その日が来る前に、
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#101 [愛華]
でも……隆則がいうと
もしかしたら…って思えた。

「…うん。がんばる」

隆則はニッコリ微笑んだ。

隆則が笑うと、胸がきゅってなる

なんだろう?
胸が温かくて、もっと
笑ってほしい。
あなたの為に笑いたいって
思うの。

⏰:10/06/26 18:52 📱:840SH 🆔:dev.iGAs


#102 [あい]
おもしろいです
頑張ってください

⏰:10/06/27 09:56 📱:P03A 🆔:☆☆☆


#103 [愛華]
>>102

ありがとうございます
つたない文章ではありますが
精一杯がんばります!!
最後まで読んでくれると
とても嬉しいですF

⏰:10/06/27 17:38 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#104 [愛華]
「那佑ちゃーん。
検査の時間だから病室もどって」

隆則と雑談していると、
純さんが、呼びにきた。

「えー…もう…?」

「またあとで来ればいーだろ。」

あ、また。
胸がきゅってなった。

⏰:10/06/27 21:07 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#105 [愛華]
「またくるね!!」

「おー…」

私はそう言って、病室に
純さんと戻った。


「なかいーんだねー
……赤石さんと」

突然、純さんがいった。

「はい??そーかなぁ」

「うん。なんか、
那佑ちゃんも赤石さんには
心ひらいてるかんじ。」

⏰:10/06/27 21:41 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#106 [愛華]
そんなつもりなかったけど…
でも。

「隆則と話してるとね。
なんか安心するの。
お腹のあたりが
ほわーってあったかくなるんだ」

「ほほう。恋ですなぁ」

「………!?」

⏰:10/06/27 22:04 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#107 [愛華]
こい……??



「…ええええ!?
そんなの!違うよ!
隆則は…隆則は……」

「赤石さんは……なに?」

純さんはニヤニヤしながら
聞いてくる。



私にとって隆則は……

⏰:10/06/27 22:18 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#108 [愛華]
私が答えに詰まっていると
純さんはニコッと笑った。

「最近の那佑ちゃん、楽しそう。
前までは…なんていうか
生きるのに疲れきってるかんじ
だったけど……
赤石さんと出会ってからかな?」


隆則と……会ってから?

⏰:10/06/27 22:21 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#109 [愛華]
「…うん。そーかも。
最近ちょっと……楽しい」

「そっかー那佑ちゃんも
恋かぁ……」

「だから違うってば!!」

「那佑ちゃん可愛い〜(笑) 」

⏰:10/06/27 22:29 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#110 [愛華]
確かにね。
最近、ちょっと
ちょっとだけ、毎日が
楽しいんだ。

自分のことを少しだけ
さらけだして、認めて。


……………隆則と出会ってから。

⏰:10/06/27 22:31 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#111 [愛華]
死ぬことへの恐怖なんて

いつだって感じなかった。


人間はいずれ死ぬ。

だからべつにいーんだって。

どこかで諦めてた。

⏰:10/06/27 22:45 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#112 [愛華]
それは今も変わらない。

だってどーしようもないでしょ?
どんなに願っても
どんなに祈っても
変えられない運命だから
運命を呪ったって意味はない。


ただね。どーせなら。
誰かの記憶に残って
楽しく生きて
潔く………死にたいなって。

⏰:10/06/27 22:53 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#113 [愛華]
小さい小さい私の存在。

17才の私はあまりに
ちっぽけだけれども

誰かの心に
私の存在を 残してから……。

⏰:10/06/27 22:57 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#114 [愛華]
「隆則ー!!
遊びにきたよー☆」

「…毎日きてんじゃん…(笑)」

隆則はベッドにねっころがって
タバコを吸っていた。

「……」
「……なした?」

「……タバコ。
未成年なのに。ダメじゃん」

「ばーか。余計なお世話
だっつの。今時みんな
吸ってるだろ」

⏰:10/06/27 23:01 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#115 [愛華]
そーなのかな??
そんなもんなのかなぁ??

