恋愛CHU!@BL
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#1 [来栖]
:09/10/18 14:07
:W65T
:bI0x1XEw
#2 [来栖]
:09/10/18 15:50
:W65T
:bI0x1XEw
#3 [来栖]
「好きです、付き合ってください」
「…無理やわ。ごめん」
これで何回目やったっけ。えっと…いちいち数えてらんない。
告白されるのはええねん。ただ…
━━━━━━━━…
「なぁあんで男からしか告白されへんねーん!!!!」
「「ここが男子校だから」」
:09/10/18 15:53
:W65T
:bI0x1XEw
#4 [来栖]
「ぐう…わかっとるけど、わかっとるけどなあ?なんでみんな女にいかへんねん。なんで俺っ?」
「だってこの学園男女交際厳禁じゃん。無理無理。高い金払って入ったのに退学なんて誰もごめんだろ」
そう言って山口はいちごミルクと書いてある紙パックの飲み物を飲み干した。
:09/10/18 15:56
:W65T
:bI0x1XEw
#5 [来栖]
「うっさいねん山口 悠(やまぐち はるか)!しね!しね!」
「いちいちうるせーな関西弁でぎゃーぎゃー喚くなよ琴乃ちゃん」
「琴乃ちゃんてゆーなや!」
「ぅおーい。軽音部うるせーぞぉー」
そう。俺たちは軽音楽部所属。
文化祭のときにライブをやったりするから、それのお陰で告白される。
お と こ に。
:09/10/18 15:59
:W65T
:bI0x1XEw
#6 [来栖]
まあ確かに仕方ないとは思う。
俺らが通ってる
私立青嵐学園(しりつせいらんがくえん)
は、全寮制の男子校で
男女交際断固厳禁
なのだ。
バレたら即刻退学。
みんなそれが怖くて男に走ってるらしい。
同じ軽音楽部の山口 悠と二階堂 姫依(にかいどう ひめい)はデキてるし。
恋人がいないのは軽音楽部で俺だけ。
伊吹 琴乃(いぶき ことの)だけ。
「ふ、ふふ…」
「あ?なんだよ気持ちわりいな琴乃」
:09/10/18 16:03
:W65T
:bI0x1XEw
#7 [来栖]
「なぁあぁあんてな!俺様にも恋人が出来たんやでぇえ!」
「え!うそ!誰?」
姫依がびっくりしたように俺を見た。
ふっふーん。俺様は男なんかに走らん。
「…なにこれ」
「せやから、彼女の写真」
「…女じゃん」
「いぇえええす!」
「チクっていいですか?」
「あかんあかんあかんあかん!」
「あーでも可愛いねー。琴乃には勿体ないね」
「姫依…さり気なくひどいよな」
:09/10/18 16:07
:W65T
:bI0x1XEw
#8 [来栖]
「バレても知らねーぞぉ」
悠がニヤニヤしながらこっちを見た。
「バレないわ。言わなければええねん」
「あっそー。溜まるもんも溜まるんじゃねーの?ま。俺には姫依がいるからいーけどさ」
「さり気なく惚気てんなよバカ悠」
さり気なく惚気られたときに、昼休み終了のチャイムが鳴った。
:09/10/18 16:12
:W65T
:bI0x1XEw
#9 [来栖]
「ま!部活に支障が出ないようにな」
悠にそう言われ肩をたたかれた。
お前は支障出ないんか。と思ったけど姫依といちゃつく様子もないし全然部活に支障は出ていない。
俺も支障なんか出ないけどね。
━━━━━━━━…
4時限目を受けながら携帯を開く。
愛しのマイハニーからメールが入っていたので、すぐに返信をする。
:09/10/18 16:15
:W65T
:bI0x1XEw
#10 [来栖]
マイハニーの名前は
間凪 美空(かんなぎ みく)
蓮距離恋愛だけど愛はたくさんある。
「ふふ…最高ー…愛しとるわぁ」
「こらぁ、伊吹。てめー何授業中に携帯出してんだよ」
「うげ、前澤やったんか…」
「うげ、とはいいお返事だな。よし、これ答えてみろ」
「えぇえぇえ!?前澤センセー許してぇやー」
:09/10/18 16:18
:W65T
:bI0x1XEw
#11 [来栖]
「うるせーな伊吹ぃ。ほら前出てこい」
「うう…ヤンキー教師がぁ!」
「んだとごらぁ!てめーさっさと答えろ」
「はぁ…あほか」
こんな青春も、こんな恋愛も、ずっと続くと思っていた。
:09/10/18 16:20
:W65T
:bI0x1XEw
#12 [来栖]
なのに、こんな楽しい毎日が一気に崩れるなんて…
「待っててくださいね…伊吹 琴乃さん」
俺はこのとき、思いもしてなかった。
どこで間違えたんだろう?
なんて、神様がホントにいたら問いただしたいね。
:09/10/18 16:24
:W65T
:bI0x1XEw
#13 [来栖]
恋愛CHU!-彼女の秘密はオトコノコ?-
:09/10/18 16:24
:W65T
:bI0x1XEw
#14 [来栖]
「おーれーもー会いたいーっと」
「あのさぁ。俺ら、いちゃつきたいから部屋帰っていいかな?」
「はぁ!?なんでや!一人にすんなぁ」
「いつも一人じゃねえかよ!」
「だってぇ…っとはいはーい」
今日も学校が終わって、寮に帰ると絶対に俺の部屋に集合させる。
理由は寂しいから。
三人で語っているといきなりドアが叩かれた。
:09/10/18 16:32
:W65T
:bI0x1XEw
#15 [来栖]
ドアを開けると、寮長の佐倉 南(さくら みなみ)先輩と知らない人が立っていた。
「あ、南せんぱーい。こんばんわっす」
「よーっす。軽音楽部はここに集合か」
「はい。そっすね。つか琴乃邪魔だ座れ」
「悠はそんなに嫌いなんか俺がぁ!」
:09/10/18 16:39
:W65T
:bI0x1XEw
#16 [来栖]
「ちっげーよ!南先輩の隣にいるやつびびってんじゃねーか!」
「んあ?」
南先輩の隣にいる知らないやつが子犬のようにこっちを見てきた。
ちっちゃ。うん。ちっちゃ。
「あ、紹介するな。明日から転校することになった間凪 みなせ(かんなぎ ‐)だ。お前らと同い年で、琴乃と同部屋だから。仲良くしてやってくれな」
「おー!転入生!」
:09/10/18 16:48
:W65T
:bI0x1XEw
#17 [来栖]
間凪かぁ…俺の彼女と同じ名字やな。
なんて関係ないか。
弟みたいでちっちゃいけどいい奴そうだしな。
「ん。じゃ、あとはよろしくー」
そう言って転入生くんを俺の部屋にいれて南先輩は帰っていった。
「はじめまして。同部屋の伊吹 琴乃です。関西弁なのは地元が関西やから。軽音楽部所属!よろしくー」
「はじめまして。301号室の二階堂 姫依です。隣の山口 悠と付き合ってます。よろしくね」
「はじめまして。301号室の山口 悠です。姫依は俺のだからね。よろしく」
:09/10/18 16:52
:W65T
:bI0x1XEw
#18 [来栖]
「間凪 みなせです。よろしくお願いします」
「同部屋の奴が増えた!寂しくない!お前ら帰れ」
「はあ?!なにその言い方!ありえないっ!」
「姫依、帰ろう。こいつは人間のクズだ」
「言っとけ。じゃーな」
姫依と悠を帰してやると、間凪が立ち尽くしていたから近くのソファに座らせた。
:09/10/18 16:58
:W65T
:bI0x1XEw
#19 [来栖]
「タメだからみなせって呼ぶな。ベッド上使ってええよー」
「あ、ありがとうございます…」
「敬語やめよーや。タメなんやし」
「あ、クセで…」
クセで敬語か。そこまで俺の彼女に似てる。
弟かなんかだったりして。そうだったら笑える。
「あ、そだ。美空からメール入ってたんや」
俺がそう言うと、みなせが何故か反応をした。
「あ、あの…」
「んー?」
:09/10/18 17:01
:W65T
:bI0x1XEw
#20 [来栖]
「間凪 美空なら、ここにいますよ」
そう言ってみなせは自分を指差した。
「…はい?」
「あなたに、会いにきました。伊吹 琴乃さん」
「…へ?」
いやいや、何言ってるの?この子。
美空が、みなせ?
