太陽と夏の空
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#21 [ラビ]
スパーン!!
「ストライク!!!」
さっきから審判はこの言葉しか叫んでない。
入団してから更に3年が経ち、成長した俺はいつも観客の注目のマトだった。
ざわざわざわ…
「やっぱ坂本クンすごいやぁ!!」
「天才は違うなぁ〜」
そんな言葉を小耳にはさむ。
大会の日なんて特にだ。
だが俺は決して満足なんかしなかった。
贅沢だと思うかもしれないが、違うんだ。
俺が目指しているのは…甲子園。
日本一のピッチャーだ。
:06/08/22 22:27 :W32SA :3q6K0Zhc
#22 [ラビ]
そんな時…。
俺の噂にまじって、気になる話を聞いた。
「いやぁ〜坂本ってスゴいなぁ。天才としか言いようがねぇよ。」
「この辺では坂本が一番なんじゃね?」
ここまではいつもの話。
問題はここからだ。
「あっ!なんかさ、この辺の小学校にスゲェ選手が転校してきたらしぃじゃん??」
…スゲェ選手?
「あ〜知ってる!!なんだっけ名前…えーと…」
:06/08/22 22:39 :W32SA :3q6K0Zhc
#23 [ラビ]
「えーと…オレも忘れたわ(笑)」
…なんだ。名前も知られてないヤツか。
「でもスゴいらしいよな。坂本と張るんでないか?」
…名前も知られてないヤツと一緒にすんなよ。
「いやぁ〜坂本抜かすヤツいんのか?(笑)」
…俺を抜けるワケないだろう。
「確か転校した学校って佐倉小学校だよな?それがさ、その学校の関係者によると…」
:06/08/22 22:47 :W32SA :3q6K0Zhc
#24 [ラビ]
ここから先は覚えてない。
というか、聞いてない。
名前もわからないヤツと俺が張る?
夢がデカい俺だけにそれだけは許せなかった。
天才のプライドは負けを許さない。
いい加減にしろ。
そう思ってその場を後にしたから、話は全部聞かなかった。
:06/08/22 22:53 :W32SA :3q6K0Zhc
#25 [ラビ]
…その話がわかったのは、小学校生活最後の試合のときだった。
投球に加えて打撃もカナリ良かった俺は、エースで4番。
俺に影響された周りの選手も結構上手くなり、強くなった俺の学校は優勝候補だった。
「全国も夢じゃないだろう」
いろんな人にそう言われていた。
だから、行けるもんなんだと思ってた…。
:06/08/22 23:07 :W32SA :3q6K0Zhc
#26 [ラビ]
…全国がかかった決勝戦。
なんと決勝戦の相手は俺達と同じ地区の学校だった。
地区予選では運良くブロックが違ったため、顔を合わせることはなかった。
いよいよプレイボール。
両校ともに一歩もひかない激戦だった。
…スパーン!!
「ストライク!!バッターアウト!チェンジ!」
ざわざわざわ…
「ヤベぇ…速ぇよアイツの球…」
この大会でも注目の選手だった俺。
観客もそうだが、相手チームもびっくりしていた。
:06/08/22 23:16 :W32SA :3q6K0Zhc
#27 [ラビ]
『フン、どうだ』
俺は堂々とマウンドに立ち、堂々とプレーした。
《4番、ピッチャー、坂本くん》
響くアナウンス。
俺の打順。
悪いがこの回、点数もらうぜ。
軽くバットを振り、バッターボックスに入る。
ホームランでも見せてやるよ。
そう思って構えた。
相手のピッチャーが
振りかぶって…
投げた。
:06/08/22 23:24 :W32SA :3q6K0Zhc
#28 [ラビ]
…スパーン!
「ストライク!」
…え?
なんだ?…今の?
冗談じゃねぇ。
こいつ…
速ぇ…。
:06/08/23 07:12 :W32SA :armPAhJA
#29 [ラビ]
今現在、5回表。
今までそんなに速くなかったのに…。
…ん?
よく見ると、さっきまでのピッチャーと違うピッチャーだ。
選手交代したんだ。
…にしても、こいつ、なんなんだ?
…スパーン!
「ストライク!!」
俺はこいつの速球に手を出すことが出来なかった。
:06/08/23 07:30 :W32SA :armPAhJA
#30 [ラビ]
続けて投げられる3投目。
ピッチャーが振りかぶって…
投げた。
ものすごい速さでボールが近づいてくる。
…ったくッ 冗談じゃねぇよ!!
俺は思い切りバットを振った。
カキー…ン!!
当たった!!
ボールはどんどん伸びていく。
だが…
ヒュ──────……ポスッ
「アウト!!」
:06/08/23 12:18 :W32SA :armPAhJA
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