君に告げる
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#1 [すー]
私は伝えなければならない


君に恋をし、君を愛していたことを

君は知っているはずだ

君の記憶に残らなくては君に愛されなければならない


何通もの手紙を破られ拒否されるならば


私は

⏰:10/01/29 16:37 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#2 [すー]
夢をみた。
またアイツだった。



こっちをみていつものように笑っている。


ただ笑っている。
目線が合えばアイツは一気に無表情になって、私の横を通り過ぎる。


通り過ぎた瞬間、アイツは果てしない闇に落ちてしまう。
自己嫌悪と気味悪さで目が覚める。

そんな夢だ。

⏰:10/01/29 16:41 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#3 [すー]
「おはよう、よく眠れた?」



カーテンが開かれる音がした後、少し枯れた声が聞こえた。


質問に答えず黙っていると、ため息とともに布団を一気にはがされた。


「いい加減起きないと遅刻しちゃうよ、瑠衣?」

⏰:10/01/29 16:47 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#4 [すー]
体が冷たい空気に触れて、さらに機嫌が悪くなったのが自分でも分かった。体を起こし、制服の身だしなみを気にしている女の子をみた。


「分かってるよ、沙耶」


シャツを脱ぎながら言うと、やっぱり瑠衣の肌は綺麗だねと、うっとりした目を向けられた。

⏰:10/01/29 17:17 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#5 [すー]
私が今いるこの場所は学校の女子寮だ。



「やっぱり、っていつみたのよ?」


「秘密」


沙耶は笑いながら言うと長い髪を1つに結び、鞄を取ると先に出て行った。

遅れないでね。と言い残して。

⏰:10/01/29 17:25 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#6 [すー]
あと30分ぐらいで学校が始まる。


「ご飯食べ損ねた」


急ぐことなく、顔やら髪を整えて制服を着る。
購買で買えればいいか、と考えながら部屋をでた。


寮から学校は近い。
欠伸を隠しながら歩いていく。

同じ制服をきた女子は通り道にはもういなくて、遅刻するかもな。そう思った。

⏰:10/01/29 17:36 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#7 [すー]
学校に入り、古ぼけた木の下駄箱をあけるとそこには三枚それぞれの柄の便箋が置いてあった。



『三橋瑠衣様へ』

多分ラブレター。
どれも同じような内容だろう。そう思いながらも三通の手紙を鞄に入れた。


チャイムはまだ鳴らなかった。

⏰:10/01/29 17:47 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#8 [すー]
教室に向かうと廊下がざわついている。階段を上りきると、廊下には生徒が出ていた。もう時間はすぎているはずなのに。


そしてどうしてか、みんなヒソヒソと顔をしかめて話している。


何か良くないことが起こったのは分かった。


『って……分からないけど…』

『あそこから?』

『あ、三橋さんだ』

チラリと誰かと目があったけど気にせずに自分の教室へ向かった。

⏰:10/01/29 18:03 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#9 [すー]
どうしたらいいか



どうしたら君の記憶にはっきりとより鮮明に私の存在が残るのか



ずっと考えていました。

三橋瑠衣さん



私はずっと考えていました。

⏰:10/01/29 18:09 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#10 [すー]
教室に入ると重苦しい空気と共に誰かが泣いているしぐさが見えた気がした。


「瑠衣っ」

「遅れたけど、何かあったの?」


隣の席の田中葉津がオロオロとしながら私に話始めた。

⏰:10/01/29 18:17 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#11 [すー]
「桜田さんが……事故でっ……今病院にいるんだって」


桜田


桜田春代


異性からも同性からも好かれていた同じクラスの人気者。名の通り彼女の雰囲気は春のような穏やかさがあった。ふわふわした髪、白い肌、ぽってりとした桜色の唇。なにより彼女は桜が好きだ。


だからみんなは彼女のことを「春姫」やら「春の乙女」やらくさい名前で呼んでいた。


そんな桜田春代が事故にあった。
みんなの人気者のあの子が………ふと桜田の席を見た。

⏰:10/01/29 19:38 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#12 [すー]
いつもだったら


彼女の席の周りには男女関係なく人がいた。



今は誰もいない。


あるのは重い空気。


「……死んだの?」


私の答えに葉津は首を横に振った。まだ分からないようだが、葉津の顔は死を連想させるくらい暗かった。

⏰:10/01/29 19:47 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#13 [すー]
「席について、出席とるから」



