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#44 [亜夢]
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「おまえの彼氏と友達じゃん…」

やっぱり勘違いしてた。

「あれ、アタシの幼なじみと親友。 どっちも長いつきあいのおともだちです〜…彼氏なんか出来た試しがないって前言ったじゃないですか。」

アタシが呆れながらそういうとスコッチをコースターの上に置いた。

「やあ、皐月クンおはよう。」

「マスター!!! あいついないってい〜〜〜〜〜」

ごにょごにょと内緒話をするふたりを背にしてアタシも裕也とアリサのオムレツに便乗しておいた。

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⏰:10/05/18 04:36 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#45 [亜夢]
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「そろそろ皐月クンもはっきりしたほうがいいんじゃないかな、と思ってね。 君も子供ではないんだし。 あんな子を野放しにしておくと、後悔するよ。」

とマスターの声がはっきり聞こえた瞬間、

カランカラン♪

「亜夢チャン―…」

中谷サンが店にひとりではいってくると、響皐月と裕也&アリサの間にひとりで座る。

「赤ワインですか?」

「ああ、頼むよ。」

胸に針金がささったみたいに凄く痛む。

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⏰:10/05/18 04:39 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#46 [亜夢]
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新しいボトルをあけて、それを中谷サンにそそぐ。

「亜夢チャン…ごめんね。 僕は君を傷つけたよね? 言い訳に聞こえるかもしれないが、きいてくれるかい?」

それは中谷サンがお嫁サンとうまくいってないこと、アタシをみると元気をもらえること、―…淡々と語られた。

「僕はたぶん、君にこうして会えるから、頑張れるんだよ。」

嘘つき。

大人はやっぱり嘘ばっかりなんだよ。

「ありがとうございます」

アタシは何の感情もいれずにその言葉だけを伝えた。 アタシが中谷サンに対するあこがれはとっくに消えてた。

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⏰:10/05/18 05:10 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#47 [亜夢]
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そうこうしてるうちに、数十分すると中谷サンはチェックをして帰った。 アタシの態度でもわかったんだろう。

アタシって、まだまだ浅はかだなあ…と改めて思った。

「亜夢。」

へ?

思わず方向が違うとも裕也たちのほうをみる。 ふたりはふたりで、キャッキャ言いながら遊んでる。

てことは…

「亜夢って呼ばないから違和感…かな?」

ロックグラスを片手に苦笑いする響皐月。

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⏰:10/05/18 05:23 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#48 [亜夢]
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「亜夢、俺と今度デートしない?」

ロックグラスの中にはいったアイスを見ながら響皐月は言った。

「いやですよ。 変なことされそうですもん。」

アタシは苦笑しながらそう答える。

響皐月は子犬が耳を下げるときみたいな顔を作る。 両肘をテーブルにつけてアイスをただ、じいっと見つめる。


「…べ、別にいいですけど。 甘いもの御馳走してくれるなら…」

「まじ?やった☆ 俺もさ〜甘いもの大好きなんだよね〜特にね―…」

カランカラン♪

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⏰:10/05/18 05:27 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#49 [亜夢]
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「やっぱりココにいたの、皐月…」

胸元がセクシーに開いた服をきたお姉さんが響皐月の隣に座ると顎を肩に乗せる。

「こんなお子様騙しちゃかわいそうでしょう?」

と耳元で言うわりに、声がでかい。 わざとアタシの耳にはいるように話している。

「あむむはイイ子だから…俺の悪い誘いにはのってくれないよ。 からかってるだけだもん♪俺冗談の固まりだから〜☆」

クスリとほほえむと時計で時間を確認する響皐月。

「あやの、同伴してくれんの?」

「だからココにきたんでしょ」

アタシは蚊帳の外―…

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⏰:10/05/18 05:31 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#50 [亜夢]
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お会計を済ませると、あやのって女の人は響皐月の腕に自分の腕を絡めてでていった。

【俺冗談の固まりだから☆】

【からかってるだけ…】

響皐月のいった言葉がアタシの胸をチクチク突き刺す。

また、泣いてしまいそう。

裕也もアリサも2時すぎには店をでて酔っぱらったまま自転車を押してかえっていった。

裏方でカチャカチャ洗い物をしてるマスター。

こっそりトイレに入るとまた涙が溢れてきた―…

「もお〜…亜夢のばかあ…」

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⏰:10/05/18 05:35 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#51 [亜夢]
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コンコン。

「うわっ…ごめんなさいっ…」

お客さんはいないから、マスターが心配してノックしてくれたんだろう。 アタシはちゃんと涙をふいてアイラインを整えてトイレの扉をあける。

「なんで―…また泣いてるの?…」

数十分前に出ていった響皐月が悲しそうにアタシをみて言った。

そのまま又、トイレに押し込まれる。

「…なんで泣いてんの?」

「泣いてなんかっ…」

そのまま響皐月の胸の中にすっぽりおさまる。 あったかさに涙がまた滲む。

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⏰:10/05/18 05:39 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#52 [亜夢]
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「俺…亜夢が泣いてるとこ、見るの嫌い―…」

ドキン―…

アタシを亜夢って呼ぶ響皐月。

アタシを大きな腕で包み込んでる響皐月。

「泣かないから離して…っ」///

突然照れくさくなる。

すうっと、右手がアタシの左の頬に触れる。 とても自然に響皐月の顔がまた、近くになる。

「亜夢。」

ああ、たぶんこれは好きにさせるための呪文か魔法だ。

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⏰:10/05/18 05:43 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


#53 [亜夢]
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―…

「もう行かなきゃ…」

あったかいものを唇に残して響皐月はそう言った。

「あ、これ…ココに載ってるの俺の番号とメアドだから…気がむいたら連絡頂戴よ☆」

な?とほほえみながらアタシの頭をクシャクシャとするとトイレを出ていった。

まだ―…胸がはずんでる―…

***

()今日の更新は
>>24からここまででした

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⏰:10/05/18 05:48 📱:F02B 🆔:2tMYvgRI


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