記憶を売る本屋 2
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#570 [我輩は匿名である]
「えー!」
急に、後ろを歩いていた4組の女子が声を上げた。
「What's!?びっくりするじゃないか!」
「インフルエンザ疑いが出たって!」
女子は携帯電話を見ながら言う。
時期は1月。インフルエンザ感染者が出てきてもおかしくはない。
「あーぁ。まぁ出るだろうとは思ってたけどな」
もしかして、飛行機で教師が集まっていたのは、その話だったのかもしれない。
「しかも響子だって!」
その一言に、薫と良介が驚いたように振り向く。
:10/12/25 10:02
:N08A3
:xWmSr4uA
#571 [我輩は匿名である]
「えっ!?響子ちゃんが!?オーマイガー」
「うるさいんだよ、いちいち…」
良介が女子から非難を浴びている中、薫は暗い顔で黙り込む。
いつだったか、旅行雑誌を見ながら笑っていた響子。
あそこに行きたい、ここにも行きたいと、楽しみにしていたのに…。
薫は無言のまま腕時計に目をやる。集合時間まであと5分。
「……直人」
「ん?」
:10/12/25 10:02
:N08A3
:xWmSr4uA
#572 [我輩は匿名である]
「…俺、後で追い付くから先戻ってて」
「は?えっ、ちょ…」
呼び止める間もなく、薫は駐車場とは反対方向へ走りだした。
「ちょっと、どうすんの!?もう時間ないよ!」
「でもいいじゃーん♪あれ絶対響子に何か買いに行ったよ」
「何!?」
「…まぁ、いいんじゃないの?彼らしくて」
「(いいんだけどさ…時間に間に合わないぞ?)」
「帰って来るよ、そのうち」
:10/12/25 10:03
:N08A3
:xWmSr4uA
#573 [我輩は匿名である]
「(適当だなぁ…)」
直人は思いながら、困ったように頭を掻く。
「ここにいても仕方ないし、駐車場行こうよ。怒られない言い訳考えつつさ」
「え、僕は怒られるのはごめんだぞ!勝手にどっか行った奴の事なんか知るか!」
「さっきからうるせぇなぁ!」
やたらと横槍を入れてくる良介に、直人が声を上げる。
「薫と張り合う割に、ちぃせぇ奴だな!あいつは怒られるの承知で行ったんだろうが!
成績成績って威張りやがって!本当に香月の事好きなのかよお前!」
直人が怒鳴っているのを見て、飛鳥たちもきょとんとしている。
:10/12/25 10:07
:N08A3
:xWmSr4uA
#574 [我輩は匿名である]
「…まぁ今の見たら、月城くんの方が上だよねぇー」
4組の女子たちも、首を縦に振る。
「別に怒られるのぐらい、どうって事ないし」
飛鳥も腕を組んで言う。
「仕方ねぇだろ、もう薫行っちまったし。行くぞ」
不機嫌そうに鼻息を荒くして、直人はドカドカ歩きだす。
「やるじゃん」
飛鳥が直人の隣を歩きながら笑う。
:10/12/25 10:07
:N08A3
:xWmSr4uA
#575 [我輩は匿名である]
「あたしもスッキリした」
「ったりめぇだろ!どっちにしろ怒られんだから、
さっさと行ってバス乗ってた方が温かいしよ」
「そっち…?」
直人達はぶつぶつ言いながら、駐車場へと戻った。
:10/12/25 10:07
:N08A3
:xWmSr4uA
#576 [我輩は匿名である]
「ん?1人足りなくないか?」
バスの前で点呼をとられ、直人達は目を見合う。
「あの…ちょっと月城が…」
「月城がどうした?」
「…ちょっと…」
「ちょっと?」
「…………お、お腹痛いって」
直人が誤魔化せないと思った飛鳥が、適当に嘘を吐いた。
「そ、そう!で、トイレにこもっちゃって!」
:10/12/28 22:48
:N08A3
:CS9vaOp2
#577 [我輩は匿名である]
「先に行っててって言われたんですぅー」
飛鳥に続いて、女子たちが口々に言い訳する。
「えー!?昼飯か何かあたったんじゃないのか!?」
「さ、さぁ…。まぁ、もうくると思いますよ」
「困ったなぁ…。まぁお前達は先にバス乗ってろ」
「はーい」
何とか誤魔化した直人達は、そそくさとバスに乗り込む。
「あんまり怒られなかったねー」
5人はホッと胸を撫で下ろしながら、それぞれ席に座る。
:10/12/28 22:48
:N08A3
:CS9vaOp2
#578 [りか]
いつも読んでます
思ったのですがもしかしたら
魔法のIランドなんかで書かれたら
いいとこまでいくかもしれないですよメ
:10/12/29 12:59
:SH003
:BqXyKb.Y
#579 [我輩は匿名である]
>>りかサン
コメントありがとうございます。
申し訳ありませんが、感想等は感想板の方にお願い致しますm(_ _)m
:10/12/29 13:28
:N08A3
:M/DS/ErQ
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