記憶を売る本屋 2
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#565 [葵]
早く続き読みたい(`・ω・')

⏰:10/12/21 06:36 📱:SH06A3 🆔:☆☆☆


#566 [我輩は匿名である]
「あー飛行機楽しかった♪」

札幌空港に到着し、直人はすでに満足気な顔で外の雪景色を見つめる。

その隣では、薫はエチケット袋を片手にぐったりしている。

「弱っちいなぁ、やっぱり響子ちゃんには僕がふさわし」

「黙れ」

「酔ってる時ぐらい静かにしてろよ……ん?」

早く降りたそうに立ち上がった直人は、ある席に教師が何人か集まっているのを見つけた。

「何かあったのかな?」

「(みたいだな…)」

⏰:10/12/25 10:00 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#567 [我輩は匿名である]
要と言いながら見ていると、降りる番がきたらしく、薫達が立ち上がった。

少し気になったが、直人は何も言わずにそれに続いて飛行機を降りた。

空港を出ると、そこは本当に、見たこともないような雪景色。

同時に顔に寒さが突き刺さってくるが、興奮しているからか、あまり気にならない。

「おー、マジで北海道だな!早くスキーしてー」

そんな直人の隣では、酔っている薫に加えて、運動音痴の良介も暗い顔をしている。

「ずっと観光でいいのに…」

良介と同じ理由でため息を吐く飛鳥に、クラスメイトが「それスキー実習じゃないじゃん」と笑っている。

それぞれいろんな思いを抱きながら、観光地までのリムジンバスに乗り込んだ。

⏰:10/12/25 10:01 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#568 [我輩は匿名である]
観光地は小樽市周辺。
バスから降りて記念写真を撮った後は、集合時間まで自由行動だ。

「どこ行くのー?」

「とりあえず飯食おうぜ」

「月城くん食べれる?」

「酔い止め飲んだから大丈夫」

6人は地図を見ながら、どこで昼食を食べるか話し合う。

「北海道っつったらラーメンじゃね?」

「えー僕ラーメン昨日食べちゃったよ」

⏰:10/12/25 10:01 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#569 [我輩は匿名である]
「バッカじゃないの!?」

「嫌ならあんただけ違うの食べな」

「……わかったよー、ラーメンでいいよー…」

「んじゃ決定ー」

そう言って、直人達はラーメン屋に向かって歩きだした。

その後、みんなでワイワイしながらラーメンを食べた後、

小樽運河やオルゴール館等を見て回った。

集合時間が迫ってきていたため、直人達は駐車場へと引き替えしはじめる。

⏰:10/12/25 10:01 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#570 [我輩は匿名である]
「えー!」

急に、後ろを歩いていた4組の女子が声を上げた。

「What's!?びっくりするじゃないか!」

「インフルエンザ疑いが出たって!」

女子は携帯電話を見ながら言う。

時期は1月。インフルエンザ感染者が出てきてもおかしくはない。

「あーぁ。まぁ出るだろうとは思ってたけどな」

もしかして、飛行機で教師が集まっていたのは、その話だったのかもしれない。

「しかも響子だって!」

その一言に、薫と良介が驚いたように振り向く。

⏰:10/12/25 10:02 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#571 [我輩は匿名である]
「えっ!?響子ちゃんが!?オーマイガー」

「うるさいんだよ、いちいち…」

良介が女子から非難を浴びている中、薫は暗い顔で黙り込む。

いつだったか、旅行雑誌を見ながら笑っていた響子。

あそこに行きたい、ここにも行きたいと、楽しみにしていたのに…。

薫は無言のまま腕時計に目をやる。集合時間まであと5分。

「……直人」

「ん?」

⏰:10/12/25 10:02 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#572 [我輩は匿名である]
「…俺、後で追い付くから先戻ってて」

「は?えっ、ちょ…」

呼び止める間もなく、薫は駐車場とは反対方向へ走りだした。

「ちょっと、どうすんの!?もう時間ないよ!」

「でもいいじゃーん♪あれ絶対響子に何か買いに行ったよ」

「何!?」

「…まぁ、いいんじゃないの?彼らしくて」

「(いいんだけどさ…時間に間に合わないぞ?)」

「帰って来るよ、そのうち」

⏰:10/12/25 10:03 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#573 [我輩は匿名である]
「(適当だなぁ…)」

直人は思いながら、困ったように頭を掻く。

「ここにいても仕方ないし、駐車場行こうよ。怒られない言い訳考えつつさ」

「え、僕は怒られるのはごめんだぞ!勝手にどっか行った奴の事なんか知るか!」

「さっきからうるせぇなぁ!」

やたらと横槍を入れてくる良介に、直人が声を上げる。

「薫と張り合う割に、ちぃせぇ奴だな!あいつは怒られるの承知で行ったんだろうが!

成績成績って威張りやがって!本当に香月の事好きなのかよお前!」

直人が怒鳴っているのを見て、飛鳥たちもきょとんとしている。

⏰:10/12/25 10:07 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


#574 [我輩は匿名である]
「…まぁ今の見たら、月城くんの方が上だよねぇー」

4組の女子たちも、首を縦に振る。

「別に怒られるのぐらい、どうって事ないし」

飛鳥も腕を組んで言う。

「仕方ねぇだろ、もう薫行っちまったし。行くぞ」

不機嫌そうに鼻息を荒くして、直人はドカドカ歩きだす。

「やるじゃん」

飛鳥が直人の隣を歩きながら笑う。

⏰:10/12/25 10:07 📱:N08A3 🆔:xWmSr4uA


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