いや、美空は黒髪でロングでナイスバディなれっきとした女性ですよ。
「あの写真は、僕の姉です。掲示板であなたを見つけて、惚れちゃったんです」
みなせが、美空?みなせは男だろ?
:09/10/18 17:05
:W65T
:bI0x1XEw
#21 [来栖]
俺は信じたくなくて美空にメールを送った。
目の前にいるみなせが携帯を開いて、俺にその画面を見せた。
画面に映し出されたのは、今さっき俺が美空に送った文章。
「嘘だろぉおおぉおぉお!?」
こうして、俺の危険すぎる学園生活と寮生活が始まったのだ。
なんでこうなったんだっけ…美空って、男だったんだ…。
:09/10/18 17:08
:W65T
:bI0x1XEw
#22 [来栖]
「で!?お前は元々ホモで、掲示板で話してたら好きになってて女のフリをして近づいたと!?」
俺と美空が出会ったのはとある掲示板。
共通の趣味で、結構話が合っててメルアドを交換して、美空から告白されて…って感じやった。
「はい。そうです。琴乃さん、ノンケだから女の人になって近づいたんです」
「おっまえ…性格悪いなぁ」
「このままお付き合いしてくれますよね?」
「するかアホ!無理や無理無理!俺は騙されてたんやろ!?ありえへん!」
:09/10/18 17:16
:W65T
:bI0x1XEw
#23 [来栖]
「騙してたことは謝ります!でも僕本当に…!」
「無理や。同部屋になったのはしゃーないけど、俺そんな性格悪い奴と付き合う気さらさらないから」
俺はそう言って部屋を出た。
俺は正しい。当たり前やろ。人んこと騙しといて好きやと?笑わせんな。
あーイライラするわぁ。
向かう足は食堂。
こうゆう時は食うに限る!
「おーう。琴乃じゃねえか」
「っ…奈津せんぱぁあぁあい!」
食堂に行くと、生徒がぼちぼちいる中一際目立ってる金髪の人がいた。
:09/10/18 17:21
:W65T
:bI0x1XEw
#24 [来栖]
佐倉 奈津(さくら なつ)先輩。
南先輩と双子で兄のほう。
ちなみに副寮長。
そして良き相談相手。
「聞いてくださいよぉー。俺もう死んじゃう」
「んー?どした?」
「実はどっ…」
同部屋の…って言いかけたけどやめた。
これは話していいのか?
この学園はほとんどがホモだけど、俺はホモじゃない。ホモじゃないことで有名だ。
なのに、男に迫られてるって言ったらどうなる?
絶対に「襲え」か「付き合え」の返答しか返ってこないはず。
:09/10/18 17:24
:W65T
:bI0x1XEw
#25 [来栖]
「動物が苦手で、今克服しようとしてて…」
このことは秘密にしたほうがいい。うん。絶対秘密にしたほうがいい。
「え?そうなの?」
「でも犬にめっちゃ舐められてて死にそうなんすよぉ…」
「はははっ。そんなことかあ。犬可愛いじゃんか」
「可愛くないっすよ!」
そんな感じで、夕飯を食べながらくだらないことを話した。
姫依と悠には話そう。うん。あいつらならきっと俺の気持ち分かってくれる…
:09/10/18 17:28
:W65T
:bI0x1XEw
#26 [来栖]
「ぎゃはははははははっ!!!」
「あっははははははは!!!傑作!やっべ!お前っ、絶対詐欺に引っかかるタイプだろ!ははっ!腹いてーっ!」
次の日の昼休み、教室の机をバンバン叩いて爆笑しているのは軽音部のバカップルです。
こいつらは分かってくれなかった…ちきしょう。
「笑うなや!ぶっ飛ばすぞ!タイマン張るかゴルァ!」
「あっはは!わりぃわりぃ!だって…っお前がっ…あはははっ」
まじで…こいつら殺そうかな。
「いいんじゃね?新しい世界が開けると思うよ」
悠は笑いすぎて出た涙を指で拭いながら言った。
:09/10/18 17:39
:W65T
:bI0x1XEw
#27 [来栖]
「嫌じゃボケ。俺はノーマルや」
「でも同部屋なんでしょ?どーすんの?」
「昨日無理って言った」
「うわひっどー」
姫依がポッキーを一本口にいれながら言った。
ひどくないわ!騙したあいつのがひどいやろ!
「ひどくないわ!」
「かわいそー。ありえねー」
悠がそれに続いて言葉を続ける。
じゃあどうやって断れと!?
「あ、噂をすれば」
姫依がドアを指差す。その先には間凪 みなせの姿が。
:09/10/18 17:48
:W65T
:bI0x1XEw
#28 [来栖]
「うわ…天敵……」
「い、け、よ!」
悠が俺の背中を押した。
すぐに後ろを向くと姫依と悠が何故か親指を立てて満面の笑みを俺に向けてきた。
意味わからへんてー!
ぶっ飛ばす。きめた。あのバカップルぶっ飛ばす。
「あー…なに?」
「ここじゃあれですから…」
そう言ってみなせは屋上へと足を向かわせた。
嫌々ながら俺も着いていくことにした。
「なん?」
「…ごめんなさい。付きまとうようなことして…」
「あー。別に」
「でも、僕本当に…」
:09/10/18 18:54
:W65T
:bI0x1XEw
#29 [来栖]
「俺のことが好きなんやろ?分かっとる」
「はい…好きなんです…」
「…でもやっぱり……ってちょお!泣くなや!俺がいじめてるみたいやんけ!」
「ごめっ…なさい……でも…っ琴乃さんのことが本当にっ…」
「っ……反則やろ…」
俺は、何を血迷った?
少しでもあいつの泣き顔が可愛いって思ってしまって。
少しでもあいつを守ってやりたいって思ってしまって。
あー。俺、きっとホモなんやなあ。
「ったよお……分かったから泣くなや…」
「ふぇ…?どうゆう意味っ…」
:09/10/18 19:02
:W65T
:bI0x1XEw
#30 [来栖]
もうホモでええわ。うん。
「せやから、お前と付き合ったる」
「えっ…?」
「だからぁ、何回も言わせ」
「う、嬉しいっです…」
「て、また泣くんかぁ!?」
「嬉し泣きですぅ…」
こういう時どうすればええんかな。
抱きしめればええの?
男は初めてやからどうしていいからわからへん…
けど、俺は子犬みたいなみなせを抱きしめた。
「泣くな」
「ん…っ、夢みたい…です…」
:09/10/18 19:08
:W65T
:bI0x1XEw
#31 [来栖]
「そのかわり…」
「へ?」
胸辺りから顔だけを上げてみなせが見つめてくる。
上目使いで見られてるわけで。
あ、やべ。可愛いかも。
「…っ、内緒、にしたいねんけど」
「…?」
「せやから、一応俺彼女いることになってるし、ここ男女交際禁止やから内緒にしてんねん。しかも俺ノンケで有名やから男は恋愛対象として見ないことになってんねん。せやから、学校ではあんまり話さんようにしよ?」
「…はい。同部屋ですから、たくさんお話出来ますよね?」
:09/10/18 19:13
:W65T
:bI0x1XEw
#32 [来栖]
「当たり前やろ」
そう言って俺はみなせの体を離した。
ちょっとだけ寂しそうな顔をしたのは見なかったことにする。
「じゃあ、俺行くから。またあとでな」
「はい。またあとで」
俺はみなせに背中を向けて屋上を後にした。
みなせが何か呟いていたが風の音で聞こえなかった。
「━━━これじゃあ、片思いだ…」
こうして、バレたら速攻フルボッコの恋愛が始まった。
:09/10/18 19:16
:W65T
:bI0x1XEw
#33 [来栖]
「うるぁあぁあぁあ!!!」
放課後の部活。俺は弦が切れるんじゃないかっていうくらいにベースを弾いた。
「おー荒れてる荒れてる」
「琴乃ちゃん荒れてますねえ」
「恋愛ってなんなんだー!!」
「うるせーなマイク通して叫ぶなバカ!」
あーもう。わけわからん。冷静になって考えてみたら、俺は何を言っていた?
付き合う?は?みなせと?ていうか男と?