「……純さんに
言い付けてやろー……」

「……お前、あの看護師と
なかいーよな」

「純さんのこと?
まぁね。家族みたいなもんだよ」

⏰:10/06/27 23:04 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#116 [愛華]
「…家族?」

「うん。あたしのとこの事情
いろいろ知ってて……
初めて入院したころから
お世話になってる。
お姉ちゃんみたいな存在。」


「へー……
てか、事情って?」

しくった。
またしゃべりすぎた。

なんだろ。隆則の前だと
スルスル言葉がでてくる。

⏰:10/06/27 23:31 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#117 [愛華]
「…あたしんとこは……
お父さんとお母さん
いないから……」


「ふーん……」


隆則はそれ以上きいて来なかった
もっと探られると思ってたのに。

⏰:10/06/27 23:34 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#118 [愛華]
「でね、隆則がねー」

「もー那佑ちゃん、
赤石さんの話ばっか(笑)」

「……べつにいーじゃーん
それより純さん!!
次の休みいつ??」

「私、多忙だからね〜
今週の日曜日だったかな?」

⏰:10/06/27 23:40 📱:840SH 🆔:hAwrbAMo


#119 [愛華]
「……そっか」

「どーしたの??
なんかあるの??」

「……純さん、日曜日さ
誕生日じゃん?
お祝いしてあげよーと思って…」

「……ありがとー!!
じゃあ月曜日!!
期待してるよ☆」

⏰:10/06/28 16:05 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#120 [愛華]
純さんはニコッと微笑んだ。



純さんとの出会いは……
入院したてのころ。

「えっとー……那佑ちゃん!
今日からよろしくね」

⏰:10/06/28 16:13 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#121 [愛華]
他の看護師は
いつもあたしに同情や冷たい目
ばかりむけていた。

病気のことや両親のことで
いつも可哀相だね って。


でも純さんだけは違った。
患者はみんな平等だって。

⏰:10/06/28 16:17 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#122 [愛華]
あたしは、純さんを姉のように
慕うようになった。
そんなあたしを純さんも
可愛がってくれた。


純さんは25才の若い女性。
未来に溢れている人。
そんな純さんが私は……
羨ましかったのかもしれない。

⏰:10/06/28 16:26 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#123 [我輩は匿名である]
「ふんふんふーん♪」

「………やけにご機嫌だな」

今日は土曜日。
明日は純さんの誕生日♪
プレゼントは腕時計。
壊れたって言ってたから。

「なんでもないよーだ」

「あっそ」

あれ??ちょっと怒った??
………怒った顔、かわいーな。

「隆則おこってる?」

「べつに………」

⏰:10/06/28 22:14 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#124 [我輩は匿名である]
じゃあなんで機嫌わるいんだよ…

私も張り合って機嫌を悪くした
ふりをして、そっぽ向いて

オレンジジュースを飲んだ。

残り少ないジュースは
ズコッという音をたてた。

⏰:10/06/28 22:18 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#125 [我輩は匿名である]
「……おこってないって。
純さんの誕生日なんだろ?
………知ってるよ」

そういうと隆則はあたしの頭を
くしゃくしゃなでた。
隆則の手は大きくてあったかい。


「………ちょっとやきもち
やいたんだよ。
うらやましーっつーの……」


ん??今なんて??

⏰:10/06/28 22:21 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#126 [我輩は匿名である]
「隆則、今なんて言ったの?
きこえなかったんだけど」


「きこえなくていーの!!」

隆則はまた頭をなでた。

あ、また。胸がきゅってなる。

純さんの言葉を思い出す。

⏰:10/06/28 22:24 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#127 [我輩は匿名である]
「那佑ちゃんも恋かぁー」

それはわかんない。

でも隆則の存在は確実にあたしの
中で大きくなっていた。

冷たかったあたしの心を
隆則が少しだけ溶かしてくれた。

どうして……隆則なんだろう

⏰:10/06/28 22:28 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#128 [愛華]
「那佑どした?顔赤いぞ」

ふいに隆則があたしの顔を
のぞきこんだ。

「わっ…… 」

自分でも顔が赤くなるのが
わかった。
顔覗きこまれただけで………
あたしって……子供(泣)

「がぁーき(笑)」

「うるさい!!
馬鹿隆則!!」

「そんな怒んなー
ほら、ゼリーやるから」

「やった♪」

ほんと………子供(笑)

