君に告げる
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#19 [すー]
毎回毎回、春代は私に手紙を書いて、毎回毎回私は読みもせずにそれを破り捨てていた。
春姫はそれを知っていたのだろうか。
「破り捨てるの?」
「………さぁ」
沙耶の問に私はため息をつきながらもう一度手紙を読んだ。
綺麗な字。
なんで朝に手紙を置いてまた外へ出たのだろうか。
:10/01/29 21:14
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#20 [すー]
今まで破り捨ててきた手紙にも同じことが書かれてたのだろうか。
「瑠衣は、まだあのこと怒ってるの?」
「あのことって何?」
あのこととは何か知っているけど、知らないふりをした。
それを知ってか、沙耶はため息をついて私をみた。
「可哀想な春姫」
:10/01/29 21:23
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#21 [すー]
可哀想な春姫
確かに可哀想なのかもしれない。
手紙を読まれず、
許されず、
今にも命を落としそうな春姫。
でも、それでも私は悪くない。
:10/01/29 21:30
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#22 [すー]
「三橋っみっけ」
聞き覚えのある声に、振り向くとそこには幼なじみの村井和樹。
柔らかい微笑みで女子を虜にしている。
「沙耶も一緒か」
「あんたにやるご飯はないわよ」
沙耶は笑いながらいうと村井はむっとした表情をしながら近づいてきた。
「何か用?」
「あー夏休みさ、一緒に地元帰らない?」
村井は頭をポリポリ掻きながら照れくさそうに言った。
:10/01/29 21:48
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#23 [すー]
「あんたって空気読めないの?それともただの馬鹿?」
「え?なんだよ沙耶!ただ一緒に帰る約束してるだけじゃん」
それが馬鹿なんだよと、あきれた顔をしながら私のほうをみた。
「今年はどうかな」
そう言うと村井はガックリと肩を落とした。そんな村井を見て沙耶は笑っている。
:10/01/29 22:09
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#24 [すー]
「ほらみて村井、瑠衣にはね今まで色んな子から今時ラブレターもらってるんだから」
沙耶はいつのまにか春姫以外の2つの手紙をヒラヒラと見せている。
「まじかよ?誰から?」
そんなこと教えないと分かっているのに村井は必死だ。
:10/01/29 22:23
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#25 [すー]
そんな2人のやりとりを見ながら、やはり考えてしまうのは桜田春代のことだった。
彼女が死んだら
何か変わるのか。
何も変わらないのか。
『いつまでも待っています』
その文字を頭の中で繰り返した。
:10/01/29 22:33
:F706i
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#26 [すー]
いつまでも×
いつも○
春姫と出会ったのは、桜咲く入学式でだった。
誰もが桜田春代を見ていた。
可愛い女の子。
誰からも愛されることを許された女の子。
中学校の頃にもの凄く可愛い子がいると聞いたことがあって、彼女を見たときは
あぁ、この子か。と確信した。
:10/01/29 22:46
:F706i
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#27 [すー]
桜田春代と会話をしたのは沙耶を通してだった。
間近で春姫と呼ばれる女の子と見たときは、同性でもドキリとした。
本当に『春姫』という名にふさわしいと思った。
クラスは違うがいつのまにか沙耶がいなくなっても、暇があれば2人で話をするような仲になっていった。
気が合う友人だった。
:10/01/29 23:03
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#28 [すー]
寮でも一緒にいて不思議に思われるほど仲が良かったと思う。
だからあんなことも信じてしまったのかもしれない。
いや、冗談だということも分かっていた。
私は彼女の罠にはまっていたことを噂で知った。
:10/01/29 23:16
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