あーでもあいつの泣き顔可愛かったー
「…ちゃうやろ俺ー!うわぁあぁあー!」
:09/10/18 19:38
:W65T
:bI0x1XEw
#34 [来栖]
アンプからわけがわからない音色が流れてくる。
あー。やっぱベースが最高だわ。
「最後合わせんべー」
悠がそう言うと、スティックを準備してドラムの前に座った。
姫依もギターを肩からかけてマイクを準備した。
「あれでええの?メルトで」
「んー。うん。メルトでいいよな?姫依」
「なんでもいーっす」
「じゃあメルトで………わん、つー…」
悠がスティックでリズムを取って俺たちは演奏を始めた。
:09/10/18 19:42
:W65T
:bI0x1XEw
#35 [来栖]
メルト 目も合わせられない
恋に恋なんてしないぞ 僕は
だって君のことが…好きだよ
やっぱ演奏してるときが一番落ち着くわ。何もかも忘れられる。
「…ふぅ。じゃあ今日は終わるか」
「せやねー。帰ろー帰ろー」
「その前に…琴乃ちゃん?」
姫依がギターを片付けながら俺に声をかけた。琴乃ちゃんってゆーなや!
「なんやねん」
「聞いてないよ?昼休みのこと」
「っ…別に話すことなんてっ」
「素直になろうか?琴乃ちゃん」
悠までノッてきやがった!バカップルめ!嫌いだ!
:09/10/18 19:48
:W65T
:bI0x1XEw
#36 [来栖]
「うるさいなあ!どうでもええやろ!」
「あ、顔真っ赤ー。やっぱりなんかあったんだー」
は?顔真っ赤?誰が?俺が?
「もう嫌や…お前ら嫌…」
「俺ら親友だろ?なんでもお見通し」
悠が肩をポンっと叩きながら言った。
親友って…まぁ確かに仲いいけど…嬉しいわぁ。
あ、やべ、涙出てきそう。
「お前らには叶わんわ…」
白旗があったら速攻で振ってます。はい。
俺は昼休みにあったことを全て話した。
まあまた爆笑されたけどね。
:09/10/18 21:34
:W65T
:bI0x1XEw
#37 [来栖]
部屋に帰ると、みなせが嬉しそうな笑みを浮かべてこっちに走ってきた。
うわぁ、めっちゃ可愛いやんけ
「お帰りなさいっ」
「あー…うん」
「どうしたんですか?」
男に可愛いとか思ってしまう俺は完全にホモか。あのバカップルと同じようになってしまうのか…。
いやいやいや!俺は絶対嫌やぞ!
「いや、別に…っあ!飯食い行こうや。食堂」
「あ、はい!」
ノーマルな俺を思い出せ…絶対ホモだってバレないようにせなあかんわ…。
:09/10/19 08:16
:W65T
:z0LA3opw
#38 [来栖]
「付き合っちゃえばいいのにぃ」
「ぶっ…!」
飲んでいたお茶を吹き出しましたが何か?
今、俺らは食堂にきてる。
で、飯を食っていたときに目の前に会長と副会長が座り始めて会長がいきなりそう言った。
「なっ…に言ってんすか先輩」
「類は、お似合いだと思うけどなぁ」
そう言って天使のスマイルを浮かべてきた。いや、小悪魔か?
「類先輩…知ってますよね?俺がノンケやって」
「うん。知ってるよぉ?竜真も知ってる。ねぇー?たつまー?」
「うん。知ってる」
:09/10/19 08:21
:W65T
:z0LA3opw
#39 [来栖]
青嵐学園の生徒会長が市川 類(いちかわ るい)先輩。
男のくせに可愛い系やから、親衛隊がついとるくらい全校生徒から人気。
まぁ、俺は軽音部やからこうやって仲良く話しとるけど、うかつに会長に近づいたり色目使ったりしたら速攻フルボッコらしい。
うわぁ、怖いわほんまに。
んで、副会長が鈴木 竜真(すずき たつま)先輩。
類先輩とは正反対でかっこいい系。まぁこの人にも親衛隊がついとる。
ちなみにこの二人は付き合ってるんちゃうか?って噂がたっとるけど実際は両方ともフリー。
:09/10/19 08:25
:W65T
:z0LA3opw
#40 [来栖]
親衛隊が怒るもんな。
って、他人の自己紹介してる場合やなくて!
「はっ、ありえへんわ!俺にはかの…っ」
「「かの?」」
「叶●香みたいな巨乳お姉さんがタイプや!」
っぶねー…危うく彼女っていうところやった。
会長が目の前におんのにそんな発言したら速攻退学やぞ。
まぁ…彼女は隣におるけどな。
「…あははっ。何言ってるの琴乃ー。ここは男女交際禁止だよー?ねぇー?たつまー?」
「うん。禁止だ」
「分かってますよ。せやから辛いんですー。あー彼女ほしいわぁ」
:09/10/19 08:30
:W65T
:z0LA3opw
#41 [来栖]
「ねえねえ、みなせくんだっけ?琴乃、どーおもう?かっこいい?素直に言っちゃいなよぉー」
「ちょっ、類せんぱ…」
「いい人ですよ。同部屋で優しくしてくれました。でも、そうゆう感情はこれっぽっちもないです」
みなせから意外な言葉が出た。
みなせはごちそうさま。と呟くと俺らを置いて一人で部屋に帰ってしまった。
「あは。これっぽっちもないんだってさぁー。琴乃かわいそぉー」
「…すんません。先帰ります」
「およ?まだいっぱいあるじゃあん」
「類先輩と竜真先輩で食ってください。それじゃあ」
:09/10/19 08:35
:W65T
:z0LA3opw
#42 [来栖]
なんやねんあいつ!泣きそうな顔してあんなこと言いよって!
ほんま腹立つわ!部屋帰って一発ぶん殴ったるわ。
「おい!みなせ!お前何やっ…みなせ?」
部屋からすすり泣く声が聞こえる。ベッドか?
俺は頭だけを上のベッドに向けた。
「おい。みなせ…って、」
なんで、血?
みなせの腕から血がめっちゃ出てる。
それはシーツにまで染みていて。
「お前何してんねん!ちょお降りろや!」
俺は泣きじゃくるみなせをベッドから降ろしてソファに座らせた。
:09/10/19 08:39
:W65T
:z0LA3opw
#43 [来栖]
「なんやねんこの腕」
「ごめっ…なさい……」
リストカットの古傷か?
それを引っ掻いて、血を見た。ってことか?
辺りにカッターはない。
「なんで泣いてんの…?」
「僕…は、美空じゃ、ないから…」
「は?どうゆう意味?」
「…さっき、食堂で……っ」
俺が巨乳の女のがええって言ったこと?
