*- エロチュウ -*
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#51 [亜夢]
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コンコン。
「うわっ…ごめんなさいっ…」
お客さんはいないから、マスターが心配してノックしてくれたんだろう。 アタシはちゃんと涙をふいてアイラインを整えてトイレの扉をあける。
「なんで―…また泣いてるの?…」
数十分前に出ていった響皐月が悲しそうにアタシをみて言った。
そのまま又、トイレに押し込まれる。
「…なんで泣いてんの?」
「泣いてなんかっ…」
そのまま響皐月の胸の中にすっぽりおさまる。 あったかさに涙がまた滲む。
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:10/05/18 05:39
:F02B
:2tMYvgRI
#52 [亜夢]
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「俺…亜夢が泣いてるとこ、見るの嫌い―…」
ドキン―…
アタシを亜夢って呼ぶ響皐月。
アタシを大きな腕で包み込んでる響皐月。
「泣かないから離して…っ」///
突然照れくさくなる。
すうっと、右手がアタシの左の頬に触れる。 とても自然に響皐月の顔がまた、近くになる。
「亜夢。」
ああ、たぶんこれは好きにさせるための呪文か魔法だ。
-
:10/05/18 05:43
:F02B
:2tMYvgRI
#53 [亜夢]
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―…
「もう行かなきゃ…」
あったかいものを唇に残して響皐月はそう言った。
「あ、これ…ココに載ってるの俺の番号とメアドだから…気がむいたら連絡頂戴よ☆」
な?とほほえみながらアタシの頭をクシャクシャとするとトイレを出ていった。
まだ―…胸がはずんでる―…
***
(

)今日の更新は
>>24からここまででした

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:10/05/18 05:48
:F02B
:2tMYvgRI
#54 [亜夢]
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>>003-053***
華の金曜は終わってお休みの日がきた。 4連勤のあとのこの週末は結構好きだったりする。
メリハリがつけれるしね。
でも―…今日はどうも考え過ぎて何もできない気がする。
響皐月から貰った彼の名刺。
アドレスと電話番号それから、いつもと雰囲気が違う響皐月の写真が名刺にのってある。
「はあ―…」
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:10/05/19 07:46
:F02B
:aOzGAOJ.
#55 [亜夢]
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かけるか…
かけないか…
携帯の画面を開いたまま、アタシは何度か携帯と名刺をみた。
一度番号をいれてみても、すぐに消した。
携帯に登録する?
…あ〜、わかんない…
「はあ〜…」
何回ため息をついただろう。
気づいてたらベッドでそのまま眠りについてた。
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:10/05/19 15:58
:F02B
:aOzGAOJ.
#56 [亜夢]
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せっかくの土曜日は、自宅で携帯と奴の名刺だけで終わってしまった。
目をさましたのは日曜の昼。
「あ…やば…」
アタシは2時に高校の同級生で仲良しの桜に会う約束してたんだった―…
時計は12時半。
「よかった…」
お風呂に急いではいって、そそくさと化粧をする。 ちょうどいい時間だ。
アタシは待ち合わせ場所にむかう。
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:10/05/19 16:01
:F02B
:aOzGAOJ.
#57 [亜夢]
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響皐月のこと考えずにすむ…
アタシはいつも待ち合わせにしてる、スタバにひとり座ってチャイを飲んだ。
(あっま〜…)
またカプチーノじゃない。
今回はアリサに言われなくても気づく。
「亜夢〜!!!」
夜の仕事をしてる桜は、キラキラしたアクセ達を身にまとい、長い爪…ばさばさなまつげに綺麗にセットされた髪の毛。
-
:10/05/19 16:05
:F02B
:aOzGAOJ.
#58 [亜夢]
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ひさびさの再会だから、色んな話が次から次ぎとでてくる。
「てゆうか〜…アタシ彼氏できたんだっ♪」
桜は薬指に輝く指輪をこちらにみせてニコニコとほほえんだ。
「…よかったじゃん!!!」
でも内心不安になった。
桜の言う彼氏とは、ホストのことだ。
彼女が夜を始めた理由も、最近風俗にいこうか悩んでる理由も遊ぶお金だった。
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:10/05/19 23:16
:F02B
:aOzGAOJ.
