ピンクな気分。U
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#901 [のの子]
「‥大丈夫だった?」
お姉ちゃんがぼくの頭を優しく撫でる。
‥‥‥あぁ‥まただ‥
「お前バットでも持ち歩けよ。烏撃退用バット。」
「彰君、変な事教えないでっ。」
「はいはい、冗談です。」
お姉ちゃんに睨まれてお兄ちゃんはクスクス笑った。
この二人‥
.
:10/06/23 15:46
:SH06A3
:ewi2CokI
#902 [のの子]
「神社には何しにきたの?お参り?」
お姉ちゃんはぼくには優しく笑ってくれた。
ぼくはお姉ちゃんを見つめて頷く。
「いつも来るの?」
「時々‥」
「時々神社に来て烏に襲われてんのか?」
「それも‥時々‥」
ぼくは膝をかかえる。
「烏に襲われるかもなのになんでお参りにくんの?願い事でもあんのか?」
.
:10/06/23 15:50
:SH06A3
:ewi2CokI
#903 [のの子]
ぼくは頷く。
「お願い事って?」
お姉ちゃんが首をかしげる。
ぼくは体育座りの形で更に小さく丸くなる。
「‥ゆ‥‥なく‥よ‥に」
「ん?」
二人ともぼくを見つめて首をかしげる。
「‥‥幽霊が‥見えなく、なりますように‥」
それがぼくの叶うことのない願い。
.
:10/06/23 15:54
:SH06A3
:ewi2CokI
#904 [のの子]
ザワザワザワ――――
二人は黙ったままぼくを見つめていた。
「ぼく‥幽霊‥見える‥」
あまり人に言っちゃいけないって先生にもハルにも言われた。
言ったらどうなるか、それは自分が1番わかってる。
でもお姉ちゃん達に言ってみたくなった。
この人達はぼくをどう思うのかな‥
気持ち悪がられても平気。
だってみんな同じ反応をするから‥
気持ち悪がるか偽善者になるかのどちらか。
.
:10/06/23 16:03
:SH06A3
:ewi2CokI
#905 [のの子]
ボーッと前を見つめるぼくに二人の視線が感じる。
「やっ‥やっぱりーっ!旬君が修業とか言ってたからもしかしてって思ってたんだー!」
「こいつ怖い話ダメだから幽霊いたらすぐ言っていいぞ。」
「え‥‥?」
「ちょっ彰君やめてよ!千夏くん言わないでっ。私本当怖いのダメだからっ!」
「えっ‥あの‥」
「ん?幽霊でもいたか?」
「もうーっ彰君本当やめてってばー!」
.
:10/06/24 10:41
:SH06A3
:cQms/rXw
#906 [のの子]
「あっ‥いっいないよ?」
ぼくは耳を抑えるお姉ちゃんの服を掴む。
「本当に?」
「うん‥ぼくたちだけ‥」
お姉ちゃんは安心したのか苦笑いしながら耳から手を離した。
「良かった〜‥」
「っと見せかけ本当はお前の後ろにっ!
「もうーっ怒るよ?あっきー!」
「なんでそこであっきーって呼ぶんだよっ。」
お兄ちゃんが少し恥ずかしそうにするとお姉ちゃんは笑いながらベーッと舌をだした。
:10/06/24 10:46
:SH06A3
:cQms/rXw
#907 [のの子]
「千夏くんもあっきーって呼んでいいからね?」
「勝手に承諾すんな!」
この人達変わってる‥
「あっ千夏くん笑った。」
「本当だ。」
なんでかぼくもつられて笑ってた。
「っ‥お姉ちゃん達‥変わってる‥よね。」
「失礼なガキだな。」
お兄ちゃんがムスッとする。
「‥怖くないの?ぼくの事‥気持ち悪く‥ない?」
ぼくは膝をかかえる。
.
