太陽と夏の空
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#1 [ラビ]
高校野球の話を書きます☆
スポーツ系の話は初めてなので、上手く書けるか不安ですが、興味のある方は読んでみて下さい(^^)

⏰:06/08/21 23:45 📱:W32SA 🆔:/C1PauSc


#2 [ラビ]
【はじまり】

太陽が照りつける暑い夏。

溶けてしまいそうな暑さの中…

とある球場では白熱した試合が繰り広げられていた。


立ち上がり、試合を見守る観客。



ピッチャーが振りかぶって…

投げた。

⏰:06/08/21 23:49 📱:W32SA 🆔:/C1PauSc


#3 [ラビ]
シーン…


一瞬静まり返る場内。

ボールはキャッチャーめがけて飛んでいく。




スパーン!!!



「ストライク!バッターアウト!」


審判が叫ぶと一気に会場は盛り上がった。

歓声をあげ、選手たちはピッチャーのもとへ駆け寄っていく。

⏰:06/08/21 23:53 📱:W32SA 🆔:/C1PauSc


#4 [ラビ]
ベンチの前では監督とコーチが抱き合い、涙する。



…試合終了。


バッターはチームメイトに抱きかかえられ、泣きながら整列する。


『っっしたっ!!』

両チームは挨拶をかわし、試合終了のサイレンが鳴り響く。



愛川高校 対 白石学園

1対0

この試合を制したのは

愛川高校。

⏰:06/08/22 00:01 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#5 [ラビ]
…俺のいる学校。

俺達は…勝ったんだ。



相手は5年連続甲子園出場の強豪“白石学園”。

この夏の甲子園を賭けた試合で、俺達は勝ったんだ。

10年ぶり、15回目の出場だった。

⏰:06/08/22 00:09 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#6 [ラビ]
かつては甲子園の常連校だった愛川高校。

しかし、10年前に当時の監督は定年退職。


次の年から愛川は、甲子園の土を踏むことがなかった。


そして時がたつにつれて、“強豪 愛川”の名は薄れていき、

ライバル校であった私立の白石学園などに押しつぶされていた。


愛川に変わり、名を轟かせていた“強豪 白石”。

⏰:06/08/22 06:55 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#7 [ラビ]
そして…

愛川は10年の歳月を経て、王者の座を取り戻した。





…夢の甲子園…。


10年ぶりに踏む土は

どんな匂いがするのだろう。

⏰:06/08/22 07:02 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#8 []
この話ぁたし大好きこれからもどん書いてねすごくぃぃ話だからぁたしも野球スキなんだぁだからどん書いてねぇ早く続きが読みたい
ごめんなさぃわがまま言っちゃって…,

⏰:06/08/22 08:22 📱:N901iS 🆔:ldKDvXdA


#9 [ラビ]
さん~めちゃめちゃ嬉しいですyありがとうフなるべく早めに更新出来るように頑張るので、温かく見守ってて下さいュ~(笑)

⏰:06/08/22 11:54 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#10 [ラビ]
【2章―帰ってきた怪物】

―次の日

新聞やテレビでは愛川高校の話でもちきりだった。


新聞の見出しには

『復活!“強豪 愛川”』

『10年眠り続けた獅子』

などと大きく取り上げられた。


デカデカと載せられた写真。


「こんなにデカく載るなんて大げさだな…」


新聞を見ながら俺はつぶやいた。

⏰:06/08/22 12:11 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#11 [ラビ]
「何言ってるの達矢!地元の人も皆嬉しいのよ☆」


母さんが笑顔で言った。

達矢「愛川はこれからだろ?甲子園で優勝すんだからよ」


母「あはは☆期待してるわよ♪」

母さんの明るい声を聞きながら、俺は自分の部屋に戻った。

⏰:06/08/22 12:16 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#12 [ラビ]
ベッドにころがり、持ってきた新聞を広げる。



『帰ってきた怪物』


大きく書かれた文字の横には


『宮本投手 白石学園を見事完封!』

と書かれていた。


宮本…。


この名前はどの新聞を広げても書かれていた。


達矢「“愛川に宮本あり”か…。」


俺は何とも言えない気持ちだった。

⏰:06/08/22 12:28 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#13 [ラビ]
―次の日


「よう達矢!!」


登校中、後ろから肩を叩かれた。

達矢「なんだ、ヒロキか」


ヒロキ「なんだとはなんだよ!(笑)一緒に行こうぜ☆」


達矢「おう」

俺はヒロキと一緒に教室に向かった。

⏰:06/08/22 12:33 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#14 [ラビ]
こいつは、宮本ヒロキ。

俺と同じ野球部だ。


…そぅ、こいつこそがあの“宮本”。


強烈白石打線を抑えたウチのエース。


俺の親友だ。

ヒロキとは中学の時から野球をやっている。



…そうだ、全ては中学の時から…。

⏰:06/08/22 12:40 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#15 [ラビ]
【俺の過去】

「また上手くなったなぁ〜お前!」

父さんが頭をなでる。


達矢「ボクね、大きくなったらプロ野球選手になるんだ!そして日本一のピッチャーになって…大リーグでも有名な選手になる!」

「そうかぁ、頑張れよ!でもその前に、甲子園があるな☆」

達矢「こうしえん?」


「甲子園はな、日本中の球児の夢の舞台なんだ。父さんも行ったんだぞ!」

⏰:06/08/22 17:21 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#16 [ラビ]
達矢「すごーい!ボクも父さんみたくなれる?」

「なれるさ!お前はすごくいいピッチャーだ!頑張れよ」…




…昨日のことのように思い出される光景。

父さんはいつも優しく俺をなでてくれた。


父さんは愛川高校の出身で、ピッチャーだった。

“強豪 愛川”と騒がれていた時代のエースだ。

もちろん、父さんは甲子園のマウンドにあがったことがある。

⏰:06/08/22 17:28 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#17 [ラビ]
俺はそんな父さんに憧れて野球を始めた。

いつも父さんの後ろにくっついて、ヒマさえあればキャッチボールの相手になってもらっていた。


「よし!今の球はいい球だ!」


俺は父さんに誉めてもらえるのが嬉しくて、夢中になってボールを投げた。

⏰:06/08/22 21:51 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#18 [ラビ]
小学3年になった頃、俺は小学校の野球少年団に入った。

小さい時から野球をしていた俺は、ひときわ目立った存在だった。





…スパーン!!

「ストライク!!バッターアウト!」


わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ


「あの子スゴいよ、もうこれで三振10コ目…」

「こんないいピッチャーがいたなんてな…小学生にしては速すぎだろ」

⏰:06/08/22 21:58 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#19 [ラビ]
「なんだっけ、あの子の名前…。あっ坂本達矢クンだって!」


…小学生にしては速すぎる速球に完璧なコントロール。

俺は入団してすぐにエースになった。


「いゃぁ〜達矢!お前はスゴいピッチャーだ!!こんなピッチャー今まで見たことないぞ!ウチの学校の名物だな!」


いつも監督にはそう言われ、父さんも俺も誇らしげに笑ってた。

⏰:06/08/22 22:05 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#20 [ラビ]
“天才”


そう呼ばれていた。


“坂本達矢”


もはや地元で俺を知らないやつはいないと言って良かった。



俺も父さんに近づいているようで嬉しかった。

『早く“こうしえん”に行きたい』


毎日のように思ってたある日のこと。


それは、小学6年生になってからのことだった。

⏰:06/08/22 22:14 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#21 [ラビ]
スパーン!!

「ストライク!!!」


さっきから審判はこの言葉しか叫んでない。

入団してから更に3年が経ち、成長した俺はいつも観客の注目のマトだった。


ざわざわざわ…

「やっぱ坂本クンすごいやぁ!!」

「天才は違うなぁ〜」


そんな言葉を小耳にはさむ。

大会の日なんて特にだ。

だが俺は決して満足なんかしなかった。


贅沢だと思うかもしれないが、違うんだ。

俺が目指しているのは…甲子園。

日本一のピッチャーだ。

⏰:06/08/22 22:27 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#22 [ラビ]
そんな時…。

俺の噂にまじって、気になる話を聞いた。


「いやぁ〜坂本ってスゴいなぁ。天才としか言いようがねぇよ。」

「この辺では坂本が一番なんじゃね?」

ここまではいつもの話。

問題はここからだ。

「あっ!なんかさ、この辺の小学校にスゲェ選手が転校してきたらしぃじゃん??」


…スゲェ選手?

「あ〜知ってる!!なんだっけ名前…えーと…」

⏰:06/08/22 22:39 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#23 [ラビ]
「えーと…オレも忘れたわ(笑)」


…なんだ。名前も知られてないヤツか。


「でもスゴいらしいよな。坂本と張るんでないか?」

…名前も知られてないヤツと一緒にすんなよ。


「いやぁ〜坂本抜かすヤツいんのか?(笑)」


…俺を抜けるワケないだろう。


「確か転校した学校って佐倉小学校だよな?それがさ、その学校の関係者によると…」

⏰:06/08/22 22:47 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#24 [ラビ]
ここから先は覚えてない。

というか、聞いてない。


名前もわからないヤツと俺が張る?

夢がデカい俺だけにそれだけは許せなかった。

天才のプライドは負けを許さない。

いい加減にしろ。


そう思ってその場を後にしたから、話は全部聞かなかった。

⏰:06/08/22 22:53 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#25 [ラビ]
…その話がわかったのは、小学校生活最後の試合のときだった。






投球に加えて打撃もカナリ良かった俺は、エースで4番。


俺に影響された周りの選手も結構上手くなり、強くなった俺の学校は優勝候補だった。



「全国も夢じゃないだろう」


いろんな人にそう言われていた。

だから、行けるもんなんだと思ってた…。

⏰:06/08/22 23:07 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#26 [ラビ]
…全国がかかった決勝戦。


なんと決勝戦の相手は俺達と同じ地区の学校だった。


地区予選では運良くブロックが違ったため、顔を合わせることはなかった。


いよいよプレイボール。


両校ともに一歩もひかない激戦だった。




…スパーン!!


「ストライク!!バッターアウト!チェンジ!」


ざわざわざわ…


「ヤベぇ…速ぇよアイツの球…」

この大会でも注目の選手だった俺。

観客もそうだが、相手チームもびっくりしていた。

⏰:06/08/22 23:16 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#27 [ラビ]
『フン、どうだ』


俺は堂々とマウンドに立ち、堂々とプレーした。



《4番、ピッチャー、坂本くん》
響くアナウンス。

俺の打順。

悪いがこの回、点数もらうぜ。


軽くバットを振り、バッターボックスに入る。


ホームランでも見せてやるよ。

そう思って構えた。




相手のピッチャーが

振りかぶって…



投げた。

⏰:06/08/22 23:24 📱:W32SA 🆔:3q6K0Zhc


#28 [ラビ]
…スパーン!


「ストライク!」



…え?


なんだ?…今の?


冗談じゃねぇ。


こいつ…



速ぇ…。

⏰:06/08/23 07:12 📱:W32SA 🆔:armPAhJA


#29 [ラビ]
今現在、5回表。

今までそんなに速くなかったのに…。


…ん?

