記憶を売る本屋さん
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#184 [我輩は匿名である]
「だってさぁ、かっこ良くない?クールだし」
「まぁかっこ良いとは思うけど、冷たそうじゃない?」
「そういえば、この間他の女子と歩いてたよ!私見たもん!」
よく見ると、同じクラスの女子達だ。
めんどうなので、飛鳥は足を止める。
「私も見たよ、それ。目の前でいちゃついてくれちゃって」
「彼女なんじゃないの?」
「違うらしい。だから余計邪魔なのよねぇ」
「怜奈、欲しい物は手に入れないと気が済まないもんね」
:10/03/29 15:56
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#185 [我輩は匿名である]
「もちろん。じゃなきゃ人生楽しくないじゃん」
怜奈は当然のような言い方をする。
急に、飛鳥の背筋がぞくっとして、全身に寒気が走る。
それが何故か、飛鳥にもわからない。
3人は笑いながら、校舎を出ていったが、飛鳥はしばらく、足がすくんで動けなかった。
:10/03/29 15:57
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#186 [我輩は匿名である]
休日はあっという間に過ぎた。
「(あんだけ楽しみにしてたのに、普通に喋って終わりとかありかよ…)」
いつものように、直人は学校の机にうつ伏せになっていた。
月曜の朝はいつもそうだが、今週は特にだらけてしまう。
要と晶は、40年前の昨日、前と同じ喫茶店で、3〜40分ほど楽しげに話して別れた。
話したと言っても、学校の事や要の家の話など、大して重要な話でもなかった。
最近はこんな事が当たり前になってきてしまった。
これでは読む気力が失せてしまう。
2人はまた日曜日に合う約束をしたが、果たして進展はあるのか…。
:10/03/29 17:19
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#187 [我輩は匿名である]
「ねぇ」
まためんどくさい事が。直人は横目で、声がした方を見る。
怜奈がじっとこっちを見ている。
「何だよ、薫ならどっか行っていないぞ」
「そんなの見たらわかるわよ。どこ行ったのか知らない?」
「…知るかよ」
薫はもちろん屋上にいるのだろうが、直人はしらばっくれる。
薫は香月に気があるから、邪魔は入れたくない。そう思ったのだ。
:10/03/29 17:20
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#188 [我輩は匿名である]
「あいつに何か用?」
「先生から伝言」
「伝言?何の?」
「さぁね」
怜奈はぷいっとそっぽを向く。
「(うぜぇ…)」
こういう女は大嫌いだ。直人は腹立たしそうに彼女を睨む。
「勘違い野郎」
直人の後ろで声がした。
:10/03/29 17:20
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#189 [我輩は匿名である]
振り向くと、浮かない表情で飛鳥が立っている。
「俺の事かよ」
「あんた以外に誰がいるわけ」
飛鳥はいつものように憎まれ口をたたくが、どこか元気がなさそうだ。
「…どうかしたのか?」
「…ちょっと」
飛鳥に手招きされて、直人は席を立って、彼女について教室を出る。
「何だよ?」
廊下に出て、飛鳥は周囲を見渡した後、小声で言った。
:10/03/29 17:21
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#190 [我輩は匿名である]
「さっきの女、気を付けた方が良い」
「…大橋の事か?」
「名前は知らないけど」
飛鳥は真剣そうだ。
飛鳥がこんな事を言うとは思わなかった為、直人は少し呆然とする。
「まぁ…確かに薫を好きすぎて若干ウザいけど…」
「あいつ、欲しい物は手に入れないと気が済まないって言ってた。この間聞いたんだ。
だから、諦めるように言った方が良いと思って」
「…あいつそんな事言ってたのか」
:10/03/29 17:22
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#191 [我輩は匿名である]
直人はそう言った後、「ん?」と首を傾げる。
「あいつ、『友達が薫を好き』って言ってたけど」
「そんなの嘘に決まってんじゃん。それ信じ込んでたの?」
飛鳥は呆れている。
言われてみればそうだ。いくら友達思いだといっても、熱心に身辺調査しすぎだ。
「(自分が好きだったのかよ、あいつ…)」
「…とりあえず、あいつには気をつけなよ」
飛鳥はそう言って、教室に向かう。
「あ、ありがとな」
直人は飛鳥に礼を言う。
飛鳥は少し黙って、「別に」とだけ言って教室に入っていった。
:10/03/29 17:22
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#192 [我輩は匿名である]
「やっぱりな」
「知ってたのかよ!?」
「話聞いてたら大体わかるだろ。俺の事が好きっていうの、友達じゃなくて本人だって事ぐらい」
薫は知っていたらしい。
直人はショックで箸を持つ手を止める。
「俺…どんだけバカなんだ…?」
「さぁ?まぁ勉強になったんだからいいじゃん」
薫は笑っているが、少ししてから真顔に戻った。
:10/03/29 17:23
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#193 [我輩は匿名である]
「そういえば、あいつ伝言があるって言ってたけど…」
「聞いたよ、今日委員会があるって。めんどくせぇ…。先帰っといて」
「あぁ、同じ委員会だっけ?頑張れ♪
「からかうな!」
満面の笑みでからかう直人に、薫は怖い顔で言い返した。
:10/03/29 17:23
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