記憶を売る本屋 2
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#563 [我輩は匿名である]
楽しみのようなそうでもないような気がしていると、あっという間に日が過ぎていった。
そして、待ちに待ったスキー実習初日。
「すげーっ!!俺飛行機乗るの初めてだ!!」
「俺もー!!」
リムジンバスに乗り、最寄りの空港に到着した直人たち。
今までに飛行機に乗ったことが無い直人と要は、そろって目を輝かせる。
「おい、何で1位なんだよ」
「お前こそ。いい加減諦めろ」
直人が空港の窓ガラスに張りついているのを尻目に、薫と良介は睨み合う。
:10/12/17 23:43
:N08A3
:RRRJrnkw
#564 [我輩は匿名である]
「飽きないねぇ、あの2人」
「うん…」
飛鳥を含めた女子3人が、呆れた目で良介達を見ている。
「次、4組8組ー!静かに搭乗しなさーい!」
引率の教師の支持に従って、直人達は搭乗を始める。
「響子、酔ったの治った?」
クラスメイト達が搭乗を始めたのを見て、グループの友人が響子に声をかける。
「うん、だいぶマシになった。行こ」
空港までのバスで車酔いをした響子は、まだ顔色が悪いまま飛行機に乗った。
:10/12/17 23:44
:N08A3
:RRRJrnkw
#565 [葵]
早く続き読みたい(`・ω・')
:10/12/21 06:36
:SH06A3
:☆☆☆
#566 [我輩は匿名である]
「あー飛行機楽しかった♪」
札幌空港に到着し、直人はすでに満足気な顔で外の雪景色を見つめる。
その隣では、薫はエチケット袋を片手にぐったりしている。
「弱っちいなぁ、やっぱり響子ちゃんには僕がふさわし」
「黙れ」
「酔ってる時ぐらい静かにしてろよ……ん?」
早く降りたそうに立ち上がった直人は、ある席に教師が何人か集まっているのを見つけた。
「何かあったのかな?」
「(みたいだな…)」
:10/12/25 10:00
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:xWmSr4uA
#567 [我輩は匿名である]
要と言いながら見ていると、降りる番がきたらしく、薫達が立ち上がった。
少し気になったが、直人は何も言わずにそれに続いて飛行機を降りた。
空港を出ると、そこは本当に、見たこともないような雪景色。
同時に顔に寒さが突き刺さってくるが、興奮しているからか、あまり気にならない。
「おー、マジで北海道だな!早くスキーしてー」
そんな直人の隣では、酔っている薫に加えて、運動音痴の良介も暗い顔をしている。
「ずっと観光でいいのに…」
良介と同じ理由でため息を吐く飛鳥に、クラスメイトが「それスキー実習じゃないじゃん」と笑っている。
それぞれいろんな思いを抱きながら、観光地までのリムジンバスに乗り込んだ。
:10/12/25 10:01
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:xWmSr4uA
#568 [我輩は匿名である]
観光地は小樽市周辺。
バスから降りて記念写真を撮った後は、集合時間まで自由行動だ。
「どこ行くのー?」
「とりあえず飯食おうぜ」
「月城くん食べれる?」
「酔い止め飲んだから大丈夫」
6人は地図を見ながら、どこで昼食を食べるか話し合う。
「北海道っつったらラーメンじゃね?」
「えー僕ラーメン昨日食べちゃったよ」
:10/12/25 10:01
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#569 [我輩は匿名である]
「バッカじゃないの!?」
「嫌ならあんただけ違うの食べな」
「……わかったよー、ラーメンでいいよー…」
「んじゃ決定ー」
そう言って、直人達はラーメン屋に向かって歩きだした。
その後、みんなでワイワイしながらラーメンを食べた後、
小樽運河やオルゴール館等を見て回った。
集合時間が迫ってきていたため、直人達は駐車場へと引き替えしはじめる。
:10/12/25 10:01
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#570 [我輩は匿名である]
「えー!」
急に、後ろを歩いていた4組の女子が声を上げた。
「What's!?びっくりするじゃないか!」
「インフルエンザ疑いが出たって!」
女子は携帯電話を見ながら言う。
時期は1月。インフルエンザ感染者が出てきてもおかしくはない。
「あーぁ。まぁ出るだろうとは思ってたけどな」
もしかして、飛行機で教師が集まっていたのは、その話だったのかもしれない。
「しかも響子だって!」
その一言に、薫と良介が驚いたように振り向く。
:10/12/25 10:02
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#571 [我輩は匿名である]
「えっ!?響子ちゃんが!?オーマイガー」
「うるさいんだよ、いちいち…」
良介が女子から非難を浴びている中、薫は暗い顔で黙り込む。
いつだったか、旅行雑誌を見ながら笑っていた響子。
あそこに行きたい、ここにも行きたいと、楽しみにしていたのに…。
薫は無言のまま腕時計に目をやる。集合時間まであと5分。
「……直人」
「ん?」
:10/12/25 10:02
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#572 [我輩は匿名である]
「…俺、後で追い付くから先戻ってて」
「は?えっ、ちょ…」
呼び止める間もなく、薫は駐車場とは反対方向へ走りだした。
「ちょっと、どうすんの!?もう時間ないよ!」
「でもいいじゃーん♪あれ絶対響子に何か買いに行ったよ」
「何!?」
「…まぁ、いいんじゃないの?彼らしくて」
「(いいんだけどさ…時間に間に合わないぞ?)」
「帰って来るよ、そのうち」
:10/12/25 10:03
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