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#271 [亜夢]
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「龍紀の…あなた何なんですか…?」

「あなたが何なの?」

「あたしは…」

あたしならはっきりと言える。

「彼女です。」

「…へえ…あたしは龍紀の嫁ですが。」

頭が真っ白になる。

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⏰:10/06/21 03:15 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#272 [亜夢]
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そのあと、あたしが何を彼女と話したかはわからないけれど、なぜだか連絡先交換して、またと言って別れた。

あたしは彼女、あのひとは嫁…

あたしって不倫じゃん。

さっきの女の人のことについて謝る龍紀を無視してあたしは黙々と食事をした。

悲しいというより悔しかった。

あたしは不幸になるために誰がと付き合ってるわけじゃない。

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⏰:10/06/21 03:17 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#273 [亜夢]
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あたしは荷物だけ持つと龍紀が寝てるあいだにこっそりと実家にかえることにした。

「亜夢…どこいくの…?」

「あ、ありさんとこ!!!!」

わかったよ、と弱々しい声で言うと龍紀は深い眠りについた。

すぐに電話した相手は裕也だった。

「……」

「…どした?」

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⏰:10/06/21 03:19 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#274 [亜夢]
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気づいたらあたしは裕也の家にいて、彼の胸にしがみつくようにして大泣きした。

あたしからすれば、恋愛がすべてになってた。

龍紀の仕事や人柄をすべて理解しようとした。

でも耳をひらけば彼の悪い噂なのか真実なのかもわからないことが次々とはいってくる。

あたしの精神力はそんなところまで持つほど強くない…

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⏰:10/06/21 03:22 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#275 [亜夢]
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「亜夢……」

優しく裕也があたしの頭をなでる。 安心できる。 ここにいれば何も怖くないって思える。

「亜夢、俺にしとけよ…」

裕也はぎゅっと抱きしめてきた。

あたしは流されそうになる…

「だめだよ……」

「ダメじゃないよ。 お前は男に甘えたいんだろ?…俺が不安を取り除いてやるから…」

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⏰:10/06/21 03:24 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#276 [亜夢]
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唇が―…

意地悪に奪われる…

「裕也、だっ……」

駄目とも言えないくらいの余裕の無さ。

「亜夢、俺ずっと好きだった。 小さい頃からずうっと…」

抱き抱えられて地面に体を倒される。 裕也は無我夢中だった。 唇をうばい、手であたしを愛撫した。

「ゆう…っ」

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⏰:10/06/21 03:27 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#277 [亜夢]
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あたしも不安や心配、嫉妬を取り除きたかったんだ…

気づけば隣には裸の裕也が寝てた。

すぐに腕を引っ張ってきてあたしに絡まった。

裕也は安心できる…

裏切るわけがない…

どんどん龍紀のせいであいた穴に、裕也が広がってゆく―…

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⏰:10/06/21 03:29 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#278 [亜夢]
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次目を覚ましたときは裕也が頬にキスしてきたときのことだった。

「おはよ…」

裕也はどこか、いつもより柔らかい笑顔をつくった。

「ん…」

あたしはでている肩を布団でかくして、恥ずかしさを堪える。

幼なじみと…こんな関係になるなんて…

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⏰:10/06/21 03:31 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#279 [亜夢]
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あたしはとりあえず裕也にすべてを話してから昨日会った女の人に電話をかけた。

「どうも……」

昨日の気性が激しい感じと違って、なにか弱々しい声がする。

「今大丈夫ですか?」

「いま…龍紀が帰ってきてて…電話切らないと…また殴られちゃう……」

折り返します、といって彼女は切った。

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⏰:10/06/21 03:33 📱:F02B 🆔:d897jUrM


#280 [亜夢]
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その30分後に龍紀から電話があった。

「亜夢、どこ?」

「いま…裕也んちいるよ。」

龍紀のなかでは裕也とアリサは大丈夫、安全だとおもっている。

「龍紀さっきまでなにしてたの?」

「風呂はいってTV見てた。」

…うそつき。

あたしはそう、とだけ答えるとすぐに電話を切った。

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⏰:10/06/21 03:36 📱:F02B 🆔:d897jUrM


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