⏰:10/06/28 22:33 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#129 [愛華]
隆則。
あたしね。
夢をみてた。幸せな夢。

隆則が側にいてくれて。
最近あまりにも楽しいから
忘れてたんだ。

ちょっとだけ期待もしてた。

もしも病気が治ったら……って。

あたしの運命が代わりはじめた
のはこの次の日。

⏰:10/06/28 22:38 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#130 [愛華]
その日は終わろうとしていた。

明日は純さんに会える。
一日遅れたけどプレゼント
渡すんだ。
……大好きな純さんに。


あたしは廊下を散歩していた。

「……うそ……純が!?」

「…そんな!!間違いじゃ…」

看護師たちが話してる。
純さんの話…?なんだろ?

⏰:10/06/28 22:43 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#131 [愛華]
「ねー純さんがなしたの?
今日やすみでしょ?純さん」

「…!那…佑ちゃん…!」


……なに?なんか……
様子が変。
「……純さん、どーしたの?」
看護師は泣いていた。

「那佑ちゃん、病室に戻…」

「純さんに……
なんかあったの?」

⏰:10/06/28 22:47 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#132 [愛華]
「…那佑ちゃん……
なんでもないの!!」

看護師は怒鳴るように言って
無理矢理あたしを
病室に戻した。

なに?なに?なんなの?
……嫌な予感がするよ。

帰りの廊下、看護師用のトイレで
話し声が聞こえてきた。

⏰:10/06/28 22:51 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#133 [愛華]
「…そじゃ……いんでしょ?」
「…かんない…どそく……って」

……なんだろ?よく聞こえない。

「……純が……死んだなんて…
信じたくないよ………」



「…………………え?」

⏰:10/06/28 22:54 📱:840SH 🆔:EX.tF6FY


#134 [愛華]
〜隆則Side〜

⏰:10/06/29 00:00 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#135 [愛華]
今日、那佑はすこぶる
機嫌がよかった。

どうやら、明日は純さんとかゆー
看護師の誕生日らしい。

那佑は純さんのことを
姉のように慕っている。

純さんが、那佑の支えに
なってることも、あるんだろう。

⏰:10/06/29 19:49 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#136 [愛華]
那佑は今まで
想像を絶する苦しみを
味わってきたんだろう。

そんな那佑が今ふつうに
笑っていられるのは……
純さんのおかげだったの
かもしれない。

⏰:10/06/29 19:52 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#137 [愛華]
それは知っているけど……


「やっぱムカつく!!」

「いてっ!!枕なげんなよ」


俺はイライラを
お見舞いにきていた長谷に
ぶちかましていた。
↑最悪(笑)

⏰:10/06/29 19:54 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#138 [愛華]
那佑の苦しみは……
俺はちょっとしか理解できない
のかもしれないけど。

それでも、俺だけが
わかってあげたい。

そーゆーもんじゃねーの?

「……うらやましーなぁ」

俺はつぶやいた。

あー情けな(泣)

⏰:10/06/29 19:58 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#139 [愛華]
「……そんなに悩むってことは…
女のことか?」

「……!!」
「図星かよ(笑)」


長谷にはなんでも
お見通しだ。

⏰:10/06/29 19:59 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#140 [愛華]
「そっかーお前の
女ギライも治ったか」

「そーゆー訳じゃねーけど…


……可愛い子なんだよ。すっげ。
守ってあげたくなるっつーか」

長谷は見透かしたように笑った。

⏰:10/06/29 20:02 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#141 [愛華]
「…でも、あと八年しかない」

長谷はつぶやいた。


「!?」

どうして長谷が……?

⏰:10/06/29 20:03 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#142 [愛華]
「……なんで知ってる?」

「…昨日もきたんだけどな。
病室はいったら、お前ねててな。

……あと八年……って
寝言でつぶやいてた」

俺……そんなことを?