よく見ると、さっきまでのピッチャーと違うピッチャーだ。

選手交代したんだ。


…にしても、こいつ、なんなんだ?





…スパーン!


「ストライク!!」


俺はこいつの速球に手を出すことが出来なかった。

⏰:06/08/23 07:30 📱:W32SA 🆔:armPAhJA


#30 [ラビ]
続けて投げられる3投目。


ピッチャーが振りかぶって…

投げた。


ものすごい速さでボールが近づいてくる。


…ったくッ 冗談じゃねぇよ!!


俺は思い切りバットを振った。


カキー…ン!!


当たった!!


ボールはどんどん伸びていく。



だが…


ヒュ──────……ポスッ


「アウト!!」

⏰:06/08/23 12:18 📱:W32SA 🆔:armPAhJA


#31 [ラビ]
見てくれてる人いるのかなぁ…??
学校とバイトがあるので今日の夜、一気に更新します☆

⏰:06/08/23 12:53 📱:W32SA 🆔:armPAhJA


#32 [ラビ]
俺はバットには当てたが、打ち上げてしまい、アウトになってしまった。



「おしかったなぁ」


ベンチに戻ると監督やチームメイトに言われたが、俺はそんなこと耳に入らず、ただボーっと考えていた。


打てなかったからじゃない。


点をとれなかったからでもない。

ただ気になるのは…

あのピッチャーだ。

⏰:06/08/23 23:00 📱:W32SA 🆔:armPAhJA


#33 [ラビ]
あいつの球…速い。

もしかすると…

…俺よりも…?




気になることは山ほどあるが、試合は待ってくれない。

すぐに守備に入る。



…スパーン!

「ストライク!」


…スパーン!

「ストライク!アウト!!」


俺はまた投げ続け、たくさんの三振を奪った。

⏰:06/08/23 23:06 📱:W32SA 🆔:armPAhJA


#34 [ラビ]
両校一歩もひかない大接戦。


そして迎えた最終回。


マウンドには俺。


ツーアウト ランナー無し

この試合は延長か…。

誰もがそう思っただろう。


ふと顔をあげると、バッターボックスには…


あのピッチャー。

⏰:06/08/23 23:11 📱:W32SA 🆔:armPAhJA


#35 [ラビ]
いいタイミングで出てきやがる。

俺はそう思いながらも冷静にボールを投げた。



…スパーン!

「ストライク!!」


ふぅ、と一息を置く。


さっさと延長に持ち込もう…。

そう思って投げた第2投目…。



振りかぶって


投げた。

⏰:06/08/24 20:53 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#36 [ラビ]
…カキーン!!!



鋭い音を立てて飛んでいくボール。


どんどん伸びていく…。


そしてセンターの頭を越える。


ついに…センターの奴はボールを見送った。


歓声があがる。



相手側のベンチではもう、お祭り騒ぎだ。






―試合終了。

⏰:06/08/24 21:03 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#37 [まぁ子]
私ゎソフト部&野球大好きなんで,この話すっごい好きですッイ{|
頑張ってさぃねッe~ヘ

⏰:06/08/24 21:05 📱:W33SA 🆔:y1j/HwSw


#38 [ラビ]
まぁ子さん~ありがとうございますK~めっちゃ嬉しいですフまぁ子さんはソフト部なんですかぁ@かっこいいですねPソフト頑張って下さい「私も頑張りますツノ

⏰:06/08/24 21:22 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#39 [ラビ]
俺は負けた。

0対1


全国を目の前にして…

一瞬にして消え去った。



俺が初めて試合で泣いた夏だ。

だからこの試合だけは忘れられない…。



俺達が戦った相手は確か…

佐倉小学校。



あのピッチャーの名前は確か…

“宮本”と聞いた。

⏰:06/08/24 21:28 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#40 [ラビ]
【俺の過去―“宮本”】

俺は全国大会にコマを進めることが出来ず、夏を終えた。


そして春を迎え卒業し、俺は“桜岡中学校”に入学した。


すでに地元で有名だった俺は、ほとんど野球部で自己紹介は必要とされなかった。


先輩「あ〜ハイハイ!君は坂本達矢君ね、よろしく!」

達矢「あ…よろしくお願いします!」

こういった具合に俺は自己紹介する前に俺の名前を言われてしまう。

⏰:06/08/24 21:37 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#41 [ラビ]
まぁ…いいか。


そう思い、周りを見渡してみると…もう一人、自己紹介が必要とされない奴がいた。


「佐倉小学校から来ました。名前は…」


先輩「宮本ヒロキ君でしょ?よろしくな」

ヒロキ「よろしくお願いします」


…佐倉小学校…?


…“宮本”…?


俺は敏感に反応した。


…こいつが“あの宮本”。

⏰:06/08/24 21:43 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#42 [ラビ]
俺からサヨナラをブッ離した奴。


こいつが…。


まさか同じ中学校になるなんて思いもしなかった。


いろいろ気にしていると、向こうから話かけてきた。


ヒロキ「あの…」


達矢「…え?」

ヒロキ「もしかして小学校の時、決勝で戦ったよね…?」

達矢「…おう。俺からサヨナラ打ちやがったじゃねぇか」

俺は少し嫌味っぽく言うつもりだったが、ヒロキの謙虚な態度に笑顔で答えてしまった。

⏰:06/08/24 21:50 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#43 [ラビ]
ヒロキ「だよね?!うわぁ〜!“あの坂本くん”と同じチームになれるなんて夢みたいだ☆」


…“あの坂本くん”?

達矢「いやいや、こっちだって“あの宮本くん”だよ…」


ヒロキ「えっ?!俺そんなにスゴくないし…、俺ずっと坂本君ってスゴいなぁって憧れてたんだよ!ピッチングもスゴいし、バッターとしての才能もスゴいし☆」

⏰:06/08/24 21:57 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#44 [ラビ]
達矢「いや、お前…あのサヨナラ打っといて俺に憧れんなよ(笑)」

ヒロキ「あれはたまたま風向きが良かっただけだよ!もう二度と坂本君からあんなの打てない!!(笑)」


こんな話をしているうちに、俺達はすっかり意気投合して仲良くなった。


最初は苦手なタイプかと思っていたが、話してみると結構イイ奴だった。

⏰:06/08/24 22:03 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#45 [ラビ]
話によると、ヒロキは小学6年のときに親の転勤でこの近くに引っ越してきたという。


俺と同じで父親が野球をやっていて、それに影響され、幼いときからボールに触れていたらしい。


ヒロキも引っ越す前の学校では結構有名なほうで、少年団に入ってすぐにエースだったようだ。

⏰:06/08/24 22:15 📱:W32SA 🆔:zMqIBdh2


#46 []
頑張って下さぃ
ずっと見てまーす

⏰:06/08/24 22:29 📱:SH902i 🆔:ZWwheZvY


#47 [ラビ]
イさん☆ありがとうございます♪♪見てくれてるなんてホントに嬉しい限りです(T_T)☆いい作品になるように頑張るので、これからも見てて下さい☆(≧∪≦*)

一応DoCoMoの方には絵文字が見れなかったら嫌なので絵文字は使わないでお返事しますね""(ノ_<。)ごめんなさぃ↓↓(>_<;)

⏰:06/08/25 06:59 📱:W32SA 🆔:P3BsHtSo


#48 [ラビ]
そんな俺達でもさすがに『入部してすぐに』というわけにはいかなかった。


やっぱり先輩は上手いし、それなりにプライドもある。


俺達が実際にプレー出来るようになったのは、3年生が引退した後。

中2になってからだった。

⏰:06/08/25 22:47 📱:W32SA 🆔:P3BsHtSo


#49 [ラビ]
小学校の野球とは違って、中学校では変化球が使えるようになるから、ただ球が速いだけではダメだった。

[小学生はヒジの成長がまだ途中で、変化球を投げるとヒジを痛めるので、小学校の野球では変化球は禁止されています]


ということで、俺はヒロキといつも二人で変化球の研究をしていた。


変化球のキャッチボールをしながら、お互いにアドバイスなどをし合った。

⏰:06/08/25 22:53 📱:W32SA 🆔:P3BsHtSo


#50 [ラビ]
そして遂に…待ちに待った公式試合。


いよいよレギュラーメンバーが発表される。


俺はドキドキして仕方がなかった。

試合をすることに緊張する。


それともう1つ。


俺とヒロキ。


どっちがピッチャーなのか…。

⏰:06/08/25 22:57 📱:W32SA 🆔:P3BsHtSo


#51 [ラビ]
運命の時…。


そして読みあげられたピッチャーの名前…。


監督「先発〜、宮本ヒロキ」


ヒロキ「っ?!あ、ハイ!!」





…え?



監督…、俺は…?


俺は頭が真っ白になった。


俺が目指した先発は…

ヒロキが手にした。

⏰:06/08/25 23:04 📱:W32SA 🆔:P3BsHtSo


#52 []
頑張って下さぃ
絵文字ナシで全然ですょー

⏰:06/08/26 17:43 📱:SH902i 🆔:Zj5YVYWA


#53 [ラビ]
イさん☆頑張りすね(≧∪≦*)b

ちょっと更新します♪

⏰:06/08/27 16:12 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#54 [ラビ]
「…もと…」


「…かもと!」


「おぃ!坂本!」


達矢「え?あっハイ!?」


監督「何ボーっとしてんだ?お前、ショートな」


達矢「え?あ…はい!」


俺はショートを任命された。


俺…ショートか…

まぁ出れないわけじゃないんだし、いいか。


いよいよグランドに入り、ウォーミングアップが始まる。

⏰:06/08/27 16:20 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#55 [ラビ]
そして試合開始…。


両校が並んで挨拶をする。


応援の歓声の中、俺はショートの守備位置に立った。



…スパーン!


目の前ではヒロキがピッチング練習をしている。


…相変わらずいい球投げるなぁ…。


確かに…こいつがピッチャーっていうのは納得出来る…。

俺から見ても、“宮本ヒロキ”は本当にスゴいピッチャーだって思う。

⏰:06/08/27 21:30 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#56 [ラビ]
そんなことを考えていた時…。


「あ!あれ宮本ヒロキ君じゃない?!」

「ホントだぁ!!スゴぉイ!もう先発やってるんだね?!」

「そういえば、桜岡中ってもう一人スゴい人入ったって聞いたよね?」

「あ、坂本達矢君?…あれ?!ショートやってるよ?」

「うそぉ?坂本君も結構スゴいピッチャーなのにねぇ!」

⏰:06/08/27 21:36 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#57 [ラビ]
…その会話を聞いた時、俺はなんか悔しかった。


長年やってきたポジション。


長い間、監督に信頼され、チームの皆にも頼りにされ、立ち続けて来たマウンド。


今…俺はそこにはいない。



…クソ。

⏰:06/08/27 21:44 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#58 [ラビ]
ヒロキを見てると悔しくなってきて、ふと目線を応援のほうへやった。




…!!!