#59 [亜夢]
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きっかけはある雑誌のモデルさんだった。 そのモデルの職業がホストだったため、会えるから―…という理由でホストクラブに足を運んだらしい。
容姿も頭もいい桜は、男で困ったことはなかった。
でも何か埋められない寂しさがあったんだろう。
それを埋めてくれる居心地のいい空間がホストクラブだったんだろう。
-
:10/05/20 06:02
:F02B
:uEyPQx6s
#60 [亜夢]
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>>003-060***
アタシは行ったこともない空間だからだいぶ客観視してる。
別に響皐月を知ってるからといって、ホストという職業がどんなものかはわかってない。
でも…アタシは偏見してる。
それは知らないからだと思うけれど。
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:10/05/20 06:07
:F02B
:uEyPQx6s
#61 [亜夢]
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「でねでね、彼氏ったら…過去の女が最低だったらしくて、手も繋ぎたくなければ、キスも嫌なんだけど…愛しくってえ〜…」
桜が幸せならいい。
でもアタシは心配してしまう。
正直、頑張って水商売をしている桜には、1日で給料を使ってしまうような遊び方はしてほしくなかった。
就職率のかなり低い外資系の昼職をやめて、夜の世界にはいったんだから…
「あ〜、早く結婚したいっ☆」
-
:10/05/20 06:11
:F02B
:uEyPQx6s
#62 [亜夢]
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「…あれ?」
スタバのテラスは硝子張りなので歩いてるひとたちを人間観察できる。
桜はアタシの後方をみて、あ―!!!と声をかけた。
「アタシの彼氏だっ!!!!」
浮かれた様子の桜。
ぶんぶん手を振ると、響皐月のあのとんがった靴の音がした。
カツカツカツ―…
「亜夢、紹介するっ♪」
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:10/05/20 06:14
:F02B
:uEyPQx6s
#63 [亜夢]
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「アタシの彼氏の皐月クン♪」
―…
「あ、どうも。」
間違えないよね。
これはあの響皐月だよね。
少し優しくされたからって図に乗ってたのかも。
彼女いて、当たり前だよね。
「えっ…俺らいつ付き合ったの?」
響皐月はアタシには全く触れない。
-
:10/05/20 06:16
:F02B
:uEyPQx6s
#64 [亜夢]
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「ひっどお―い…こないだ飲みにいったとき付き合って♪て言ったらイイよっていったじゃん。」
「まじか〜酔っぱらうと女みんなに声かけちゃうからな☆」
やっちゃった、とちゃらけて舌を出す。
「なにそれえ〜…好きじゃないの?桜のこと。」
「まだ会うの3回目じゃん!!!」
ちょっと呆れたように笑う響皐月。
-
:10/05/20 06:19
:F02B
:uEyPQx6s
#65 [亜夢]
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響皐月は、何度もアタシの様子を横目で伺ってた。
期待してしまう―…
でも女を騙すのが彼らの仕事。
女の子に嘘をつくのも、信用させるのも、得意技だ。
アリサは言ってた。
「騙されていいじゃん。 恋愛が怖くて出来ずに大人になるほうが怖いよ。」
って。
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:10/05/20 06:22
:F02B
:uEyPQx6s
#66 [亜夢]
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桜は響皐月にべったりくっついて片手に巻き付いて離そうとしなかった。
「俺いまスカウト中だし、また連絡するわ―!!!」
またね、と手をぶんぶん振ると、響皐月は人混みに消えていった。
「あ〜あ…いっちゃった…皐月ちは忙しいんだから…全然遊んでくれないし、連絡もまちまちなの!!! ずるい男だよね…」
きまずい。
アタシがあの男とキスしてしまったことや、自分の店の常連だなんて、口が裂けてもいえなかった。
-
:10/05/20 06:26
:F02B
:uEyPQx6s
#67 [亜夢]
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帰宅―…
部屋に戻り、机をみると置いたはずの名刺がない。
おかしいなあ。
アタシは数分周辺を探したけれど、結局みつからず、あきらめて日曜に終わりを告げた。
正直…響皐月を桜が指名してるとなると、のちのち大変なことになりそう…
日が落ち、月がでて、また日がのぼると月曜の朝になる。
今日は授業は昼からたった数時間。
-
:10/05/20 06:29
:F02B
:uEyPQx6s
#68 [亜夢]
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月曜は短時間の授業プラスCIELはお休みなので、まだゆっくりできる日。
「亜夢、おでかけしようよ♪」
たまにはね、と付け足してアリサがそう言った。
そんなことよりも、アタシは響皐月は何のためにアタシを口説いたり?抱きしめたり…好きっぽいそぶりを見せるの?
ホストだから?