⏰:10/06/29 20:06 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#143 [愛華]
「その言葉の意味は……
まぁなんとなく分かるけど。

………覚悟はできてんのか?」


覚悟??そんなのとっくのまに
できてる。


那佑に恋した……あの日から。

⏰:10/06/29 20:14 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#144 [愛華]
「あたりまえだろ。
後悔なんか、これっぽっちも
してねぇよ」


初めてなんだよ。こんなの。
誰かひとりのことを
こんなにも大事に思う。


君の苦しみごと全部抱きしめて
あげたいって……思うんだ。

⏰:10/06/29 20:26 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#145 [愛華]
「若いねぇ。
あぁ、それが原因でイライラ
してたのか」

「……ガキなもんで」


長谷はタバコに火をつけた。

「…覚悟きめたんなら
最期まで想ってやれ。
死んだあとなら思い出になる。」


……いわれねぇでも。
そのつもりだよ。ばーか。

⏰:10/06/29 20:37 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#146 [愛華]
できるかぎりの愛を君に。
できるかぎりの苦しみを君から。


クサいかもしんねぇけど。

これが俺にできるすべて。

⏰:10/06/29 20:39 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#147 [愛華]
あれから二日。
那佑はまだ病室に来ない。


……変だな。

昨日は純さんの誕生日だったはず

那佑なら、一目散に報告
してくるはずなのに……

⏰:10/06/29 20:45 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#148 [愛華]
……なんか……あったのか?

胸がざわつく。
嫌なかんじがする。


「スイマセン!!
聞きたいことあるんですけど」


俺は通りすがりの看護師の
腕をつかんだ。

⏰:10/06/29 20:48 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#149 [愛華]
那佑に出会って、
もうすぐ、一ヶ月。

いつのまに、こんなに
君のことを好きになったんだろ。


こんな時にも、桜は
綺麗に咲いていた。
それはそれは 綺麗に。

⏰:10/06/29 20:51 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#150 [愛華]
「……那佑」

今、なにを想ってる?


月が綺麗だった。

あの日も………こんなふうに
月と桜が綺麗な夜だったな。

なんとなく、那佑が泣いてる
ような気がした。

⏰:10/06/29 20:54 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#151 [愛華]
ふっと、窓の下をみた。

もしかしたら、また君が……

「……那佑」


俺は階段を下りていった。
松葉杖で、踏み外さないように
気をつけながら。
見つからないように
細心の注意を払って。

⏰:10/06/29 20:57 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#152 [愛華]
はやく、はやく行かなきゃ。
今度こそ。


近くに、従業員用の小さな
玄関があった。
その時、運よく近くには
誰もいなかった。
俺は迷わず、そこから出た。

⏰:10/06/29 21:01 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#153 [愛華]
こんなに簡単に抜け出せる
ものなのか
とか思いながら、
俺は中庭に急いだ。


「……那佑」


那佑は桜を見ていた。

………あの日のように。

⏰:10/06/29 21:18 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#154 [愛華]
「……あれ、隆則じゃん。
どーやってココに?」

那佑はゆっくり振り向いた。
目が少し赤かった。

「…泣いてんじゃないかって…
思って。」


「泣く……?私が?
……そっか、知ってるんだ。
……純さんが死んだこと」

⏰:10/06/29 21:30 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#155 [愛華]
「……」

俺は何も言わなかった。
…ううん。言えなかった。

那佑があまりにも悲しそうで
……美しかったから。

「……私……泣けなかった」

⏰:10/06/29 21:33 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#156 [愛華]
「純さんが死んだって知った時。
だって急すぎるよ。
この前まで……笑ってたのにさ」

「……うん」

「純さんには…私と違って
未来がいっぱいあったのに。

⏰:10/06/29 21:37 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#157 [愛華]
なのに。
神様はひどいよね、ほんと」

「…うん」

那佑は桜の木に手をあてた。

「この桜ね。あたしが入院
したてのころは、もう少し
低かったんだよ」

あ……ちょっと笑ってくれた。

⏰:10/06/29 21:40 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#158 [愛華]
「あたしより後に入院したのに
あたしより先に退院してく人を
………何人も見てきた。
ってゆーかほとんどそう
だったんだけどね」

那佑は…話し続けた。

「でも……あたしより先に
死んじゃう人もいて。
その度に
あたしもいつか、こうなるんだ
って思ってた。」

⏰:10/06/29 21:46 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#159 [愛華]
「……冷たい人間だよあたし。
死ぬことなんか、ちっとも
怖くなんかないって……
思ってた」

「……うん」

「……純さんね、
腕時計壊れてたの」

………腕時計??