そこには父さんの姿があった。


達矢「と…父さん…」




「プレイボール!!」


審判の叫び声に俺はハッとした。


…集中しなきゃダメだ。


そう思い脳みそを切り替えた。

⏰:06/08/27 21:48 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#59 [ラビ]
…スパーン!!


「ストライク!!」


試合はヒロキの好調な投球から始まった。


周りからは“さすが宮本”と絶賛する声があがる。




…スパーン!!


「ストライク!!スリーアウトチェンジ!!」


あっというまに表の攻撃が終わる。


…おいヒロキ…


ちょっとスゴすぎだろう…

⏰:06/08/27 21:54 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#60 [ラビ]
順調に試合は進んだと思われたが、相手は守備がピカイチ。

なかなか点を取らせてもらえない。


0対0のまま試合は後半戦へ突入。


8回の裏。


俺達の攻撃で、バッターボックスには4番の村上先輩が入る。


ツーアウト
ランナーなし


状況はキツイが、ここで1点でも入れないと後がキツイ。

⏰:06/08/27 22:07 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#61 [ラビ]
ベンチから祈るような思いで先輩を見守った。


…スパーン!


「ストライク!!」


どんどん胸が高鳴る。


…頼む…


打ってくれ…!!



そんな時…



カキーン!!


金属音が鳴り響く。

⏰:06/08/27 22:43 📱:W32SA 🆔:0pInSNAI


#62 [ラビ]
…打った…!!


しかし、ボールは空高く舞い上がる。

このままキャッチされて終わりか…。


そう思った次の瞬間。


ワァァァ…


観客の歓声が止まない。



…!!

よく見ると、どんどんボールがのびていく…。


このままいけば…入る!!


相手のセンターは追い掛ける。

⏰:06/08/28 19:32 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#63 [ラビ]
入れ…入れ…!!


そしてついに、相手はボールを見送った。


ホームランだ!!!



わあああああああああああああ!!!

歓声は一気に大きくなる。

ベンチの中もお祭り騒ぎ。


俺は胸が熱くなっていくのを感じた。

まだ試合は終わっていないのに、涙が出そうだった。

⏰:06/08/28 19:36 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#64 [ラビ]
盛り上がった後、追加点を入れれず3アウトでチェンジ。


8回裏、1対0。


いよいよ最終回。

この回を守りきれば…




俺達の勝ちだ。


俺はまたショートのポジションに立つ。

⏰:06/08/28 19:39 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#65 [ラビ]
…スパーン!


「ストライク!!」



よし、ヒロキの調子もまだ大丈夫。

このままいけば…


と思っていたその時だった。



…カキーン!!



第2投目を打たれ、打球は大きくアーチを描く。


そしてセンター前ヒット。


ノーアウト

ランナー1塁。

⏰:06/08/28 23:06 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#66 [ラビ]
まぁ1塁にいるくらい大丈夫…。

すぐにアウトに出来るさ!


…そんな俺の気持ちとは裏腹に、ヒロキの球はどんどんキレを失っていった。





…カキーン!



わあああああああ…


今度は反対側のベンチが盛り上がる。


…くそっここで逆転なんかされたらたまったモンじゃねぇ!

⏰:06/08/28 23:10 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#67 [ラビ]
俺達は必死でボールに喰らい付き、ようやくツーアウト。


やっとの思いで追い込んだ。


あと1人。


だが状況は厳しい…。


2アウト

ランナー1塁、3塁


このままじゃ逆転はまぬがれても


延長は避けられない。


守備のいいチームを相手に

延長はちょっと体力的にキツイ。

⏰:06/08/28 23:13 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#68 [ラビ]
この1人が全てを決める…。


ヒロキもだいぶバテているようで、さっきから肩を揺らして息切れしている。


ヤバイな…。


そしてヒロキは


運命の第1球を


投げた。

⏰:06/08/28 23:16 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#69 [ラビ]
…カキーン!!


鋭い金属音。


低めの強烈な打球だ。


打球は真っ直ぐ俺のほうに向かって飛んで来た。



俺がこの球をとれなかったら…


延長決定だ。



俺は精一杯手を伸ばし、思いっ切り飛込んだ。


届け!!!!


ただその思いだけで俺は手を伸ばしていた。

⏰:06/08/28 23:24 📱:W32SA 🆔:pZcnvLEM


#70 [ラビ]
ズサァァァァッ…


俺は地面に転がった。


左手には…



硬いものを握っている感触。



俺は転がったまま



左手を綺麗な青空に向けて高く挙げた。

⏰:06/08/29 11:06 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#71 [ラビ]
「アウト!!」


わあああああああああああああ…

観客の叫び声に混ざって、チームの皆も大声をあげる。




―試合終了。



桜岡中学校 対 緑川中学校


1対0


俺達は初の公式試合を勝利で終えることが出来た。

⏰:06/08/29 11:16 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#72 [ラビ]
相手の学校と挨拶を交し、グランドを後にする。



ヒロキ「達矢!」


ヒロキが俺のところへ駆け寄ってくる。


達矢「おう」


ヒロキ「最後のナイスプレー!!ホント達矢に助けられたよ☆サンキュ♪」


達矢「お前もよく8回まで無失点で投げたよな。スゲェよ☆お疲れ様!」


俺は試合開始直前に感じていたモヤモヤをすっかり忘れていた。

⏰:06/08/29 11:24 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#73 [ラビ]
↑訂正

「8回まで無失点」→「9回まで」

に訂正です(>_<)↓↓

⏰:06/08/29 11:26 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#74 [ラビ]
ヒロキ「でもやっぱさ、周りの助けがあってこその無失点だからさ。オレ一人の力じゃねぇよ☆」


そんな会話をしていると、キャプテンの先輩が寄ってきた。


先輩「二人ともお疲れ☆」


ヒロキ・達矢「お疲れ様です!」

先輩「ヒロキ、お前スゴいな☆最後ちょっと疲れてたみたいだけど上出来だ☆」

⏰:06/08/29 11:36 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#75 [ラビ]
ヒロキ「ありがとうございます!でも最後はちょっと皆に迷惑かけちゃって…」


先輩「気にすんなよ☆勝ったんだしよ♪あ、それに達矢も最後スゲェナイスプレー♪♪」


達矢「あ、ありがとうございます!!」


先輩「ホント一瞬どうなるかと思ったよ…(笑)とりあえず今日はお前ら後輩に助けられたよ☆マジサンキュな♪」

⏰:06/08/29 11:41 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#76 [ラビ]
そう言って先輩は戻っていった。

俺とヒロキは顔を見合わせて


「やったな☆」

と小さな声をあげて喜んだ。






自分達の学校に戻ってくると、ミーティングをして解散した。


俺は帰ろうと校門まで行くと…



そこには父さんがいた。

⏰:06/08/29 11:48 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#77 [ラビ]
達矢「と…う…さん…」


父さん「迎えに来た。帰るぞ」

達矢「うん…」


俺は父さんの車に乗り込んだ。




ブーン…


無言で車を走らせる。


俺は父さんが楽しみにしていた俺のピッチャー姿を見せてやれなくて少し悲しくなった。

⏰:06/08/29 13:08 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#78 [ラビ]
達矢「父さん…。」


静かな車の中で俺の声は響いた。


父さん「ん?なんだ?」


達矢「俺…今日ピッチャーやれなかった…。ごめん父さん。」


さっきまでピッチャーをやれなかったモヤモヤなんて消えていたのに、急になんだか悔しくなった。


父さん「ナイスプレーだったな」

父さんはそれだけ言った。

⏰:06/08/29 13:11 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#79 [ラビ]
達矢「…。」


俺は何も言えなかった。

しばらく沈黙が続く…。


俺が黙っていると、父さんが口を開いた。

⏰:06/08/29 13:16 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#80 [ラビ]
父さん「お前、今日は何をしたんだ?」

達矢「…え?何をって…?」

父さん「あのグランドで、何をやったんだ?」

達矢「何をって…野球してたけど?」

俺は訳がわからなかった。

父さん、グランドに見に来てたじゃんか…。

すると、父さんは優しい声で話し始めた。

⏰:06/08/29 15:19 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#81 [ラビ]
父さん「野球してたんだろ?ピッチャーじゃなくても、スパイク履いて、グローブはめて、ユニフォーム着て泥だらけになってさ。」

達矢「…。」


父さん「それでいいんだよ。何も謝ることなんかないじゃないか。父さんはお前が元気に野球をやってくれれば、それ以外何も要求しないよ。それに今日はナイスプレーだったぞ。お疲れさん」

⏰:06/08/29 15:43 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#82 [ラビ]
父さんの優しい言葉に

思わず俺は涙を落とした。

悲しいとか

悔しいとか

そんなんじゃない。


ただ父さんの温かい言葉に包まれて

嬉しくて…


胸がいっぱいになった。

⏰:06/08/29 16:01 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#83 [ラビ]
父さん「着いたぞっ」

後ろを振り返り、涙を流す俺を見て

フッと父さんは笑った。


父さん「何泣いてるんだ(笑)お前は本当に良く頑張った。」


温かくて大きな手で、俺の頭を撫でてくれる。


さらに父さんは優しい笑顔と声で俺に言った。

父さん「早く風呂入って泥落としてこい。母さんがご馳走作ってくれるって言ってたぞ。」


コクリと俺はうなずき、車を降りた。

⏰:06/08/29 16:10 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#84 [ラビ]
【俺の過去―忘れられない日】

あの初の公式試合の日は、忘れられない日となった。

初めて試合でマウンドに立たなかったこと…。

父さんの言葉…。


改めて野球の楽しさ、奥の深さに触れた日だった。


だが俺には…


もうひとつ、


忘れられない日がある。

⏰:06/08/29 16:16 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#85 [ラビ]
あの公式試合で一応活躍出来た俺は、その日以来、ショートをやるようになった。


もちろんそれなりに投げれるのでピッチャーをやる時もあるし、活躍も出来てたけど…



マウンドに立つ時は必ずヒロキの後。


それに、ショートをやることのほうが多い気がした。

⏰:06/08/29 16:21 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#86 [ラビ]
季節が流れ、先輩達は残り少ない夏を迎えていた。


中体連をひかえ、日々練習を重ねていたある日のこと…。


練習中、俺は監督に呼び出された。



…俺、何かしたっけ…。


不安になりながらも監督のもとへ走った。


帽子をとり、一礼する。


達矢「っっします!」

⏰:06/08/29 16:29 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#87 [ラビ]
監督「おぉ、坂本。お前、すぐにあがれ。」

達矢「え…?」

監督「すぐ練習あがって帰る準備しろ。今、迎えが来る。」


達矢「どうゆうコトっすか…?」

俺は全く意味がわからなかった。

とりあえず…怒られてるワケではなさそうだ。

⏰:06/08/29 16:34 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#88 [ラビ]
…どうゆうコトだ…?


訳がわからずオロオロしていると、グランドの横に車が止まった。


「達矢くーん!!!」


達矢「え?」


振り返ると、フェンスの向こうから俺の名前を呼ぶ男の人。


…あ、あの人は…!!


