無題
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#10 [無名]
あの日以来、すでに半月がたった。街を見回してもクモは、あの八本足の虫はいない。だんだんとだが、クモという生物は私が脳内に作りだした虚構で実際には存在しないものなのだ、とも思えてきた。そうなのかも知れない。クモなんていないのだ、その方が自然である。
しかし、電柱には今もクモの巣がかかり、シルクのベッドの上にはモンキチョウが生々しくしく横たわっていた。クモは存在した。確かにこの地球にいたのだ。悔しいが、認めるしかないようだ。
新月の暗闇の中で、クモの巣はゆらゆらと妖しく揺れていた。不在の主人を顧みることなく。
:09/11/14 00:59
:SO903iTV
:3E7SRBMo
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