そんなに、つらいこと言ったんか?俺…
「僕、ほんとに琴乃さんが好きなんです…琴乃さんに死ねって言われたら死ねます…だからっ…みんなに堂々と俺の恋人だって…言ってほしいんです…」
:09/10/19 08:55
:W65T
:z0LA3opw
#44 [来栖]
「でも、我が儘だってわかってるから……だけど、あんなにハッキリ言われたら…流石にっ…悲しいです……っ」
「…みなせ」
「ごめんなさい…っ気持ち悪いですよねっ……やっぱり僕たち別れたほうが…っ!」
俺は泣きじゃくるみなせをきつく抱きしめた。
ああ神様。認めますよ。俺はこいつが好きです。離したくないくらい。
「俺が悪かった。ごめんな。うん…認める。好きや。お前のこと」
「ふぇ…」
「みんなにちゃんと言うから…せやから、もう泣くな」
:09/10/19 09:02
:W65T
:z0LA3opw
#45 [来栖]
「えっ…ほんと…に?」
「うん。ほんまに」
あーちきしょう。すっげえ可愛い。
俺もう完全にホモや。あー…ありえへんわ。
でも、みなせならええか。他の奴はありえへんけど。
「嬉しいです…」
ただそう一言呟いてみなせは笑った。
俺はその顔が妙に愛おしく見えて、初めて男にキスをした。
そしたらなんかお互いに照れて笑って。
何回も何回も、確かめるみたいに、キスをした。
腕の傷はあとで消毒してやろう。ただ、今はこんな甘い空気に浸っていたい。
:09/10/19 09:15
:W65T
:z0LA3opw
#46 [来栖]
あのあと、腕の傷を消毒してやってから一緒にベッドに入った。
みなせは初めての環境に疲れたのか、すぐに寝てしまった。
抱きしめた体は改めて考えるとものすごく細くて。
でも、俺はすぐに寝つけなくて色々考えていた。
みなせがどれだけ俺のことを考えているか知った。
俺はどんだけ失礼なことをしていたんだろう。
あいつの気持ちも知らないで…
でもその場しのぎの綺麗ごとでもないし
今は素直に好きって言えるし本当にそう思える。
なんて、考えだしたらキリがない。
俺はある音楽を流しながら眠りについた。
悲恋の歌だけど、好きだから。
:09/10/19 09:22
:W65T
:z0LA3opw
#47 [来栖]
次の日、俺たちは学校に行って堂々と付き合ってることを言った。
まぁ一応軽音部にもファンクラブというものがありまして、軽音部のファンから罵声が飛んできたりもしたけど…まぁ気にしないことにした。
類先輩や南先輩たちもおめでとうって言ってくれた。
まぁ、これでよかったんだろう。
これから幸せな毎日が送れるんやなあ、とか考えていた。
━━━━━のに。
「琴乃…やっと会える」
「伊吹 琴乃…やっと会えるんですね」
これからまた、俺の人生が狂わされるなんて…俺は思いもよらなかった。
:09/10/19 13:35
:W65T
:z0LA3opw
#48 [来栖]
俺とみなせが付き合い始めて一週間。
今度はみなせのクラスに転校生がやってきたらしい。
しかも二人も。
「性格が悪そうでした」
姫依と悠とみなせで教室で昼飯を食っていた時のみなせの言葉だった。
「お前に言われたかねーよ。お前やって人のこと騙して性格悪いやんけ」
「だからそれは琴乃さんがっ…!」
「あーわかっとるわかっとる。せやから言うな」
「あ!一人関西弁でしたよ」
関西弁?俺以外に一人関西人が増えるってことか。
「ふぅん。名前は?」
:09/10/19 15:26
:W65T
:z0LA3opw
#49 [来栖]
「えっとぉ…確か、長瀬 言葉(ながせ ことのは)だった気がします」
ながせ ことのは?
「言葉!?」
あの言葉か!?そんな珍しい名前、あいつしかおらへん。絶対そうや。
俺は勢いよく椅子から立ち上がり、今日を出てA組に向かった。
━━━━━━━━…
A組に着くと、やっぱり俺の思っていた奴がいた。
「言葉!俺や!琴乃や!」
「っ!琴乃やんけー!」
「ちょおお前こっち来いやぁ!」
やっぱりだ。あの言葉だ。幼なじみの。家が隣の。あの言葉だ。
:09/10/19 15:40
:W65T
:z0LA3opw
#50 [来栖]
「おっまえ、こっちくんなら連絡しろや」
「いやぁ、びっくりさせたかってん」
「あははっ!ほんまにー?ははっ。ちょー嬉しいんやけど!またよろしくなぁ?」
「おう。こちらこそ。あ!せや。学校案内してぇや」
「全然ええよ!ほな今から行こか!」
関西に住んでいた時に小さな頃から仲がよかった長瀬 言葉。
お互いにケンカとかして、それでも嫌いにならないで、簡単に言えば心友だ。
そんな奴が同じ学校に転校してきたんだから、テンションなんて上がるに決まってる。
「気に食わねえ。…なぁ?姫依、みなせ」
「うん。みなせが言ってた言葉の意味分かるかも」
「琴乃さんが盗られちゃ…っ!」
:09/10/19 15:45
:W65T
:z0LA3opw
#51 [来栖]
「んでー。ここが理科室。……っと、一通り紹介したけどわからへんとこある?」
「へーきへーき。」
「そ。ならよかった」
もうそろそろ昼休みも終わるし、帰るかなぁ。
そう思って俺は教室に向かって歩こうとした。
そう思ったとき、言葉に後ろから声をかけられた。
「なぁ、琴乃?」
「あー?」
「俺、なんでこの学校入ったと思う?」
「え?引っ越したかなんかやろ?」
「違う」
「は?どうゆうい……っ!」
俺が言葉のほうに体を向けようとしたとき、いきなり壁に体を押し付けられた。
:09/10/19 17:10
:W65T
:z0LA3opw
#52 [来栖]
目線は同じなのに、何故か言葉の体を押し返せない。
強く押し付けられてるから肩が痛い。
「なっ…にすんねん!」
「よかった。人通らんくて。
俺、お前が好きやねん。
せやから、連れ戻しに来た。
地元に帰って、一緒に暮らそう。」
ああ神様。俺が一体何をした?
「は…?お前、頭無事か…?」
「本気やで。俺は」
それだけ言うと肩から手を離してくれた。
まだ肩がジンジンする。あー痛…
「お前をオトして必ず連れ戻す。」
言葉はそう言うと俺を置いて教室へと帰っていった。
:09/10/19 17:14
:W65T
:z0LA3opw
#53 [来栖]
俺は一気に体の力が抜けてその場に座り込んでしまった。
「な…っな……」
なんやねん、どいつもこいつも…!
最近、色々ありすぎやろ!?
次は心友に告白されたやと!?
笑えへんわ。こんなジョーク。
いや、あの目はジョークやない。
本気の目や。
「…も……なんやねん…」
俺はこの後の授業を受ける気力が出なくて、放課後まで屋上でサボった。
部活は行かなあかんわ…うん。
そう思って、教室にカバンとベースを取りにいって音楽室へと向かった。
:09/10/19 17:18
:W65T
:z0LA3opw
#54 [来栖]
「はぁ…」
「琴乃。何があった?」
悠にいきなり話しかけられた。
何があった…って、言われても
「いや、別に。なんもない」
「…そんなに俺らは頼りないのか。うん?」
「そうゆうことやない…」
「言葉…だっけ?あいつなんなの?」
「は?」
「いきなり出てきたと思ったら琴乃に馴れ馴れしく話しかけやがって…」
「言葉を悪く言うなや!」
「はあ!?てめーこの期に及んであいつのことかばうのかよ!?こっちはてめーのことを思って…!」
「うっさいなあ!お前らは“ただの友達”やろ!?無駄に干渉してくんな!」
:09/10/19 17:30
:W65T
:z0LA3opw
#55 [来栖]
あっ、やば。今のは禁句…ぽい。
「や、悠…ちがくて」
「あっそ。お前の気持ちはよく分かったよ。もう二度俺たちに話しかけてくんな。部活もやめるから。…行くぞ、姫依」
「あっ…悠……!」
「…っ!」
俺は、ものすごく、最低なことを言った。
ただの友達なんかじゃない。
悠と姫依は…俺にとって……
気づいたら、音楽室には俺だけしかいなくて。
心にポッカリと穴が開いたみたいで。
情けなくなって、俺は音楽室を出た。
:09/10/19 17:37
:W65T
:z0LA3opw
#56 [来栖]
寮に帰っても誰とも話す気力がなくて、そのままベッドに入った。
みなせが話しかけてきたけど、曖昧な返事で全部返した気がする。
明日からは、もう………
そう考えると何故か涙が出てきた。
ごめんなさいって、ただひとこと言えばいいのに。それなのに言えなくて。
そのまま、一週間が過ぎた。
悠と姫依とは口を聞いていない。
みなせとも口を聞いてない。