いきなり教室に入ってきたのは担任の佐藤先生ではなく副担の村山先生だった。あまり見ない村山先生の登場にみんなの空気が一瞬止まった。


淡々と出席を取っていく村山先生。

そして、桜田春代が事故にあったことをみんなに伝えた。やはりまだ生死については分からないのか村山先生は口を濁しながら、ホームルームを終わらせ教室を出て行った。

⏰:10/01/29 20:01 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#14 [すー]
ざわざわ



ざわざわ



教室はいつもよりうるさく、廊下はさらにざわめき、学校中が桜田春代の話題だった。


『あの春姫が…』
『笑顔が見れないのか』『なぜ春姫なんだ』



まだ死んだとは誰も言っていないのに、もはや桜田はいなくなってしまったように嘆き悲しまれていた。

⏰:10/01/29 20:15 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#15 [すー]
「瑠衣知ってた?」


今は昼休み。寮で同室の沙耶と一緒にお弁当を食べている。

知ってた?と言うのは桜田のことだろう。


「知ってたというか…葉津に教えてもらった」


「ふーん、今日も手紙入ってたんでしょ?」


手紙…そう言えば今日は手紙が3通入っていたのを思い出した。本当は思い出したくなかったのだか、沙耶にそう言われて大人しく鞄から手紙を取り出した。

⏰:10/01/29 20:26 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#16 [すー]
「今日は3通かー」


沙耶はニヤニヤしながら私を見た。そして呼んでごらんなよと目で言ってきた。


3枚の手紙はそれぞれの柄つきだった。


1つは動物の可愛らしいキャラクター
1つは桜の花びら
1つは一匹の黒猫


「もちろん春姫のから読むでしょ?」


ギクリと体が硬直した。今日の夢を思い出す。そういえばアイツは……


春代は闇に落ちていった。

⏰:10/01/29 20:40 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#17 [すー]
呼んで×
読んで○


「いつものように破り捨てる訳にはいかないもんね、最後かも知れないし読んであげなよ」



案外冷たいことを言うものだと思いながら、今まで自分がやってきたことを振り返ると、自分も冷たい奴だと思った。



「…破り捨ててたの知ってたの?」

「ゴミ箱みた」



悪趣味な奴。そう思いながらも、桜の花びらの手紙を開けた。

⏰:10/01/29 20:52 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#18 [すー]
三橋瑠衣さんへ



覚えていますか?
あなたが私に言ったことを。


忘れたと言うならもう一度だけ私を見て下さい。


私は覚えています。
ずっとあなたのことを忘れません。


気づいてください。


私はあなたのことを騙していないことを。


本当のことを。
あなたは分かっているはず。
いつでも待っています



桜田春代より

⏰:10/01/29 21:04 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#19 [すー]
毎回毎回、春代は私に手紙を書いて、毎回毎回私は読みもせずにそれを破り捨てていた。


春姫はそれを知っていたのだろうか。



「破り捨てるの?」
「………さぁ」


沙耶の問に私はため息をつきながらもう一度手紙を読んだ。

綺麗な字。
なんで朝に手紙を置いてまた外へ出たのだろうか。

⏰:10/01/29 21:14 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#20 [すー]
今まで破り捨ててきた手紙にも同じことが書かれてたのだろうか。


「瑠衣は、まだあのこと怒ってるの?」


「あのことって何?」


あのこととは何か知っているけど、知らないふりをした。
それを知ってか、沙耶はため息をついて私をみた。

「可哀想な春姫」

⏰:10/01/29 21:23 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#21 [すー]
可哀想な春姫

確かに可哀想なのかもしれない。



手紙を読まれず、


許されず、


今にも命を落としそうな春姫。


でも、それでも私は悪くない。

⏰:10/01/29 21:30 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#22 [すー]
「三橋っみっけ」

聞き覚えのある声に、振り向くとそこには幼なじみの村井和樹。


柔らかい微笑みで女子を虜にしている。


「沙耶も一緒か」
「あんたにやるご飯はないわよ」


沙耶は笑いながらいうと村井はむっとした表情をしながら近づいてきた。

「何か用?」
「あー夏休みさ、一緒に地元帰らない?」


村井は頭をポリポリ掻きながら照れくさそうに言った。

⏰:10/01/29 21:48 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#23 [すー]
「あんたって空気読めないの?それともただの馬鹿?」


「え?なんだよ沙耶!ただ一緒に帰る約束してるだけじゃん」



それが馬鹿なんだよと、あきれた顔をしながら私のほうをみた。


「今年はどうかな」


そう言うと村井はガックリと肩を落とした。そんな村井を見て沙耶は笑っている。

⏰:10/01/29 22:09 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#24 [すー]
「ほらみて村井、瑠衣にはね今まで色んな子から今時ラブレターもらってるんだから」


