記憶を売る本屋さん
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#142 [我輩は匿名である]
「あーダメだダメだ!集中しろ、俺!

…とりあえず、あの2人はどうなったんだ…?」

直人は考えるのを無理に止めて、集中する。

目の前では、晶が笑っている。

考えて込んでいる間に、だいぶ時間が経っていたようだ。

何の話なのかわからないが、2人は楽しそうだ。

「だったら、結構楽しいんじゃない?学校」

「まぁ…ね。でも、やっぱり要くんといる時が1番楽しいよ」

「晶ちゃん…」

⏰:10/03/24 10:59 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#143 [我輩は匿名である]
「私には、…要くんだけだから」

晶はそう言って、ミルクティーのカップに口をつける。

「…俺なんかでいいのか?俺、弱虫だし…頭も良くないし、

何にも役に立たないと思う」

「そんな事関係ないよ」

晶はそっと、要に笑いかける。

「弱虫でも、頭が良くなくてもいい。私は…今の要くんが好き」

晶の突然の告白。

要も直人も、信じられずにぽかんとする。

⏰:10/03/24 11:00 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#144 [我輩は匿名である]
>>141さん

すみません、ありがとうございます

⏰:10/03/24 11:01 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#145 [我輩は匿名である]
「あ…はは、ごめんね、急に変な事言って」

晶は冗談っぽく笑って、何気なく店内の時計に目をやる。

直人の気付かない間に結構話していたらしく、

もう時計の針が4時を回っていた。

「…ここから帰ったら、何分くらいかかるかな?」

「えっ…うーん、30分か、40分くらいかな?どうかした?」

「5時には帰って来いって言われてたの、忘れてた」

「え!?じゃあそろそろ行かないと」

「うん、ごめんね。早く言っとけば良かったね」

⏰:10/03/24 11:02 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#146 [我輩は匿名である]
「ううん。じゃあ行こっか」

伝票を手に、要が先にレジへ向かう。

晶は慌てて鞄を持って後を追う。

「待って、財布が…」

「いいよ、俺出すから」

「え、でも…」

晶が財布を探している間に、会計は終わってしまった。

要は「行くよ」と言って喫茶店を出る。

⏰:10/03/24 11:03 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#147 [我輩は匿名である]
晶が何か言いたそうだが、要はなぜか晶の顔を見ないで、黙って歩いている。

「…さっきの告白で、困ってるんだな」

直人はぼそっと呟く。

結構大口をたたいてきたが、自分が彼の立場に立ったら、

きっと同じように、すぐには返事出来ないんだろうな、と。

待ち合わせ場所に戻るまで、2人は何も話さなかった。

今までの直人なら、気まず過ぎてあーしろこーしろと騒ぐところだが、

そんな気にもなれない。

⏰:10/03/24 11:04 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#148 [我輩は匿名である]
30分程の間黙って歩くと、あの場所に着いてしまった。

「着いちゃったね」

「うん」

到着してやっと、2人は言葉を交わす。

「今日はありがとう。楽しかった」

「…うん、俺も」

「…じゃあね」

晶は元気なく笑い返して、要に背中を向け、歩きだす。

「…このままで良いのかよ」

心の底からモヤモヤして、直人は要に言う。

⏰:10/03/24 11:04 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#149 [我輩は匿名である]
要もまた、悩んでいるように両手を握りしめていた。

しかし、その間にも晶はどんどん離れていく。

直人はもう、我慢できなくなった。

「待てよ!!」

「待って!!」

直人と要が叫んだのは、同時だった。

晶が驚いたように振り向く。

「さっき、急に『好きだ』って言われて…

俺、びっくりして…信じられなくて、何にも言えなかったんだ」

要の声が少し震えている。

⏰:10/03/24 11:05 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#150 [我輩は匿名である]
晶は体ごとこちらに向き直る。

「でも俺…っ、俺も…」

要はなかなか言いだせない。

直人はある事気付いた。

これが本当なら…。

直人もちょっとドキドキしながら叫ぶ。

「俺も、晶ちゃんが好きだ!」

それは、要の声となって晶に伝えられた。

やっぱり。直人は思った。

⏰:10/03/24 11:06 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


#151 [我輩は匿名である]
「要くん…」

「俺、来週も待ってるよ!今日と同じ時間、ここで待ってるから!

今日は緊張して上手く喋れなかったけど、今度はもっといっぱい話そう!」

要は勢いが出てきたのか、言いたい事を言い切った。

晶も安心したように笑顔を見せる。

「うん!じゃあまた来週会おうね!」

そう言って、晶は大きく手を振る。

要も同じように振り返す。

そして、晶が帰っていくまで、ずっとそこでたたずんでいた。

⏰:10/03/24 11:07 📱:N08A3 🆔:vv1d3OC.


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