君に告げる
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#52 [すー]
幸せですね、そう言って春姫の表情をみた時、言ってはならないことに触れてしまったのだろうかと豊川は思った。
『……どう思われてもいいの、ただ知ってくれればそれでいい』
嬉しそうに悲しそうに言ったその言葉が、まだ豊川の頭に残っていた。
「三橋先輩……」
豊川はそんな春姫との会話を思い出しながら三橋が静かに歩いていくのを見ていた。
:10/02/01 19:21
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#53 [すー]
………―――
あの子は春姫の何なんだろう。
ただの後輩なんだろうけど。
ずっと見てきたって……入学してまだ半年しか経ってないのに。よく言うよ。
私の方が……
私の方が?
認めたくない。
けど、豊川よりも私の方が春姫を見てる。
:10/02/01 19:38
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#54 [すー]
笑ってる春姫
静かに泣く春姫
不機嫌な春姫
豊川よりも…いやこの学校の誰よりも春姫のことをずっと見てきた。
私にしか見せない顔。
あぁ…ダメだ。
どうして彼女を許せないのだろう。
:10/02/01 19:43
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#55 [すー]
『違うの!瑠衣!話を聞いてっ』
『許されようなんて思ってない!』
『お願い最後まで話を聞いて』
『瑠衣!』
:10/02/01 19:47
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#56 [すー]
あの時後ろから耳にした春姫の声が今更になって私を引きとめている。
春姫はきっと可愛らしい顔をぐしゃぐしゃにして叫んでいたのだろう。
次の日から下駄箱には桜の花びらの手紙が入っていた。
次の日もその次の日も。手紙は途切れることなく下駄箱に入って読まれることを待っていた。
:10/02/01 19:54
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#57 [すー]
「嫌になるな」
思わず口に出てしまう。いや、出していないと負けてしまいそうだ。
時計をみると6時になりそうだった。
二度寝をしたらまた春姫が夢に出てきそうで怖くなる。
外は晴れているし、久しぶりに散歩でもしよう。そう考えると体が楽になった気がした。
:10/02/01 20:13
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#58 [すー]
:10/02/01 23:13
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#59 [すー]
……――
朝の外は本当に久しぶりだった。
雀が何羽かチョンチョンと歩道の脇を歩いている。
取りあえず学校へ行ってみることにした。と言ってもまだ門の鍵は開いてないから入れない。たどり着いたがあかない門にムカついて蹴っといた。
ただ校舎の周りを歩くしかない。
「やっぱ三橋じゃん」
「…村井?」
:10/02/01 23:24
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#60 [すー]
「?をつけなくても、分かるだろ。なにしてんの朝から」
ニコニコしながら聞いてくる村井はジャージ姿で、いかにもスポーツっていいよ?とアピールしているように思えた。
「散歩、あんたはジョギング中?」
「そうだけど、散歩するなら一緒に走んない?」
……なぜそうなってしまうのか意味が分からない。村井はまだニコニコしながら私の方を見ている。
:10/02/01 23:35
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#61 [すー]
「普通逆でしょ、あわせなよ」
ああそうかと村井は笑いながら言うと私の隣にきて、一緒に歩き始めた。
そういえば、村井は春姫のことは何も思ってないのだろうか。ふとそう思って村井の方を見た。
「俺さ、昨日桜田のこと見たんだ」
:10/02/01 23:43
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