沙耶はいつのまにか春姫以外の2つの手紙をヒラヒラと見せている。


「まじかよ?誰から?」


そんなこと教えないと分かっているのに村井は必死だ。

⏰:10/01/29 22:23 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#25 [すー]
そんな2人のやりとりを見ながら、やはり考えてしまうのは桜田春代のことだった。



彼女が死んだら



何か変わるのか。
何も変わらないのか。



『いつまでも待っています』


その文字を頭の中で繰り返した。

⏰:10/01/29 22:33 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#26 [すー]
いつまでも×
いつも○



春姫と出会ったのは、桜咲く入学式でだった。



誰もが桜田春代を見ていた。


可愛い女の子。
誰からも愛されることを許された女の子。


中学校の頃にもの凄く可愛い子がいると聞いたことがあって、彼女を見たときは


あぁ、この子か。と確信した。

⏰:10/01/29 22:46 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#27 [すー]
桜田春代と会話をしたのは沙耶を通してだった。

間近で春姫と呼ばれる女の子と見たときは、同性でもドキリとした。


本当に『春姫』という名にふさわしいと思った。


クラスは違うがいつのまにか沙耶がいなくなっても、暇があれば2人で話をするような仲になっていった。


気が合う友人だった。

⏰:10/01/29 23:03 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#28 [すー]
寮でも一緒にいて不思議に思われるほど仲が良かったと思う。



だからあんなことも信じてしまったのかもしれない。
いや、冗談だということも分かっていた。



私は彼女の罠にはまっていたことを噂で知った。

⏰:10/01/29 23:16 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#29 [すー]
私は春姫という可愛らしい呼び名とは違った呼ばれ方をされていたのを知っている。


『橋の上の君』


まったく意味が分からない呼び名だった。きっと三橋の橋からかけたのかなんてことをその時は思った。



『いいじゃない、橋の上の君』



春姫にそう呼ばれると、不思議とその名も悪くないかと思えた。

⏰:10/01/29 23:41 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#30 [すー]
カサリと桜の花びらの柄をした手紙を閉じた。
ゆるい風が窓から入ってくる。


「春姫…死んじゃったらどうする?」

「あれ、村井は?」


沙耶の問を無視して、村井がどこに行ったか聞く。



もう春姫の話は聞きたくない。

考えたくない。
死んでしまったら死んでしまったで、彼女の話は終わりにしたい。

⏰:10/01/29 23:48 📱:F706i 🆔:QwaWqOt6


#31 [すー]
『ねぇねぇ橋の上の君と春姫の噂知ってる?』


『でも、橋の上の君は可哀想』


『だって春姫は』



『村井を落とすために近づいたんでしょ』


『それ本当?』


『春姫もやっぱ女だね』

⏰:10/01/30 10:13 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#32 [すー]
トイレの個室に入ったとき、よくあるパターンで盗み聞きしてしまった。


私と春姫は親密な関係だなんて噂は慣れていたが、村井と春姫のことはその時初めて知った。




だからなのかもしれない。


だから?



裏切られた。



そう思った。

⏰:10/01/30 10:20 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#33 [すー]
彼女がいったあの言葉も


行動も



すべて嘘だった。



しかしあれは本当だった。


春姫は

⏰:10/01/30 10:30 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#34 [すー]
私を愛していた




……―――




「瑠衣?」


「あ、ごめん。」



沙耶が不思議そうな顔をして私を見ている。


きっと春姫のことを考えていたことを見抜かれているだろう。


「教室いこ」


朝に起きた出来事なんてあっという間に過ぎていく。
その時の昼の終わりを告げるチャイムはいつもよりゆっくり聞こえた。

⏰:10/01/30 10:45 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#35 [すー]
授業はいつものように進んだが、朝のあの重い雰囲気が元に戻ることはなかった。


考えたくないのに考えてしまう。


痛かっただろうか。
肌に飛び散ったどろりとした赤い血を、一体何人の人が見たのだろうか。


春姫は今、生きていたら何を思うのだろうか。


そんなことばかり頭をよぎり、朝に見た夢をまた思い出して嫌な気分になる一方だった。

⏰:10/01/30 10:55 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#36 [すー]
……―――



寮に帰り食堂に行くと入った瞬間、ざわついていた音が静まった気がした。



料理を注文して席につき食事をする。


その動作一つ一つを誰かに見られている、なんとなくそう思った。

⏰:10/01/30 18:03 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#37 [すー]
『ねぇ春姫』