達矢「は…原口さん!?」

⏰:06/08/29 16:43 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#89 [ラビ]
原口さんは近所に住むおじさんで、父さんと年齢が近いことからウチと仲良くなった。


俺は小さい頃から可愛がってもらっていて、よくキャッチボールをしたりしていた。


俺は原口さんに駆け寄った。


達矢「どうしたんですか?!」


原口さんは少し息を切らしながら俺に言う。

⏰:06/08/29 16:52 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#90 [ラビ]
原口「せっ…説明は後だっ!早く車に乗ってくれっ」


達矢「あ…はい…」


原口さんの慌てぶりに俺は不安になった。


…一体…何が起こってるんだ?


とりあえず荷物を持ち、練習着のまま車に乗り込んだ。


車での移動中はずっと無言だった。


そして着いた場所は…






病院。

⏰:06/08/29 17:05 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#91 [ラビ]
達矢「え…まさか…」


車を止め、原口さんと俺は車から降りる。



原口「こっちだ!」


俺達は急いで病院へ入る。


原口さんに誘導されてある病室にたどり着いた。

⏰:06/08/29 17:12 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#92 [ラビ]
…コンコン…


ノックをして扉を開ける。


…ガラガラガラ〜…






…扉を開けて目に映った光景。


俺はその光景をすぐには理解出来なかった。

⏰:06/08/29 17:15 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#93 [ラビ]
母さんが泣いている…。




…なんで?




誰かがベッドに横たわっている。



…なんで…


なんで父さんが横たわってんだよ。

⏰:06/08/29 17:19 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#94 [ラビ]
達矢「…父さん…?」


俺は恐る恐る声をかける。


予想通り、返事はない。




父さんの顔をのぞきこむ。



真っ白な顔。



顔にはもう血の気がなかった。

⏰:06/08/29 17:23 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#95 [ラビ]
達矢「…父さん…父さん!!!」


俺は父さんの肩を揺する。




でも父さんの体は氷のように冷たく…



目を覚ます気配もなかった。



手を握ってみても、もうあの温かい手ではなかった。

⏰:06/08/29 17:27 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#96 [ラビ]
俺はようやく


状況を理解することが出来た。



…あぁ…



父さんは死んだんだ…って…。

⏰:06/08/29 17:29 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#97 [ラビ]
俺は声をあげて泣いた。



こうやって泣いていても


「何泣いてるんだ」


って


優しく笑って頭を撫でてくれる父さんはいない…。

⏰:06/08/29 17:44 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#98 [ラビ]
―父さんの死。



失ったモノはかなり大きい。



俺にとって



忘れられない日になった…。

⏰:06/08/29 18:33 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#99 [ラビ]
ちょっと休憩…(>_<)
見てる方いますかね??ι
過去の話が長くなっちゃってごめんなさい↓
ごちゃAになっちゃった人もいるかもしれないですね…ι
これからは高校の話に入っていくので見て下さい☆

⏰:06/08/29 18:53 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#100 [麻嘩]
泣いちゃいました
まぢ文才ぁりすぎデス続きが気になります

⏰:06/08/29 19:23 📱:SO902i 🆔:MSgzRD/g


#101 []
次の更新待ってます

⏰:06/08/29 19:41 📱:SH902i 🆔:RCquaO1w


#102 [ラビ]
麻嘩さん→ありがとうございます(T_T)☆文才があるなんて私にはもったいないお言葉…(>_<)(笑)本当にありがとうございマス☆これからも頑張って書くので応援よろしくお願いします(ノ∇≦*)

⏰:06/08/29 20:42 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#103 [ラビ]
イさん→ありがとうございます♪(〃ω〃)これから更新しますね☆頑張ります(≧∪≦*)

⏰:06/08/29 20:55 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#104 [ラビ]
【第3章―愛川高校】

父さんの死から1年…。


俺は中学3年生になり、夏を終えようとしていた。


俺達の代は“桜岡中史上最強”と言われるほどの強さで


中体連では全国出場を果たした。

全国大会では初戦から優勝候補と当たり、

惜しくも延長12回でサヨナラ負け。

⏰:06/08/29 21:04 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#105 [ラビ]
悔しかったけど…


悔いはなかった。


部活から解放された俺達に残されたのは

進路選択。


俺はとっくに進学する高校を決めていた。



もちろん、愛川高校だ。


父さんの母校…。


俺も父さんと同じように、愛川のユニフォームを着てプレーをしたかった。

⏰:06/08/29 21:13 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#106 [ラビ]
そんなある日のこと…


いつものように昼休みを過ごしていると、校内放送が流れた。


ピンポンパンポン♪♪


『え〜…野球部3年の坂本、宮本。野球部3年の坂本、宮本。職員室まで来てください』


ピンポンパンポン♪

⏰:06/08/29 21:24 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#107 [ラビ]
…野球部に坂本って


…俺しかいねぇよな…。


そんな当たり前のことを考えながら教室を出ようとすると、ヒロキが走ってきた。


ヒロキ「おい、達矢!今、オレ達呼び出されたよな…?」


達矢「おぅ…」


ヒロキ「てか、監督の声だったし…何の用だろう?」


俺は呼び出しの内容のだいたいは見当がついていた。

…たぶん、高校のことだろう。

⏰:06/08/29 21:29 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#108 [ラビ]
達矢「たぶん高校のことじゃない?推薦とか…?」

全国に出場したチームだ。

どこの高校が“欲しい”と話を持ちかけてきてもおかしくはないだろう。


ヒロキ「あ、そうかもな!…ってか悪ぃ、オレちょっとトイレ行ってから行くわ!先行ってて〜!!」

⏰:06/08/29 21:34 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#109 [ラビ]
達矢「お…おう(笑)」


俺は思わず、プッと笑ってしまった。

野球をやらせたら一流なのに、グランドを出たらちょっと天然のヒロキ。


そのギャップはなかなか面白いものだった。


ヒロキの後ろ姿を見送り、俺は一人で職員室に向かった。

⏰:06/08/29 21:37 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#110 [ラビ]
職員室の前に立ち

コンコンとノックをしようとしたその時…


「いやぁ〜モテモテですねぇ、坂本君と宮本君は。一体いくつの高校から声がかかってるんです?」

先生の声だ。


…坂本君と宮本君って…

俺達の話?


俺はちょっと気になってノックするのをやめ、立ち聞きすることにした。

⏰:06/08/29 21:42 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#111 [ラビ]
「ざっと6校くらいですかねぇ〜。しかも坂本と宮本のセットで欲しいっていう学校がほとんどなんですよ。」


…これは監督の声だ。


「ほぅ〜!!スゴいですねぇ!監督である先生も鼻が高いでしょう?」


監督「まぁ〜あれだけの選手ですからね。欲しいのは当たり前と言っちゃ当たり前でしょう。まぁこっちから言わせれば2人のセットが欲しいなんて贅沢ですよ」

⏰:06/08/29 21:47 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#112 [ラビ]
「それもそうですねぇ!それに、宮本なんて小学時代にも全国に行ってるみたいじゃないですか。」


監督「宮本と坂本は小学時代に全国をかけた試合で当たったそうだよ。宮本が制したようだが」


「そういえば、坂本も小学時代、ものスゴいピッチャーだって有名だったみたいじゃないですか!!坂本より宮本のほうが良かったんですか?」

⏰:06/08/29 21:53 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#113 [ラビ]
この質問に俺はドキッとした。


俺よりヒロキのほうが良かったのか…。

俺はさらに耳を近づけて、監督が話出すのを待った。



監督「坂本と宮本かぁ〜。」


ひと呼吸置いて監督は話だした。

⏰:06/08/29 22:05 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#114 [ラビ]
監督「確に坂本もスゴいピッチャーだった。中学に来てもすぐに戦力なれる実力だったし、たぶん、高校に入ってもピッチャーとして即戦力になるだろう。」


「じゃあなんで宮本を??」


…そうだよ監督。

じゃあなんで俺をピッチャーにしなかったんだ…?

⏰:06/08/29 22:19 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#115 [ラビ]
その質問に監督はすぐに答えた。

監督「本当は坂本をピッチャーとして使ってやりたかった…。だから最初は宮本と坂本で2人でピッチャーをやらせようと思ったんだが…

なかなかいい内野の選手が見付からなくて、試しに坂本にショートをやらせてみたんだ。

そうしたら坂本もなかなかいい才能の持ち主でな…そのままショートとして使ってみることにしたんだ。

宮本は宮本でピッチャーとしてスゴい才能があるし、文句のつけようがない。

⏰:06/08/29 22:31 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#116 [ラビ]
だから、宮本のほうが良かったとか、そういう訳ではないな。」


俺は少しホッとした。

良かった…俺に実力がなかったわけじゃなかった…。


「へぇ〜そうなんですかぁ。でも坂本はずっとピッチャーで周りから騒がれていたのに、いきなりショートやらされたりして、部内で衝突とかなかったんですか?」

⏰:06/08/29 22:39 📱:W32SA 🆔:DG9yfLs.


#117 [ラビ]
監督「それがなかったんですよね。二人は仲が良かったし。でもなぁ…」


俺とヒロキが仲が良いのは本当だ。


“でもなぁ…”?

なんだろう…?気になる…。


監督は言いづらそうに言った。


監督「こんなこと本当は言ったらダメだと思うんですがね、坂本は…宮本がいなかったら確実にエースでしたよ。」

⏰:06/08/30 05:24 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#118 [ラビ]
その言葉を聞いた瞬間、胸がズキズキと痛んだ。


…え…?


今なんて言った?


宮本がいなかったら…


ヒロキがいなかったら俺はピッチャーやれてたってことなのか…?


俺はなんとも言えない気持ちになって…


その場から動けなかった。


悔しいのか…?


なんなんだこの気持ち…?

⏰:06/08/30 06:47 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#119 [ラビ]
ピッチャーをヒロキに取られたことなんて

なんともないと思ってた。


ピッチャーに未練なんかないって思ってた。


でも俺…



きっと、心のどこかではピッチャーがやりたかったんだ…。


ヒロキの後なんかじゃなく、


誰の足跡もついてない


キレイなマウンドに…

立ちたいと思ってたんだ。

⏰:06/08/30 06:53 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#120 [ラビ]
自分の気持ちに素直になってみると

胸が苦しくなった。


“ヒロキに取られたことなんて悔しくない”?

“ピッチャーに未練なんてない”?