このまま、本当に終わってしまうのか。
「琴乃!」
そんな時の昼休み、言葉から呼ばれた。
あ、行かなきゃ…
そう思って俺は席をたった。
:09/10/19 22:11
:W65T
:z0LA3opw
#57 [来栖]
その時だった。
俺の目の前に悠と姫依が立っていた。
「はるか…ひめい…?」
「おい。長瀬 言葉」
悠がそう言うと、いきなり言葉に掴みかかった。
「っおい!悠!なにして」
「おめーのせいだからな!おめーのせいで俺らの仲はぐっちゃぐちゃだよ!おめーは琴乃のなんなんだよ!あぁ!?」
「いきなりなんやねんこいつ…琴乃は俺の幼なじみで、俺の片思いの相手や」
言葉は表情を変えずにそう言った。
その言葉を聞いた悠と姫依がこっちを向いた。
「片思い?そうなの?」
:09/10/19 22:16
:W65T
:z0LA3opw
#58 [来栖]
「えっと…」
「何が片思いの相手だ!お前になんか渡さねーからな!琴乃には間凪 みなせっていう恋人がいるんだからな!だからもう琴乃に近づくな!」
悠はそれだけ言うと、言葉を掴んでいた手を離して俺のほうに向かって歩いてきた。
「ふぅん。そうなんや。まー奪うけどな」
「は…?」
「せやから、琴乃をそいつから奪う言うてんねん。そんで地元に連れ戻す。しばらくの間は友達ごっこやってな。ほなねー」
言葉はそれだけ言うと自分の教室へ帰っていった。
俺はどうしたらいいかわからず、その場に立ち尽くしていた。
:09/10/19 22:21
:W65T
:z0LA3opw
#59 [来栖]
「琴乃……ごめんな」
一番、俺が言いたかった言葉。
「ごめんね?琴乃」
俺が言わなきゃいけない言葉。
それを、悠と姫依は言った。
「俺も…ごめん。お前らと友達やめたくない…」
「友達じゃねえよ。真友、だろ?」
そう言って悠は笑った。
俺は、ものすごく、幸せ者だ。
俺と悠たちとの仲はそんなに長いわけじゃない。
でも、本当に信じれる奴ら。
俺は、悠と姫依を失ったら生きていけないって、口を聞かなかった一週間そう感じていた。
でも今はその二人と会話をしている。
それだけで、上手く呼吸が出来る。
:09/10/19 22:30
:W65T
:z0LA3opw
#60 [来栖]
「あいつと琴乃が幼なじみだって知らなくて…ちょっと暴走しすぎた」
「俺も…琴乃が盗られちゃうんじゃないかって、思った」
悠と姫依がお互いにそう言った。
そんなに、俺のこと考えてくれてたんだ…
それだけでも、嬉しい。
「どこにも行かへんよ。俺にはお前らが必要やから」
素直に、俺はそう言った。
今日からまた前みたいに一緒に飯食ったり、部活行ったり、寮で遊んだり…
それが出来るんだ。
それを考えただけで嬉しくなる。
勝手に笑みが零れる。
「また、よろしくな」
「おう」
:09/10/19 22:36
:W65T
:z0LA3opw
#61 [来栖]
「間凪 みなせ…ねぇ。……あいつか」
あいつは一体何を考えているんだろう。
「間凪 みなせ?」
「ふぇ?…あ、転入生さん……」
「転入生ちゃうよ!長瀬 言葉!よろしくな」
あいつは一体、何をしようとしているんだろう。
「よかったら仲良くしよーや!」
いくら考えても、答えは出なかった。
:09/10/20 07:14
:W65T
:eV.h/AM.
#62 [来栖]
寮に帰ってから、俺はみなせにも謝った。
そしたらみなせは「大丈夫」って言って笑ってくれた。
だから、抱きしめてあげれなかった分たくさん抱きしめてやった。
「あ、せや。俺類先輩に呼ばれてたんや。ちょっと行ってくるな」
「あ、はい。なら僕、悠さんたちと先にご飯食べてますね?」
「ん。了解」
━━━━━━━━…
「402号室はー…っと、あら?」
階を上がって4階。類先輩と竜真先輩の部屋に向かう途中、ある物置から音が聞こえた。
:09/10/20 07:22
:W65T
:eV.h/AM.
#63 [来栖]
「なんや…?」
もしかして、幽霊!?
俺は少しだけびびりながらもその物置のドアを開けた。
中から出てきたのは、上半身裸の…
「お、んな…?」
そう呟いたときに勢いよく腕を引っ張られ物置の中に連れ込まれた。
うわ。真っ暗でなんも見えな…
「なんでおんながこっ……んーっ!」
「静かにして。チクったら殺す」
口元を押さえられながら耳元でそう囁かれた。
声のトーンは女なのに男にも聞こえる。
わっけわかんねえー!なんでこんなとこに女がおんねん!
:09/10/20 07:27
:W65T
:eV.h/AM.
#64 [来栖]
しばらくして、口元から手を離された。
呼吸困難になるかと思った…。
この隙に逃げなきゃ…!
そう思って、物置を開けて全速力で類先輩の部屋に向かった。
なんで!?なんで女がおるん!?
ここ男子校やろ!?
顔はあんまり見えなかったけど、上半身裸でブラ付けてたから明らかに女やろ!
ああああああもう!最近色々起こりすぎやろ!
物置から数メートル離れた所に、類先輩たちの部屋がある。
俺は勢いよくドアを開けると、類先輩と竜真先輩と言葉がいた。
:09/10/20 08:11
:W65T
:eV.h/AM.
#65 [来栖]
「わ!すっごい汗!どこから走ってきたのぉ?」
類先輩が一番に声をかけてくれた。
女がいた!って言おうと思ったけど、大事になってめんどくさくなりそうだったからやめた。
面倒事は嫌いや。
「あ、いや、あはは…。で、なんで俺呼ばれたんすか?」
「あ、紹介するねぇ。長瀬 言葉くん。生徒会委員になったからぁ」
類先輩はいつもみたいな甘えた声で言葉を紹介してきた。
まぁ、知ってるんやけど…。
「類。言葉は琴乃の幼なじみだ」
竜真先輩が眼鏡を指で上げてからそう言った。
言葉から聞いたのかな?
:09/10/20 08:18
:W65T
:eV.h/AM.
#66 [来栖]
「あ、さっき言ってたよねぇ。あははー。忘れちゃってたぁ」
類先輩…その天然はネタですか?
いや、本気だろうな…。
なんて考えていると、後ろのドアが開いて勢いよく誰かが入ってきた。
「遅れてごめんなさいっ!」
ん?この声…
「あー!待ってたよぉ!大丈夫?道迷わなかったぁ?」
「はいっ!大丈夫でした!」
そう言って、言葉の隣に立ったそいつは
さっき会った女だった。
いや、でも今の格好は完璧な男。
男装…ってやつか。
:09/10/20 08:22
:W65T
:eV.h/AM.
#67 [来栖]
「おま…っ」
「あと、秋姫 未亜(あきひめ みあ)くん!この人も転入生で、生徒会委員になったからねっ」
俺の呟きは類先輩の声にかき消された。
未亜って…明らかに女じゃねえかよ。
でもバレてない…。
こいつ、なんか企んでる?
「てゆーか、なんで俺に紹介するんすか?俺生徒会委員やないし…」
「えー?琴乃は類のお気に入りだからだよぉ?」
「あーはいはいそれは光栄ですわ。それじゃあ」
「ちょっとぉ!信じてないでしょお!」
:09/10/20 08:27
:W65T
:eV.h/AM.
#68 [来栖]
「俺、食堂で悠たち待たせてるんで行きますわ。ほな」
自分勝手かもしれない。でも、色々なことがありすぎてイライラする。
なんやねんどいつもこいつも。
信じてた心友には告白されるし、女はいるし…
ありえへん。ほんまに。
俺は類先輩たちの部屋を出ると、食堂に向かった。
途中で南先輩と奈津先輩に会ったから一緒に行った。
「一緒にいーい?」
「あ、全然いいですよ」
みなせたちは飯を食べてる途中で、南先輩たちと一緒に食べることになった。
:09/10/20 08:33
:W65T
:eV.h/AM.
#69 [来栖]
「最近疲れてんなぁ。大丈夫か?」
奈津先輩がお茶を飲みながら俺に聞いてきた。
正直言って、ダメかもしれない。
でも、崩れないでいれるのはみなせたちがいるから。
「一応、大丈夫です」
「なんかあったらすぐ言えよ?お前は大事な後輩なんだから。なぁ?南」
「うん。そうだよ。悠たちもね?」
「ありがとうございます…」
俺は、先輩にも恵まれてると思う。
そう考えたら、ちょっとだけ体が軽くなった気がする。
こんなうだうだ悩んでる俺なんか俺やない!
悠たちとも仲直りしたんや!元気出さなアカンわ!
:09/10/20 08:38
:W65T
:eV.h/AM.
#70 [来栖]
「よっしゃ。元気でた!」
「よし!それでこそ琴乃だ」
奈津先輩がそう言って俺の頭を撫でた。
やっぱり優しいな、奈津先輩は。
明日から部活も勉強も頑張ろ!