:10/06/24 17:51
:SH06A3
:cQms/rXw
#908 [のの子]
「ぼく小さい頃からあいつらが見えて‥周りから頭おかしいとか、嘘つき‥とか言われて」
これはぼくが胸に抱える暗い過去であり、ぼくの人生。
「最後には‥父さんにも捨てられた‥先生のところに預けるって言って‥もうぼくを迎えに来ないんだ‥」
ぼくは‥いらない。
ぼくもいらないと思う。
だってぼくはぼくが気持ち悪くて怖くて嫌いだから。
.
:10/06/24 18:00
:SH06A3
:cQms/rXw
#909 [のの子]
「お母さんも、小さい頃に‥死んじゃった‥」
ぼくの記憶が正しければ、初めて見た幽霊はお母さんだった。
「ぼく、疲れたよ‥どんなに頑張っても‥みんな、ぼくをいらないって言うから‥もう消えてなくなりたいっ‥」
声が震えた。
「‥それが全てじゃないよ?」
お姉ちゃんがぼくの頭を優しく撫でる。
「千夏くんが思っているよりも、いっぱいの人がこの世界にはいるの。」
.
:10/06/25 09:38
:SH06A3
:WsYkI2lE
#910 [のの子]
「今私達と出会ったように、これからもたくさんの人と出会っていくから‥全ての人を否定するのはダメ。理解してくれる人だっているよ?」
ぼくの頭に先生やハルや春子さんの顔が浮かんだ。
「全てを否定すると周りも自分も未来も‥わかんなくなるぞ。俺もこの前まで似た感じだったし。」
ぼくはお兄ちゃんをチラッ見上げる。
「それに辛い事は皆あんだよ‥辛い事に大きいも小さいもない。みんなそれなりに傷ついてる。」
みんなも‥‥?
.
:10/06/25 17:20
:SH06A3
:WsYkI2lE
#911 [のの子]
「でも‥ぼくは変だもん‥幽霊見えるなんて‥」
「でも旬もハルも見えるんだろ?そんだけいりゃ珍しくもなくなるね。」
お兄ちゃんが呆れた表情をする。
「お兄ちゃんはっ‥辛い事あった‥の?」
「あった。」
お兄ちゃんはキッパリそう言ったけど悲しい表情をした。
.
:10/06/25 17:23
:SH06A3
:WsYkI2lE
#912 [のの子]
「すごい大切だった彼女が‥俺の前で事故って死んじゃった。自分のせいだって責めた。‥責めまくったよ。」
「私もね、昔だけど声が突然出なくなって虐められたの。途中からまるで透明人間になったみたいだったなぁ。」
二人とも悲しそうに、でも懐かしむかのようにふっと笑っていた。
「‥なんで笑えるの?」
ぼくはそんな上手く笑えない。
「なんでって‥なんで?」
お兄ちゃんがお姉ちゃんを見た。ぼくも一緒にお姉ちゃんを見つめた。
.
:10/06/26 09:16
:SH06A3
:oBjWdxLA
#913 [のの子]
「えっ私?ん〜‥今を大切にしてるからかな。」
大切にする‥?
「実はね、あっきーの死んじゃった彼女さんて、私のお姉ちゃんなの。」
「‥えっ?」
「そうそう、俺達はお互い何も知らないで出会ったんだよ。知った時は運命感じた、本当‥」
「うん、わかるわかる。近いようで遠い存在だったもんね。でも私達は知り合って仲良くなって、お互い大切な人を失った傷を持ってて‥でも私達は今生きてるから。」
.
:10/06/26 14:36
:SH06A3
:oBjWdxLA
#914 [のの子]
「辛い過去を持っていたって今を生きなきゃいけない。私達には未来があるでしょ?未来は今の私達が決めるから今を大切に精一杯生きる、そして未来は幸せになるぞーっていう心構え?‥やっぱよくわかんない。」
最後の最後に首をかしげて終わらせたお姉ちゃんをお兄ちゃんは笑った。
「結局はだな、過去に捕われずに今をしっかり生きれば未来に繋がる‥みたいな事だよ。まぁおれもよくわかんないけど。」
二人してわからないって言うとクスクス笑っていた。
「‥‥でも、未来に期待したって‥意味ない。変わらないよ‥」
ぼくは一人笑わなかった。
.