⏰:10/06/29 21:49 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#160 [愛華]
「それを知ったのは、
一ヶ月くらい前。
考えてみればさ、
すぐ買えばよかったのに……
純さんは不便な生活で我慢して
一ヶ月過ごした」

那佑は……なにが言いたいんだ?

⏰:10/06/29 21:52 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#161 [愛華]
「…純さん知ってたんだよ。
あたしが誕生日プレゼントに
腕時計、買ってあげること。
だから一ヶ月ずっと
腕時計かわなかったんだよ」

那佑は一呼吸おいた。

「…ばかだよね。ほんと。
居眠りトラックなんかに……
ひかれちゃってさ……」

那佑はいつのまにか泣いていた。

⏰:10/06/29 21:55 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#162 [愛華]
「…あたし……
泣けなかったんだよ……」

大粒の涙が那佑の小さい瞳から
次々あふれていく。

「……あたしも……
いつか……死ぬ………」


もう……いいよ、那佑。

「あたしっ……」
「もういーよ」

俺は那佑を抱きしめた。

⏰:10/06/29 21:59 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#163 [愛華]
「……もういーんだよ。
お前は……優しいな」

「隆則っ……ばかじゃんっ…」

「……そーかもな」


「………あたしの事………
隆則も忘れちゃう?」

「……忘れねーよ。こんなばか」

⏰:10/06/29 22:03 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#164 [愛華]
「……出会ってちょっとしか
たってないのに……?」

「時間なんかどーでもいーよ。
お前のことは忘れない。
存在は絶対きえない。」


那佑は強く頷いた。

⏰:10/06/29 22:07 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#165 [愛華]
「……たかの……りっ…」

あれ、なんか頬っぺた熱いな。





ああ……俺が泣いてんのか。

⏰:10/06/29 22:12 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#166 [愛華]
「あたし…っっ………



………死にたくないよ……」


それは君が初めて見せた
『弱音』という名の『本音』。


生まれて初めて
誰かの為に 涙を流した。

⏰:10/06/29 22:14 📱:840SH 🆔:khB4iVoE


#167 [愛華]
〜那佑Side〜

⏰:10/06/30 00:10 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#168 [愛華]
私のすぐ近くで

その人の存在は消えた。


不思議と涙はでなくて。

襲ってくるのは喪失感だけ。


純さん…………なんで?

⏰:10/06/30 18:56 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#169 [愛華]
聞いたところによると
バスに乗るため急いで
道路を渡っているところを、
居眠り運転していたトラックに
正面衝突。

即死。


私は純さんを見ることは
できなかった。

⏰:10/06/30 21:47 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#170 [愛華]
人間ってなんて もろいんだろう。

昨日まで当たり前のように

存在していた命が

今日には、消えている。

悲しくて、儚くて。
だから、余計に辛くて。

⏰:10/06/30 21:52 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#171 [愛華]
死ぬのが怖くない なんて

ただの強がりだったんだ。

ほんとは、怖くて怖くて
たまらなかった。

毎日が恐怖の連続で。

そんな日々からの自己防衛。

「どうせ、そのうち死ぬ」

ってひたすら自分に言い聞かせた。

⏰:10/06/30 21:55 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#172 [愛華]
どーしようもないことなんだ。

そう言い聞かせて。

恐怖から自分を守っていた。


でもほんとは違ったんだよ。

ほんとは気付いて欲しかったんだ。


………私の気持ち。ちょっとでも。

⏰:10/06/30 21:59 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#173 [愛華]
自分で自分に嘘ついてたんだ。


ほんとは怖くてたまらないくせに

……あたし、ばかだね。

隆則。あたしね…………

死にたくないよ。やっぱり。

⏰:10/06/30 22:03 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#174 [愛華]
ぜいたく言わない。

百歳まで、なんて言わない。


ただ、普通に。

大切な人と一緒になって
お母さんになって
おばあちゃんになって。

それだけでいいの。


それは………
……………わがままでしょうか?