それから、言葉にもハッキリ言おう。
俺は帰らないって。
そんであの女はシカト!
バレるのも時間の問題やろ。
「よっしゃ!今日はオールで大富豪大会やでえ!」
「一人でやってろ。俺は姫依とラブラブするから」
「はぁあぁあ!?なら俺やってみなせとラブラブするからええわ!このバカップルがぁ!」
「お前に言われたかねーよ!」
:09/10/20 08:43
:W65T
:eV.h/AM.
#71 [来栖]
「ごめん。お前の気持ちには答えられへん。お前は心友やから…うん」
俺は次の日、言葉にそう言った。
そしたら言葉は何も言わずに俺に背中を向けて歩いていってしまった。
これでええのかな…。
でも、これからは心友としてまた昔みたいに仲良く出来たらええな。
…なんて、そんな甘い考えをしていた俺がバカだったのかもしれない。
「…あ、あれ、みなせと言葉じゃん」
俺らが体育で、校庭に向かう途中理科室から出てくるみなせと言葉がいた。
それはもう、仲良さげに。
:09/10/20 13:07
:W65T
:eV.h/AM.
#72 [来栖]
「仲良さそうだねえ」
姫依がそう言って、嬉しそうに笑った。
あれは、仲がいい、でいいのか?
さっきっから見てるとみなせにベタベタ触ってるし。
あいつは何がしたいねん。ていうかみなせも触らせんなよ。
「おい。顔こえーから」
隣から悠に声をかけられた。
え、俺、そんな顔してた?
「あんま睨むなよ。あとで聞いてやるから」
そう言って悠は俺の腕を引いて校庭へと向かった。
ていうかなんやねんあの光景。ありえへん。
:09/10/20 13:11
:W65T
:eV.h/AM.
#73 [来栖]
勿論体育なんか集中することなんて出来ずにずーっとあいつらのことを考えていた。
あー…あかんわほんまに。
嫌な予感がずーっとグルグルしてる。
━━━━━━━━…
「あれ、どう思った?」
「…あぁ、移動教室の」
俺は昼休みに、悠と姫依に話した。
ていうか、いつも昼休みはこっち来てたみなせが来てない時点でおかしい。
しかも言葉だ。何するかわからへん。
今日だって無言で教室帰ってもーたし…
「仲良さそうだとは思ったけど…うん」
コーヒー牛乳を一口飲むと、複雑な表情で姫依は言った。
:09/10/20 13:22
:W65T
:eV.h/AM.
#74 [来栖]
「せやんなぁ…」
「よし、俺が長瀬んことぶっ飛ばして…」
「ちょー!悠!やめろ!次は退学やぞ」
「うう…だけどさぁ、」
「んー。俺なら聞いちゃうけどね」
…………え?
今、悠でもなく姫依でもない声が聞こえたような…
「まっ、前澤!なんでお前ここにおんねん!」
「まーまーいいじゃねえか。で、間凪がどうしたって?」
こいつ…自分が教師だって忘れてへんか?
ちなみに2-B担任で数学教師の前澤 樹紀(まえざわ たつき)。
24歳っていう若い年齢で顔がいいからよく生徒から告白されるらしい。
:09/10/20 14:40
:W65T
:eV.h/AM.
#75 [来栖]
「はぁ…色々あるんですー」
「あ、そういえば間凪さっき見たぞ」
前澤が何か思い出したように言った。
見た?どこで?
「っどこで!?」
「中庭に、長瀬と」
前澤が言った言葉を疑った。
いや、なんで?なんで言葉とみなせが?
「…あんのやろぉ…!」
悠が勢いよく立ち上がるとそれにつられて俺と姫依も立ち上がった。
さすがに、話さなあかんわ。
「あ、悠だけじゃねーぞぉ。姫依も琴乃も次なんかしたら退学だからなー」
後ろから前澤がそう叫んだ。
退学は嫌やなぁ…せやけど、話し合いしに行くだけだし。
:09/10/20 14:44
:W65T
:eV.h/AM.
#76 [来栖]
「「「ていうか、名前で呼ぶな!」」」
「あ、バレた?」
あんなアホヤンキー教師はほっといて、俺たちは中庭に向かおうと教室を出た。
その時、みなせと言葉が教室に向かって歩いてきた。
「…長瀬。ちょー待てや」
悠が言葉を睨みながらそう言った。
悠の機嫌の悪さに気がついたのか、みなせから笑顔が消えた。
「…なに?」
「お前、なに人様のもんに手ぇ出してんの?」
「は?普通に隣歩いてるだけやん。友達やのにあかんの?」
「…みなせにベタベタしてんじゃねーよ」
:09/10/20 14:50
:W65T
:eV.h/AM.
#77 [来栖]
姫依も機嫌が悪いのか、口が悪くなっている。
俺は黙ったまま、言葉とみなせを交互に見ていた。
「はぁ?ベタベタなんかしとらんて。あなたたちの目は節穴?」
「てんめぇ…さっきから黙って聞いてたら…っ!」
「…っ!あほ!姫依やめっ…!」
完全にキレた姫依が、言葉の胸ぐらを掴んで殴りかかろうとした。
その時、誰かが姫依の手を止め、もう一人が俺らと言葉たちの間に入った。
「っ…類先輩……竜真先輩…」
止めに入ったのは類先輩と竜真先輩だった。
それでも姫依は未だに殴りかかろうとしていた。
:09/10/20 14:54
:W65T
:eV.h/AM.
#78 [来栖]
「っ…類先輩!離してくだ」
「姫依、退学になりたいのぉ?さすがに次は僕たち面倒見れないよぉ?」
「…!……すみません…」
類先輩の言葉で、姫依は冷静さを取り戻したのか素直に腕をおろした。
類先輩たちが来なかったら確実に姫依は言葉を殴ってた。
そしたら退学決定だ…。
「はぁ…関東の奴は血の気が多い奴ばっかやなぁ。……まぁ、ええわ。みなせ、行こ?」
「あ…っでも、」
言葉は制服の乱れを直すと、みなせの腕を引っ張って俺らに背中を向けて歩いていってしまった。
:09/10/20 15:01
:W65T
:eV.h/AM.
#79 [来栖]
俺はその光景をただ、見ることしか出来なくて。
なんていうか、悲しいんだけど、何故か虚しくて、情けなくて。
「琴乃。とりあえず生徒会室に行こう。ここじゃ話にならないから」
竜真先輩にそう言われると、俺は一回頷くだけで類先輩たちに着いていった。
確かに生徒会長と副会長が2年の階にいるんだもんな。
そりゃあ大騒ぎにもなるわ。
━━━━━━━━…
「だめだよぉ。“また”暴力で解決しようとしちゃあ。
でも姫依がキレてるとこ久々に見れて面白かったぁ!」
類先輩が困ったように俺らに言った。
確かに、俺と悠だって姫依がキレたのを久々に見た気がする。
:09/10/20 15:06
:W65T
:eV.h/AM.
#80 [来栖]
「それよりさーあ、なんか訳ありっぽいねぇ。どしたの?」
類先輩が近くにあったチョコレートに手を伸ばしながら聞いてきた。
「実は…」
俺は素直に、言葉とあった事を話した。
告白されて断ったらいきなりみなせに近づきはじめた、と。
「うぅーん…これはまたなんかありそうだねぇ……ねぇ?竜真?」
「あぁ。ありそうだ」
「でもみなせと言葉は同じクラスなんしょ?なんも言えないよねぇ」
なんも言えない。
確かにそうだ。本当に友達として関わっていたら?
俺らの勘違いだったとしたら?
:09/10/20 17:58
:W65T
:eV.h/AM.
#81 [来栖]
そしたら俺らは相当、言葉に失礼なことをしてる。
しかもあいつは生徒会委員だ。
類先輩の信じてる奴の一人だ。
それに俺の心友…だった。
自分でもう過去形にしてるなんて、最低かもしれないけど。
「とりあえずさ、もーちっと様子みよ?んで、本当におかしかったら冷静に話しよ?僕と竜真もいるからさ」
「はい…ありがとうございます」
いつもは弟みたいな類先輩だけど、こうゆう時に先輩で年上だと思い知らされる。
その日俺たちは授業を受ける気になれなくて、寮に帰った。
:09/10/20 18:03
:W65T
:eV.h/AM.