わかんないよ。
どれが嘘なのか本当なのか…
***
>>054から
ここまで更新しました

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:10/05/20 06:32
:F02B
:uEyPQx6s
#69 [亜夢]
:10/05/20 06:35
:F02B
:uEyPQx6s
#70 [亜夢]
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【彼氏】の話をされてから、桜から頻繁にメールで相談されるようになった。
正直、全然携帯放置なアタシにとってマメに連絡をかえすのは疲れる。
特に、土日月曜日はいいんだけど、CIELと学校がある日なんて携帯に睡眠時間をとられるのは、きつい―…
「ごめんっ…話また今度でいいかな?今から仕事なんだよねっ…」
「え?夜に仕事いってるの?」
嘘はだめだ。
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:10/05/20 17:14
:F02B
:uEyPQx6s
#71 [亜夢]
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「アタシ今BARで働いてるよ。」
「まじ?じゃあ、今日行ってもいい?」
まずい、繋がってしまう。
…むしろ別に付き合ってる訳でもないから、隠す必要なんてないかあ。
気楽にいこう。
「いいよ。」
アタシは手短に伝えると準備してでかけた。
火曜の夜―…
今日から4連勤の日。
-
:10/05/20 17:17
:F02B
:uEyPQx6s
#72 [亜夢]
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12時半くらいにメールが入って今から来る、と桜に言われた。
仕事あがりなんだろう。
チリンチリン♪
「うわあ〜酔っぱらったあ〜」
桜が若い男の人を引っ張って、カウンターに座らせた。
「あ、これアタシの新しい彼氏の遊星クン♪」
にゃはは、と可愛く笑う。
遊星ってひとはビールと言うと、ほんのり疲れた顔をした。
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:10/05/20 17:21
:F02B
:uEyPQx6s
#73 [亜夢]
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「もうね―…皐月は相手してくれないから無視してやるん…」
さえぎるように店の扉があく。
「いらっしゃいませ―」
入ってきたのは噂の響皐月。
最近になって女の人をつれてくることがなくなった気がする。
ひとりで出勤前に数杯だけ飲みにくる。
何も言わないあいだにアタシはロックグラスにスコッチを流し込む。 アイスがカラカラと音をたてる。
-
:10/05/20 17:27
:F02B
:uEyPQx6s
#74 [亜夢]
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店内が暗いせいか、遊星サンの影で隠れてるせいか、響皐月はまったく桜の存在に気づかない。
「亜夢…」
アタシは、ドキンとする。
もう―…あむむって調子づいて呼ばれなくなったからだ。
「ああ、皐月クンいらっしゃい…」
マスターが大きな声でそう言った。
「皐月?」
遊星サンがぼそっと桜に聞く。
-
:10/05/20 17:29
:F02B
:uEyPQx6s
#75 [亜夢]
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「あれ、桜じゃん。 彼氏?」
響皐月はアタシの渡したスコッチをカラカラさせながら、にんまりと桜をみつめた。
「えっと…」
桜は動揺してる。
「よかった。 俺より全然いい男ぽいし。 大事にしてあげてね。」
柔らかくほほえむと持っているスコッチを軽くのどに通す。
桜は何も言わず1万円を机に置くと無言で帰ってしまった。
-
:10/05/20 17:34
:F02B
:uEyPQx6s
#76 [亜夢]
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その1万円を握りしめて追いかけても、名前をよんでも桜は振り向かなかった。
新しい彼氏という遊星サンもアタシの目先で彼女を追いかけてる。
しょうがない。
アタシはため息をついてそのまま店に戻った。
「おかえり…」
ネクタイを綺麗につけなおしてる響皐月。
もう出勤時間だ。
-
:10/05/20 17:38
:F02B
:uEyPQx6s
#77 [亜夢]
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「あの子はね…お金で愛を買おうとしてるんだよ。 可哀相でみてられない…でも…」
でも、の後に間があく。
「俺は付き合おうて言葉にいいよ、というべきだったのかもしれないけど…」
ふう、と煙草の煙を吐く。
「俺…いま好きな女がいるから、ね。」
ドキン―…
嘘?本当?
-
:10/05/20 17:41
:F02B
:uEyPQx6s
#78 [亜夢]
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それとも…
信じる?信じない?
「えと…」
「なんで連絡くれなかったの?亜夢。」
待ってた、と小声で言われる。
「あの…名刺、机置いてたら、どっかいっちゃって…」
「じゃあ俺来るの待ってた?」
ドキン―…
飲み込まれる。 このひとの、空気に。
-
:10/05/20 17:44
:F02B
:uEyPQx6s
#79 [亜夢]
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「亜夢は俺がホストだから嫌?」
違う…
ホストだから嫌なわけではない。
ホストだから、こうなんじゃないか…ていう固定観念があるんだ…。
「たぶん、俺が本当のこと言ってるか、嘘を言ってるか…わかんないから?じゃないの。」
アタシは縦にうなずく。
-
:10/05/20 17:51
:F02B
:uEyPQx6s
#80 [亜夢]
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「俺が仕事やめたら…俺と付き合える?」
アタシは考えた。
仕事とアタシを選ぶってこと?