⏰:10/06/30 22:12 📱:840SH 🆔:FZ/7f0dI


#175 [愛華]
-----------------------------
どのくらい泣いただろう。

隆則の腕の中は安心して。

私はいつのまにか眠っていた。

⏰:10/07/01 08:19 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#176 [愛華]
夢をみた。
しあわせなゆめ。

純さんがいる。笑ってる。

あ、いやだよ。行かないでよ。

純さんはゆっくり振り向いて
なにかをつぶやいた。

でも、それがなにかは
聞こえなかった。

⏰:10/07/01 08:24 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#177 [愛華]
隆則の胸はあったかくて
心地好くて。

ずっと人の温もりを忘れていた
あたしに『安心』
をあたえてくれた。

隆則は……いろいろなものを
あたしにくれるね。

⏰:10/07/01 08:26 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#178 [愛華]
「………ん。」



「……お、起きた」

ここ…………まだ庭?


「…あたし……寝ちゃった?」

「……2時間くらいな。
今、夜中の3時。
さすがに松葉杖じゃお前
運べねーからさ。どーしよーか
悩んでたとこだった」

⏰:10/07/01 08:34 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#179 [愛華]
「……ありがとう」

「…ん?なにがだよ?」


そばにいてくれて…

その言葉は飲み込んだ。


ポケットに手を入れると、
ゴツッとした感触があった。

⏰:10/07/01 15:02 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#180 [愛華]
「……あ」

「………それって…」


純さんにあげるはずだった時計。
……もう必要なくなっちゃった。

私は時計を池に投げようと
振りかぶった。

⏰:10/07/01 15:06 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#181 [愛華]
「ちょっと!!待てって!!」

隆則は止めた。

「……それ、俺もらってい?」


「はぁ??なんで??」

「捨てるくらいなら、もらう」

隆則はあたしから時計を奪った。

⏰:10/07/01 15:08 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#182 [愛華]
「……似合うか?」


似合うわけないじゃん。
それ、女物だし。

「似合うわけないでしょ
ばーか!!」

「…んだと!?このやろ!」

さりげない、優しさ。
胸が苦しくなる。すっごく。

どうして…こんなに優しく
してくれるの?

⏰:10/07/01 15:12 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#183 [愛華]
私は出会ったばかりのこの人に
甘えてばかりだね。

「隆則あのさ、今日いったこと…
あまり……気にしないで?」

「なんで?
俺は嬉しかったけど?」


え?迷惑かけてるのに……

⏰:10/07/01 15:15 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#184 [愛華]
「会ったばっかの俺に
ほんとの事いってくれたし…

お前、いつも笑ってっけど
なんか違う気がしてたからさ」


隆則は……気付いてたんだね。

また胸が苦しくなる。

「明日もまた来いよ!!
元気ださねぇと純さんに
笑われっぞ!」

不器用な優しさでいっぱいの人。

⏰:10/07/01 15:20 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#185 [愛華]
隆則……
私にとってあなたは特別みたい。

それがなんていう名前の
気持ちなのかわかんないけど

あなたが笑って欲しいなら
あたし、笑うよ。いっぱい。

あなたの笑顔がみたいから。

⏰:10/07/01 15:23 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#186 [愛華]
次の日。
私はいつもどおりの朝を
迎えた。

その日は検査とかで色々
ドタバタしてて、隆則のところに
行くのは3時ごろになって
しまった。

⏰:10/07/01 15:26 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#187 [愛華]
はやく、隆則に会いたい。
子供みたいにはやる気持ち。

あたしはスキップで廊下を進んだ


「隆則ーきたよー!!」

ガラッと病室のドアを開けると、

そこには隆則がいて。
その隣には綺麗な女の人がいた。

⏰:10/07/01 15:29 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#188 [愛華]
…………誰?

