記憶を売る本屋 2
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#45 [我輩は匿名である]
「いやぁー、純愛ですなぁー」

しばらく歩いて、奏子は腕を組みながら言った。

「どこのおっさんだよ、お前」

「だってさぁ、憧れるじゃない?ね?飛鳥」

奏子は飛鳥にも話を振る。

「…そうだね」

飛鳥も小さく笑って同意した。

その顔が、石川晶が喜んだ時の顔にそっくりで、直人は少しドキッとする。

⏰:10/04/21 22:05 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#46 [我輩は匿名である]
夏休みの前に言われた、響子の『やっぱりあの子が好きなの?』と言う言葉が甦る。

「(…って言われても…)」

直人は横目で、楽しそうに話している飛鳥を見つめる。

「そんな事聞かれてもなぁ…」

「ん、何か言った?」

直人の独り言が聞こえたのか、奏子がこっちを向く。

「へっ!?い、いや、別に…」

「怪しいな」

「怪しくねぇよ!」

怪しむ飛鳥に、直人は声を荒げて否定する。

⏰:10/04/21 22:05 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#47 [我輩は匿名である]
「…お前らにも、好きな奴とかいんの?」

直人は何気なく2人に聞いてみる。

「私は…まだそれどころじゃないしなぁ…」

飛鳥はふうっと一息つく。

「まだ親とも話してないし…4ヶ月経ってもバイトにはまだまだ慣れないし。

生きるのに精一杯って感じ…かな…」

そう言いつつ、飛鳥の表情は、どこか晴れ晴れとしている。

⏰:10/04/21 22:06 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#48 [我輩は匿名である]
直人はそれを見て、少し笑う。

それを、奏子は黙って見つめる。

「お前は?」

直人は奏子に聞き直す。

「えっ!?」

「お前イケメン好きとか言ってたから、あのアメリカかぶれとか、いんじゃねぇの?」

「はぁ!?何で私があんな奴と!」

奏子は全力で否定する。

「いいじゃん、お似合いじゃねーか」

直人は「うんうん」と自分で納得する。

⏰:10/04/21 22:06 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#49 [我輩は匿名である]
横では飛鳥が笑っている。

奏子はしばらくムスッとしていたが、何となく直人を見上げる。

「(…こいつは…好きな人いるのかなぁ…?)」

「あ、そういえば、バイト楽しいか?」

「うん、店長が相変わらず怖いけど、やっと一通り出来るようになったかな」

「へぇ。じゃあそろそろ行ってみねーとな!」

「来なくていいから!」

「何でだよ!いいじゃん別に!」

「来たら紅茶ぶっかけるから!」

「それ損するのお前だろ」

⏰:10/04/21 22:07 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#50 [我輩は匿名である]
直人と飛鳥が仲良く言い合いをしている。

「(…やっぱり、飛鳥が好きなのかなぁ…?)」

そう思うと、何だか虚しくなってきて、奏子は首を振って考えないようにした。

⏰:10/04/21 22:07 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#51 [我輩は匿名である]
次の日は課題テストだった。

すっかり忘れていた直人は、魂が抜けたように呆然とする。

しかし、もっと大変なのは薫だった。

「おい月島!」

「月城、だ」

今日も懲りずにやってきた良介に、うんざりしたように訂正する。

⏰:10/04/21 22:08 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#52 [我輩は匿名である]
「今日課題試験なんだろう?だったら僕とBattleしろ!」

「面倒だから断る」

「逃げるのか!?」

早くも勝ち誇った顔をする良介に、薫は眉をピクつかせる。

「なんでお前とバトルしないといけないんだ?」

「勝ったら響子ちゃんを返してもらうんだ!」

「やだ」

「何なんだお前は!?月島!お前にはPrideというものはないのか!?」

「だから月城だ。それにプライドどうこういう話じゃないだろ。

響子が聞いたら俺に泣き付いてくるだろうなぁ」

⏰:10/04/21 22:09 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#53 [我輩は匿名である]
「抱きつくだと!?そんな事させないぞ!」

「(あぁ…もう言い間違いも聞き間違いもどうでも良くなってきた…)」

やけに気負っている良介に、薫は早くも呆れムードになってきた。

「(…でもまぁ、響子の事は抜きで、ちょっと見返してやっても良いな)」

薫はニヤッと小さく笑う。

「なぁ、桐生。今回は響子の話は抜きにして、点数バトルだけやってみないか?」

「何だと!?」

「今回は課題テストだ。宿題やってればそこそこ点数が取れる。

どうせなら期末とかの実力テストで競う方がやりがいあるだろ」

⏰:10/04/21 22:09 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


#54 [我輩は匿名である]
「…ふむ」

良介は腕を組んで考え込む。

そして、少し経って「いいだろう!」と答えを出した。

「月島!絶対に手を抜くなよ!」

「はいはいわかりましたよ」

適当に返事をすると、良介は気合いを入れて8組を出て行った。

⏰:10/04/21 22:09 📱:N08A3 🆔:S8dNuXTM


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