#82 [来栖]
俺は自分の部屋に帰らず、悠たちの部屋に行った。
部屋に行っても一言も会話を交わさなかった。
そんな時、悠が口を開いた。
「みなせを信じろよ」
「は?」
「だから、何言われてもみなせを信じろ。みなせはお前の恋人だろ?」
「…」
俺はその言葉に何も言えなかった。
だってあいつは、言葉から離れようとしなかった。
「本音ゆって…今は、あいつがわからへん……何考えてるかも…あほみたいやんなぁ…」
あいつの気持ちがわからない。
どうすればいいんだろう、俺は。
「お前、今日はここで寝ろ」
「え?」
:09/10/20 21:52
:W65T
:eV.h/AM.
#83 [来栖]
「冷静になって、いっぱい考えてからみなせと話しろ」
悠はそう言って、姫依のほうを見た。
姫依も小さく頷いた。
「ああ…そうする。なんか邪魔しとるみたいでごめんな」
「大丈夫。お前の邪魔な行為は今に始まったことじゃない」
「それ…慰めてるん……?」
「ああ。慰めてる」
こんなくだらない会話を交わせるのはこいつらしかいない。
今日は、いっぱい考えよう。
それで、みなせと話し合おう。
そろそろ、けじめつけなあかんわ。
:09/10/20 21:55
:W65T
:eV.h/AM.
#84 [来栖]
次の日の放課後、部活が終わった後に俺は寮に帰ってみなせと話すことにした。
そのせいか部活の時間が異様に短く感じた気がする。
きっと、気のせい。
でも何故か寮に帰る足どりは重くて。
寮に近づくにつれて上手く呼吸が出来なくなってきた。
なんか、嫌な予感がする。
きっと、勘違いだと信じたい。
━━━━━━━━…
「みな…せ、」
俺は意を決して部屋のドアを開けた。
目の前に広がったのは、信じたくない光景。
:09/10/21 08:21
:W65T
:xeW3uJ.U
#85 [来栖]
嫌な予感は勘違いなんかじゃなかった。
みなせと言葉が、キス、しようと、してた。
俺がドア開けなかったら、確実にしてた。
それくらいの距離だった。
「っ!琴乃さ……!」
「はっ…ははっ……」
本気で惚れていたのは、本気で恋愛をしていたのは、俺のほうだったのかもしれない。
自分が情けなくて、笑える。
みなせを信じろ。ったって…無理やで、悠。
「…もうええわ。別れよう。二人とも俺に話しかけてくんな。悠と姫依にもな」
俺はそれだけ言うと自分の部屋を出ていった。
:09/10/21 08:25
:W65T
:xeW3uJ.U
#86 [来栖]
向かった先は、悠と姫依の部屋。
不思議と、悲しくなくて。
涙は、出なくて。
「琴乃…どうし」
「もう…無理っ……!俺がなにした…?なぁ、悠…」
「ちょ、おま、中入れ」
━━━━━━━━…
悠と姫依の姿を見たら、一気に涙が溢れて、本心を言った。
二人は黙って聞いてるだけで。
それでも一緒にいてくれるから、それだけでも助かる。
「みなせを信じれなかった…、だって、あんなの…っ」
「…俺がお前だったら、信じれなかったよ」
そう、悠は言った。
:09/10/21 08:31
:W65T
:xeW3uJ.U
#87 [来栖]
「もう…ええねん。俺にはお前らがいるから…」
しばらく話していたら落ち着いた。
もうしばらく、あいつらの顔は見たくない。
「ありがとう…うん」
「今日もここで寝てけよ」
「え?でも…」
「あいつらがそうゆうことしてた部屋で寝れるの?」
「うう…」
俺は悠と姫依の言葉に甘えて、その日もこの部屋で寝ることにした。
ありがとう。悠、姫依。
一番頼りになる、俺の真友。
:09/10/21 08:35
:W65T
:xeW3uJ.U
#88 [来栖]
嫌なことは立て続けに起こるものらしい。
「おーい。琴乃ーA組の秋姫が呼んでんぞー」
「うげ…」
「何、知り合い?」
「いや?知らんわ」
あの女か。そういえば物置の時以来会ってない気がする。
秋姫 未亜は目が大きくその上天然キャラなのでファンクラブが出来たらしい。
くだらんわ。
「…なに?」
「あ、これ。前澤先生に頼まれたので持ってきました」
そう言ってプリティースマイルを振りまいてきた。
うわ、きも。
:09/10/21 13:07
:W65T
:xeW3uJ.U
#89 [来栖]
ていうか前澤もなんでこいつに頼んだんや。
んで秋姫もなんで俺呼んだんや。
「あーありが、」
「…あなた、恋人と別れたらしいわね?なら、全力であなたをオトすから。覚悟しててね?」
腕を引っ張られ耳元でそう言われた。
オトす?誰を?俺を。
「それじゃあ、失礼しますっ」
俺から手を離すとまたスマイルを振りまいて隣の教室に向かって走っていった。
「秋姫 未亜かわいいよなー」
「女みてぇだよな」
後ろから色々と声が聞こえた。
あいつは女や。なのに、俺、オトすって言われた。
:09/10/21 13:10
:W65T
:xeW3uJ.U
#90 [来栖]
「琴乃、何言われたん?」
悠が俺の肩を叩きながら問いかけてきた。
「あー。なんか前澤からプリント預かってたらしくて」
「ふぅん。でもなんで琴乃?」
「さぁ?俺様かっこええから話してみたくなったんやろ」
「死ねば?」
「悲しいくせに」
まるで俺ばっかが狙われてるみたいで、情けなく感じる。
もうこの際チクるか?
いや、でも証拠は?って言われたらめんどいし、ファンクラブの奴らにボコボコにされそうやな。
:09/10/21 13:14
:W65T
:xeW3uJ.U
#91 [来栖]
ありえへん。ありえへん。
なんやねんどいつもこいつも。
あーイライラする。
「あ、前澤だ。座れよ」
悠に肩を叩かれ一気に意識が現実に戻る。
次は数学か…。
そう思って、体を自分の席のほうに向けた。
「おい、伊吹」
「…前澤?なに?」
「お前、昼休み、理科室来い」
前澤はそれだけ言うと教卓に向かった。
あ、俺も自分の席行かな。
今度は前澤?もう、なんやねん。
誰も信じれない。今度は何されるんやろ…
そろそろ俺の貞操がやばい気がする。
:09/10/22 08:35
:W65T
:Ijm2aOgk
#92 [来栖]
昼休み、俺は悠と姫依を置いて理科室に向かった。
いつもは閉まっている教室なのに、今日は開いていた。
前澤、もう来てるんか?
俺はゆっくり理科室のドアを開けて、薄暗い教室に入った。
前澤はある机に座っていた。
「前澤?なんやねん、呼び出して」
「秋姫 未亜のこと」
その名前を出されると、急に体が強張った。
「あいつ、女だろ?」
「え?」
「センセー様をなめるなよ」
前澤は、秋姫のことを女だって見抜いたらしい。
なら、なんで…
:09/10/22 08:41
:W65T
:Ijm2aOgk
#93 [来栖]
「なら、なんで理事長に言わんの?」
「それがよぉ…秋姫ん家めっちゃくちゃ金持ちで、転入するとき有り余る金をもらったらしくて。理事長もそれじゃあ頭あがんねーだろ」
有り余る金…か。所詮は金なんやな。
この学園はクズの集まりやな。
「…まぁ、どうしたもんかねぇ」
「知らんわ」
「それにお前、間凪と別れたんだってな?」
なんでそこまで噂が回るの…。
ていうか噂回るの早くない?