「あ、はじめまして。
隆則の………友達ですよね?」

「…あ、えと……」

「速水梓(はやみあずさ)
といいます。もしかして…
あなたが那佑さんですか?」

⏰:10/07/01 15:33 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#189 [愛華]
「えと……そうですけど」

「私も同じ17才なの!
隆則からいつも話はきいてるよ」

いつも? ……いつも来てるの?
「自己紹介とかいーから、梓。
那佑、わりーな。コイツ、
幼なじみなんだ」

⏰:10/07/01 15:35 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#190 [愛華]
隆則が付け加えるように言った。

「あ、そなんだ。えと……
よろしくね、速水さん」

「あはは、梓でいーよー
タメなんだし。
それより、タカきいてよー」

一通りあいさつを終えると
梓は隆則と話し出した。

⏰:10/07/01 15:42 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#191 [愛華]
タカ……って呼んでるんだ。

あたしは意味のわからない
モヤモヤでいっぱいだった。

目の前で仲良さそうに話す
二人は……まるで恋人のようで。


ほんとに…ただの幼なじみ?

⏰:10/07/01 15:45 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#192 [愛華]
「……タカ、喉かわかない?
あたし、那佑ちゃんと
ジュース買ってくるね!!」

「「え?」」

あたしと隆則の声が重なった。

「じゃ、いってきまーす」

あたしは強引に梓に
連れてかれた。……なんで!?

⏰:10/07/01 15:48 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#193 [愛華]
「〜♪」
鼻歌を歌いながらジュースを
選ぶ梓。


……なんなの、いったい。


「ねー那佑ちゃん、コレでい?」

「あ、うん……」

⏰:10/07/01 15:50 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#194 [愛華]
「ねー那佑ちゃんとタカって
どーゆー関係?」

梓は小銭を入れながら聞いてきた

「どういうって……」


どーゆー関係なんだろう?

友達なんて大層なもんじゃない。
といって、知り合いってほど
薄い関係ではない。
………ましてや恋人なんかじゃ
絶対にない。

⏰:10/07/01 15:54 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#195 [愛華]
そんなあたしの気持ちを
知ってか知らずか。
梓は
「ふーん」 とだけ呟いた。


ジュースを買うと、梓は
近くのベンチに腰掛けた。

……あれ?病室もどらないの?

⏰:10/07/01 15:56 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#196 [愛華]
「…ほら、那佑ちゃんも座って!
ちょっと話さない?」

「…別に部屋もどってからで…
それじゃダメなの?」

あたしはあくまで、突っぱねた。

あたしの本能がいってる。

これは………『裏』の顔。

⏰:10/07/01 16:00 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#197 [愛華]
「…冷たいなぁ。
………そのためにわざわざ
二人になったのに」

この女………

「…いいよ、ちょっと話そうか」

あたしはあえて話にのった。

なに話すのか見当もつかない。
出会ってまだ1時間も
たっていない女と……
楽しくおしゃべりなんて事
あるはずがないのは
馬鹿でもわかる。

⏰:10/07/01 16:03 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#198 [愛華]
梓はジュースを一口飲むと、
ふぅ、と一息ついた。

「単刀直入に言うね。
もう、タカに関わらないで」

「……は?」

なにを言ってるの…この人。

⏰:10/07/01 16:06 📱:840SH 🆔:8QiiEpMI


#199 [愛華]
「……どーゆー意味?」

声が震える。
……なんであんたなんかに。

「まんまの意味だけど?
………目障りなんだよね。
タカとたいした関係もないくせに
つきまとってさ。
那佑ちゃんタカの事すきなの?」

「……えっ……」

「あたしはすきなの。タカが。
……小さいころからずっと。

⏰:10/07/02 00:24 📱:840SH 🆔:SveFRjbc


#200 [愛華]
「タカが見てくれなくたって
そばにいられればいい。

……ねぇ、那佑ちゃんにとって
タカはどんな存在なわけ?」

どんな存在……?
大切な人だよ。苦しい時、
そばにいてくれて。
気持ちを聞いてくれた。
隆則だから……本音を話せた。

でも、きっとそれは恋じゃない。

……ほんとうに?

自問自答して答えられずにいると
梓が言い捨てた。

⏰:10/07/02 00:30 📱:840SH 🆔:SveFRjbc


#201 [愛華]
「…その程度の気持ちなら
もう隆則に近づかないで。
……どーせ退屈しのぎくらい
の存在なんでしょ?

退院したら終わる関係なんだし」

退屈しのぎ?あたしにとっての
隆則は…ほんとにそうだったの?

あたしは…何も言えなかった。

⏰:10/07/02 00:35 📱:840SH 🆔:SveFRjbc


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