっついちゃいなよ♪』

桃の言葉が再び蘇ると、頭の中に響く。

もっ桃が変な事言うから変に意識しちゃうじゃんかー!

何も知らない彰君は相変わらず私のほっぺを摘んだままムスッとしている。

「っ‥あにょ‥‥いひゃい‥」

「んっ?なんだよ?」

ドキッッ!

自分よりも小さい私と目線を合わせようと前屈みになった彰君。

「なに?」

「あっ‥う‥あにょ〜‥」
.

⏰:10/06/18 23:22 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#862 [のの子]
 
今まで彰君を男の子として意識した事はあったけど、正直そういう恋愛面で意識した事はなかったと思う。

だって私ずっと竜二君の事が好きだったし‥

でもまさか桃の一言でこんなに意識しちゃう自分がいたとは‥‥

たぶん今の私顔真っ赤なんだろうな‥ははっ

「お前顔赤いけど大丈夫かよ?」

ほらやっぱり〜‥

「気分悪いのか?」

私はほっぺを摘まれたまま小さく首を振る。
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⏰:10/06/18 23:28 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#863 [のの子]
 
私が顔赤いのは彰君と顔近くて恥ずかしいからだよ〜

なんて心の中で叫んでみたり。

「あっそうだ‥」

彰君は何か思い出したのかパッと手を離す。

私は彰君をチラッと見上げてすぐに自分のほっぺを撫でる。

「どうしたの?」

「ん?あぁなんでもない。ってか旬が言ってたスーパーこの辺だよな?」

そう、私達は買い出しに来ていたんです。
.

⏰:10/06/18 23:34 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#864 [のの子]
 
別荘にあった自転車を二人乗りしてやっと着いた駅前。地元じゃない私達は旬君から聞いた情報を元にスーパーを探す。

「あっあれ!あの看板そうじゃない?」

「スーパー川杉‥あれだ。」

大きくも小さくもない看板が目に入った。


「思ってたより普通のスーパーだったね。」

「なんかもっとボロいかと思ってた。スーパーってよりも八百屋的なやつ‥」

そう言って二人してぷっと笑い出す。
.

⏰:10/06/18 23:55 📱:SH06A3 🆔:Tze.UBAs


#865 [のの子]
 
ウィーン

「うわぁ〜涼しい♪生き返りますな♪」

「お前は年寄りか。」

彰君がカゴを持つと買い出しリストの紙を取り出す。

「まずは〜‥肉か。あいつらどんだけ食うんだよ。」

「でも夜ご飯の分も入ってるんじゃない?ほらっカレーのルーもあるっ。夜ご飯カレーなんだね。」

私は彰君からリストの紙を受け取る。

「俺カゴ持つからお前リスト見てよ。」
.

⏰:10/06/19 00:01 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#866 [のの子]
 
「はーい。じゃぁまずは〜‥野菜コーナーから行こうっ!」

「はいはい。」

変に気合いの入った私の後に彰君がついてくる。


「あっこっちの方がいいかな?」

「ん〜そっちの方が新鮮そう。」

「じゃこっちにしよう♪」

順調に買い物をしていく私達。

「あっあれ上手そう‥」

すると彰君がフラッと私から離れる。
.

⏰:10/06/19 00:06 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#867 [のの子]
 
「あっ彰くーん、リスト以外のはダメだよぉ?」

「んーっ見るだけぇ。」

彰君の向かう先は意外にもケーキや和菓子が置いてあるデザートコーナー。

そっか、彰君て甘いの好きなんだっけ。

少し離れた所からケーキを見ている彰君をクスッと笑いながら見つめる。

‥‥なんかこうやって二人で買い物してると、他の人が見たらカップルに見えるのかな?

「って私ってば何考えてんだろ。」

考えてた事を吹き飛ばすかのように頭を振る。
.

⏰:10/06/19 00:13 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#868 [のの子]
 
「もう〜‥どうしよぉ。」

「何が?」

ビクッ!

いつの間にか彰君がケーキが入ったカゴを手に戻ってきていた。

「あっケーキ持ってきてる!」

「うん、買っていい?」

「いやいやっダメでしょ!」

「えぇ〜‥ケーキ食いたい。買っていいっしょ?」

「ダメー。」

私はカゴに入ったケーキを奪い取る。
.

⏰:10/06/19 00:55 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#869 [のの子]
 
「皆に怒られちゃうよ?」

「うん。」

うんって‥

奪い取ったケーキを手に私は困って立ち尽くす。

「ぷっ別にいいよ。」

彰君は私の手からケーキをとるとまたデザートコーナーに向かう。

別にいいならわざわざ持ってこないでしょうが‥
.