『私と賭けをしない?』



『橋の上の君は、男に興味がないか。なぜ?だって告白されても付き合おうとしないもの。試してみるだけよ』



『ねぇ、春姫』


『大丈夫、バレても橋の上の君なら笑って許してくれるから』

⏰:10/01/30 18:11 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#38 [すー]
………―――

「沙耶、もう寝るよ?」


「待ってあと少しで終わるから」


沙耶は珍しく机に向かって勉強をしている。
沙耶の背中を見ながらかつての春姫を思い出した。彼女だけを照らす蛍光灯は不思議と綺麗に見えた。

「明日には分かるだろうね」


「何が?」


そう聞かなくても帰ってくる答えは知っているのに。

⏰:10/01/30 18:19 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#39 [すー]
「春姫が」


「その話ばっか」


くるりと沙耶が振り向き私を見る。
さらりとした黒髪が揺れている。


「本当は気になって仕方がないくせに」

⏰:10/01/30 19:38 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#40 [すー]
そうなんでしょ?とまた強い口調で言われると、言い返そうにもできなかった。


「ねぇ」


ギシリとベッドが軋む。
沙耶は綺麗だ。
スラリとした手足に今時珍しい長い黒髪。

顔も整っていて……

自然と沙耶と見つめあっていた。顔がいつもより近い。


「キスしようか」

⏰:10/01/30 19:47 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#41 [すー]
突然の誘いに目が見開く。


前みたいだった。
重なる姿を頭の中から取り払う。


「冗談よしてよ」


そう言って布団の中にもぐりこんだ。

冗談なのかそうじゃないのか、沙耶の無言のままパチリと電気が消える音がした。

⏰:10/01/30 19:53 📱:F706i 🆔:Lwi/9UUc


#42 [すー]
………――


だからなのかまた夢をみた。


夢の中の春姫はいつものように笑っていた。


『ねぇキスしようか?』


シンクロする。
あの日の春姫がつけていた甘ったるい香水の匂いや、誰もいない教室に埃が光に反射して彼女の顔が輝いてみえたこと。


校舎のどこかで誰かの声が響いてた。



笑っていた夢の中の春姫はいつの間にか無表情になっていて、また私の横を通りすぎていった。

⏰:10/02/01 11:41 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#43 [すー]
「待って」



「春代っ待って」


私の声に振り向く様子もない。
ふわふわした髪が強い風に吹かれた瞬間、春姫は桜の花びらのように散ってしまった。



「春代っ!?」


手を伸ばしても彼女の塵さえ掴めなかった。

⏰:10/02/01 15:09 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#44 [すー]
……―――

暗い、まだ暗い。

そんなことを思いながら目が覚めた。
まだ5時前だった。

顔に手をやると目尻のあたりの肌がザラザラしている。



泣いた?


泣いてしまうような夢だったろうか。


取りあえず顔を洗いに行かないと……笑われるか奇妙な目で見られてしまう。沙耶が布団にくるまっているのをチラリと見て部屋を出た。

⏰:10/02/01 15:17 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#45 [すー]
洗面所に向かうまで自分だけの足音が聞こえる。薄暗い廊下はいつもより長く感じた。


洗面所につき電気をつけ、鏡に映る自分の顔をみた。


両方の目から涙が乾き白い後が残っている。
見られなくて良かった。そう思いながら蛇口から出てくる冷たい水を顔につけた。

⏰:10/02/01 15:27 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#46 [すー]
「早いですね、三橋先輩」

いきなり自分以外の存在を知ると怖いもので、一瞬体が硬直した。


ゆっくりと顔を上げ鏡越しに声が聞こえたほうを見た。
濡れた髪が顔に張り付いて鬱陶しい。


ぽたぽたと滴が落ちる。

⏰:10/02/01 15:40 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#47 [すー]
そこには見慣れない子が立っていた。


髪はショートで目は細いがキリッとした顔つき。初対面だからとくに何も言うことがない。

「……そっちも早いね」


そう言うと相手がムッとした表情をしたのが分かった。


「何か用なの?」

⏰:10/02/01 15:48 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#48 [すー]
「……平気なんですか?」
そんな問いかけをするということは、また春姫の話だなとすぐに分かった。


「……平気だけど、名前なんていうの?」


「1年の豊川薫です…私はっ」

顔をタオルでふきながら今日の朝食は何にしようか考えた。


「桜田先輩が好きです」

⏰:10/02/01 15:56 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#49 [すー]
タオルをとって、豊川薫と名乗った子をちゃんと見ると、ここぞとばかりに話し始めた。


