その日が来る前に、
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#447 [愛華]
「ごめんな」
隆則はそうつぶやいた。
震えた小さい声。
「お前なんなんだよ…」
「……あのさ、廊下にいる
男たち連れて早く逃げたほうが
いいよ」
「………んだと?
ざけてんじゃねーよコラ」
:10/08/09 11:31
:840SH
:CX9fj47k
#448 [愛華]
「言ってる意味、わかんない?
お前らコレ犯罪だからね?
あと10分もしないうちに
ケーサツ来るよ。いいの?」
男が焦ってるのがわかった。
隆則の手が温かくて、
あたしはぎゅーっと握った。
「下手な喧嘩はしたくないしさ
穏便にすまそうや。ダメ?」
「………わかったよ」
男は扉に走りだした。
:10/08/09 11:35
:840SH
:CX9fj47k
#449 [愛華]
「あ、忘れ物」
そう言うと、隆則は男の顔面を
思い切り殴った。
ドカッ!!!
鈍い音が響いた。
下には歯が2、3本
転がっていた。
男が声を出せずうめいていると、
「あと、コレ指示した女にも
言っとけ。次はねぇぞ。
女も………お前らも」
:10/08/09 11:41
:840SH
:CX9fj47k
#450 [愛華]
「………ふ……」
「わかる?わかんない?どっち」
隆則は男の頭を持ち上げた。
「わ……わかりまふ……」
「ん。じゃーいーよ。行け」
男は逃げるように部屋から
でていった。
そのあとの足音から
ほかの男も逃げていったのが
わかった。
……相沢と京極もいったのかな。
:10/08/09 11:46
:840SH
:CX9fj47k
#451 [愛華]
「那佑……へいきか?
ケガしてないよな?」
「うん……だいじょぶ」
隆則は悲しそうに笑うと、
あたしをおんぶしてくれた。
「………ごめんな」
……どうして隆則が謝るの
:10/08/10 12:07
:840SH
:0jw3vy/Y
#452 [愛華]
外に出ると、建物ぜんぶを
見ることができた。
あたし……こんなとこに
連れ込まれてたんだ。
そこは廃墟。もとがラブホだった
らしい。
少し歩くと、梓がいた。
:10/08/10 12:09
:840SH
:0jw3vy/Y
#453 [愛華]
「……梓!!」
「那佑………」
梓は泣きそうな顔で
あたしを抱きしめてくれた。
「馬鹿那佑!!ばかばかばか!」
「……ごめんね、梓」
あたしは何度も謝った。
それしか、できなかったから。
とめどなく、涙が溢れた。
:10/08/10 12:13
:840SH
:0jw3vy/Y
#454 [愛華]
わたしは何もわかってなかった。
わかったつもりでいただけ。
それが、どれだけ大切な人達を
傷つけることになるかも知らず…
ばかだね。ほんとうに……
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
ごめんなさい。ごめんなさい。
この心臓は………
私のちからだけで動いてる
わけじゃないんだ。
:10/08/12 01:46
:840SH
:CxyxJVhM
#455 [愛華]
「梓、ありがとな。
風邪こじらせるといけねーから
お前はもう帰っていーよ」
「でも那佑は…」
「俺が送るから平気 なっ」
隆則はあたしのほうを見た。
久しぶりに隆則の笑顔を見た
気がして嬉しくなった。
「……うん。梓、ごめんね。
…………ありがとう」
:10/08/12 14:06
:840SH
:CxyxJVhM
#456 [愛華]
「もう、こんなことすんなよ」
梓はニヒッと笑って
あたしの頭をくしゃくしゃ
撫でてくれた。
……梓はパジャマのまま
あたしを探してくれてたんだ。
胸がきゅぅっとなる。
あたしは弱くない。
けど決して強くない。
強くないんだ。
:10/08/12 14:09
:840SH
:CxyxJVhM
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