:10/06/27 11:18
:SH06A3
:rbRiBuR6
#915 [のの子]
「別に未来に期待しろって事じゃない。ただ今をちゃんと生きるんだよ。」
「うん、未来は今の千夏くんでどうにでも変わるんだよ?」
今のぼく?
「よくわかんない‥」
ぼくは二人の気持ちがわからなくて俯く。
「ならそうだな‥旬にでも聞いてみれば?」
旬‥あの人もたくさん笑ってたな‥
「それいいかもっ!ちょっと旬君じゃ不安だけど、1番千夏くんの気持ちわかるもんね。」
.
:10/06/27 11:35
:SH06A3
:rbRiBuR6
#916 [のの子]
「千夏もちょっと俺らのバーベキュー顔出してみろよ。」
「‥でも先生が‥いいって言うか‥」
「じゃ消毒ついでに聞いてみようよっ。って私達また遅刻じゃないっ?!もう一時間たつよっ!」
二人が慌てて立ち上がる。
「ってか肉腐ってねぇかな‥」
「やっやばいよ〜!早く行こうっ!」
.
:10/06/27 11:38
:SH06A3
:rbRiBuR6
#917 [のの子]
「また走んのかよ〜っ。ほらっ千夏も行くぞ。」
「千夏くん、おいで?」
お兄ちゃんはぼくを見つめて、お姉ちゃんはぼくに手を差し延べてきた。
「あっ‥うん‥」
ぼくはお姉ちゃんの手を握る。
お兄ちゃんとお姉ちゃんに挟まれて三人並んで小走りする。
やっぱり温かい‥
ぼくお兄ちゃんやお姉ちゃんが、お父さんとお母さんだったらいいのにって思った。
:10/06/27 16:54
:SH06A3
:rbRiBuR6
#918 [のの子]
ぼくがまだ幼稚園生の時、お母さんは買い物に出掛けて事故で死んじゃった。
ぼくは家にいて、買い物に出掛けたお母さんが突然ぼくの目の前に現れてびっくりしたのを覚えてる。
お母さんはそんなぼくを見て何も言わずにただ笑っていた。
その後事故の報告を受けてお父さんと病院に行った。でもお母さんはぼくの横にいるよって言ったら怒られた。
ぼくもお母さんも悲しい顔をした。
お母さんのお葬式が終わるとお母さんは本当にいなくなった。
.
:10/06/27 17:07
:SH06A3
:rbRiBuR6
#919 [のの子]
それからぼくは幽霊を見るようになった。
声をかけてくる奴もいれば追い掛けてきたり驚かしてきたり、ぼくを仲間にしようとしてくる奴もいた‥
ぼくは他のみんなには見えない奴らにいつも怖がってたら頭がおかしいって言われるようになった。
お母さんが死んじゃったせいだって言われてぼくは悲しかった。
お父さんに相談した。
ぼくは普通じゃない。幽霊が見えるんだよ、って。
.
:10/06/27 17:12
:SH06A3
:rbRiBuR6
#920 [のの子]
そしたらお父さんはとても悲しそうな目でぼくを見つめる。
なんでそんな事ばかり言うんだ、お父さんを困らせたいのか、お前がそれじゃお母さんが悪く言われて可哀相だろっ、嘘つきは嫌いだって言われた。
‥信じてくれなかった。
ぼくは泣いた。たくさん泣いたけど、お父さんもお母さんももうぼくの横にはいてくれない。
ぼくは一人ぼっちになった。
:10/06/27 17:18
:SH06A3
:rbRiBuR6
#921 [のの子]
そして先生達のところへ預けられた。
初めてぼくと同じように幽霊が見える人に会った。
でもぼくとは違う。
先生もハルも友達や家族が傍にいるもん。
ぼくにはいない。
結局ぼくは一人ぼっちだ。
でも先生達はぼくを家族として傍にいてくれる。
嬉しかった。
:10/06/27 19:08
:SH06A3
:rbRiBuR6
#922 [のの子]
でも、ぼくは本当の家族じゃないから。
羨ましかった。
ぼくは寝る前に考える。
もしぼくが幽霊なんて見えなかったら‥
見えてもそれを受け入れてくれる家族がいたら‥
そんな事ばかり考えてると寂しくなるから時々ハルと一緒のお布団で寝る。
夢は見ない。
.
