■ Heartーfull〈ハート・フル〉■
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#4 [ひよこ。]
***

いつもどおりの朝の公園。

「‥‥‥。」

昔はいつもあなたが
先に待っていてくれたね。

⏰:09/10/27 19:50 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#5 [ひよこ。]
「悪ぃ、待った?」

「ううん、
私も今来たとこ。」

そして笑顔で
迎えてくたね。
最近はあまり笑いかけて
くれなくなったけど‥。

「そか、じゃ、行こう。」

「‥うん。」

⏰:09/10/27 19:52 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#6 [ひよこ。]
前まで繋いでいた手が
今では空いている。

心まで繋がらなく
なっちゃったのかな。

あなたの気持ちを知れたら
こんな不安な気持ちに
ならないで
済むのかなぁ‥。

――心が覗ければいいのに‥。

⏰:09/10/27 19:53 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#7 [ひよこ。]
***

1・はじまり

彼氏、圭介が冷たくなったのは
最近のことだ。
そう、5ヶ月くらい前からかな。

最初は彼、
私といても
落ち着かないって感じだった。

中学1年生からの付き合いで
だいたい5年は
ずっと一緒だったけど、
今までそんなことはなかった。

だからおかしいなって
思ってたんだ。

⏰:09/10/27 19:55 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#8 [ひよこ。]
そしてだんだん
彼が私に触らなくなった。
もちろん、キスも。

思うに‥彼は‥
私以外に好きな子が
いるんじゃないかな‥。

なんとなくだけど、
そんな気がする。

――‥‥。

「‥ころ‥聞いてる?」

⏰:09/10/27 19:57 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#9 [ひよこ。]
「‥ねぇってば!」

「‥山吹こころ!!」

自分の名前を呼ばれて
はっと我に返った。

そうだ、放課後
亜希とお買い物に
来たんだった。

「あっうん。何?」

「この服似合うか
聞いてるのっ。」

亜希はピンクの
ワンピースを
自分に合わせてみせた。

姫系の亜希っぽい
フリルのついたワンピ。

⏰:09/10/27 20:00 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#10 [ひよこ。]
「あ、可愛いと思うよ。」

「ねっ♪
買っちゃおうかなぁ〜。
‥‥‥うわっ高!!
高校生には
無理だよぉ‥。」

「‥‥‥。」

「もぅ、どうしたのー?」

亜希は私の顔を覗きこんで言った。

⏰:09/10/27 20:32 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#11 [ひよこ。]
「‥あっごめん。」

「彼氏のこと?」

「うっ
なんでわかったの?」

「最近こころ、
そればっかりだもん。」

「はぁ‥。」

「倦怠期でしょ?
そのうち回復するよ〜。」

「そうだといいけど‥。」

⏰:09/10/27 20:34 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#12 [ひよこ。]
結局亜希は何も買わずに、
私達はその店を後にした。

そして帰りがけに駅前の
ファーストフード店に
立ち寄った。

「亜希は好きな人とか
いないの?」

亜希はシェイクを
シャコシャコ
掻き回している。

「‥別にー。」

「そうなんだ‥。」

⏰:09/10/27 20:36 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#13 [ひよこ。]
通路の反対側の席の
見知らぬ男子達が
こっちをちらちら
見ている。

時々「かわいくね?」
という声が聞こえる。

また亜希のことだろう。
亜希は小柄で目が
ぱっちりしてて
ふわふわした女の子らしい
雰囲気を持っている。

⏰:09/10/27 20:38 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#14 [ひよこ。]
結構男子からも
告白されてるし、
女の私から見ても
可愛いと思う。

私もこれだけ
可愛いかったら、
圭介もずっと傍に
居てくれるのかな。

「はぁ‥。」

無意識にため息が漏れる。
最近の私は
どうもネガティブ‥。

⏰:09/10/27 20:40 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#15 [ひよこ。]
「あ。」

不意に亜希が声を出した。

「どうしたの?」

「ごめーん。今日この後、
予定入ってるんだったぁ。」

「‥そうなんだ。」

「ほんとごめんねーっ。
じゃね!」

そう言って亜希は
店を出ていった。
見ると夕方5時、
私も仕方なく
帰ることにした。

⏰:09/10/27 20:43 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#16 [ひよこ。]
駅に行くと、
ホームで圭介を見つけた。

「あ、圭介。」

圭介はこちらを一瞥した。
すこし気まずそうな
顔してる。

「‥よぉ。」

⏰:09/10/27 20:44 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#17 [ひよこ。]
「あれ、私服なんだ。
塾帰りなの?」

「‥まぁ。」

「そうなんだ‥。」

「‥‥‥。」

圭介と私は昔より
喋らなくなった。

昔は長電話とか
毎日してたのに。

そういや親に
通話代かかって
怒られたなぁ。

⏰:09/10/27 20:46 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#18 [ひよこ。]
本当は聞きたいことが
たくさんある。

でも圭介を目の前にすると
聞くのが怖くなるんだ。

‥圭介は今何を
思ってるの‥?
‥圭介は今、
誰を、想ってるの‥?


《プルルルル‥》

《間もなく電車が参ります‥》

駅の放送が流れた。

⏰:09/10/27 20:48 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#19 [ひよこ。]
「じゃあ、俺
これに乗るから‥。」

圭介は私からゆっくりと
離れようとした。

私は何故かその時
圭介が他の誰かの所へ
行っちゃうような
気がした。

‥‥行かないで‥!

「‥圭介!」

圭介は歩みを止めた。

「‥なに。」

⏰:09/10/27 20:50 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#20 [ひよこ。]
「‥‥‥。」

「‥おい。」

何か‥言わなくちゃ‥。

「‥圭介‥っ
圭介ほんとは‥。」

「‥‥‥。」

「ほんとはもう‥
私のことなんて‥!」

《ドンッ》

「‥‥っ!?」

⏰:09/10/27 20:53 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#21 [ひよこ。]
誰かが私の肩に
強く当たった。
私はバランスを崩して、
線路に身を投げされた。

「‥こ‥こころ!!」

体が宙に浮いた。
真下は線路だ。

周りの人達の
騒ぎ声が聞こえる。

「キャーー!!」

「危ない!!」

「緊急停車を‥!」

⏰:09/10/27 20:54 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#22 [ひよこ。]
私にはすべて
スローモーションに
感じた。

心の中は
不思議なくらい冷静だ。

《キキィー―――!!》

電車がスピードを
落しながら
それでも速く
近づいてきている。
もう、
これは間に合わない‥。

⏰:09/10/27 20:56 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#23 [ひよこ。]
諦めよう‥。
もう無理だよ‥。
私死んじゃうんだ。
こんなにもあっけなく。

――‥あ、圭介が
必死で手を伸ばしている。
そっか、助けようと
してくれているんだ。

ありがとう圭介。
私、捨て駒じゃなかった
ってことだよね。

それだけ分かったら
十分だよね‥。

⏰:09/10/27 20:57 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#24 [ひよこ。]
ああ‥。
でも‥圭介の気持ち‥
ちゃんと
知りたかったなぁ‥。

⏰:09/10/27 20:58 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#25 [ひよこ。]
目の前が真っ暗になった。

《ガンッ》

鈍い音がして、
私は意識を失った。

⏰:09/10/27 20:59 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


#26 [ひよこ。]
―――‥。

〈君は、
心が覗きたいんだね?〉

朦朧とした夢の中
微かに声が聞こえた。

⏰:09/10/27 21:00 📱:SH705i2 🆔:dngFJfYM


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