…くそ。

悔しくないわけねぇじゃん…。


黙って下を向き、いろいろ考えていると、後ろから足音が近付いてきた。

⏰:06/08/30 07:01 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#121 [ラビ]
「おい?」


呼び掛ける声と同時に肩をポンと叩かれた。


達矢「うわぁ?!」



ビックリして後ろを振り替えると、ヒロキがキョトンとして俺の顔を見ていた。



ヒロキ「あははは(笑)どうしたんだよ??(笑)」

⏰:06/08/30 08:10 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#122 [ラビ]
ヒロキは俺の顔を見て笑った。


俺は相当すごい顔をして驚いてたんだろう。

ヒロキは爆笑だった。


ヒロキ「入らないのか?」


ヒロキはドアに手をかけて俺に言う。


達矢「あ…入る入る…」

俺は動揺しているのがバレないようにした。


ヒロキも気付いていないようだ。

…良かった。

⏰:06/08/30 21:55 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#123 [ラビ]
ガラガラ〜…


ヒロキ・達矢『失礼しまーす』


挨拶をして中に入ると、監督と先生がいた。


監督「おー来たかぁ。ちょっと相談室に行っててくれ」


達矢「あ、ハイ。」


俺達は相談室に行き、監督を待った。


俺はさっきの監督と先生の会話を思い出し、ちょっとヒロキと2人きりなのは気まずかった。

⏰:06/08/30 22:00 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#124 [ラビ]
ヒロキ「なぁ、やっぱ高校の話だよな?♪」

達矢「たぶんな…。」


俺の気持ちとは逆に、ヒロキはニコニコして監督の話は何かとワクワクしているようだった。


ヒロキ「推薦とかきてるかなぁ?♪」


…お前にこないワケがないだろう…。


そんなことを思っていると…


ガチャ…


監督「待たせたな」


監督が入ってきた。

⏰:06/08/30 22:05 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#125 [ラビ]
俺達は背筋を伸ばし、姿勢を正す。


監督が俺達の向かいに座り、用件を話始めた。


監督「話とはな…だいたい想像がついてると思うが…高校の話だ。お前達はどうするんだ?」


…やっぱりな。

俺の予想は的中した。


達矢「推薦はきてるんですか?」

俺は愛川以外あまり興味はなかったが、一応聞いてみたかった。

⏰:06/08/30 22:11 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#126 [ラビ]
監督「公立では東商業、愛川高校、私立では白石学園、八雲高校、柴田工業、地方からは北澤学園だ。」


全部で6校か…。

白石・八雲・愛川・柴田と地元のベスト4がそろっている。


地元以外からは北澤学園…

甲子園常連校であり、常に甲子園ベスト8以上という強豪校からも声がかかっているなんて…。

予想以上だ。

⏰:06/08/30 22:20 📱:W32SA 🆔:2IODb7d6


#127 [ラビ]
達矢「俺、愛川に行きます。」


俺はハッキリと言った。


もうここ以外に行く気はない…。





監督「そうか。」


監督はすでにわかっていたような返事をした。


俺が父さんと同じ高校に入りたいと思っていることを知っていたのだろう。


監督「宮本はどうするんだ?」

監督は今度はヒロキに顔を向けた。

⏰:06/08/31 23:27 📱:W32SA 🆔:j78ObfgE


#128 [ラビ]
今日はバイトで疲れてもう眠いので明日書きますね↓(;_;)ごめんなさい↓(>_<)
今日書けなかった分、明日頑張っていっぱい書けるようにしたいと思うので、また明日も見に来て下さい☆

⏰:06/08/31 23:36 📱:W32SA 🆔:j78ObfgE


#129 [とも]
楽しみにまってます(-^□^-)

⏰:06/09/01 01:25 📱:P701iD 🆔:P1CDa9eg


#130 [ラビ]
ともイサン☆ありがとうございます(*^^*)楽しみにしただけるなんてホントに光栄です(T_T)☆頑張っちゃいます!!(笑)書きます((φ( ̄ー ̄ )

⏰:06/09/01 18:02 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#131 [ラビ]
ヒロキ「俺は…」


ヒロキは少し顔を曇らせた。

そして言いづらそうに口を開いた。


ヒロキ「俺も…愛川に行きます…。」


…え?

ヒロキも愛川?


俺は正直驚いた。

ヒロキはもう白石に決めているのだと思っていた。

だってヒロキの父さんが…


白石だったから。

⏰:06/09/01 18:11 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#132 [ラビ]
俺の父さんとヒロキの父さんは同期で、夏の甲子園をかけた大会で戦ったらしい。


俺の父さんは愛川でピッチャー、

ヒロキの父さんは白石でキャッチャーだった。


てっきり俺はヒロキは父さんと同じ高校に行きたいと思ってるんだと思ってた。

俺が父さんと同じ愛川に憧れているように…。

⏰:06/09/01 18:19 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#133 [ラビ]
監督「そうか、宮本も愛川か…。まぁ、まだまだ時間もあるし、まだまだこれからいろいろな学校からも来るだろうから、二人ともゆっくり考えなさい。」


ヒロキ・達矢『はい』


監督「じゃ、戻っていいぞ」


ヒロキ・達矢『ありがとうございました!』


…こうして監督との面談を終えた。

⏰:06/09/01 18:23 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#134 [ラビ]
相談室を出たあと、俺はぼんやりと考えていた。


…ヒロキも愛川か…。

別に嫌なわけではない。

嫌なわけではないんだけど…


なんだか心にモヤモヤが残る…。


「おい」


達矢「うわぁ?!」


また驚いて振り替えるとヒロキがケタケタ笑っていた。


ヒロキ「お前、今日驚きすぎだぞ(笑)」

⏰:06/09/01 18:30 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#135 [ラビ]
達矢「いや…悪ぃ」


ヒロキ「オレってそんなに怖い…?」


達矢「いや、そういうわけじゃないからさ」

ヒロキ「そう?なら良かった☆」

ヒロキは笑って言った。

…が、すぐにその笑みは消え、急に真面目な顔になった。

真面目というか…


どこか悲しそうだった。

⏰:06/09/01 18:36 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#136 [ラビ]
ヒロキ「俺さぁ…」

とても申し訳なさそうに話すヒロキ。

俺は目線をそらさずにヒロキを見つめて話を聞いた。


ヒロキ「俺さぁ…結構ちょっと前から愛川に行きたいと思ってたんだ。
最初は白石を考えてたし…自分は白石だろうって思ってたときもあったけど…

でもやっぱ父さんと同じばっかじゃなくて、自分で新しいことしたいなぁって思ってさ…

⏰:06/09/01 19:01 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#137 [ラビ]
でも…達矢は親父さんと同じ高校に行きたいって思ってるの知ってたから…。

オレについて来られるの嫌がるんじゃないかと思ってずっと言えなかったんだ…。」

俺はヒロキの話を黙って聞いていた。

やっぱり俺…


ヒロキにもそう思わせちゃう態度だったのかな…。

そうだと思うと、ヒロキにすごく申し訳ない気持ちになった。

⏰:06/09/01 19:13 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#138 [ラビ]
達矢「別に、迷惑じゃねぇよ!全然言ってくれて良かったのに…」

ヒロキ「ホント?!あのさ…これもずっと前から思ってたんだけど俺…高校でも達矢と野球がしたいんだ!」


ヒロキのその言葉に俺は嬉しくて…胸がいっぱいになった。

俺だって…まだまだヒロキと野球がしたい。


達矢「一緒に愛川行こうぜ」

⏰:06/09/01 19:17 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#139 [ラビ]
俺がヒロキに言えた言葉はその一言だった。


ヒロキ「本当に?!ありがとう!!」


ヒロキは満面の笑みを浮かべた。




『甲子園行こうぜ』



二人の声がそろった。


俺達は笑いながら教室へと戻った。


そしていつの間にか、あの心に残ったモヤモヤも消えているのに気がついた。

⏰:06/09/01 19:21 📱:W32SA 🆔:tJU7WrdY


#140 [カズ]
楽しかったよ
更新楽しみに待ってる

⏰:06/09/02 02:19 📱:W41CA 🆔:ogbf.qeM


#141 [ラビ]
カズさん~ありがとうございますュ@本当に嬉しい限りですK~楽しみにしていただけるなんて本当に感謝感激です更新頑張りますツヘ(笑)

⏰:06/09/02 08:54 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#142 [ラビ]
こうして、俺達は中学を卒業。

愛川高校へ特待生として入学した。


真新しい制服に身をつつみ、胸を踊らせながら愛川の校門を抜ける。


愛川は昔からあるわりには、改装を繰り返しているからか、校舎はなかなか綺麗だった。


ここで3年間…俺達は甲子園を目指す。


待ってろよ、甲子園。

⏰:06/09/02 09:05 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#143 [ラビ]
【4章―夢の始まり】

入学してから1週間後。

部活見学期間を終え、正式に入部を認められた。


緊張しながらグランドに入る。




カキーン!!

「いったぞー!!」

「島田ー!つっこめー!!」


「ナイスプレーナイスプレー!!」



…スゴい。

当たり前だが、中学と比べ物にならない練習内容とレベルの高さ。

⏰:06/09/02 09:15 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#144 [ラビ]
中学レベルの俺の頭で言わせてもらうと、これで甲子園に行けないというのが不思議だった。


…もっと上がいるということか…。


現在、地元トップで甲子園出場を果たしている白石学園のことを考えると…

ゾクっとした。

⏰:06/09/02 09:19 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#145 [ラビ]
「1年生だよね?」

誰かが声をかけてきた。


振り向くとそこには、土で汚れた練習着を着た選手が立っていた。
練習着には“愛川高校”と書かれている。

…先輩だ。



「入部希望者?」

先輩はニコっと笑い、俺達に尋ねる。


ヒロキ・達矢『ハイ!』


元気に返事をすると先輩はまたニコっと笑って

「こっちにおいで☆」

と案内してくれた。

⏰:06/09/02 09:26 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#146 [ラビ]
てくてくと俺達は先輩の後ろをついて歩いた。

先輩「…ってゆうかよく見たら坂本君と宮本君じゃん!!(笑)」


『へっ?』

俺達は驚いた。

達矢「俺達のこと知ってるんすか?」

先輩「知ってるもなにも地元じゃ結構有名人でしょ?(笑)いや〜坂本君と宮本君のセットで愛川来てくれるなんて嬉しいよ☆」

先輩はまたニコニコしながら言った。

⏰:06/09/02 09:33 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#147 [ラビ]
自己紹介の前に名前を言われるなんてこと…前にもあった気がする…。

まぁいっか。

とりあえず俺達は歓迎されているようだった。


達矢「いや、俺なんて対したことないです。」

そういうと先輩は俺の頭をパシっと叩いて

先輩「何言ってんだよっ☆まぁちょっと中学と高校じゃ違うけどさ、すぐ慣れるよ☆」

と言ってくれた。

⏰:06/09/02 09:39 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#148 [ラビ]
そんな話をしていると、いつの間にか野球部の部室に到着した。

先輩「ここが野球部の部室ね☆着替えたらグランドにおいで☆」

ヒロキ・達矢『ありがとうございます!』


俺達はお礼を言って部室のドアを開けた。


…ガチャ…

⏰:06/09/02 09:47 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#149 [ラビ]
中には一人…1年生と思われる人がいた。


「あ…」


目が合い俺達3人はどーも、と頭を下げた。


「…お先に」


そいつは先に着替えを済ませ、部室を出ていった。


体格がかなりいいし、背も高い。

高校はこんな奴がゴロゴロいるのか、と思うとこの先が不安だった。

⏰:06/09/02 12:07 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#150 [ラビ]
そんなことを考えていると、ヒロキがボソっと言った。


ヒロキ「なぁ…今のヤツめっちゃ体格いくねぇ?!どーしよ、オレ…」


…ヒロキも俺と同じ不安を感じていたようだった。


達矢「大丈夫だろ。体格で負けてるなら技術で勝負だ!」


ヒロキと気合いを入れなおし、着替えを済ませグランドに向かった。

⏰:06/09/02 14:38 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#151 [ラビ]
グランドに行くと、入部希望の1年生と先輩達が集まっていた。


先輩「おっ来た来た☆」


さっきの先輩もいる。


俺達は先輩達の前に並んだ。

ざっと1年生だけで2,30人はいる。

ふと左を向くと、見知らぬ人物が立っていた。


坊主頭で背が高く、体格もいい。

歳は30代前半といったところだろうか。

⏰:06/09/02 14:46 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#152 [ラビ]
…この人が監督か…?