:10/06/27 19:12
:SH06A3
:rbRiBuR6
#923 [のの子]
でも、お兄ちゃんとお姉ちゃん達に触れて一緒にいるとね
思っちゃうんだ‥
烏から助けてくれた時も
ぼくに優しく触れた時も
笑ってくれた時も
こんな家族が傍にいてくれて、愛されたら幸せだろうなって。
.
:10/06/27 19:15
:SH06A3
:rbRiBuR6
#924 [のの子]
竜二Side
――――――――
「ってかさ〜‥遅くね?」
「あの二人怪しいな。」
「ふざけた事言うなよっ。」
「そうだよ〜。」
「でも遅すぎません?何かあったのかも。」
「何かってなに?」
「「「‥‥さぁ?」」」
.
:10/06/29 09:09
:SH06A3
:tWtvyYGo
#925 [のの子]
みんなが俺に聞こえないようコソコソと話しているのを気にしながら、まだ戻って来ない二人をただ静かに待つ。
なんでこんな遅いんだよ‥
「なんかあったのかな?」
段々とイラつきから不安に変わってくる。
ってか遅くなるなら連絡の一つぐらい入れろよなっ!
ため息をつくと、旬達が俺の方をじっと見つめる。
‥‥‥‥‥はぁっ
「なに?」
.
:10/06/29 09:14
:SH06A3
:tWtvyYGo
#926 [のの子]
「俺の顔になんかついてる?」
俺は旬達を睨む。
「いや〜っあのさ‥竜二やっぱまだ聡美ちゃんの事好きっしょ?」
「‥はっ?意味わかんない。」
俺は更に旬を睨む。
「だって今機嫌悪いのとか付き合ってた頃と同じ感じだぜ?」
「あははっ顔に『聡美は俺のもんだーっ』って書いてあるよぉ?」
桃ちゃんまでクスクス笑い出す。
:10/06/29 09:19
:SH06A3
:tWtvyYGo
#927 [のの子]
俺はつい頬を触る。
って書いてある訳無いか‥
「聡美ちゃんとは友達だよ。」
「俺達から見ればそんな風に見えないって言ってんの。」
旬が呆れた顔で笑う。
「でも竜二君の言う通りもう別れてるんですし、二人の事はあまり干渉しない方がいいんじゃないですか?」
鈴が旬に食ってかかる。
「そっちこそ好きだった男にあんま干渉しない方がいいんじゃないの?っていうかまだ好きとか?」
.
:10/06/29 09:38
:SH06A3
:tWtvyYGo
#928 [のの子]
うわっでた、旬の辛口‥
笑顔で辛口コメントを吐いた旬を鈴は信じられないと口を開けて呆然とする。
「まっまたそうやって私の事ばっか悪く言って‥本っ当旬君て私の事嫌いなんですねっ!」
「嫌いじゃないけど嫌いなとこあるよ?」
「なっ‥直人ぉーっ!」
鈴は旬から逃げるようにフクに抱き着く。
.
:10/06/29 14:35
:SH06A3
:tWtvyYGo
#929 [のの子]
「あれっ、俺悪い事言った?」
「お前のその無意識なとこ憧れるわ‥」
「憧れなくて結構です!」
鈴がそう言うとみんな笑い出した。
「はははっ‥あぁっ帰ってきた!」
旬が立ち上がる。
っ!
「遅くなってごめんねぇ〜。」
聡美が手を振っているのが見えた。
:10/06/29 14:39
:SH06A3
:tWtvyYGo
#930 [我輩は匿名である]
気まずそうに手を振る聡美の後ろに悪びれもなく欠伸をする彰も見えた。
少しほっとしながら、でも複雑な気持ちで二人を見つめる。
あれっ?
