*- エロチュウ -*
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#391 [亜夢]
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たぶん今すぐじゃない。 けれどいつか気づくはず。 あたしを必要としてくれること信じてる。

だから―…あたしは貴方を待ちません。

沢山恋愛をして、貴方以上のひとを見つけたいと思っているから…

それでも貴方が一番なら…あたしは貴方にもう一度声をかけたいと思っています。

それがどんな形でも。

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⏰:10/07/19 23:26 📱:F02B 🆔:7ReKU.y2


#392 [亜夢]
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―――

「おはよ〜夢ちゃんっ!!!」

あれから3年という月日が経った。 あたしはセットサロンで大学を卒業するまで働いてついこの間辞めた。

「今日も出勤して真面目だね、夢ちゃんは〜」

そして今…

あたしは水商売の女になった。

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⏰:10/07/20 02:04 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#393 [亜夢]
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龍紀に別れを切り出されて以来、あたしはいろんな人沢山の人に出会った。

大学では教授や先輩、同級生…サークルの友達など。

地元では高校や中学の同級生や先輩。 またそのつながりが枝となって分かれていった。

また、セットサロンではスタッフをはじめ、水商売をしているお客さんや、一般の人でも美意識が高いお客さんなど…

いろんな人に会った。

なぜ水商売をしたか?…龍紀がどんな仕事をしているか興味があったからだ。

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⏰:10/07/20 02:07 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#394 [亜夢]
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裕也とアリサには大反対された。 向いてないだとか…不器用たからやめとけだとか…でも、あたしは向いてるらしい。

お客さんは呼ばずともくる。

それから気づいたのはキャバクラで働く女の子の大半は見よう見まねだってこと。

ある程度の礼儀作法しか知らない子だって多々みえた。 ただ、可愛くて若ければお客さんがつく…てこともあった。

でもあたしはほかの水商売が長いお姉さんたちには負けたくなかった。 だから、お客さんに頼んでランクの高いクラブなどにつれてってもらった。

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⏰:10/07/20 02:10 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#395 [亜夢]
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龍紀に負けたくない―…

あたしは働いて半年で店では一番売り上げをあげるキャストになっていた。

源氏名は《夢》。
自分のなまえからとってつけた。

あたしは【響皐月】に負けたくなかった。

あたしを幸せにするって言ったくせにあたしを手放した初恋の相手に、どうしてもいわせたかった。

「ごめん、俺が悪かった…」てね。

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⏰:10/07/20 02:13 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#396 [亜夢]
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「夢ってホスクラとかいかないの〜?」

同期の《まゆら》が営業終了後にそう声をかけてきた。

「未だに行ったことないなあ。」

まゆらはあたしの元彼がホストとは知っていたけれど中身はちゃんと知らなかったので、ホスクラに行ったことないあたしにビックリしてた。

「営業されてもなかったんだあ…いるんだね、やっぱそうゆう子。 元彼はどこのひとなの?」

あたしは首を傾げてごまかした。

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⏰:10/07/20 02:16 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#397 [亜夢]
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知ってる…彼があたしに別れを告げてから数週間であの店に戻ってきたことをあたしは知ってる。

いきいきした顔で雑誌にのっていた。

病んでるときの龍紀を知ってたから、あたしは安心した。 いまだって彼のことは心配する。

どんなヒドいことされたって…あたしにとって龍紀はずっと大事なひと…。

「あたし、行きたいとこあるから付き合ってよ!!!!」

そう言ってまゆらはアフターがない日はたいがいホスクラに誘ってきた。

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⏰:10/07/20 02:19 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#398 [亜夢]
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「酔っぱらったあ〜…♪」

まゆらのおごりで2件ほどホストに行ってヘロヘロになっている帰り道だった。

「すいません〜初回2000円なんですけど…うち新規店なんですがお願いしますっ!!!!」

若い男の子がふたり頭をさげてきた。

「いいよっ♪ 夢ちゃん奢るし今日は朝までのもっ♪」

その男の子たちに連れられて少し小さめながらも白で装飾されている店にはいった。

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⏰:10/07/20 02:22 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#399 [亜夢]
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「いらっしゃいませ〜…」

あたしはグラサンをかけたまま席についておしぼりを手にとる。 渡された男メニューというものに手をかける…

【響皐月】

でかでかとパネル写真と彼の源氏名がのっていた。

まさか…

「まゆらちゃん…ごめん、あたし用事あったんだ!!!! 帰るねっ―…」

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⏰:10/07/20 02:24 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


#400 [亜夢]
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マイペースなまゆらちゃんは分かった★と言って両手を振ってきた。

あたしは急いで荷物をもってでようとすると自動ドアが出ようとする瞬間にひらく。

「あっ―…」

あたしは思わず開きそうになった口を押さえてエレベーターのほうに駆け足で行く。

「待って!!!!!」

捕まれる右手。

「亜夢…?」

久しぶりに聞くその声。

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⏰:10/07/20 02:27 📱:F02B 🆔:xPuQ7aqs


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