「そんな…どっちが優先だなんてっ…」
「俺はお金がいるから、いまの仕事が辞められない。 …でも嫌なら考えるけど。」
彼は、はあ、とため息ついた。
「…いつからか、わかんないけど…」
目をみつめられる。
-
:10/05/20 23:03
:F02B
:uEyPQx6s
#81 [亜夢]
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「亜夢に嫉妬してもらいたくて…女の客連れてきてた…」
時計がカチッカチッと音をたてて動いてる。
PPPP…
もちろん出勤時間ぎりぎりのナンバーワンの携帯は鳴り始める。
「なんでこう…〜〜」
響皐月はハアとため息をついて、また名刺をつきだした。
「…やめた。 携帯貸して。」
アタシの手から取り上げて耳元にあてる。
-
:10/05/21 07:32
:F02B
:na8HDJcY
#82 [亜夢]
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PPPP…
また同じ着信音が響皐月の携帯から流れる。
「俺から連絡する。」
わかった?という目でじっと見られる。
「…あ、はい…」
圧倒されてアタシ、そんなに喋れてないというかまともに顔さえみれなかった。
ジャケットを素早く羽織ると会計分のお金を置いて響皐月は急いだ。
「ありがとうございました…」
-
:10/05/21 07:35
:F02B
:na8HDJcY
#83 [亜夢]
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響皐月が去ってからマスターは言った。
「やっとか。」と…
「昨日もギムレット飲みにきてたんだよ。」
月曜日。
アタシがCIELを休みな日だ。
「ここ最近の悩み事の原因は君なんだよ。」
くすりと笑うマスター。
「そ…そんなの知らないですよっ…」///
でも、まだやっぱり思う。
本当?嘘?
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:10/05/21 07:39
:F02B
:na8HDJcY
#84 [亜夢]
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でも―…
アタシみたいに利用価値のない人間を騙さなくてもいいわけだもんね。
お金持ってて、自由に彼の店で飲めるわけでもない。
アタシを彼のものにしても得ではないはず。
「信じてもいいかなあ…」
ドキン―…
少しだけ携帯を確認することに過敏になった。
センター問い合わせが趣味になりそうなくらい。
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:10/05/21 07:44
:F02B
:na8HDJcY
#85 [亜夢]
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あのキスのせい―…
彼を意識しまってる。
アタシは仕事を終えて鞄の中に携帯を放り込んだ。
営業中は連絡よこせないくらい忙しいはずだ。
でも何度も携帯が光っているかを確認する。
それも響皐月のせい―…
-
:10/05/21 07:48
:F02B
:na8HDJcY
#86 [亜夢]
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水曜日。
あのワン切り以来、響皐月は電話をかけてこなかった。
着信履歴から登録した名前。
そのまま【響皐月】とはいっている…
「はあ…」
ちらっと携帯を見る。
「恋してる子みたい♪」
右からコソコソと耳打ちするアリサ。
-
:10/05/21 18:10
:F02B
:na8HDJcY
#87 [亜夢]
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「えっ…」///
アタシの顔はたぶんりんごみたいに紅く染まったんだろう。
アリサはニターとしながら指でアタシの頬をつつく。
「〜〜…」///
恋してるのかな?
