■ Heartーfull〈ハート・フル〉■
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#92 [ひよこ。]
5・寂しい公園

《ピピピッピピピッ》

目覚まし時計の
アラームが鳴る。

この音で起きるのは
数日ぶり。

私はあれから検査を受けて
異常がなかった為、
すぐに退院できた。

⏰:09/11/07 17:49 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#93 [ひよこ。]
人の心が覗けるのは
体に何か
異常があるからだと
思っていたけど、
違うみたい‥。

‥このことは人には
言わないことにした。

言っても、頭
おかしいんじゃないかって
信じてもらえない
だろうし‥。

信じてもらえたとしても
きっと私から
離れていっちゃうよ。

誰だって
自分の心は
覗かれたくはないもの‥。

⏰:09/11/07 17:51 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#94 [ひよこ。]
「いってきます。」

誰も居ない家の中に、
私の声だけが響いた。

私の家は共働きだから、
起きた時には皆、
既に仕事に出ていたのだ。

⏰:09/11/07 17:52 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#95 [ひよこ。]
まだ圭介には
―他の皆にもだが―
退院したことは
言ってない。

でも、つい癖で
いつもの公園に
立ち寄ってしまった。

普段だったら
ここで圭介と
待ち合わせて
一緒に登校する。

⏰:09/11/07 17:53 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#96 [ひよこ。]
一緒に行こうと
言い出したのは圭介。
圭介と付き合って
一年目くらいの頃だ。

圭介の家はここから
ちょっと遠い。
圭介にとっては
遠回りなのに
毎日一緒に行ってくれた。

もちろん‥今日は、
圭介は来ないけれど‥。


たださえ殺風景な公園が
いつもより
寂しく感じた。

⏰:09/11/07 17:55 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#97 [ひよこ。]
――‥。
しばらく歩いて
学校に着いた。

静や圭介は
もう学校に
着いているだろうか‥。

静と圭介のクラスは
離れていて様子が
分からない。


《ガララッ》

自分の教室に入ると
皆が一斉に私を見た。

私は視線を
感じながら席に着いた。

⏰:09/11/07 17:56 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#98 [ひよこ。]
すると、真っ先に
話しかけてくれたのは
クラスメートの空だった。

「大丈夫やった!?
事故って聞いたとき
めっちゃ
心配したんやで!!」

空は活発で
サバサバしたタイプの
女の子。

「それが、
ちょっと頭打っただけで
大丈夫だったの。」

⏰:09/11/07 17:58 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#99 [ひよこ。]
「ほんまに!?
もーなんともないん!?」

「うん、ほんまに!」

私達はあははと
笑い合った。

空と一緒にいるのは
とても気楽で
面白いから好きだなぁ‥。

私は周りを見渡して
あることに気がついた。

「あれ‥。
亜希はまだ来てないの?」

⏰:09/11/07 17:59 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#100 [ひよこ。]
「あー‥亜希ちゃん?
来てへんけど。」

〈‥こころはほんまに
あの子と仲良いねんなぁ。
うちは無理やわ。
あの子嫌い‥。〉

空はすこし顔をしかめた。

「空って亜希のこと
嫌いだったの?」

「えっ‥なんで?」

「えっと‥その‥
今、顔に出てたよ。」

「あー‥顔に出てもた?
‥そーなんよ。うち、
あの子嫌いやねん。」

⏰:09/11/07 18:00 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#101 [ひよこ。]
「どうして?」

「だってさぁ‥。
あの子、自分のこと
可愛いーて思てるやん。
うちはそうゆうとこ
生理的に無理やわ。」

「あはは、そっか。
確かにそうゆうところは
あるかも‥。
でもまぁ‥実際に
可愛いから仕方ないね。」

⏰:09/11/07 18:02 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#102 [ひよこ。]
「‥‥‥。」

〈それに‥
こころの彼氏と
よく二人きりで
歩いてるところ
見るしなぁ‥。
友達の彼氏やのに‥
そーゆうとこも
有り得へん‥。〉

「えっ?」

私は思わず声が出た。

⏰:09/11/07 18:03 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#103 [ひよこ。]
「え、どないしたん?」

「ううん、
なんでも‥。」

亜希が圭介と‥。
どうゆうこと‥?
まさか‥‥‥。

ううん、だめ。
友達を疑うなんて‥。
静のことがあって
自分を諌めた
ばっかりなのに‥。

⏰:09/11/07 18:04 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#104 [ひよこ。]
ちゃんと事実が分かるまで
亜希を信じよう。

《ガララッ》

教室のドアが開いた。
入ってきたのは、亜希だ。

亜希は入るとすぐに
私と目が合った。

〈もう退院したんだ。
‥残念。〉

え‥‥?
今のどうゆう意味‥。

⏰:09/11/07 18:05 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#105 [ひよこ。]
亜希はぱっと笑顔になって
私の席に来た。

「退院したんだっ♪
よかったぁ!
心配してたんだよ〜!」

そして空を見た。

「おはよ〜空ちゃん♪」

空は若干苦笑いで答えた。

「おはよぉ‥。」

⏰:09/11/07 18:06 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#106 [ひよこ。]
ん‥?
さっきのは
気のせいだったのかな。

亜希も笑顔だし‥
きっと気のせいね。


学校に着いてから暫くは
いろんな友達に
事故について聞かれた。

助かった訳とか
怪我の具合とか‥。

⏰:09/11/07 18:07 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#107 [ひよこ。]
心配してくれてるのなら
嬉しいのだけれど‥
心を覗くと
ただの興味本位
だったり‥。

本当に心配して声を
掛けてくれる人は
ごくわずかみたい‥。

私は少しだけ疲れを
感じながらも
やっとお昼休みになった。

⏰:09/11/07 18:08 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#108 [ひよこ。]
あれ?
亜希が居ないなぁ‥。

いつもは私と亜希の2人で
お昼を食べていた。
けれど、今は
亜希が見当たらない。

空には
「先に食べてたら
いいやん」
と言われたけど‥
何故か亜希が
何処にいるのか
ちょっと気になった。

⏰:09/11/07 18:09 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#109 [ひよこ。]
私は女子トイレや
他の教室などを
探し回った。

うーん‥。いない。

諦めて教室に戻ろうとして
ふと窓の外に目をやった。

中庭に人が居る‥。
‥あ!亜希だ!

何してるのかな?
とりあえず
呼びかけよう‥。

⏰:09/11/07 18:10 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#110 [ひよこ。]
私は窓を開けようと
手を伸ばした時、
亜希と一緒に居る人に
気がついた。

‥圭介?
なんで圭介と亜希が‥?

私がア然と見ていると、
亜希の手が圭介の
肩に置かれた。

⏰:09/11/07 18:11 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#111 [ひよこ。]
――その瞬間、
亜希がつま先立ちをして
圭介にキスをした。

⏰:09/11/07 18:13 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#112 [ひよこ。]
亜希‥!?

さっき聞いた言葉が
頭の中にこだました。

『こころの彼氏と
よく二人きりで
歩いてるところ
見るしなぁ‥。』

⏰:09/11/07 18:13 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


#113 [ひよこ。]
私は、頭が真っ白になって
それでも足は
中庭に向かっていた‥。

⏰:09/11/07 18:14 📱:SH705i2 🆔:mERY.Lxg


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