「すごく心配なんです、何も考えられないくらい。でも、どうして……三橋先輩は平気だと言うんですか?私は桜田先輩を…春姫をずっと見てきました、だから!」

握り拳を作りながら話す豊川をみていると、腹立たしい気持ちとともに呆れた気持ちが出てきた。

「愛の告白なら本人の前でしてくれない?」


「そんなんじゃありま…」

「豊川が春姫を大切に思ってることは分かったから……じゃあね」

⏰:10/02/01 16:09 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#50 [すー]
そう言ってその場を立ち去るが、背中をじっと見られているのが分かった。



「死んじゃったら愛の告白もできない……か」



ポソリといった言葉は豊川に聞こえることなく廊下に消えていった。

⏰:10/02/01 16:14 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#51 [すー]
『桜田先輩、何を書いてるんですか?』


『手紙かな?』


『手紙かな?って…ラブレターですか?』


『そうとも言うけど……そうとも言えない手紙』

『でも先輩から貰えるなんて…その人は幸せですね!』

⏰:10/02/01 19:12 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#52 [すー]
幸せですね、そう言って春姫の表情をみた時、言ってはならないことに触れてしまったのだろうかと豊川は思った。


『……どう思われてもいいの、ただ知ってくれればそれでいい』


嬉しそうに悲しそうに言ったその言葉が、まだ豊川の頭に残っていた。


「三橋先輩……」


豊川はそんな春姫との会話を思い出しながら三橋が静かに歩いていくのを見ていた。

⏰:10/02/01 19:21 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#53 [すー]
………―――
あの子は春姫の何なんだろう。
ただの後輩なんだろうけど。

ずっと見てきたって……入学してまだ半年しか経ってないのに。よく言うよ。


私の方が……


私の方が?


認めたくない。


けど、豊川よりも私の方が春姫を見てる。

⏰:10/02/01 19:38 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#54 [すー]
笑ってる春姫


静かに泣く春姫


不機嫌な春姫


豊川よりも…いやこの学校の誰よりも春姫のことをずっと見てきた。



私にしか見せない顔。



あぁ…ダメだ。

どうして彼女を許せないのだろう。

⏰:10/02/01 19:43 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#55 [すー]
『違うの!瑠衣!話を聞いてっ』


『許されようなんて思ってない!』


『お願い最後まで話を聞いて』


『瑠衣!』

⏰:10/02/01 19:47 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#56 [すー]
あの時後ろから耳にした春姫の声が今更になって私を引きとめている。


春姫はきっと可愛らしい顔をぐしゃぐしゃにして叫んでいたのだろう。


次の日から下駄箱には桜の花びらの手紙が入っていた。


次の日もその次の日も。手紙は途切れることなく下駄箱に入って読まれることを待っていた。

⏰:10/02/01 19:54 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#57 [すー]
「嫌になるな」


思わず口に出てしまう。いや、出していないと負けてしまいそうだ。


時計をみると6時になりそうだった。


二度寝をしたらまた春姫が夢に出てきそうで怖くなる。

外は晴れているし、久しぶりに散歩でもしよう。そう考えると体が楽になった気がした。

⏰:10/02/01 20:13 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#58 [すー]
君に告げる【感想】板
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/4686/


作りました。
読んでくれている方、暇があったら寄っていってくださいヽ(´ー`)ノ

⏰:10/02/01 23:13 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#59 [すー]
……――


朝の外は本当に久しぶりだった。
雀が何羽かチョンチョンと歩道の脇を歩いている。


取りあえず学校へ行ってみることにした。と言ってもまだ門の鍵は開いてないから入れない。たどり着いたがあかない門にムカついて蹴っといた。


ただ校舎の周りを歩くしかない。

「やっぱ三橋じゃん」

「…村井?」

⏰:10/02/01 23:24 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#60 [すー]
「?をつけなくても、分かるだろ。なにしてんの朝から」


ニコニコしながら聞いてくる村井はジャージ姿で、いかにもスポーツっていいよ?とアピールしているように思えた。


「散歩、あんたはジョギング中?」


「そうだけど、散歩するなら一緒に走んない?」


……なぜそうなってしまうのか意味が分からない。村井はまだニコニコしながら私の方を見ている。

⏰:10/02/01 23:35 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#61 [すー]
「普通逆でしょ、あわせなよ」