でも告白された訳じゃない。
ただ、携帯の番号を知ってるのと…キスを2回交わしただけ。
だけ…じゃないのかもしれないけど…。
-
:10/05/21 18:13
:F02B
:na8HDJcY
#88 [亜夢]
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今日最後の講義。
アタシは外で煙草を吸う友達たちと一緒にたむろっている。
BBBB…
突然ポケットにいれてた携帯のバイブが鳴り始める。
もしかして…
知らない番号からだ。
「はい、もしもし―…」
-
:10/05/21 21:55
:F02B
:na8HDJcY
#89 [亜夢]
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「あ、亜夢…?」
声が、―…響皐月だ。
「ごめん…俺携帯落としちゃってさ。 ちゃんと頭にいれといたんだ、亜夢の番号。」
ドキン―…
「もしかしたら俺の連絡待ってたかな、とおもって―…」
まさかな、と鼻で笑う響皐月。
「いや―…あのっ…」///
「待ってた?」///
なんかすごく恥ずかしい―…
-
:10/05/21 22:01
:F02B
:na8HDJcY
#90 [亜夢]
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「今日俺、休みなんだよね。 まあ今起きたんだけどさ―…遊びにいかないかなあ、とか思ったりして。」
響皐月からの誘い。
ちょうど今日は自宅に帰ろうとおもってたころ。
「あ、―…空いてます。」
と言った瞬間、響皐月はよっしゃと小声でいった。
それがまたアタシの気持ちをぐいぐいっとあげる。
「そしたらさ―…」
-
:10/05/21 22:05
:F02B
:na8HDJcY
#91 [亜夢]
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最後の講義なんて頭になんかはいってこなかった。
アタシにとって、男の人とのデートは…高校や中学んときにした遊びに行くことくらいしか知らない。
大人の人―…
アタシの知らない世界を知ってる、そんなひととどこに遊びにいくんだろう―…
ドキドキしっぱなしのアタシ。
しかも待ち合わせ場所と時間。
大学の前に、アタシが講義を終えたら、すぐ―…
-
:10/05/22 00:04
:F02B
:Qn3qwYdw
#92 [亜夢]
:10/05/22 00:08
:F02B
:Qn3qwYdw
#93 [亜夢]
:10/05/22 00:12
:F02B
:Qn3qwYdw
#94 [亜夢]
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「亜夢。」
校門の前。
ヒラヒラと手を振るモデルみたいな男、響皐月。
もちろん周りの子達はチラチラ彼をみたり、さえないアタシを見たり。
ぺこっとお辞儀する。
「まだ堅いなあ…キスもした仲なのに♪」
にんまり微笑んで響皐月は言う。
―…///
-
:10/05/22 06:19
:F02B
:Qn3qwYdw
#95 [亜夢]
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「乗って?」
キーを片手にピュンピュンて音がすると遠隔操作で車が光る。
これってかなりの高級車、のはず。
詳しくはないけどそれなりにわかる。
「ありがとうございます…」
アタシは助手席のドアの開け閉めまでしてくれる響皐月にどきどきする。
紳士的だなあって。
-
:10/05/22 06:22
:F02B
:Qn3qwYdw
#96 [亜夢]
-
「ね、俺の名前よんで。」
「響サン…」
ハンドルを握りしめたまま、響皐月はハアとため息をつく。
「俺のほんとの名前は龍紀ってかいて…たつき。 本庄龍紀。」
「龍紀…サン。」
「違うよ亜夢。 たつきって呼んで。」
「たつき…」///
よく出来ましたと言いながら優しくアタシの髪の毛を撫でた。
-
:10/05/22 06:27
:F02B
:Qn3qwYdw
#97 [亜夢]
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「亜夢は、今日夜仕事だろ?」
「はい…」
これで5回目。
さっきから響皐月…じゃなくて本庄龍紀がずっと敬語禁止っていってくる。
年上でしかもお客さんだから龍紀には、すぐにタメ口では話すことができなかった。
「ちょっとずつでいいから…俺は亜夢と仲良くなりたい。」
ドキン―…
アタシの心臓は夜までもつかな?
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:10/05/22 06:31
:F02B
:Qn3qwYdw
#98 [亜夢]
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「次俺に敬語で話したら、キスするよ…?」
車のハンドルを握りしめたまま、まっすぐ前に目を向けて龍紀はいった。
「えと…」///
「夜仕事あるなら俺一緒にCIELいってもいい? どうせ暇だろ。」
店がね、と笑った。
水曜日は確かにノーゲストのときもある。
ふたりで行くとかなんだか照れくさい。
-
:10/05/23 23:11
:F02B
:UUkC3.iQ
#99 [亜夢]
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「はい。」///
あ―…
目の前は赤信号。
ブレーキで止まると同時にシートベルトをはずす龍紀サン。
「おしおき☆」
つぶった目が近づいてくる。
鼻と鼻がぶつかりあったそのときに、後ろからのクラクション。
「ここの信号…せっかちだなあ…」
子供みたくふてくされる龍紀サン。
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:10/05/23 23:14
:F02B
:UUkC3.iQ
#100 [亜夢]
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ちがうちがう―…
龍紀サンじゃなくて【たつき】だし、はいじゃなくてうん、だ。
慣れるのに一苦労しそうだけど…
でもドライブ中の龍紀はたくさん自分のことを話してくれたり、たくさん質問をしてくれて、途中から全く気を使わずに会話できた。
「わっ…もうこんな時間か。 いこっか☆」
ぱらぱら雨が降ってる。
手をぎゅっと握られ、駐車場から店のビルまで走る―…///
-
:10/05/23 23:18
:F02B
:UUkC3.iQ
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