そう思っていると、早速その人が話始めた。


「全員そろったようだな。私はこの愛川高校野球部の監督、相澤和弘(アイザワ カズヒロ)だ。よろしくな」


1年生『よろしくお願いします!』


一斉に帽子を取り挨拶をする。


…この人が監督かぁ。

パッと見た感じではあまり怖そうな感じではなかった。

⏰:06/09/02 14:52 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#153 [ラビ]
監督「それじゃあ早速、3年生、2年生、1年生の順番で自己紹介してもらうな。じゃ、キャプテンの田沢から」

「ハイ」

そう言って一歩前に出て帽子を取る先輩。


…あ。


その先輩はさっき俺達を案内してくれた先輩だった。


田沢「3年、ファーストでキャプテンの田沢です。1年生のみんなとはちょっとの間しか野球を出来ないけど、一緒に甲子園目指して頑張りましょう!」

⏰:06/09/02 14:57 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#154 [ラビ]
…さっきまで笑顔だった表情とはうってかわって先輩はスゴくりりしい顔をしていた。

俺達を案内してくれていたときは、あんなに笑って子供みたいな感じだったのに…。


しかもその人がキャプテンなんて驚きだった。




そして、3年生、2年生と自己紹介が終わり、続いて1年生の番になった。

⏰:06/09/02 15:03 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#155 [ラビ]
左から順番に自己紹介していく…。

そしてさっき部室にいたヤツが一歩前に出た。


岸田「緑町中学校から来ました。岸田淳平(キシダ ジュンペイ)といいます。ポジションはキャッチャーです。よろしくお願いします!」


…へぇ〜あいつキャッチャーなのか。


そんなようなことを考えているうちに、自分の番になった。

⏰:06/09/02 15:12 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#156 [カズ]
続きがものすごく気になるのは俺だけ

⏰:06/09/02 15:36 📱:W41CA 🆔:ogbf.qeM


#157 []
私もデス

⏰:06/09/02 16:47 📱:SH902i 🆔:Y.pE3L.2


#158 [ラビ]
カズさん、イさん☆
すいません↓休憩しすぎました(>_<;)(笑)お待たせしてしまってゴメンなさい""(ノ_<。)書きますッ((φ( ̄ー ̄ )

⏰:06/09/02 16:54 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#159 [ラビ]
達矢「えっと…桜岡中学校から来ました。坂本達矢といいます。ポジションは…」


ここで俺は一瞬止まってしまった。

俺のポジション…?


俺のポジションは…



達矢「ポジションはショートとピッチャーです。よろしくお願いします!」


俺は…あえて“ショートとピッチャー”と言った。

⏰:06/09/02 17:01 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#160 [ラビ]
ショートは本当にやってたポジション。

ピッチャーは…

やっていなかったわけじゃない。でも…

“これからやっていきたい”


そういう気持ちを込めて言った。

俺は少しチラッとヒロキのほうを見た。

もしかしたらびっくりされているかもしれない。

そう思ったから。

⏰:06/09/02 17:50 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#161 [ラビ]
でもヒロキは


少しも表情を変えてなかった。


りんとした表情で

俺の言葉を聞いていた。


“達矢がピッチャーやりたいと思うのは当たり前だろう”

そう思ったのか。

“宣戦布告”

そう思ったのか。

どちらでとらえたのかはヒロキにしかわからないが…。

⏰:06/09/02 17:56 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#162 [カズ]
いちようアゲアゲ(σ・∀・)σ

⏰:06/09/02 18:27 📱:W41CA 🆔:ogbf.qeM


#163 [ラビ]
カズさん~アゲありがとうございます~今からまた更新しますね。c

⏰:06/09/02 19:25 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#164 [ラビ]
ヒロキは一歩前へ出て自己紹介を始めた。

ヒロキ「桜岡中学校から来ました。宮本ヒロキといいます。ポジションはピッチャーです。よろしくお願いします!」


俺は少しビクっとした。

心なしか、“ピッチャー”という言葉を少し強調していた気がする…。

…気のせいか…?



監督「よし、全員だな?」

⏰:06/09/02 19:39 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#165 [ラビ]
俺は監督の声にハッとした。


監督「まぁ名前は後々覚えていくだろうし、1年生は早く硬式に慣れるように日々努力すること!2、3年生は新しい仲間と共に甲子園を目指して頑張ろう!以上!練習に戻る!」


こうしてミーティングが終わり、練習が始まった。

⏰:06/09/02 20:03 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#166 [ラビ]
まずはキャッチボール。


…硬式のボールは堅くて痛い。



…パシィィン!!



…いってぇ〜…。


左手の痛みをこらえながらキャッチボールをした。


…やっぱ投げる感じもちょっと違うなぁ…


そんな軟式と硬式の違いを感じながら、あっという間に日が暮れていった。



『ありがとうございました!!』

⏰:06/09/02 20:22 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#167 [ラビ]
今日の練習が終わった。


部室が一斉に部室に戻る。


ヒロキ「達矢お疲れ☆」


達矢「おう!お疲れ☆」

俺達も部室に戻ろうとしたその時…


監督「おい、坂本!」


達矢「ハイ!」


俺は監督に呼ばれた。


達矢「悪い、ヒロキ。先行ってて!」

ヒロキ「わかった☆」

俺は一人グランドへ戻った。

⏰:06/09/02 22:38 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#168 [ラビ]
帽子を取り、一礼する。

達矢「っします!」

俺はかなり緊張していた。

すると監督はハハッと笑い、

監督「もっと楽にしていいぞ?」

と言ってくれた。


達矢「あ…すいません…」

俺は少しだけ姿勢をくずし、監督の話を聞いた。



監督「坂本は、本職はショートだったんだろう?たまにピッチャーで投げていたみたいだが…。お前自身、どうしたい?」

⏰:06/09/02 22:43 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#169 [ラビ]
達矢「えっ…?」


俺は一瞬固まった。

俺自身どうしたいって…?


達矢「どうしたいって…どういうことですか?」

監督「ポジションだよ。どっちがやりたいんだ?お前はショートだったみたいだが、元々はピッチャーで有名だったハズだ。そうだろう?」


監督は俺が小学時代ピッチャーでカナリ有名だったということを知っているようだった。

⏰:06/09/02 22:48 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#170 [ラビ]
…どっちがやりたいのか…?

その質問は俺の胸に突き刺さる。

達矢「俺は…」


答えに困ったが、俺はゆっくりと話始めた。


達矢「俺は…ピッチャーがやりたいです。でも…俺はショートも好きだから、どっちもやりたいです。」


言い終わってから、あんまり答えになっていないような気がした。

が、これは俺の本心だ。

⏰:06/09/02 22:52 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#171 [ラビ]
ピッチャーじゃなくてもいい。

そう言ってしまうと嘘になる。


ショートはやりたくない。


そう言っても嘘になってしまう。

俺は本当はずっとマウンドに立ちたかった…。

ずっと…ずっと…。


でも、父さんも俺のショートでのプレーをほめてくれた。

そして気付いた。


一人で野球は出来ない。

ただ一人マウンドにあがり、ただ一人投げ続けても

それは意味がないということ。

⏰:06/09/02 22:55 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#172 [ラビ]
周りで守ってくれる

仲間がいるからこそ

ピッチャーは投げ続けることが出来るんだって…。


そして俺は…

そのピッチャーを支える側になるのも気持ちイイもんだって

気付いたんだ。


監督はちょっとの間考えていたようだった。

そして、ゆっくりと口を開いた。

⏰:06/09/02 22:59 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#173 [ラビ]
監督「そうだな…。お前は確かにピッチャーの才能があるし、普通にいけばピッチャーだ。だが…お前にはショートとしてのセンスも抜群にいい。だからピッチャーと知らず、普通にいけばショートだ。そこでお前の希望を聞いたんだが…」


俺は心臓が飛び出そうだった。

何を言い渡されるのか…。


もう黙ってなんかいられないくらいだった。

⏰:06/09/02 23:02 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#174 [ラビ]
監督「ピッチャー兼ショートってのでどうだ?」

…えっ?

達矢「ピッチャーも…やらせてもらえるんですか…?」


恐る恐る聞き返す。


監督「もちろんだよ!お前をピッチャーで投げさせない、なんてもったいないことするもんか!(笑)」

監督はニコッと笑って言い返した。


俺はその瞬間、飛びはねたいくらい嬉しかった。

⏰:06/09/02 23:22 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#175 [ラビ]
達矢「ありがとうございます!!」

俺は全身全霊、心の底から感謝の気持ちを込めて頭を下げた。


監督「まぁそういうことだから、戻っていいぞ」


達矢「ハイ!ありがとうございました!!」


俺はもう一度頭を下げ、部室へと戻っていった。

⏰:06/09/02 23:25 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#176 [ラビ]
部室に着くと、部員はほとんどが帰ってしまっていた。


ガチャ…


ドアを開けると、ヒロキがいた。

ヒロキ「お疲れ☆」


ヒロキは笑顔で俺を迎えてくれた。


達矢「サンキュ☆」


俺もつい笑顔になって言葉を返した。

⏰:06/09/02 23:28 📱:W32SA 🆔:4RHgPAtg


#177 [ラビ]
ヒロキ「なぁ?なに言われたの??」

ヒロキは興味深々に尋ねる。


達矢「ナイショ☆」

俺はなんとなく、今ヒロキには言いにくかった。

“俺もピッチャーやれることになったんだ”


だなんて…。


ヒロキ「うわぁ〜!!待っててやったのにヒデぇなぁー(笑)」

達矢「へへへっ☆」

⏰:06/09/03 07:37 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#178 [ラビ]
ヒロキはそれ以上深く聞いてこなかった。


達矢「よっしゃ!帰ろうぜ!」

俺は着替えを済ませ、ヒロキに言った。


ヒロキ「よし、帰るかぁ☆」



俺とヒロキは笑いながら、部室を後にした。




…こうして、俺達の青春は始まった。

⏰:06/09/03 07:44 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#179 [ラビ]
どんなにツラいことがあっても


ここで出会った仲間と支え合って乗り越えていく。


喜びは

仲間と共に分かち合う。




…全員、目標は一緒だ。


“甲子園”