⏰:10/06/19 01:21 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#870 [のの子]
 
私もデザートに向かって彰君の服を掴む。

「っなに?」

「今日暑いし、アイス食べながら帰らない?」

彰君はキョトンと口を開けて私を見つめると

「皆に怒られるかもよ?」

すぐにニヤッと笑った。

「秘密だからねっ?」

「やったねぇ〜♪早速選び行こうっと。」
.

⏰:10/06/19 01:27 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#871 [のの子]
 
私ってあまいなぁ‥

苦笑いしながら私もアイスのコーナーに向かった。

「アイス選んだらもう帰るよ?もうリストにのってたやつは終わったし。って聞いてます?」

「はいはい。あっ俺これ〜。聡美は?」

「っと私は〜これっ。」

彰君はグレープ味のアイスキャンディー、私はストロベリー味のアイスクリームを手にとって笑う。

「お前ストロベリー好きだな。」

「うん、一番好き♪」
.

⏰:10/06/19 09:36 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#872 [のの子]
 
あっそういえば前に彰君と一緒に帰った時もアイス食べたんだ。

その時の光景を蘇らせる。

確かあの時私が言ったまこ姉の言葉で彰君が気付いたんだよねぇ。なんかこの前の話なのにずっと前みたい。

‥‥ん?‥‥

確かその前に‥何かあったよーな気が‥

‥‥‥‥‥っ!!!

「聡美?」

ビクッ!

「あはっあはははっ早く行こう!アイス溶けちゃうよ〜?」

⏰:10/06/19 17:16 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#873 [のの子]
 
そうだっ!

そうだっそうだっそうだっそうだぁーっ!

その時の彰君との間接キスを思い出して私は慌てて早歩きする。

うぅーっ‥なんで今思い出すかなぁっ!」

「聡美、お前やっぱ変じゃね?」

「えっはっえっ?別に変じゃないしねぇ!」

「‥でもまた顔赤いぞ。」

ギクッ
.

⏰:10/06/19 17:20 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#874 [のの子]
 
「やっやっぱりなんか暑くて‥とりあえず早く買って帰ろう?ね?」

レジを指差すと彰君は明らか不満そうにレジにカゴを置いた。

「あっ‥肉とかあるんで氷とかあったら貰えます?」

「あぁ、それならあっちにあるからどうぞ〜。」

レジのおばさんが目線を送った先に冷凍庫らしき小さな箱がある。

「貰ってくるからお前金払っといて。」

「あっはい。」
.

⏰:10/06/19 17:26 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#875 [のの子]
 
彰君は私にお財布を渡すとスタスタ行ってしまう。

「ってこれ彰君のお財布だし‥使っていいのかな?」

勝手に人のお金を使っていいものかと困っていると

「後で割り勘するんじゃないの?」

おばさんがカレーのルーの箱のバーコードを探しながら話しかけてきた。

「あっそうですよねっ。すみませんっ‥」

私は慌ててお財布を開ける。

⏰:10/06/19 17:31 📱:SH06A3 🆔:GytCxcsE


#876 [のの子]
 
私はおばさんに急かされながら表示された金額をだそうと使い慣れない彰君のお財布をさぐる。

「あっちょっと待った。おばさんこれも一緒にして。」

「えっ!」
「あら‥」

戻ってきたと思ったら彰君は氷だけじゃなくてお酒まで持ってきていた。

「ちょっと!」

私は彰君のTシャツの裾を掴む。

「私達どうみても未成年なのに無理だよ!しかもこんないっぱい!」

「今旬からメール来て酒買ってこいって。」
.

⏰:10/06/20 13:20 📱:SH06A3 🆔:5URJh.N6


#877 [のの子]
 
あの不良めーっ!

「でもっ!」
「おばさん、旬の頼みだしいいっしょ?」

彰君はレジのおばさんに笑いかける。

「えぇ〜っ‥全くしょうがないわねぇ。その変わり割引はしないからね?」

えぇっ?!なんで旬君の頼みだからっておばさん許しちゃうの?

「あと警察沙汰はやめてよ?私が和彦に怒られちゃうんだから〜。」

和彦さんって‥

「あの、もしかして和彦さんの‥」

「あらどうも〜、和彦の妻で春子ですぅ。」

オホホと上品に口に手をそえて笑うレジのおばさん。

って和彦さんの奥さんっ?