ああそうかと村井は笑いながら言うと私の隣にきて、一緒に歩き始めた。

そういえば、村井は春姫のことは何も思ってないのだろうか。ふとそう思って村井の方を見た。


「俺さ、昨日桜田のこと見たんだ」

⏰:10/02/01 23:43 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#62 [すー]
まさか村井のほうから春姫の話題をふるなんて思わなかった。


「何そんなに驚いた顔してんだよ、まぁびっくりだけどな」


村井は勘違いをしながら話を続けていく。


「ちょうど門から出て行くの見て、小走りに走ってたから声かけたんだ。急いでどこ行くの?って。そしたら、城山公園に行くって。」


城山公園……まさか。

⏰:10/02/01 23:56 📱:F706i 🆔:JQdT5zys


#63 [すー]
「城山公園で事故なんて」

「え?ちょ……まさか知らなかった?」


村井が驚き、立ち止まった。嫌な風が私の髪を踊らせる。


「事故っていうから…車が何かに跳ねられたんじゃ」


「違うよ、三橋…」

⏰:10/02/02 00:03 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#64 [すー]
「落ちたんだよ。」

城山公園の裏は桜の木がたくさんあって


すぐ近くに「危険!近寄るな」という看板。
崖のようになっていて、下には小さな脇道がある。高さは20メールは軽く越えているはずだ。



一瞬春姫が落ちていく姿を想像した。

⏰:10/02/02 00:12 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#65 [すー]
「あ、三橋おいっ!待てよっお前今日の新聞読んだのかよ!?」



村井が叫んでるのなんて気にせず私は走った。


なんで走っているのか。そんなこと、どうでも良かった。



ただそこに行かなくてはならない。

⏰:10/02/02 00:18 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#66 [すー]
……―――

柔らかい口唇だった。


チラリと制服から見えるお腹に心が跳ねる。

すべすべとした柔らかい肌で、温かい。


甘ったるい香水が頭を痺れさせる。

⏰:10/02/02 00:26 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#67 [すー]
『いいの?』


『…瑠衣になら何をされてもいい』

白い頬が少女漫画で見るように赤く染まった気がした。

思春期ってこういうものなのか。同性に心を奪われて、今体さえも奪われようとしている。いや、奪っているのか?


そう考えながら、するすると手を肌に添えながら胸の膨らみにたどり着く。

⏰:10/02/02 00:34 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#68 [すー]
『恥ずかしい?』


顔をしかめながら首をふり大丈夫と体で示す。


歯止めがきかないというのは本当にあるもんだと私は思った。


春姫の体を弄る。
柔らかい、誰にも触れられたことがない肌。


『…あっ…』

秘部まで。

⏰:10/02/02 00:41 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#69 [すー]
声を聞いたら
後戻りなんてできない。


彼女を

春姫を


桜田春代という純粋な人間を今この手で汚している。


いや、愛しているのか。言葉にはできないことを今こうして、彼女に伝えてるのか。

⏰:10/02/02 00:47 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#70 [すー]
『…るっ…い…』


名前を呼ばれるだけで、こんなにも嬉しいと思える人がこの世の中にいるのだろうか。



私は春姫を愛していた。

心も体も。
離れられない。

⏰:10/02/02 00:52 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#71 [すー]
だから?……


春姫の噂がどうしても許せなかった。

愛しているからこそ、許せる。そう思っていたのに、できない自分がいた。だから別れを告げた。

『え?どうして?』

泣きそうになる春姫。
そして何か思い当たるのかハッとする春姫の顔を見たとき…


全てが事実だったのだと思った。何かが私の中で壊れたのだ。

⏰:10/02/02 01:03 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#72 [すー]
春姫とのそんな関係は半年以上経っていた。


秘密の交際は知らぬ間に人に知られ、噂になる。
噂になっても変わらない関係。私は心底春姫を信じていた。

⏰:10/02/02 01:09 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#73 [すー]
………―――



こんなことになるなら、あの時許すべきだった。


「はっ…はぁ…」


ざわざわと葉が風に揺られている。土の匂いと草木の匂いがする。


「しろっ…やま公園っ」


誰もいない公園。春姫だってそこにいないのに。私はまた駆けだした。

⏰:10/02/02 01:15 📱:F706i 🆔:vMl7Ot9Q


#74 [すー]
公園の奥へ行くと青々しい葉を揺らしている桜の木。


その下には緩んだロープと古ぼけた看板があった。


注意しながらロープをこえて崖のようになっている所を見下ろした。



ここから春姫が落ちるところを想像する。

叫んだろうか?
落ちる景色はいったい何色だったのか。

⏰:10/02/06 23:58 📱:F706i 🆔:6N2CEW/Q


#75 [すー]
どのくらいそこに立っていたのか、子供が無邪気に笑う声が聞こえる。



はっとして携帯を見るとあと十分で授業が始まってしまうことが分かった。


「………」


ポケットからくしゃくしゃになった手紙を取り出す。

⏰:10/02/07 00:07 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#76 [すー]
「バイバイ春代」