ただ1つの球場に行くために

俺達は全身全霊をかけて戦う。


この高校野球に俺達の青春を捧げる。



俺達の夢は始まったばかりだ。

⏰:06/09/03 08:21 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#180 [ラビ]
【5章―夢が叶うとき】

高校に入学して、たくさんの季節が流れた。


3年生の先輩たちは、甲子園に行けずに引退した。


甲子園を手にしたのは…


白石学園。




そして俺達は2年生になり、グランドに立てる機会も増え

ポツポツとレギュラーになるヤツが出てきた。

⏰:06/09/03 08:27 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#181 [ラビ]
もちろん、俺とヒロキは普通にベンチ入り。


俺はレギュラーでショートを守っていた。


ヒロキはというと、先発はさすがに先輩で、その次にヒロキといった感じだった。




そしてその次のピッチャーに…俺。



ヒロキがベンチにさがると、俺がショートからピッチャーになり、他の奴がショートに入った。

⏰:06/09/03 08:33 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#182 [ラビ]
でも…



この年も甲子園をつかむことは出来なかった…。


甲子園を賭け、迎えた決勝戦。


延長11回。


表に1点取られ


裏にその1点をかえすことが出来ず…

試合終了。



この年も甲子園を手にしたのは…


白石学園。

⏰:06/09/03 08:36 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#183 [ラビ]
俺はたまらなく悔しかった。


喜んで飛びはねる白石の奴らの横で



俺は涙を落とした。



『この悔しさを忘れてはならない。悔しい思いを次に繋げ、また来年…次こそは、甲子園をつかもう。』

試合終了後のミーティングで監督が言った言葉…。

⏰:06/09/03 08:41 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#184 [カズ]
たのしみだからアゲアゲ

⏰:06/09/03 15:03 📱:W41CA 🆔:gpGQvZdU


#185 []
ァゲま
頑張って下さぃ

⏰:06/09/03 19:56 📱:SH902i 🆔:18FoDaZo


#186 [ラビ]
カズさん、イさん☆
アゲありがとうございます(*^ー^)ノ♪今バイト終わりました(>_<)↓お待たせしてすいません(T_T)書きますっ☆

⏰:06/09/03 21:38 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#187 [ラビ]
…そうだ。

まだ俺達には来年がある。


夢はまだ終わってない。



甲子園の土を踏むまでは…


諦められない。

⏰:06/09/03 22:24 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#188 [ラビ]
そして、先輩達は引退し、俺達の代になった。



新キャプテンはヒロキだ。


ヒロキは選ばれたときは驚いて「無理」の一点張りだったが

意外とやってみると様になっていて、最高のキャプテンだった。



俺は一応副キャプテンになったが、仕事はほとんどない。


キャプテンのヒロキをサポートするくらいだ。

⏰:06/09/03 23:02 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#189 [ラビ]
新チームもなかなかで、十分甲子園を狙えるレベルだ。



そして俺は相変わらずピッチャーとショートを行ったり来たりだったが、


先輩達が引退してから、マウンドにあがる回数が多くなってきた。




…スパーン!!!

「ストライク!!バッターアウト!」



…自分で言うのも何だけど、マウンドにあがると、天才と呼ばれていた時の自分が戻ってくるような感じがしていた。

⏰:06/09/03 23:12 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#190 [ラビ]
「やっぱあの坂本って奴…スゲェなぁ」

「おぅ…宮本とアイツが投げるんなら敵わねぇよな…」


そんな会話を聞くこともしばしば。


俺は嬉しくてたまらなかった。


…マウンドって…スッゲェ気持ちがいい。


いつもいつも同じことを思っていた。

⏰:06/09/03 23:19 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#191 [ラビ]
でも俺がレベルアップするたび、

ヒロキもどんどん上手くなっていった。



だからもちろん、先発はいつもヒロキ。


でも…


ヒロキのスゴさは俺もわかってる。

だから、納得はしていた。


エースは“ヒロキだ”って。

⏰:06/09/03 23:25 📱:W32SA 🆔:pBac1Lm6


#192 [我輩は匿名である]
すごくわかりやすくておもしろいですがんばってください(^3^)/

⏰:06/09/04 00:03 📱:N901iC 🆔:lB8ItXms


#193 [カズ]
アゲアゲ

⏰:06/09/04 10:01 📱:W41CA 🆔:12ujj.ho


#194 [ラビ]
匿名さん☆ありがとうございます(*^^*)読んでいただけて本当に嬉しいです(>_<)♪まだまだ未熟な小説ですが、頑張るのでよろしくお願いします☆(≧∪≦*)

⏰:06/09/04 12:58 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#195 [ラビ]
カズさん~いつもアゲアゲありがとうございます嬉しいです~せっかくアゲてくれてるのに、たくさん更新出来てなくて本当申し訳ないですソ今日はバイト休みなんでたくさん更新出来たらするので楽しみにしてて下さいね。~

⏰:06/09/04 13:02 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#196 [カズ]
楽しみにしてる自分のペースでがんばっちゃて

⏰:06/09/04 13:13 📱:W41CA 🆔:12ujj.ho


#197 [ラビ]
カズさん~ありがとうございますュ@書きますッ(。_。)φ☆

⏰:06/09/04 18:18 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#198 [ラビ]
監督「よーし!クールダウン!!」

『ハイ!』



…今日の練習が終わった。


疲れたなぁ…。

早く晩飯が食いたい。



…そんなことを思いながら、すでに日の沈んだ空を見上げていた。





「お疲れっすー」

「お疲れ様でしたー」

「お疲れさん」

⏰:06/09/04 18:23 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#199 [ラビ]
「達矢先輩、お疲れ様でした!」

達矢「おーう!お疲れ」


部員たちが次々と部室を出ていく。


ヒロキ「おい達矢、行くぞ?」


達矢「おう☆」


ヒロキ・達矢『お疲れさんでしたぁ』


俺達も部室を後にする。


ガチャ。


ヒロキ「いやー疲れた疲れた。」

達矢「ホント疲れたよな。…ってあれ?」

⏰:06/09/04 18:31 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#200 [ラビ]
俺は忘れ物に気が付いた。


ヒロキ「どした?」


達矢「部室にチャリの鍵置きっぱなしだ。先チャリんとこ行ってて〜!!」


ヒロキ「わかった♪」


そう言って俺は一人で部室に戻った。

⏰:06/09/04 18:34 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#201 [ラビ]
達矢「はぁ〜。めんどくせぇなぁ…。」

ブツブツと文句を言いながら部室の前に立った。


部室のドアに手をかけ、開けようとしたとき…


「…だよな!」


と声が聞こえてきた。


…何だ?

俺は少し気になったので様子をうかがうことにした。

⏰:06/09/04 18:39 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#202 [ラビ]
「達矢ってさ、スゴいピッチャーの才能あるよなぁ!」

「だって小学校のときアイツのこと知らない奴いないってほど有名でスゴかったんだろ?」

「らしいよな!なんでエースじゃないんだろうな。まぁショートもカナリ上手いけど。」

「やっぱヒロキがいるからじゃねぇ?ヒロキも小学校の時からスゴいって有名だったしたさぁ」

⏰:06/09/04 18:43 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#203 [ラビ]
「でもそんなに差なんてないと思のになぁ」

「だよな。」


ドアの前で立ち聞きの俺。

ずっと昔にもこんなようなことしてた気がするなぁ〜なんて思いながら

もういいか。ヒロキ待ってるし。

そう思ってドアノブを回そうとした次の瞬間…

⏰:06/09/04 19:40 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#204 [ラビ]
「ヒロキがいなかったら完璧達矢がエースだったのにな」




…え?


今何て言った?




俺はドアノブから手を離し、一歩後ずさりした。


そしてまた、ずっと昔に同じようなことを言われた気がした。




「よっしゃー帰るかぁ」


俺はハッと我にかえった。

⏰:06/09/04 19:44 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#205 [ラビ]
ここで顔を合わせたら気まずい…。


とっさに俺は部室の裏にまわって身を隠した。



…ガチャ。



スタスタスタ…

⏰:06/09/04 19:46 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#206 [ラビ]
シーン…



部室には誰もいなくなったようだった。



…はぁ〜…。



俺はひとつため息をついて表のほうに戻り、部室へ入った。



達矢「あ、あったあった」


忘れ物の鍵を取るとすぐに部室を出た。

⏰:06/09/04 19:49 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#207 [ラビ]
“ヒロキがいなかったら完璧達矢がエースだったのにな”



…さっきの言葉が頭から離れない。


達矢「…るせぇ…」


俺は拳を握り、昔言われた言葉も思い出した。


“宮本がいなかったら坂本は…”



達矢「そんなの…昔から言われてる…。“ヒロキがいなかったら”…?ざけんな…」

⏰:06/09/04 19:55 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#208 [ラビ]
俺はフェンスを一発殴り、ちくしょうと小さくぼやいた。




「…達矢?」


俺はハッとして顔をあげた。


そこには心配そうにヒロキが立っていた。


きっと俺がなかなか戻ってこないから様子を見に来たんだろう。

⏰:06/09/04 19:58 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#209 [ラビ]
ヒロキ「どうしたんだよ?…鍵…あったか?」


達矢「あぁ…。待たせて悪ぃな☆」


俺はヒロキに心配をかけるまいと明るく振る舞った。


ヒロキ「大丈夫か…?」


達矢「大丈夫だけど?☆どした?(笑)」


ヒロキ「いや、ならいいんだけどさ…」

達矢「帰ろーぜ☆」

ヒロキ「おう」

⏰:06/09/04 20:03 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#210 [ラビ]
俺達は自転車に乗り、途中までの道のりを一緒に帰った。


達矢「じゃぁな☆」

ヒロキ「また明日ぁ☆」


いつもの交差点で別れをつげる。

達矢「はぁ…。」


俺はまたため息をついた。


ヒロキ…。

親友のお前にも、この悩みだけは言えねぇや…。




そうして今日も…一日が終わった。

⏰:06/09/04 20:10 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#211 [ラビ]
ちょっと休憩しまぁす(・・A;)読み返してみると納得出来ない文章がチラホラ…。すみません…(T_T)

⏰:06/09/04 20:21 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#212 [ラビ]
夏の暑さも本格的になり、連日セミの鳴き声が響く。





…カキーン…


「レフトレフトぉ!!」


ズサァッ…



…カキーン…



「走れ走れー!!」


ズサァッ…


「よし、オッケーだぁ!次!」


…カキーン…

⏰:06/09/04 22:07 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#213 [ラビ]
愛川高校のグランドは

いつものようににぎやかだ。


…カキーン…

ボールがバットに当たる金属音。

パシッ

ボールをグローブでキャッチする音。



ズサァッ…

選手たちが白球を追い、飛込んで着地するときの土の音。




まさに、夏の青春だ。

⏰:06/09/04 22:14 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#214 [ラビ]
この夏は、俺達にとって一生で一番大切な夏。


大きな夢の舞台

“甲子園”



その夢を


叶えるときがきたんだ。


夢が叶うときって…


どんな感じなんだろうな…

⏰:06/09/04 22:16 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#215 [ラビ]
【6章―甲子園】

ワァァァァァァァ…


響き渡る歓声。


球場は満員。


それもそのハズ…。




この試合は


甲子園がかかった決勝戦だから。

⏰:06/09/04 22:41 📱:W32SA 🆔:ycqhNSgc


#216 [ラビ]
愛川高校 対 白石学園


どちらも一歩も許さない大接戦。


俺はこの日、ショートを守っていた。


そして…迎えた最終回。



1点のリードを守る愛川。


それを追い掛ける白石。



この回を抑えれば


俺達の甲子園が決まる。

⏰:06/09/05 07:07 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#217 [カズ]
続きが気になるからアゲアゲ

⏰:06/09/05 10:03 📱:W41CA 🆔:v1yl.75k


#218 [ラビ]
カズさん~いつもありがとうございますュ書きますy~

⏰:06/09/05 13:16 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#219 [ラビ]
2アウト。


いよいよ…最後の一人だ。


2ストライク
2ボール


一気に鼓動が高鳴る。



ヒロキが振りかぶって…


投げた。

⏰:06/09/05 13:19 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#220 [ラビ]
…スパーン!!