⏰:10/06/20 13:29 📱:SH06A3 🆔:5URJh.N6


#878 [のの子]
 
少しふっくらとしたほっぺとたれ目が春子さんから優しそうな雰囲気をかもしだす。

「あっすみません、私知らなくって‥あの色々ありがとうございますっ。とても綺麗な別荘でみんなしんでますっ。」

私は慌てて頭を下げる。

「あらあら、しっかりと挨拶していい子ねぇ。」

「それより会計お願いします。アイス溶けちゃうんで‥」

彰君が私からお財布をとる。

「はいはい。‥ってこれも?」

春子さんが手に持ったのは黒いキャップ。

「?なにそれ?」
.

⏰:10/06/20 13:36 📱:SH06A3 🆔:5URJh.N6


#879 [のの子]
 
私もキョトンとして彰君を見上げる。

「帽子だよ。それ値札とってください。」

「それはわかるけど‥被るの?」

春子さんが値札を切って彰君に帽子を渡す。

「俺じゃなくて‥‥」

 ‥ポスッ

私の頭に黒い帽子がのる。

「お前がかぶんの。」

ドキッ

「わ‥たし?」

「日傘忘れたみたいだし、少しは日差し避けになるだろ?」
.

⏰:10/06/20 13:43 📱:SH06A3 🆔:5URJh.N6


#880 [のの子]
 
「まぁスーパーに売ってるようなやつだから可愛くはないけど。」

「あっ別にそういうのは‥私なら大丈夫だよ?それに悪いし‥」

私が帽子をとるとキュッと握る。

「そんな事言ってお前さっきから暑いとか言ってんじゃんかよ。ボーッとして顔赤くなるし。」

うっそれは違う事で赤くなってたんだけど‥

「でも
「はいはーいっもうそれ彰君買っちゃったんだから、ね?それにうち返品お断りなのよ〜。」

春子さんがジャーンッとレシートを見せる。
.

⏰:10/06/21 10:14 📱:SH06A3 🆔:HyvEUMMI


#881 [のの子]
 
「ありがとうございましたぁ♪」

春子さんまでニコニコ笑ってどうしようもなくなった私。

「‥ありがと。」

私は小さく頭をさげると帽子をかぶった。

「どういたしまして。」

ポンポンと彰君が私の頭に手をおく。

「ふふっ似合ってる、似合ってる♪」

春子さんはそう言いながらクスクス笑って私達の買った商品わビニールに詰めていく。

私はなんでか恥ずかしくて帽子のつばを引っ張って帽子を深くかぶる。
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⏰:10/06/21 10:22 📱:SH06A3 🆔:HyvEUMMI


#882 [のの子]
 
ドキッ  ドキッ ドキッ

私‥どうしたんだろ?

「ほら、また顔赤くなってる。」

彰君が笑いながらまた私の右のほっぺを摘んだ。

「うっうるふぁいっ‥」

ドキッ  ドキッ  ドキッ

心臓がうるさい。

でも彰君を見つめるとキュッと胸が締め付けられる。

あぁ‥私きっと今彰君を意識してるんだなぁ。

もう私も彼も前とは違う。
.

⏰:10/06/21 15:05 📱:SH06A3 🆔:HyvEUMMI


#883 [のの子]
 
彼の私よりも大きな手は前なら男の人の手と感じていたのに‥

なのに今は

温かくて心地好い。

私は今まで彰君にどう触れてたっけ..

ほっぺを摘む彼の手にそっと手を重ねる。

ドキッ

「さと‥っいってぇ!」

私は手を重ねると彰君の手をつねった。

「あははっべぇーっ!」

「お前なぁ!」
.

⏰:10/06/21 15:11 📱:SH06A3 🆔:HyvEUMMI


#884 [のの子]
 
私ってば何考えてんの‥

彰君はまこ姉の彼氏だったのに..

私は竜二君と別れたばっかなのに..

   私、嫌な女だ。

  こんな私嫌だっ‥


でも、ふざけてみても私の胸の心臓は相変わらずうるさかった。

「あなた達アイス溶けるよ?」

「「あ゙っ!!」」
.

⏰:10/06/21 15:16 📱:SH06A3 🆔:HyvEUMMI


#885 [のの子]
千夏Side

―――タッタッタッ

「ハァッハァッ‥ゴホッ‥ハァッうわっ‥」

ドンッ

足がもつれてこける。

ハァッもうダメだ‥疲れたっ

「カァーーッカァーーッ」

ビクッ!