本当にさようなら。




ビリッと手紙を破ると、もう一度破く。


ビリッビリッビリッ



できるだけ細かく。

⏰:10/02/07 00:10 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#77 [すー]
両手にこんもりと山を作って、それを捨てようとすると

「あ………」

強い風が吹いて



パラパラと紙屑は舞いながら落ちていった。


まるで季節はずれの桜だと三橋は思った。

⏰:10/02/07 00:14 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#78 [すー]
「……る……い?」



「!?」



見覚えのある声にゆっくりと振り向くと



そこにはいるはずのない者がいた。



「……は?え??」

⏰:10/02/07 00:17 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#79 [すー]
顔や足、至るとこに包帯を巻き、松葉杖をつき


そこに微笑みながら立っている。



「………う…そ」


頭が混乱する。
昨日この世からいなくなったばかりの春姫が現れている。

⏰:10/02/07 00:21 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#80 [すー]
「……るい…泣いてるの?」


「……はっ…意味…分かんない」


頬が濡れてる。
顔が熱い。


風がふき気持ちを落ち着かせ、冷静さを取り戻す。

「……るい、私」

「助かってたの?」

⏰:10/02/07 00:26 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#81 [すー]
困ったような顔をして、うんと春姫が頷いた。


「………今は安静にしなきゃいけないんだけど抜け出してきたの」


「………ここに来たのは村井君が教えてくれたからで……、るい」


村井。そういえば新聞読んだか?って言ってたっけ。

⏰:10/02/07 15:26 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#82 [すー]
「私ね、言わなきゃいけないことがたくさんあるの。」



「私…だって………春姫にたくさん言わなきゃならない」



そっか、と春姫は笑い、久しぶりに春姫って呼ばれたよと照れくさそうに私を見た。

⏰:10/02/07 15:31 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#83 [すー]
「ねぇ、橋の上の君」



その呼び名を呼ばれ、なんだか、何ともいえない感覚が私の中にあった。

どうしていいのか分からなかった。


ただ君の唇の動きを見ていることしかできない。

「私は、……」

⏰:10/02/07 15:34 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#84 [すー]
………―――



『春姫が生きてた!』


『良かったー』


『でも、まだ学校には来れないよ』


『そりゃなー、あ昨日さ…』

⏰:10/02/07 15:40 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#85 [すー]
一昨日の暗かった空気はなくなっていた。



昨日にはみんな知っていたみたいだ。



昨日の新聞を今日見てみると、そこには女子高生が転落し、軽傷だということが載ってある。


「いったい誰がことを大きくしたんだか」


三橋はため息をついた。

⏰:10/02/07 15:44 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#86 [すー]
「はよっ橋の上の君ぃー」

葉津がバンっと背中を叩いてくる。
一昨日はあんなにメソメソしていたというのに。


「元気だね葉津は」

「そういうあなたこそー。あー本当に良かった!ところで昨日どこ行ってたの?沙耶が探してた」

⏰:10/02/07 15:50 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#87 [すー]
あぁと返事はしたものの春姫と一緒にいたなんて言えないし、沙耶に聞かれた時と同じように言った。



「サボって映画みてた」


「まじ?珍しいねー」


ジロジロと見てくる葉津に耐えきれなくなって、目をそらす。

⏰:10/02/07 15:56 📱:F706i 🆔:Cz1AutVs


#88 [すー]
目をそらした先は窓だった。


空が青い。


今日も春姫に会いに行く。


『会いにきてね』


ふわりと笑う春姫の顔を思い出していると、葉津がまた不思議そうに私を見ていた。

⏰:10/02/08 18:32 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#89 [すー]
「やっぱりいいことあったんだ」


「なんもないよ」


「うそ、顔にやけてる」


可愛いね、葉津はそう言うと深くは聞かず次の授業の準備をしている。

⏰:10/02/08 18:35 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#90 [すー]
『ねぇねぇ知ってる?』

『春姫と橋の上の君でしょ?』


『そ、毎日お見舞い行ってるんだって』


『やっぱお似合い』

⏰:10/02/08 18:44 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#91 [すー]
通りすぎに聞いた人の話に沙耶は足をとめた。