「ああ…そうやけど。それがなに?」
:09/10/22 08:46
:W65T
:Ijm2aOgk
#94 [来栖]
「気を付けろよ。ノンケだった軽音部の伊吹 琴乃はホモになりました。しかもフリーです。狙い放題喰い放題です」
前澤はふざけたようにそう言った。
ふざけんな。今は誰も信じられへんのに誰が知らん奴と話すか。
そう思ったときに、一瞬教室が明るくなった。
「っ…!なんや?!」
「カメラ…?」
理科室のドアのほうに視線を向けると誰もいなくて。
なんやねん、いきなり。
「…気にしないほうがいい」
前澤はそれだけ言うと、先に理科室を出ていった。
:09/10/22 08:52
:W65T
:Ijm2aOgk
#95 [来栖]
あれは確かにカメラのフラッシュだった。
でも、俺らを撮ったわけじゃないかもしれない。
廊下でふざけてて…とかあるかもしれない。
俺はすぐに教室に戻って、悠と姫依と昼飯を食べた。
途中、仲良さげに中庭で昼飯を食ってる言葉とみなせがいた。
胸が痛いのは、知らないフリをした。
━━━━━━━━…
「ふふ。順調順調。このままいけば琴乃さまをあたしのモノに出来るわ…」
運命は変えられない。
「このままいけば、琴乃を俺のモノに出来る…それまで付き合ってもらうで、間凪 みなせ」
例え、愛おしい人が辛い思いをしても。
:09/10/22 08:57
:W65T
:Ijm2aOgk
#96 [来栖]
次の日、俺はいつもみたいに悠と姫依と学校に行った。
昇降口に行くと、何故か掲示板に人がたくさん集まっていた。
「なんだ?」
悠が人ごみを掻き分けて掲示板の前に行った。
俺と姫依もそれについていった。
見えたのは、ありえない、記事。
「は…?」
“理科室で密会!?大人気教師「前澤 樹紀」軽音部「伊吹 琴乃」青嵐学園最大のカップルか!?”
俺と前澤が写ってる写真と、大きく文字が書かれてあった。
この紙は色々な所に張ってあって、知らない奴はいないくらいになった。
:09/10/22 10:44
:W65T
:Ijm2aOgk
#97 [来栖]
写真は、昨日の写真だった。
やっぱりあのカメラのフラッシュはそうだったんだ…
「ははっ…あははははっ!まじウケんだけど!」
悠がその紙を破りながらいきなり笑いはじめた。
やべ。なんか俺まで笑えてきた。
くだらない。くだらなすぎる。
「ぎゃははははは!理科室で密会やって!誰が前澤と付き合うかって!ははははっ!」
「だよねー!琴乃が前澤と付き合うとかありえないってー!」
きっと俺らは頭がおかしい奴らにしか見えない。
でも悠も姫依も目が笑ってない。
キレてる。
:09/10/22 10:49
:W65T
:Ijm2aOgk
#98 [来栖]
「ははっ…あー笑った!そろそろ行こうぜー」
悠がそう言うと姫依も俺も笑うのをやめてまた人ごみを掻き分けながら廊下を歩いた。
「邪魔だよ。きめえな」
「見てんじゃねーよ!」
教室に行くまで、他の奴らの視線が痛かった。
けどそんなのは悠と姫依が暴言で取っ払った。
あーくだらない。
最近色々ありすぎてもう慣れた。
誰がやってるかも、全部わかってる。
でも知らないフリをする。
きっと、みなせと別れて心に穴が開いたからだろう。
何も思わなくなった。
:09/10/22 10:55
:W65T
:Ijm2aOgk
#99 [来栖]
「ほらぁー席つけぇー」
前澤がHRのために教室に入ってくると、色々な声が聞こえてくる。
あの噂が本当なのかと。
「先に言っとくけど、俺はこと…伊吹と付き合ってないから。俺はてめーらみたいな性欲満タンのガキになんか興味ねーんだよ。わりぃな。そんじゃ、出席取りまーす」
前澤がそう言うと、一気にざわめきが止まった。前澤のファンクラブの奴らは泣きそうな顔をしていた。
はは、きも。ざまーみろ。
まあ、授業受けてる間も俺に向けられる視線は冷ややかな視線だらけで。
:09/10/22 14:15
:W65T
:Ijm2aOgk
#100 [来栖]
まぁ、慣れた。
昔に色々あったせいか、冷ややかな視線に見られるのは慣れている。
昔だったら一人ずつぶっ飛ばしてたんだけどな。
今はそんなことしたら退学だ。
昔に暴れすぎたな…。
授業は軽く流す程度で聞いていたら、いつの間にか昼休みになっていた。
いつも通り、悠と姫依と昼飯を食おうとした。
その時だった。
「あ、きひめ…」
ドアのほうにふと、視線を向けると秋姫がいた。
明らかに俺を呼んでいる。シカトしてやろうかと思ったけど、視線が合ってしまったから出来なくなってしまった。
:09/10/22 14:19
:W65T
:Ijm2aOgk
#101 [来栖]
「な、んやねん、お前」
「大丈夫ですか?変な噂流されて…」
大きな目をうるうるさせながら俺を見てくる。
ふざけるな。ふざけるな。ふざけるな。
「ふざけんなよ…」
「え?」
「この噂も!今俺のまわりで起きてることは全部お前と言葉がグルになってやってるんやろ!?そんなに俺のことが嫌いなら構うなや!」
思っていたことが不思議とスラスラ口から出てきた。
結構大きい声を出したから、教室が一気に静かになった。
「もう…やめてくれよ……」
:09/10/23 10:40
:W65T
:li7W/cro
#102 [来栖]
「僕、噂なんて流してな…」
「何言っても無駄や。二度と俺の前に面出すな。吐き気がする」
俺は思いっきり秋姫を睨むと、教室のドアを閉めた。
教室からはサイテーだのひどいだの聞こえてくる。
そいつらにまでイライラする。
「文句あんなら直接言えや。坊ちゃんらにはわからんか?お前らが何人集っても俺に勝てるわけないから」
あーイライラする。授業出たくない。
屋上行こ。
悠と姫依は置いていこう。
今は一人になりたいから。
:09/10/23 10:44
:W65T
:li7W/cro
#103 [来栖]
屋上に出ると、柔らかい風が頬に触れてなんとなく気持ちいい気がした。
俺はフェンスに背中を預けて座ると、校庭で自由に遊んでいる奴らを見た。
あー腹立つ。
みんな死ねばええのに。
みなせ…
「みなせ…ごめんな、」
今、この場にみなせはいないのに。
出来ることなら、あいつを信じてやりたかった。
でも、俺はバカだから、自分から離れていった。
心に残るのは、後悔ばかりで。
「…あかん」
やっぱり、みなせが好きや。
諦めきれない。
みなせとの恋愛を一番本気でしていたのは俺のほうかもしれない。
:09/10/24 12:35
:W65T
:TzjrFHn.
#104 [来栖]
みなせに謝って、今度は俺から告白しよう。
そう思って、屋上のドアに向かおうとした。
「っ…!」
目の前でドアが開くと、視界に入ってきたのは俺が今一番会いたかった人。
「みなせ…」
「琴乃さ………!」
「っ!おい!?どうした!?」
みなせは俺の顔を見るなり涙を流した。
どうしていいかわからずにとりあえず腕を引っ張ってドアを閉めた。
「なんで泣いてるん?」
「っう……んっ…」
「泣いてたらわからんよ?」
:09/10/24 12:40
:W65T
:TzjrFHn.
#105 [来栖]
出来るだけ優しく声をかけてやる。
すると、みなせがゆっくりと口を開いた。
「ごめ…なさいっ……」
「え?」
「言葉さ…んに、っ……手繋がれても…ぎゅーって…されてもっ…ちゅーされても……っ嬉しくなくてっ……!
なんでも…っ全部、……琴乃さんに…してもらわないとっ…嬉しくないし……幸せじゃなくて…っ!」
みなせは泣きながら、そう言った。
ごめんなさい、って何回も言った。
「みなせ、信じてあげられんくてごめんな。
俺、お前のこと諦めきれないみたい。
とりあえず、
あいつから奪ってもええ?」
:09/10/24 12:53
:W65T
:TzjrFHn.
#106 [来栖]
俺はそう言って、みなせをきつく抱きしめた。
するとみなせは泣きながら俺の背中に腕を回してきた。
「はやく、奪って…」
「はは、上等」
今まで抱きしめられなかった分、きつく抱きしめてやった。
お互い照れくさくて笑ったりもしたけど、それすら幸せだから。
「みなせ、好きや」
「僕もです…」
ここがどこだか忘れた。
そういえば屋上だったな、なんて考えながら俺はみなせに初めて濃いキスをした。
腰が抜けそうなくらいの、甘いキスを。
:09/10/24 12:57
:W65T
:TzjrFHn.
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