空を見上げると大きな黒い翼を広げた烏が何羽も飛んでいる。

「‥増えたっゴホゴホッ!」

もうちょっとなのに‥

急いで立ち上がろうとする膝に痛みが走る。
.

⏰:10/06/21 15:26 📱:SH06A3 🆔:HyvEUMMI


#886 [のの子]
 
「カァーッカァーッ!!」

バサバサバサッ

っ!

つい足に気を取られていたぼくに向かって、黒い翼を大きく羽ばたかせながら烏が急降下してきた。

バサッ!バサッ!
「うわっ‥やめろっやっ‥痛っやだっ!!」

烏はぼくに大きな翼と足で何度もぶつかってくる。

「っ嫌だっやめろっ!やめっ‥」

どうして‥どうしてぼくばっかこんなめに‥
.

⏰:10/06/22 10:24 📱:SH06A3 🆔:fqbVEA06


#887 [のの子]
 
もうやだ‥

ぼくはただ震える体を丸くして烏から身を守るぐらいしかできない。

ぼくはなんて弱いんだろう。」

ぼくはこの世界にいらない‥だからみんなぼくをいじめるんだ‥

「痛っ‥グスッ‥‥」

「‥千‥くんっ―‥!!」
バサバサバサッ

「―‥千夏くんっ!」
「千夏っ!!」

烏の翼の音と一緒に男女の声が微かに聞こえた。
.

⏰:10/06/22 10:37 📱:SH06A3 🆔:fqbVEA06


#888 [のの子]
 
‥だれかいるの?

「カァーッカァーッ!」

バサッバサッ

ぼくは顔を上げる事もできない。

「うわっなんだよこれっ!このっ‥」
「カァーーッ!」

男の人と烏が戦ってるのかその音しか聞こえない。

だれ?

そこにいるのは‥だれ?

烏がぼくへの体当たりしなくなったので顔をゆっくりあげる。

グイッ

「やっぱ千夏君だぁ〜。大丈夫?」

あっ‥この人‥
.

⏰:10/06/22 10:42 📱:SH06A3 🆔:fqbVEA06


#889 [のの子]
 
後ろからぼくをかばうように覆いかぶさって、旬て人の友達のお姉ちゃんは

「もう大丈夫だよ。」

そう言って弱々しく笑った。

温かい‥

ぼくはただお姉ちゃんを見上げる。

「いってぇ!おいっ早くどっか逃げろよ!俺も烏怖ぇんだからっ!」

「あっうん!」
.

⏰:10/06/22 15:33 📱:SH06A3 🆔:fqbVEA06


#890 [のの子]
 
もう一人の男の人が大きな声をあげると、お姉ちゃんは慌てて立ち上がろうとする。

「カァーッカァーッ!」

バサバサバサッ

「聡美っ!」
「きゃっ!っ痛ぁ‥」

ぼくをかばおうとしたお姉ちゃんの腕を烏の爪が引っかいた。

「あ‥‥血がっ‥‥」

「あっちゃ〜、本当だ。」

腕から血がうっすら出ているのを見てぼくは青ざめる。
.

⏰:10/06/22 19:30 📱:SH06A3 🆔:fqbVEA06


#891 [のの子]
 
「ぼくの、せいだ‥ぼくのっ‥‥グスッ‥」

ぼくは悲しくて怖くてお姉ちゃんの前で涙をボロボロ流す。

「カァーッカァーッ!」

烏はそれを嘲笑うかのように何回か鳴くと、満足したのかすぐにいなくなった。

「聡美っ!大丈夫か?血出てるじゃんかよっ‥」

お兄ちゃんがぼくたちの所にくるとすぐにお姉ちゃんの腕を掴む。

「あはは、ごめんね。でも大丈夫だから。彰君も大丈夫?」
.

⏰:10/06/22 19:42 📱:SH06A3 🆔:fqbVEA06


#892 [のの子]
 
お兄ちゃんも腕に擦り傷が何個もあった。

ぼくのせいで‥

「とりあえず水で洗わないとな‥お前は大丈夫か?」

お兄ちゃんは泣いてるぼくの頭をポンポンと撫でる。

「千夏くんも擦り傷あるみたい。もう烏いなくなったから大丈夫だよ?」

ぼくは泣いたまま首を振る。

「あらら‥どうしよ?」

「どうしよっつってもなぁ‥また烏来ても嫌だし。行くぞっほらっ。」
.