「あーぁ、半年間色々頑張ったんだけどな」


「俺も」


いきなり後ろから声がしたから沙耶は驚き振り向いた。

⏰:10/02/08 18:51 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#92 [すー]
「あんたも?」


村井がニッコリと笑う。

「も?っていう訳じゃないんだけどね。」


沙耶は首を傾げたが、すぐにいつものように話し出した。

「もしかして色々知ってた?」

「あー…まぁね」

⏰:10/02/08 18:54 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#93 [すー]
村井は困ったように笑いながら頭をかいた。


「半年前のことも、噂も全部お前がやったんだろ?沙耶」


じっと村井を見ると沙耶は笑い出した。

「まさか、飛び降りちゃうとは思わなかったけどね……まぁ一瞬嬉しいって思っちゃったけど」

⏰:10/02/08 18:59 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#94 [すー]
ふぅとため息をついた。

分かっていた。
どうやったって春姫にかなうことができないことを。


「それはさ、三橋は知ってんの?」

「…さぁ?私がやったとは知らないと思うけど」

それが何?というと村井はいつもより真面目な顔をしていた。

⏰:10/02/08 19:04 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#95 [すー]
「……三橋にいった方がいいよ。きっと許してくれる」

そんな、そんなこと言ったって。自分の顔が歪んでいくのが分かる。

「バカじゃないの?許してくれないよ、口も聞いてくれなくなるし…無理だよっ」


そっと村井の手が頬に触れる。

⏰:10/02/08 19:09 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#96 [すー]
なんでこいつに涙をふかれなきゃならないのよ。心の中でそう思いながら、村井を睨んだ。


「いつか………言うわよ」
「本当に?」


なんで村井がこんなに優しくい声で言ってくれるのか分からない。

⏰:10/02/08 19:14 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#97 [すー]
ぱしっと村井の手を払うと自分で涙をふいた。



卒業する前には伝えなければならないことぐらい分かっている。

それに、春姫がもう話しているかもしれないし。

いつかは君に告げなければならない。

⏰:10/02/08 19:17 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#98 [すー]
「許されなかったらさ」


「何よ?」

「いや…何でもない」


村井は笑いながらいうと、沙耶は嫌な気分になった。

「アンタってむかつく」

沙耶はそう言って村井のことを見ずにその場を立ち去っていった。

⏰:10/02/08 19:21 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#99 [すー]
そんな沙耶の後ろ姿をみながら



「俺がそばにいてやるよ」


とぼそりと言う村井だった。

⏰:10/02/08 19:22 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#100 [すー]
………―――
本当はね知っていたの。

噂がたつ前から、君が私を好きだということを。

私が君を好きだということを。


でも、自分は賭けてしまった。
そんなことをしなくても良かったのに。

⏰:10/02/08 19:28 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#101 [すー]
君の思いを確かめなくても分かっていたのに。


落ちるとき?
綺麗な景色だった。もちろん怖かった。


別れを告げたのにね。
でもこれで君の心に残ったと思ったんだ。


馬鹿?ごめん。
でもほら私はここにいるよ。

⏰:10/02/08 19:34 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#102 [すー]
………―――
春姫は色々話てくれた。

笑いながら
悲しそうな顔をしながら
「ねぇ春姫」

カサカサとした春姫の唇に触れる。
軽くキスをしたあと、誰にも聞こえないくらいの声で耳打ちした。

⏰:10/02/08 19:40 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#103 [すー]
言葉を聞いて春姫は顔を赤くしながらも私を見ていた。


そして


病室には2人の小さな笑い声が聞こえるだけだった。


『君に告げる』終わり

⏰:10/02/08 19:45 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#104 [すー]
無理やり終わらした感が残ってしまった……


今回は女×女でしたが今度は王道まっしぐらの男×男を書いてみようと思います。


ちら見してくれた人たちありがとうございました。

⏰:10/02/08 19:48 📱:F706i 🆔:w9koEo9M


#105 [わをん◇◇]
↑(*゚∀゚*)

⏰:22/11/03 22:09 📱:Android 🆔:DPKzmpdw


#106 [わをん◇◇]
>>1-110

⏰:22/11/03 22:11 📱:Android 🆔:DPKzmpdw


#107 [わをん◇◇]
>>1-30

⏰:22/11/03 22:11 📱:Android 🆔:DPKzmpdw


#108 [わをん◇◇]
百合姫

⏰:22/11/13 17:46 📱:Android 🆔:RZ5O2Nr2


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