太陽と夏の空
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#111 [ラビ]
「ざっと6校くらいですかねぇ〜。しかも坂本と宮本のセットで欲しいっていう学校がほとんどなんですよ。」
…これは監督の声だ。
「ほぅ〜!!スゴいですねぇ!監督である先生も鼻が高いでしょう?」
監督「まぁ〜あれだけの選手ですからね。欲しいのは当たり前と言っちゃ当たり前でしょう。まぁこっちから言わせれば2人のセットが欲しいなんて贅沢ですよ」
:06/08/29 21:47 :W32SA :DG9yfLs.
#112 [ラビ]
「それもそうですねぇ!それに、宮本なんて小学時代にも全国に行ってるみたいじゃないですか。」
監督「宮本と坂本は小学時代に全国をかけた試合で当たったそうだよ。宮本が制したようだが」
「そういえば、坂本も小学時代、ものスゴいピッチャーだって有名だったみたいじゃないですか!!坂本より宮本のほうが良かったんですか?」
:06/08/29 21:53 :W32SA :DG9yfLs.
#113 [ラビ]
この質問に俺はドキッとした。
俺よりヒロキのほうが良かったのか…。
俺はさらに耳を近づけて、監督が話出すのを待った。
監督「坂本と宮本かぁ〜。」
ひと呼吸置いて監督は話だした。
:06/08/29 22:05 :W32SA :DG9yfLs.
#114 [ラビ]
監督「確に坂本もスゴいピッチャーだった。中学に来てもすぐに戦力なれる実力だったし、たぶん、高校に入ってもピッチャーとして即戦力になるだろう。」
「じゃあなんで宮本を??」
…そうだよ監督。
じゃあなんで俺をピッチャーにしなかったんだ…?
:06/08/29 22:19 :W32SA :DG9yfLs.
#115 [ラビ]
その質問に監督はすぐに答えた。
監督「本当は坂本をピッチャーとして使ってやりたかった…。だから最初は宮本と坂本で2人でピッチャーをやらせようと思ったんだが…
なかなかいい内野の選手が見付からなくて、試しに坂本にショートをやらせてみたんだ。
そうしたら坂本もなかなかいい才能の持ち主でな…そのままショートとして使ってみることにしたんだ。
宮本は宮本でピッチャーとしてスゴい才能があるし、文句のつけようがない。
:06/08/29 22:31 :W32SA :DG9yfLs.
#116 [ラビ]
だから、宮本のほうが良かったとか、そういう訳ではないな。」
俺は少しホッとした。
良かった…俺に実力がなかったわけじゃなかった…。
「へぇ〜そうなんですかぁ。でも坂本はずっとピッチャーで周りから騒がれていたのに、いきなりショートやらされたりして、部内で衝突とかなかったんですか?」
:06/08/29 22:39 :W32SA :DG9yfLs.
#117 [ラビ]
監督「それがなかったんですよね。二人は仲が良かったし。でもなぁ…」
俺とヒロキが仲が良いのは本当だ。
“でもなぁ…”?
なんだろう…?気になる…。
監督は言いづらそうに言った。
監督「こんなこと本当は言ったらダメだと思うんですがね、坂本は…宮本がいなかったら確実にエースでしたよ。」
:06/08/30 05:24 :W32SA :2IODb7d6
#118 [ラビ]
その言葉を聞いた瞬間、胸がズキズキと痛んだ。
…え…?
今なんて言った?
宮本がいなかったら…
ヒロキがいなかったら俺はピッチャーやれてたってことなのか…?
俺はなんとも言えない気持ちになって…
その場から動けなかった。
悔しいのか…?
なんなんだこの気持ち…?
:06/08/30 06:47 :W32SA :2IODb7d6
#119 [ラビ]
ピッチャーをヒロキに取られたことなんて
なんともないと思ってた。
ピッチャーに未練なんかないって思ってた。
でも俺…
きっと、心のどこかではピッチャーがやりたかったんだ…。
ヒロキの後なんかじゃなく、
誰の足跡もついてない
キレイなマウンドに…
立ちたいと思ってたんだ。
:06/08/30 06:53 :W32SA :2IODb7d6
#120 [ラビ]
自分の気持ちに素直になってみると
胸が苦しくなった。
“ヒロキに取られたことなんて悔しくない”?
“ピッチャーに未練なんてない”?
…くそ。
悔しくないわけねぇじゃん…。
黙って下を向き、いろいろ考えていると、後ろから足音が近付いてきた。
:06/08/30 07:01 :W32SA :2IODb7d6
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