「ストライク!バッターアウト!!」


―試合終了。



ワァァァァァァァ…


会場が破れんばかりの大きな歓声。


俺達は白石をやぶり、


甲子園を決めた。

⏰:06/09/05 13:23 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#221 [カズ]
甲子園だやった

⏰:06/09/05 13:57 📱:W41CA 🆔:v1yl.75k


#222 [ラビ]
文章ヘタで伝わってるか不安なんで一応言っておきます(>_<)
現在→過去→現在の順番で書いていますので、甲子園を決めたところは一番最初の>>1-4と同じ場面ということになります。
過去の所が長すぎてワケわからなくなってる人がいるかもしれないですね↓↓これから書くのは現在になるので、見捨てないで見てて下さいね(;_;)(笑)

⏰:06/09/05 14:59 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#223 [ラビ]
↑のアンカーミスりました(|| ゜Д゜)


>>1-4

⏰:06/09/05 15:01 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#224 [ラビ]
【7章―光と悪夢】

甲子園を決めた俺達は

学校ではヒーローだった。


地元中の新聞のネタになり、


監督のところにはよく記者が訪れていた。



なんせ10年ぶりの甲子園。


昔、日本中を沸かせた強豪が復活したのだ。

⏰:06/09/05 15:10 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#225 [ラビ]
ヒロキ「なんか…プレッシャーだよな。」


苦笑いでヒロキは言った。


達矢「新聞の記事の1面飾るような奴が何ビビってんだよ」



…どこの新聞を開いても

宮本宮本宮本宮本宮本…。


デカデカと写真まで載り、もはや地元でヒロキの名前と顔を知らない奴はいないだろう。

⏰:06/09/05 15:17 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#226 [ラビ]
ヒロキ「バカ、それもプレッシャーなんだろうが!(笑)」


俺達はハハハッと笑い、贅沢な悩みだな、と俺は言った。


達矢「もうすぐあの土を踏めるぜ」


ヒロキ「あぁ…。やっと夢が叶うな」




あの土が踏めるということは


球児であれば誰しもが羨ましがること。

俺達が長年見続けてきた夢は

この夏、やっと開花する。

⏰:06/09/05 15:22 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#227 [ラビ]
そして…俺はある決心をしていた。


達矢「なぁヒロキ…」


ヒロキ「ん?」



達矢「お前を…日本一のピッチャーにしてやるよ。」



ここまで来たらヒロキにはとことん上にいって欲しい…。


甲子園で優勝したら…


ヒロキは高校で日本一の投手となるだろう。

⏰:06/09/05 15:29 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#228 [ラビ]
ヒロキには、それに値する力もある。

不可能じゃないハズだ。


俺はニヤッと笑ってヒロキを見上げた。


するとヒロキはプッと笑って俺に言った。


ヒロキ「じゃあオレはお前を日本一のショートにしてやんなきゃな!」

⏰:06/09/05 15:32 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#229 [ラビ]
ヒロキもまた俺を見てニヤッと笑った。



達矢「約束だぜ?」


ヒロキ「おう!!」



また俺達はハハハッと笑って、今度は空を見上げた。


青くてキレイな空…。


この空は甲子園まで続いていて、この空の下でプレーするんだ。


「最高だな…」

俺はボソっとつぶやいた。

⏰:06/09/05 15:50 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#230 [ラビ]
ヒロキ「なぁ達矢…?」


達矢「あ?」


ヒロキ「中学ん時の…約束覚えてる?」

達矢「約束?」

ヒロキ「一緒に愛川行こうって言ってくれた時のさ…」

達矢「あぁ…」


俺はすぐに思い出した。

⏰:06/09/05 16:04 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#231 [ラビ]
中学の時、ヒロキと監督に呼ばれ、高校の話をされた時

俺達は笑って約束したんだ。




『甲子園行こうぜ』



また俺達の声がそろった。



ヒロキは笑って

「あの時の約束…守れて良かった…」

と言った。

⏰:06/09/05 16:16 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#232 [ラビ]
俺はそんなヒロキをパシっと叩いてこう言った。


達矢「バーカ。まだ終わってねぇだろ?新しい“約束”」


ヒロキは、“あ、そうか”と笑い

「日本一にならないとな」


と言った。


…そうだよヒロキ。


まだ約束は果たされてねぇよ。

⏰:06/09/05 16:24 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#233 [ラビ]
達矢「さーて、練習行くかぁ〜」

ヒロキ「おいっ待てよ!(笑)」






…もうすぐ甲子園。


この夏の間に


俺達は甲子園出場という希望の光を見た。


その光はまぶしくて、明るい。


でもこの時の俺は…


あんな悪夢を見るなんて

思いもしなかったんだ。

⏰:06/09/05 16:33 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#234 [我輩は匿名である]
続きが気になるからアゲアゲ

⏰:06/09/05 16:56 📱:W41CA 🆔:v1yl.75k


#235 [ラビ]
カズさんまたまたアゲありがとうございますュ
では…参りますy(笑)

⏰:06/09/05 17:50 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#236 [ラビ]
学校は夏休みに入り、3年生にとっては高校生活最後の夏休みだ。

さっさを進路を考えて動き出す奴。

部活から解放され、毎日のように遊びまくる奴。


いろいろいる。


けど、俺達はどちらもない。




もうすぐ…



夏の甲子園が始まる。

⏰:06/09/05 17:54 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#237 [ラビ]
甲子園まであと4日…。


練習も“全国”を意識して、ピリピリとした空気が流れていた。




「おい!そこ違うだろ?!」


監督のゲキがとぶ。


選手もみんな必死にボールに喰らい付く。


特に3年生は最後だから

誰もがベンチ入りを目指して必死にアピール。


…周り全てが敵だ。

⏰:06/09/05 18:04 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#238 [ラビ]
そんなこともあって

チームはまとまりを失っていった。


誰も会話がない。


ベンチ入りするかしないか瀬戸際の3年生は


いつもベンチ入りをしている後輩に冷たく当たる。


その後輩が何をするのも無視。


俺とヒロキは、後輩達をかばう毎日だった。

⏰:06/09/05 18:08 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#239 [ラビ]
達矢「悪いな…。ホントはそうゆう奴じゃないんだけど…。今ピリピリしてんだよ。ホントごめんな。」

俺は後輩に頭を下げる。


「いいっすよ。ピリピリする気持ちわかりますから。それに達矢先輩が頭下げないでください…」


幸い、後輩達はみんなイイ奴で、こっちの状況もわかってくれていた。

⏰:06/09/05 18:12 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#240 [ラビ]
ヒロキ「甲子園までに間に合うかな…」

達矢「大丈夫だろ。もうちょっとしたらおさまるさ。」


ヒロキ「そうかな…」


ヒロキは最近悩んでいるようだった。

たぶん、チームのまとまりが失われてきているのは

キャプテンである自分のせいだと思ってるんだろう。

⏰:06/09/05 18:24 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#241 [ラビ]
達矢「大丈夫。お前のせいなんかじゃねぇよ」


俺はそう言ってヒロキの肩を叩いた。


ヒロキ「…ありがとう。オレ…達矢がいてくれてホントに良かったよ☆」


ヒロキは笑って言った。


…俺も、ヒロキがいたからここまで野球が続けられたんだ。

⏰:06/09/05 18:38 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#242 [ラビ]
達矢「親友だろ?☆」

俺もヒロキには感謝しきれないくらい感謝してる。


今はヒロキに元気になって欲しかった。


ヒロキ「サンキュ☆」


達矢「よっしゃ!帰ろうぜ☆」

⏰:06/09/05 18:49 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#243 [ラビ]
今日もまた1日が終わる。




「じゃあな☆」




俺達はいつもの交差点で別れた。

ヒロキは元気を取り戻しているようだった。

⏰:06/09/05 18:51 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#244 [ラビ]
俺は家に帰り、カレンダーにつけられた赤い印を見つけた。


甲子園まであと3日。


もう目の前だ。


甲子園を考えると、緊張と興奮で毎日眠れないほどだった。


食事を済ませ、風呂に入り、ベッドの中にもぐりこむ。


…早く甲子園でプレーがしてぇな…。

今日もそんなことを考えながら眠りについた。

⏰:06/09/05 19:02 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#245 [ラビ]
次の日の朝。

いつもと何も変わらない朝だった。


達矢「ふぁぁぁぁあ…眠ぃ…」


あくびをしながら着替えを済ませ、部屋を出ようとした時…



「達矢ー!!達矢ぁー!!」


と母さんの声が聞こえた。

⏰:06/09/05 19:06 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#246 [ラビ]
達矢「起きてるー!!」


そう言い返して部屋を出た。



階段を降りると、母さんが慌ててとんできた。


「達矢っ!!早く車に乗って!!」


母さんの慌てように俺も驚いた。

達矢「なっなしたんだよ!?」

⏰:06/09/05 19:09 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#247 [ラビ]
母さん「いいからっ!!」


俺は言われるままに車に乗る。


…一体…何の騒だ…??


しばらく車は走り続け…


そうして着いた場所は…





…病院。

⏰:06/09/05 19:12 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#248 [ラビ]
…ゾクッ


俺は寒気がした。


この嫌な感じ…


前にもあった…。



…そうだ…



父さんのときだ…。

⏰:06/09/05 19:13 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#249 [ラビ]
車から降りると急いで病院の中に入った。


無我夢中で走る。


そして…ある病室の前に案内された。



病室のドアに手を伸ばす…。


…あぁ…この感じ…。


父さんのときと一緒だ…。


俺は頭が真っ白で、何も考えられなかった。

⏰:06/09/05 19:18 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


#250 [ラビ]
このドアの向こうで何が起こっているのかはわからない…。

だが、良くないことであるのは確かだ。



…俺の手が震えてきた。



…嫌だ…。

開けたくない…。


真っ白な頭の中で

考えることはそれだけ。

⏰:06/09/05 19:23 📱:W32SA 🆔:pFuM3zxU


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