「お帰りーっ‥って遅すぎっ!心配した
「聡美ちゃんっ!」
俺は聡美にかけよると腕を掴む。
「どうしたのっこれ‥?」
掴んだ腕には包帯が巻かれていた。
「あっこれ?これは‥ちょっと怪我して‥でも大丈夫っ!和彦さんの所で消毒もしてもらったしっ!」
「本当だ。ってか彰もじゃん!どうしたんだよ?」
彰を見ると彰も腕に絆創膏を何箇所に貼っていた。
.
:10/07/09 22:10
:SH06A3
:wr0cHXs.
#931 [のの子]
↑我輩は〜になっていますがのの子本人です

「烏と戦った。」
「はっ?カラスってあの鳥のカラスッ?!」
彰と旬達が騒ぐ横で、俺は聡美の腕を掴んだまま包帯を見つめる。
「竜二君、私なら大丈夫だからっね?」
「‥でも包帯までして、怪我ひどいんじゃないの?」
俺はキュッと力を入れる。
「ちょっと切れただけなんだけど一応って和彦さんが‥本当はたいしたことないんだよ?」
「‥ごめんなさい‥お姉ちゃんの、怪我‥ぼくのせい‥」
っ!
「あっ千夏くんっ♪」
.
:10/07/09 22:21
:SH06A3
:wr0cHXs.
#932 [のの子]
「‥なんでいんの?」
聡美の後ろに隠れていたのか千夏が急に顔をだす。
「お姉ちゃん‥やっぱりぼく帰
「うわっ千夏いんだけどっ!なんでっ?迷子っ?」
旬がすぐ千夏を見つけると驚いて大きな声をだす。
「ぼく‥」
「千夏が肉食いてーしカレーも食いてーって言うから連れてきた。」
彰が荷物をテーブルに起く。
「別にいいっしょ?」
.
:10/07/09 22:30
:SH06A3
:wr0cHXs.
#933 [のの子]
みんな急な事に目が点になる。
「俺はみんながいいなら別にいいよ〜♪」
博也が早速買ってきた荷物をあさりながら言う。
「んー、まぁいいんじゃない?」
「俺もいいよ。」
みんな笑って頷く。
「よしっじゃ今日酒飲んだ俺らを看病する係りは千夏に決定ーっ!」
旬が笑いながら千夏を指差した。
:10/07/09 22:36
:SH06A3
:wr0cHXs.
#934 [のの子]
千夏Side
―――――――
「だぁかぁらぁーっ!俺玉ねぎ嫌いなんだって!」
「ガキじゃねーんだから玉ねぎぐらい食えよっ!」
「玉ねぎ臭くて辛いしっ嫌なのっ!食えないっ!」
「でも千夏は食ってんじゃんかよ!」
ぼくは玉ねぎを掴んだ箸を止める。
「でもじゃねーしっ!千夏は食えても俺は食えないのっ!」
.
:10/07/13 13:34
:SH06A3
:m2zw4P1U
#935 [のの子]
旬と博也っていう人が玉ねぎを食べる食べないでさっきからもめている。
「お前最っ低ぇだな。千夏の前でさ‥カッコ悪ぃ。」
「いやいやっ玉ねぎの事でそこまで言われたくねぇんだけど‥」
旬はふんっと博也を無視してぼくの隣に座った。
「千夏、あんな玉ねぎ嫌いで馬鹿で女ったらしで腹黒い奴にはなんなよ‥?」
「聞こえてんだよっテメェはっ!」
ぷっ‥
「‥うん、わかった。」
.
:10/07/13 13:41
:SH06A3
:m2zw4P1U
#936 [のの子]
「千夏お前も素直に頷くなっつーのっ!」
博也がぼくをおでこを突く。
「だって‥旬は‥ぼくの先輩、だから‥それにハルが、旬みたくなれって‥」
「はぁっ?ったくハルは旬を買い被りすぎなんだよなぁ。」
不満そうにブツブツと話す博也をじっと見てると、旬がぼくの頭を撫でてきた。
っ?