⏰:10/06/22 19:52 📱:SH06A3 🆔:fqbVEA06


#893 [のの子]
 
「‥っ‥!」

お兄ちゃんはぼくを抱き上げる。

「聡美、悪いけど自転車持ってきて。」

「うん。」

お姉ちゃんが小走りで向かう先に買い物袋が入った自転車があった。

「グスッ‥う‥ごめんなさっ‥ぼくっ‥」

お兄ちゃんに抱っこされながらぼくは涙を拭う。でも涙はどんどん流れてきた。
.

⏰:10/06/23 10:59 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


#894 [のの子]
 
「お前俺の弟よりデカいくせに泣き虫だな。別に大丈夫だから謝んな。」

ポンポンと優しく背中を叩く。

「うっグスッ‥ごめんなさいっごめんなさいっ‥」

「だから、俺もあいつも怒ってないって。な?」

ぼくはそのままお兄ちゃんにギュッと抱き着いた。

お兄ちゃんはハルよりも体がガッシリしていて、お兄ちゃんもぼくを抱きしめてくれた。

「もう大丈夫だよ、千夏‥」

‥‥温かい。
.

⏰:10/06/23 11:11 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


#895 [のの子]
 
「お待たせ〜。」

自転車を持ってお姉ちゃんが笑って走ってきた。

「あれ、ギューッなんかして二人兄弟みたいだね。」

優しく笑ってぼくの頭を撫でてくれた。

「はいはい、それよりどっか洗えるとこ探すぞ。スーパー戻っても帰り遅くなるだけだし‥」

「でもこの先公園とかなかったよ?」

二人の会話聞いてぼくはある所を思い出す。

「グスッ‥‥ちょっと先に‥神社がある‥」
.

⏰:10/06/23 11:18 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


#896 [のの子]
 
ぼくが向かっていた場所だ。

―――――――――


「大丈夫か?」

「うん、もう血止まってるし大丈夫。」

「千夏送りながら和彦さんとこで消毒してもらおう。」

「うん。千夏くんは大丈夫?」

ぼくは頷く。

「そっか‥良かったね。」

お兄ちゃんとお姉ちゃんの間に挟まれながら三人で神社のおさい銭箱の前に座る。

⏰:10/06/23 11:40 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


#897 [のの子]
 
ザワザワザワ―‥

民家も近くに全くなく、静かな神社には緑の葉を揺らす風の音しか聞こえない。

「ってかお前なんで烏に襲われてたんだよ?なんか烏にやったのか?」

ぼくは首をふる。

「じゃなんで襲われたんだよ?」

ぼくはじっと膝の擦り傷を見つめる。

「‥黙んなよ、俺が虐めてるみたいじゃん。」

お兄ちゃんはため息をつく。ぼくはお兄ちゃんにため息をされたのが少し悲しかった。

「彰君、そんな冷たく言わないの。」
.

⏰:10/06/23 15:20 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


#898 [のの子]
 
お姉ちゃんがぼくの頭に手をおく。

「千夏くん、お姉ちゃん達誰だかわかる?」

「そこからかよっ!」

お兄ちゃんを無視してお姉ちゃんが笑顔で俯くぼくの顔を覗き込んできた。

ぼくは少し驚いたけど、すぐ頷いた。

「‥旬て人の‥友達‥」

「そうそうっ。私は聡美で、お兄ちゃんは彰って名前なの。よろしくね?」

ぼくは頷いた。
.

⏰:10/06/23 15:29 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


#899 [のの子]
 
聡美と彰‥

「私達バーベキューしてるんだけどね、二人で買い出しに来たんだ。春子さんにも会ったよ。」

お姉ちゃんはニコニコ笑って話す。

それを見てると不思議な気分になった。

「で、その帰り道に烏に襲われてるお前と遭遇ってわけ。」

お兄ちゃんも膝に肘をついてぼくを見つめてきた。


「ぼくは‥神社‥ここにお参りしに‥でも、烏が‥」
.

⏰:10/06/23 15:35 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


#900 [のの子]
 
ぼくは二人の顔をチラチラと見つめた。

「時々‥時々だけどっ‥あいつら、ぼくを襲ってくるんだ‥だから今日も‥」

今日の烏はいつもよりしつこくて逃げ切れなかった。
「えぇっ!!時々っ?」
「‥時々襲われるってどんだけだよ。」

ぼくはすぐに言うんじゃなかったって思った。

気持ち悪がられたかな‥

ぼくはまた俯く。
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⏰:10/06/23 15:40 📱:SH06A3 🆔:ewi2CokI


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