無題【BL】
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#131 [我輩は人間である]

言った。言ってしまった。
膝がガクガクと震えるのが分かるほど千鶴は緊張と恥ずかしさでいっぱいだった。
「俺も好きだぞ?」
「へっ?」
思わぬ返事に顔を上げる。当たり前だと言っているような顔で柯伽は千鶴を見た。

「教え子嫌いな先生がどこにいるんだよ」
千鶴の告白はあっけなくラブじゃなくライクと勘違いされてしまった。にわか爽やかさ漂う微笑みに苛立ちさえ覚える。
天然なのか、なんなのか。

「お前そんなことで荒れてたのか?よくわからないけど嫌いになるなんてことはないから安心しろ」
「そうじゃなくてっ、恋愛的な意味で!」
つい大声を出してしまった。言ってすぐハッとする。柯伽は口をポカーンと開けて千鶴を見ていた。

⏰:10/10/08 03:48 📱:S001 🆔:☆☆☆


#132 [我輩は人間である]

その途端、ぼわっと一気に千鶴の顔が赤くなった。視線が下に向いてから、明らかに動揺していてあっちこっちに泳ぎまくりだ。

柯伽は驚きを隠せずにはいられない。
「好き?俺を?恋愛的な意味で?」
思わず口に出してしまった。教師だから冷静でいろなんてさすがに無理だ。
告白されたのだ。
生徒に。嫌いになるなんてことはない生徒に。
とりあえずーーーー
「場所移そうか…」

⏰:10/10/08 21:24 📱:S001 🆔:☆☆☆


#133 [我輩は人間である]



玄関ドアを閉める。ひんやりとした、じとっとした湿った空気が二人を包んだ。
何も言わずにさっさと奥へ行く千鶴の後ろ姿がいつになく華奢に見えるのを感じながら柯伽は続いた。

「それでさっきの話なんだけど…」
聞いていないかのようにコップに水道水を入れて柯伽に背を向け飲み干す。シンクにコップを置く音が千鶴には嫌に響いた。

「俺だって最初は変だと思ってた。男が男好きになるなんてありえねぇって。だけど普通となんか違うんだよ…あんたといると……、…あーもう、早くフレよっ」

やけくそになって急かすも柯伽は何も言ってこなかった。
多分、優しいから断りきれないんだ。言葉を選んでる最中に違いない。自分が切り出さなきゃ、あっちは何も言えないんだ。
今にも泣き出しそうな気持ちを抑えて千鶴は柯伽の方へ向き直った。

⏰:10/10/09 02:28 📱:S001 🆔:☆☆☆


#134 [我輩は人間である]

「………うわっ!」
思わずあられもない声が出てしまった。
さっきまで少し離れてた所に立っていたはずの柯伽が、すぐ後ろに立っている。
「びっくりさせんなよ……」
「ゴメンゴメン」
柯伽は苦笑いした。
そして小さく呟く千鶴の肩に手を置く。
置いた瞬間ビクッと千鶴の体が震えた。こっち見て、と言えば恐る恐る覚悟を決めたような、そんな顔が柯伽を見る。

「今まで男と付き合ったことないし、正直反応に困ってる」
「…………」
「うーん…でも嫌ってわけじゃない。水野の気持ち聞いてそーゆう対象として見れるかってさっきちょっと考えたけど、全然平気だった」

⏰:10/10/09 17:57 📱:S001 🆔:☆☆☆


#135 [我輩は人間である]

「………うん」
「だから、さ。ちょっと付き合ってみてくれない?俺に」

嫌じゃないと思ったのは事実だ。
男同士でなんて考えてもなかった展開に戸惑いはあったが、千鶴とそうした関係になった時を考えたらすんなり入っていけるように思えた自分に驚きはあった。
だけど、そう思うなら今、断ることもない。
それに柯伽にとって千鶴はほっとけない存在だったのも確かだった。
それが生徒としてなのか。それとも別の何かなのか。

「今は自分の気持ちがなんなのかわからないけど、」
「は……なにそれ」
「だから……俺たち付き合ってみる?」

⏰:10/10/10 17:34 📱:S001 🆔:☆☆☆


#136 [我輩は人間である]

置いた手を自分に寄せて千鶴を抱き締めた。片手は背中にもう一つは後頭部に。
ドキドキした。もしかして好きなのかもしれない。
グッと手に力を込めて抱き直すと空中にさ迷っていた手が恐る恐る柯伽の背中に回った。
「……………」
やっぱり、嫌じゃない。
「これはオーケーってこと…ですか」

千鶴は柯伽の腕の中で小さく頷いた。
千鶴の胸は想いが通じたとそれだけでいっぱいだった。
何より夢じゃないかと思って回した手をつねってみたが痛い。現実だ。

それから二人、部屋の肌寒さを埋めるように何も言わずお互い暫く抱き締めあった。

⏰:10/10/11 01:55 📱:S001 🆔:☆☆☆


#137 [我輩は人間である]
END

⏰:10/10/11 01:56 📱:S001 🆔:☆☆☆


#138 [我輩は人間である]
 
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4648/


やっと完結できました。長い月日がたってしまいましたが最後まで書き上げたかったので自分なりにはほぼ満足です(汗)
下書きをした書き方をしていないので文にかたよりがたくさんありますがそこは暖かい目で見てくれれば嬉しいです。
そして、この作品についてのリクエストをしてくれた匿名さんに少しでもよかったと思ってもらえるなら嬉しい限りです。

⏰:10/10/11 02:01 📱:S001 🆔:☆☆☆


#139 [我輩は人間である]

【短編】

無愛想

⏰:10/11/09 22:40 📱:S001 🆔:☆☆☆


#140 [我輩は人間である]

俺は今、完全にルンルン気分。久しぶりに会うので楽しみで仕方ない。向かう最中もニヤニヤが止まらないのが自分でもわかった。

学校前に着くと更にウキウキワクワクが止まらなかった。校門横辺りで日比谷さんを待っていると、横を通り過ぎていく人が一瞬俺に目を止めるのがわかる。

まぁそりゃそうだ。
他校の奴が何の用ですかって感じだろう。しかも、バカ校で有名な学校の制服を着た俺が、名門校頭良し子ちゃんで有名な学校の前に立ってる以上、見下された視線を受けるのもそりゃ仕方ない。

⏰:10/11/10 23:43 📱:S001 🆔:☆☆☆


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