「千夏は千夏っ!‥それでいいんだよ。」
.
:10/07/13 13:45
:SH06A3
:m2zw4P1U
#937 [のの子]
ぼくはぼく‥
「そうだよ、千夏。旬みたくなったら馬鹿にな
「うっせーっ!」
笑いながら博也の頭を掴んで揺さぶる旬は、ぼくとは違うって思った。
ぼくは旬みたく笑えないし、からかい合う友達もいない。
この場にいる皆が笑っている。ぼくを抜かして‥
あっ‥いた‥
ぼくは旬達の横を通ってある人の隣に行く。
.
:10/07/20 20:50
:SH06A3
:BmkLtJhU
#938 [のの子]
「ん?何か用?」
ぼくは首を振る。
「え‥っと‥俺子供嫌いじゃないけどさ、こういうの慣れてないっていうか‥」
困ったように笑うその人をぼくはじっと見つめる。
やっぱり‥
初めて見た時からぼくと似ているモノを感じた。
「りゅーじ‥疲れない?」
「別に疲れてないけど‥どうしたんだよ?」
りゅーじはぼくの頭を撫でながら目線を合わせるように座ってくれた。
.
:10/07/20 20:58
:SH06A3
:BmkLtJhU
#939 [のの子]
「あっ千夏泣かすなよ〜♪」
後ろから旬の声が聞こえる。
「うるさいっ。」
ふんっと鼻で笑いながら旬を睨むりゅーじは、ぼくに視線を戻す前に気づかれないよう一瞬だけ別の方向を見る。
「りゅーじ‥」
「ん?」
「嘘‥つくの、疲れない‥?」
りゅーじの目がハッキリとぼくを見つめた。
:10/07/20 21:04
:SH06A3
:BmkLtJhU
#940 [のの子]
「嘘って何?俺嘘ついてないよ。」
ニコッと笑うりゅーじをぼくは無表情のまま見つめる。
「ついてる‥りゅーじの笑顔‥嘘、でしょ‥?」
「‥‥‥なるほど。」
りゅーじは変わらずぼくを笑って見つめたかと思うと、また目線がずれた。
今度はぼくもりゅーじの視線の先を見る。
ほら‥やっぱり‥
.
:10/07/21 17:49
:SH06A3
:ikGbTw0E
#941 [のの子]
「聡美ぃ、焼きそばの麺ここにあったよぉ。」
「あっありがと‥っとじゃ〜まずはねぇ‥」
「先輩大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫っ♪焼きそばぐらい作れるもん。」
ぼくたちが見つめる先にお姉ちゃんが笑っていた。
りゅーじはお姉ちゃんを見つめる時一番嘘をつく。
口も目元も笑っていても、その奥の瞳が悲しさと絶望感を漂わせていた。
.
:10/07/21 23:08
:SH06A3
:ikGbTw0E
#942 [のの子]
それに気づいたぼくは、りゅーじとぼくは似ているって思った。
「‥千夏、嘘をつくのは悪い事とは限らない。俺は今を幸せに思ってる‥だから笑顔の秘密、内緒な?」
ぼくの頭を優しく撫でるりゅーじは、また悲しそうに笑っている。
ぼくは頷く事も、笑う事もできなかった。
りゅーじ、
それならどうしてりゅーじはそんな悲しそうに笑うの?
りゅーじはお姉ちゃんが好きなの?
.
:10/07/22 10:33
:SH06A3
:QDHnDQE6
#943 [のの子]
りゅーじは、辛くないの?
聞きたい事はたくさんあったけど、りゅーじが聞かれたくない事も聞かれたら困る事もわかったから何も言わなかった。
りゅーじはそのまま旬達の方へ行ってしまった。
一人になってぼくは椅子に座りながら皆をただ見つめる。
‥暖かい場所だなぁ
そんな事を思う。
.
:10/07/22 10:40
:SH06A3
:QDHnDQE6
#944 [のの子]
『‥み‥ぃ―‥た‥』
ビクッ!!
