記憶を売る本屋さん
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#331 [我輩は匿名である]
「何でそうなるのよー」

「…黙れ。ここ病院だぞ」

「はい…」

少し大きな声がまた言い合う2人に、薫が静かに言い捨てる。

「…怪我、やばそうだな」

「いや、そうでもないよ。じっとしてればほとんど痛くないから」

「そっか、良かったね」

女子がホッとしたようににっこり笑う。

薫はじーっと女子を見つめる。

⏰:10/04/06 18:33 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#332 [我輩は匿名である]
「…昨日から思ってたんだけどさ」

薫が口を開く。

「うん」

「…あんた、誰?」

薫が言って、直人も思い出したように「そうだよ!」と声を上げる。

「お前誰?何で俺のケータイ持ってたの!?ストーカー!?」

「直人、うるさい」

「ストーカーなわけないでしょ!『落としてたから』って言ったじゃん!」

女子は小声で直人に言い返す。

⏰:10/04/06 18:34 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#333 [我輩は匿名である]
「私、香月さんの隣のクラスの安斎奏子」

「あんざいかなこ?」

「そうよ、何か文句ある?」
「いや、ないけど」

直人と奏子のやり取りを見て、薫は小さく笑った。

2人はきょとんとする。

「…何だよ」

「いや、何かお似合いだなぁーと思って」

「誰がこんな奴と!」

直人と奏子はそろって互いを指差す。

⏰:10/04/06 18:34 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#334 [我輩は匿名である]
息がピッタリな2人に、薫は声を上げて笑う。

「あー、いたたたた…」

「大丈夫?」

「笑かすな…肋骨に響く…」

薫は左胸をさすりながら呼吸を整える。

「ねぇねぇ、やっぱ香月さんの彼氏さんなの?」

奏子は懲りずに薫の尋ねる。

直人は呆れながら奏子を見下ろす。

⏰:10/04/06 18:38 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#335 [我輩は匿名である]
「彼氏…まぁ彼氏だろうなぁ」

薫は曖昧な返事をする。

奏子も「何それ?」と首をかしげる。

「何かしっくりこないなぁと思って」

「それ以上の関係そうだもんな、お前ら」

「それ以上!?」

奏子は愕然とする。

同時に、薫は直人を睨み上げる。

⏰:10/04/06 18:39 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#336 [我輩は匿名である]
「えっ、えっ、まさか…」

「言っとくけど、俺まだキスとか手出したりとかしてないからな」

「『まだ』!?」

女子は「真面目そうに見えるのに…」と、哀れみの視線を薫に送る。

「もう帰れ!俺は疲れてるんだ!」

薫は2人を怒鳴り付ける。

⏰:10/04/06 18:40 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#337 [我輩は匿名である]
2人は「失礼しましたー!」と、走って出ていった。

薫は本当に疲れたように、大きくため息をつく。

「ただいまー」

入れ違いに、響子が検査から帰ってきた。

「…どうしたの?怖いよ?顔」

勝手に薫のベッドのカーテンを開けながら、響子が尋ねる。

「いや…大丈夫…」

薫は返事をしながら、大きくため息をついた。

⏰:10/04/06 18:40 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#338 [我輩は匿名である]
「はぁ…疲れた…」

病院を出て、直人と奏子は息を切らせて立ち止まる。

「本当…あんなに怒られると思わなかったね…」

「お前…地雷踏みすぎだろ…」

「そ…そうかな…?」

2人は話ながら、目の前にあった椅子に座る。

「…さっきの看護師…何言い掛けてたんだろうな…?」

「…ほんとだね」

「かなり気になるね」と、奏子は目を光らせる。

その様子に若干呆れながら、直人も考える。

⏰:10/04/06 20:27 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#339 [我輩は匿名である]
「(…やっぱり…わかるもんなのかな…?)」

薫は高校に入ってすぐ、響子が前世の自分の妻だった人だと見破った。

それは、ただ薫が、勘が冴える奴だからなのか、

それとも本を持つ者はみんなそうなのか…。

もし後者なら、自分にもそんな力があるのか…?

「……そう言えば…大橋さん…どうなったんだろうね…」

奏子がふと、そんな事を言った。

考え込んでいた直人は、「は?」と、ふざけた声を出す。

「……どーでもいいよ…あんなやつ……」

奏子は「まぁね…」と頷く。

⏰:10/04/06 20:27 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


#340 [我輩は匿名である]
「…大橋さんさ…小学校の時から、あんな感じだったんだ」

「え、知ってんの?」

「小・中一緒だったもん」

こいつは何でも知ってるな。直人はじーっと奏子を見る。

「ほら…あの子、結構背も高いし、顔も可愛い方だし、スタイルも抜群でしょ?

だから、周りからちやほやされっぱなしで…」

「だから調子にのったのか、あいつ」

奏子は頷く。

⏰:10/04/06 20:27 📱:N08A3 🆔:Q2X/nrjY


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