耳の奥に響く太い声がぼくの体を凍らせる。
ドクッ ドクッ ドクッ
『―‥ぃ‥け‥た‥』
ドクッドクッドクッ
目の前に見える温かな光景とぼくとの間に急に壁ができたみたいだった。
もう皆の笑い声も聞こえない。ぼくに聞こえるのは‥
『‥‥みぃつけた‥っ‥』
ドクンッ!
:10/07/22 15:36
:SH06A3
:QDHnDQE6
#945 [のの子]
――‥ヒヤッ
ゾクッ!
何かがぼくの耳に触れた。冷たくて、もうこの世のモノではない‥指が‥
ドクッドクッドクッドクッ
‥怖いっ‥誰か
「あっ‥‥たす‥っ」
『‥お前‥見えるのか‥』
ビクッ!!
ドクッドクッドクッドクッ
ぼくのすぐ後ろにいるそいつに睨まれている気がして体が動かない。
.
:10/07/22 15:44
:SH06A3
:QDHnDQE6
#946 [のの子]
『‥見える‥んだな?』
真っ白な手がぼくの頭の両脇から伸びて現れた。
怖い怖い怖い怖い怖いっ
「あっ‥‥やめ‥っ‥」
触れてもいないその両手はただぼくの両脇で手首をダランと下げている。
でもぼくは落ち着く事も逃げる事もできない。
もうぼくはそいつの腕の中にいるようなもんなのだ。
そいつが腕を曲げればぼくを捕まえ、暗闇に連れていく。
誰にも見つからない暗闇に‥‥‥
.
:10/07/22 15:51
:SH06A3
:QDHnDQE6
#947 [のの子]
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だっ
「ハァッハァッ‥ッ‥ゴホッゴホゴホッ!‥ハァッ‥」
口を手で覆う。
ぼくはあいつらが近くにいると恐怖心から咳がでる。時には喘息のように、息が上手くできなくなる。
ハァッ‥苦しっ‥
「こらっ!」
コツンッ
―――っ!
「何一人でボーッとしてんだよ、こっち来て食え食えっ!」
頭を上げると旬がぼくの目の前に立っていた。
太陽の光が逆光して旬の顔が見えない。
.
:10/07/23 11:19
:SH06A3
:rbwdegx.
#948 [のの子]
‥旬っ
「ゴホゴホッ‥ッ‥ハァッ旬‥」
ぼくは旬に手を伸ばすと腕にしがみつく。
「ん?どうした、熱中症か?」
旬がぼくの額に流れる汗に触れる。
いつの間にか真っ白な手も、冷たく低い声もいなくなってた。
でもぼくの体は震えが止まらない。
あいつらは消えない‥
今もどこかからぼくを見ているはず‥
.
:10/07/23 11:33
:SH06A3
:rbwdegx.
#949 [のの子]
聡美Side
――――――――
―‥ザァーーッ
「信じらんないねぇ‥」
「うん‥まさか、ねぇ。」
ゴロゴロ‥‥ドカーッン!
桃と私の肩がピクッと震えた。
「山の天気は変わりやすいって言いますけどここまで変わるとはですね。」
鈴ちゃんも外を見つめる。
「これじゃ星見れないよねぇ。」
ぶすっとする桃を横に私も外を見つめる。
.
:10/07/23 11:39
:SH06A3
:rbwdegx.
#950 [のの子]
「そうだよねぇ‥」
1時間ほど前は青い空だったのが、今は黒い雲に覆われ凄まじい雨と雷になっていた。
楽しみにしていた花火も星もこのまま雨が止まないと見れない。
「流れ星‥見たかったなぁ。」
「何かお願いでもする気だった?」
振り返ると彰君が立っていた。
「秘密〜。それより千夏くんは?」
「ん、今さっき寝たとこ。和彦さん達にも連絡したんだけどこの雨だし、やっぱこのまま泊めてやってくれってさ。」
.
:10/07/23 17:44
:SH06A3
:rbwdegx.
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